くる天 |
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田中_jack さん |
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平成26年版防衛白書に見る日本の安全保障政策の大転換 その1 |
[防衛] |
2014年8月26日 3時52分の記事
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日本の安全保障政策は、自衛隊創設60周年の7月1日に、「集団的自衛権の行使容認」を閣議決定したことで、大きな転換点を迎えた。 そのような中、今月、「平成26年版防衛白書」が閣議で了承され、発刊された。 特集記事を組み、その大転換を解説したい。 尚、マル秘関係などの内容は、別途有料記事にて報告させて頂きます。 記事内容など、お気軽にご質問、お問い合わせ下さい。 心からお待ち申し上げます。
その1では、「集団的自衛権の行使容認」を閣議決定したことで、日本の安全保障政策の基本の何が変わったのかを解説していきたい。
まず明確に変化したことは、安全保障の根拠となる考え方が大きく変化したことだ。 これまでは、日本国憲法は必要最小限の自衛力は認められるとの政府見解であったが、「平成26年版防衛白書」では、p119〜p120にて、「憲法第9条のもとで許容される自衛の措置」の項目で、以下の見解を打ち出している。
(前略)「パワーバランスの変化や技術革新の急速な進展、大量破壊兵器などの脅威などによりわが国を取り巻く安全保障環境が根本的に変容し、変化し続けている状況を踏まえれば、今後他国に対して発生する武力攻撃であったとしても、その目的、規模、態様などによっては、わが国の存立を脅かすことも現実に起こり得る。
わが国としては、紛争が生じた場合にはこれを平和的に解決するために最大限の外交努力を尽くすとともに、これまでの憲法解釈に基づいて整備されてきた既存の国内法令による対応や当該憲法解釈の枠内で可能な法整備などあらゆる必要な対応を採ることは当然であるが、それでもなおわが国の存立を全うし、国民を守るために万全を期す必要がある。
こうした問題意識のもとに、現在の安全保障環境に照らして慎重に検討した結果、わが国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないときに、必要最小限度の実力を行使することは、従来の政府見解の基本的な論理に基づく自衛のための措置として、憲法上許容されると考えるべきであると判断するに至った。
わが国による「武力の行使」が国際法を遵守して行われることは当然であるが、国際法上の根拠と憲法解釈は区別して理解する必要がある。憲法上許容される上記の「武力の行使」は、国際法上は、集団的自衛権が根拠となる場合がある。この「武力の行使」には、他国に対する武力攻撃が発生した場合を契機とするものが含まれるが、憲法上は、あくまでもわが国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち、わが国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として初めて許容されるものである。」
つまり、我が国だけではなく、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合には、自衛権の行使が出来るということである。 また、武力行使の際には、国際法と憲法解釈とは、区別して理解する必要があることである。
要するに、「日本や日本の同盟国や友好国などに対して、日本は自衛権の行使をします。しかし、それには日本の都合や戦略があります。」ということだ。
自衛権を行使できる地理的範囲については、p120にて、「わが国が自衛権の行使としてわが国を防衛するため必要最小限度の実力を行使できる地理的範囲は、必ずしもわが国の領土、領海、領空に限られないが、それが具体的にどこまで及ぶかは個々の状況に応じて異なるので、一概には言えない。 しかし、武力行使の目的をもって武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣するいわゆる海外派兵は、一般に自衛のための必要最小限度を超えるものであり、憲法上許されないと考えている。」としている。 日米安保条約などで地理的制約が長年議論されてきたが、その制約はこれで完全に排除されたことになる。
また、憲法9条の交戦権についても、p120にて、「憲法第9条第2項では、「国の交戦権は、これを認めない。」と規定しているが、ここでいう交戦権とは、戦いを交える権利という意味ではなく、交戦国が国際法上有する種々の権利の総称であって、相手国兵力の殺傷と破壊、相手国の領土の占領などの権能を含むものである。
一方、自衛権の行使にあたっては、わが国を防衛するため必要最小限度の実力を行使することは当然のこととして認められており、たとえば、わが国が自衛権の行使として相手国兵力の殺傷と破壊を行う場合、外見上は同じ殺傷と破壊であっても、それは交戦権の行使とは別の観念のものである。ただし、相手国の領土の占領などは、自衛のための必要最小限度を超えるものと考えられるので、認められない。」として、国際法上、概念や規定がない「交戦権」を事実上、規定は無効と解釈している。 これは当然の措置であろう。
(以下、その2に続く)
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