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新しい防衛大綱や中期防衛力整備計画が閣議決定、中国の軍備増強等で早期に見直されるだろう!! |
[防衛] |
2018年12月20日 0時0分の記事
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12月18日、新しい防衛大綱や中期防衛力整備計画が閣議決定されました。 その内容は、後日詳細に別シリーズでご評価させて頂きますが、筆者としては「まだまだ」のレベルだとは思いますが、早急に日本の防衛力の体質改善や先端技術などを駆使したミサイル防衛体制や即応体制の強化を推進する姿勢は評価されるべきかと存じます。
12月18日11時05分にロイターが「新大綱・中期防が決定、総額27兆4700億円 F35追加購入105機」の題で、次のように伝えました。
『[東京 18日 ロイター] - 政府は18日、新たな「防衛計画の大綱」(防衛大綱)と2019─23年度の5年間の次期中期防衛力整備計画(中期防)を閣議決定した。新たな大綱には、従来の陸・海・空に加え宇宙・サイバー領域での対応強化を明記した。与党内にも異論のあった護衛艦「いずも」の事実上の空母化や、空母に垂直着陸できる戦闘機「F35B」の導入も事実上明記した。
この結果、中期防の予算総額は27兆4700億円と過去最大に膨らむ。最新鋭のステルス戦闘機「F35」を、24年度以降も含め中期的には105機追加購入するなど、高額装備品の調達が押し上げ要因となる。中国の軍備増強を背景に装備品の購入を求める米国の意向をくんだことも影響したとみられる。
<中国や宇宙・サイバー念頭> 大綱は「中国などのさらなる国力の伸長などによるパワーバランスの変化が加速化・複雑化し、既存の秩序を巡る不確実性が増している」と明記し、地政学的には中国の軍備増強や米国の相対的地位低下が念頭に置かれている。
技術面では宇宙やサイバー、電磁波への対応、戦術面では戦時・平時とも判別の難しい状況での防衛を確実にする「ハイブリッド戦」への対応も重視した。 このため大綱の基本概念は、使用可能なあらゆる手段を総動員する「多次元統合防衛力」と名づけた。2013年の前回大綱では「統合機動防衛力」、10年の前々回大綱では「動的防衛力」としていた。 さらに「あらゆる政策手段を体系的に組み合わせることなどを通じ、平素からの戦略的なコミュニケーションを含む取り組みを強化する」と盛り込んだ。
<予算総額は現中期防から2兆8000億円増> 中期防の予算総額は、13年に策定された現在の中期防(14─18年度)の約24兆6700億円から約2兆8000億円上積みする。F35の大量購入に加え、早期警戒機「E−2D」9機、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」2基など、米国からの巨額調達が膨らむことが主な要因だ。
今回初めて新規購入する戦闘機など装備品については取得枠を設け、17兆1000億円を上限に設定した。後年度負担については「財政制度審議会などでの歯止めをかける必要があるとの指摘も踏まえた」(防衛省関係者)という。予算や計画は、3年後に国際情勢や技術動向、財政事情に応じて必要な場合見直しを行なう。
同時に5年間の防衛費総額は、合理化などコスト削減努力により25兆5000億円程度へと約2兆円程度抑えるとの方針も明記された。現行の中期防にも7000億円の経費圧縮目標が記載されていたが、圧縮幅は新中期防が大きい。「重要度が低下した装備の運用停止などコスト抑制や装備品の最適化を組み合わせて削減努力を進める」(防衛省関係者)という。 国内防衛産業への競争原理の導入や、契約制度の見直しを進めコスト削減も進める方針だ。
<F35・147機体制、うち42機が空母対応F35B> 中期防の決定に合わせて、政府は現在200機保有するF15型戦闘機のうち、改修に適さない99機の代替機としてF35を購入することも決定。訓練用途の6機も含め、105機を中期的に買い増す方針を決めた。既に購入決定済みの42機と合わせ、F35は147機体制となる。
このうち42機は短距離離陸と垂直着陸が可能な機種に変え得るとしており、事実上はF35Bの購入となる見通し。空母への搭載や、滑走路の短い離島の防衛を念頭に置いている。 中期防では、19年度からの5年間で45機のF35を購入し、うち18機を短距離離陸・垂直着陸対応(事実上F35B)とすると明記した。大綱と中期防の双方に、海上自衛隊の護衛艦いずもを事実上の空母に改修することが明記された。
F35は現在組み立ての最終段階のみ国内で行なっているが、19年度以降は「完成機輸入を検討する」(防衛省関係者)方針に転換した。米国直輸入と比較して最終組み立てを国内側で行なうと割高となるためで、コスト抑制を重視する財務省などの意向に配慮した。 F2戦闘機の次世代機については、日本主体で共同開発する方針を明記した。 宇宙・サイバー領域への対応として、航空自衛隊に宇宙領域の専門部隊を新たに編成するほか、陸海空など共同の組織としてサイバー防衛部隊も編成する。電磁波の専門部署も創設する。陸上自衛隊に弾道ミサイル防衛部隊を2個新たに編成し、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア(陸上イージス)」を整備する。 島しょ部の防衛を念頭に、迎撃が難しい超音速誘導弾の研究開発も進める。早期警戒機E−2Dに対する共同交戦能力の付与も推進。各分野への人工知能(AI)の導入や無人航空機(ドローン)の整備、水中ドローンの研究開発も進める。 少子高齢化による自衛隊の担い手不足に対処するため、宿舎の整備や老朽化した備品の更新など生活・勤務環境の改善や、給与面の改善を含む処遇の向上などを進める。
<空母保有に与党内からも異論、「艦載機部隊作らない」> 今回の新大綱・中期防に対しては、政府・与党内から異論も出た。公明党などは、いずも改修による空母保有が専守防衛の原則に反する可能性を懸念。 その結果、いずもは改修後もF35Bを常に艦載するような「艦載機部隊を作ることはない」(防衛省関係者)という方針を採用。必要時に空母として利用することになった。 自民党の提言などを反映し、次世代戦闘機については日本主体での共同開発が盛り込まれたが、技術・採算両面から疑問を呈する声が与党内や経済官庁内でも出ている。
竹本能文』
次期戦闘機は日本主体での「国産戦闘機」とする方針や、「重要度が低下した装備の運用停止などコスト抑制や装備品の最適化を組み合わせて削減努力を進める」方針は、現状の陸自の装備体系を鑑みれば、当然の考えかと存じます。 特に陸自で際だって目立つ、購入した装備の旧式化に対しては破棄して更新を進める事も大切です。
更に、中国や南北朝鮮など、日本の安全保障に重大な脅威を与えうる国や地域に対していかに対抗し、防衛力を盤石にするかは、これらの防衛大綱や中期防衛力整備計画の方針だけでは不十分であることも事実でしょう。 人員や装備の数量は、稼働率と相俟って充分な数量を揃える事は、国際政治や国際軍事には欠かせない「切り札」にもなるからです。 「いずも」の空母化やF−35Bの導入だけではなく、未来を見据えた早急な防衛力の整備や更なる数と質の双方での改善が求められています。
新しい防衛大綱や中期防衛力整備計画が閣議決定、中国の軍備増強等で早期に見直されるだろう!!
12月11日、首相官邸にて開催された安全保障と防衛力に関する懇談会で発言する安倍首相 出典:首相官邸HP
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