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復刻版!洪水、サイクロン、ソーシャル・メディア
 
2011年12月21日 22時14分の記事

第2回「洪水、サイクロン、ソーシャル・メディア」
(日豪プレス2011年3月号掲載
http://nichigopress.jp/nichigo_news/goleaks/26538/)

豪リークス第2回は、豪北東部QLD州の洪水とサイクロンの被災現場レポートと、被災地で有効な情報ソースとして脚光を浴びたソーシャル・メディアについてお伝えする。サイクロン上陸の日にケアンズの避難所で女児を出産した日本人女性にもインタビューした。

◇洪水去ってサイクロン
(写真:2月3日ケアンズ郊外の民家前で根こそぎに倒された木)

「サンシャイン・ステート(陽光州)」のキャッチフレーズを持つQLD州に、大洪水と大型サイクロンが立て続けに襲った。

 南米ペルー沖の海水温度が低下する“ラニーニャ現象”が原因とされる大雨により発生した大洪水は、フランスとドイツを合わせた面積を超える広範囲に拡大し、住民20万人以上に影響を及ぼした。1月13日、ブリスベン川の水位がピークに達したのに伴い、我々は洪水が迫る州都ブリスベンに入った。幸い当初予想されていた過去最高の水位5.5メートルに1メートルほど届かず、ブリズベン中心部が水没するという最悪の事態は回避されたが、市内の道路は各所で冠水し寸断、低地の住宅や店舗が屋根まで水に浸かり、12万世帯以上が停電するなどした。

 その後洪水の被害を受けた地域の天候も回復、ギラード豪首相が水害復興税の導入を提案するなどしていたところに、今度はQLD州北部に「超大型サイクロン接近 !」というニュースが飛び込んできた。2005年にアメリカ南部を襲い、死者1,500人以上を出したハリケーン「カトリーナ」と同等の勢力を持つという超巨大サイクロンが迫っていたのは、世界遺産のグレート・バリア・リーフへの玄関口として有名な観光都市ケアンズ周辺だった。



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 2月1日、ブライQLD州首相は「サイクロンは生死にかかわる甚大な被害を及ぼす規模だ」と記者会見で発表、地元メディアはこぞって現地に向かった。我々も、ケアンズには多くの日本人観光客が滞在していることもあり、再びQLD州へと向かった。翌日からケアンズ空港が閉鎖されたため、サイクロン上陸時に現地で取材した日本のメディアは我々だけだった。

 ケアンズのホテルに到着した時には、既に時計の針が深夜0時をまわっていたが、部屋から見る外の景色は「本当に巨大なサイクロンが迫っているのか ?」と思わせるような静けさに包まれていた。翌朝から足止めされた日本人観光客に話を聞いたが、その多くがハネムーン・カップルで、彼らにそれほど切迫感はない様子だった。空港が閉鎖され帰りの便が欠航になっているのにもかかわらず、「予定されていたクルーズなどがすべてキャンセルで、今日は1日何をしようか悩んでます」とのん気に我々に答えた。

 台風、地震、火事、おやじ…(余計 !)に慣れている日本人に比べ、ヨーロッパからの観光客には悲壮感があった。インタビューに応じたアイルランド人バックパッカーは、今にも泣きそうな顔で「空港に行ったら飛行機がキャンセルだった。宿に戻り、もしひどくなったらトイレに隠れろと言われたんだ」と肩をすくめた。その横では、地元テレビ局のリポーターが、「ケアンズの街で英語が理解できない日本人観光客が路頭に迷っています…」と中継リポートを送っている。

 夕方過ぎ、いよいよ巨大サイクロンの上陸が近づいてきた。勢力はとうとう5段階のうち最高の「カテゴリー5」に増大した。これはまさにハリケーン「カトリーナ」と匹敵する大きさだ。「カテゴリー5」になると中心付近の風速は80メートル、時速にすると300キロに達するという。

 豪気象庁の情報も錯綜、サイクロンのケアンズ予想上陸時間は二転三転し、結局上陸したのは3日の午前0時過ぎだった。「ヤシ」は予想進路から南に外れ、ケアンズは壊滅的暴風雨の直撃を免れた。3日の午後には「カテゴリー1」にまでその勢力を急速に弱めたサイクロン「ヤシ」による死者は1人で、重傷者なども出なかったが、直撃を受けた地域では、港に停泊していたヨットがまるでおもちゃの船のように岸に打ち上げられ、サトウキビやバナナの畑が壊滅状態になるなどした。

◇サイクロン避難所で日本人女性が出産
(写真:プルス彰子さん提供の家族写真)

 そんな中、明るいニュースもあった。サイクロンが直撃した2月3日の早朝、日本人女性が避難所で女の赤ちゃんを出産した。この女性は、ドイツ人の夫とケアンズに在住する熊本県出身のプルス彰子(あきこ)さんで、彼女はサイクロン「ヤシ」の接近に伴い、ケアンズ郊外の学校の体育館に避難していたのだ。その彼女に出産した時の状況などを聞いた。「そこは体育館の準備室のようなところだったんですけど、マットを敷いてもらって、そこにいました。夜中の3時に陣痛が来て、6時に生まれたので、3時間で生まれたんですよ」と、淡々と語ってくれた彰子さんだったが、長男を自宅で産んでいるとはいえ、鎮痛剤など一切使わず、たまたま避難所に居合わせたイギリス人助産婦の助けにより、見事女の赤ちゃんを出産した。
「最後、生まれる時は、やっぱり叫びましたよ」と、少しだけ本音をのぞかせた彰子さん。それにしてもさすが “日本人お母さん”は強かった !彰子さんご夫婦は、この赤ちゃんの名前をサイクロンに因んで「ヤシ」とはしないで、「光をもたらす」という意味の「ルシア」ちゃんと名付けたが、大きな自然災害に相次いで見舞われたQLD州の人々に、まさしく一筋の希望の光をもたらす出来事だった。

◇被災地で「ソーシャル・メディア」が大活躍

 今回QLD州を相次いで襲った災害を取材して興味深かったのが、災害現場でインターネット交流サイトの「フェイスブック」や「ツイッター」などの「ソーシャル・メディア」が有効に用いられたことだ。

 これまでこうした「ソーシャル・メディア」に対しては、災害時に「流言飛語」を蔓延させかねないとの懸念もあったのだが、昨年5月から災害情報などの発信を開始したQLD州警察の「フェイスブック」には、洪水が最悪のレベルに達した日に、24時間で何と3,900万件のアクセスがあり、警察も被災住民からの情報をいち早く把握することができたという。

 今回被災地で発生した大規模な停電にもかかわらず、ワイアレス・インターネット網は機能し続けた。通常大災害時には電話回線がパンクしてしまうものだが、被災住民の多くが、電気が止まってもバッテリーで稼動する携帯電話やパソコンから「フェイスブック」などにアクセスし、警察の最新情報を入手したのだ。“既存メディア”であるテレビや新聞なども、「ツイッター」で刻一刻と発信される被災地からの “生の声” を積極的に取り上げ、地元テレビのリポーターも、中継車が入れない現場からインターネット電話を通じて生中継していた。 

「ソーシャル・メディアに関わらない“リスク”の方が、関わることによるリスクよりも大きい」と、QLD州警察当局者が地元新聞の取材に答えているように、「ソーシャル・メディア」の影響力は、日々高まっている。

「フェイスブック」により今年2月の “エジプト革命” が誘発され、尖閣諸島中国漁船衝突事件では、動画投稿サイト「ユーチューブ」上で映像が暴露された。豪州で起きた自然災害でも活躍した「ソーシャル・メディア」の参加者が、携帯電話の加入者並みに増える日もそう遠くないかもしれない。

写真付の記事はこちらで。
http://nichigopress.jp/nichigo_news/goleaks/26538/


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