TOITAの「航空無線通信士受験クラブ」第27期受験直前講座 (21)PLLの解答 | |
[無線工学] | |
2021年2月24日 9時30分の記事 | |
第27期受験直前講座 (21)PLLの解答 今回は、PLLについての演習問題の解答と解説を行いま す。 いつもの様に、問題からご覧下さい。 [演習問題28] 図は、VHF帯送信機の発振部などに用いられる位相同期 ループ(PLL)を用いた 周波数シンセサイザー発振器の原 理的構成例を示したものです。 ( )内に入れるべき字句 の正しい組合せを下の番号から選んで下さい。 続きは、続きを読むをクリックしてお読みください。 全文無償で公開しています。 [受験クラブより] 貴方の受験される航空無線通信士は、自己投資に 値しない資格なのでしょうか? 新コロナ・ウィルスで中々外へもだ掛けられい今だ からこそ、受験勉強をしてみるのも良いのでは、な いでしょうか? 合格を手にするかどうかは、貴方次第なのです。 「時は、金なり」と言いますが、50円を有効に使えて いますか?。 本文には、見本部分の数倍の重要な記事が書いて あります。 特に2月期の試験は、航空大学校の入学や就職に と大変重要な試験になります。 独学が難しい事は、特集記事でお話した通りです。 試験迄は、思った程、時間がありません。 時間を無駄にして後悔されない様、是非、本文をお 読み下さい。
第27期受験直前講座 (21)PLLの解答 今回は、PLLについての演習問題の解答と解説を行いま す。 いつもの様に、問題からご覧下さい。 [演習問題28] 図は、VHF帯送信機の発振部などに用いられる位相同期 ループ(PLL)を用いた 周波数シンセサイザー発振器の原 理的構成例を示したものです。 ( )内に入れるべき字句 の正しい組合せを下の番号から選んで下さい。 A B 1 遅延回路 周波数逓倍器 2 遅延回路 周波数逓倍器 3 位相比較器 高周波増幅器 4 位相比較器 電圧制御発振器(VCO) 5 遅延回路 電圧制御発振器(VCO) [演習問題28の解答と解説] 過去2回出題されていいます、PLL の問題では、”A"の部 分とLPFの部分の名称を問う問題ですが、 過去の2回は、 同一問題では、 ありませんでした。 今後、どの部分が問われるかわかりません。と言う事は、 その他の部分の名称が問われる可能性も あると言う事で す。 つまり、 PLL全体の動作が分かっていないと いけないと言 う事です。 送信機に期待される性能の 1 つに送信周波数の安定と言 う事があります。その為には、 水晶振動子を利用するの が良いのですが、ある帯域内で 送信周波数を変えて運用 する様な航空無線の場合、管制からの指示で 周波数を変 える度に水晶振動子を変える事は、困難です。 そこで、水晶振動子を使った発振回路の安定度を 持ちな がら 周波数を自由に変えられる便利さを持った PLLシン セサイザーの利用と言う事になります。 それでは、PLLの復習から行います。 PLLとは、Phase Locked Loop の事で試験では、”位相同 期ループ”と呼ばれています。 [PLLの原理] 図は、平成25年2月期に 出題された構成図を 当ブログの 画像の表示に合わせたもので VCOが LPFの下に描いて あります。 (基準発振器) それでは、左上の”基準発振器”から見て行きます。 この基準発振器には、水晶振動子を使用した周波数の安定 した発振器が使われます。 周波数を fr とします。 水晶振動子を使用する事でまず、 周波数の安定 と言う 条 件は、クリアーされました。 (VCO: Voltage Controlled Oscillato r・・・電圧制御発振器) 右下にありますVCOは、発振周波数が電圧で変えられる発 振器です。 ここでの発振周波数を fo とします。 (可変分周器) 分周とは、周波数を整数分の1にする事です。 この分周器は、 周波数指定情報を元に1/Nに分周する事が 出来ます。 (Nは、任意の整数で周波数情報により決まりま す。) 分周の身近な例は、時計です。 時計は、 水晶の振動を利用する事で画期的な安定度を得る 事が出来ました。 時計に使用される水晶振動子の周波数は 、2の15乗 (2^15=32,768 [KHz] )です。 この周波数を 1/2に15回する事で1秒間に1回の振動数とな ります。 分周の反対が周波数逓倍で元の周波数を整数倍して高い周 波数を得ます。 (位相比較器) 黒のSIN波は、 縦軸を電圧としますと 0 [V] から始まってい ますが、赤のSIN波は、+ の最大値から始まっています。 この始まりの位置を”位相”と言います。 位相比較器では、発振器からの frと可変分周器からのfo/N のSIN波の位相を比較します。 位相比較器では、2つの信号のズレを幅とする パルスが発 生します。(位相比較器は 位相差に応じた幅のパルスを発 生します。) (LPF:Low Pass Filter・・・低域フィルター) LPFでは、位相比較器からの出力に含まれる 雑音や 位相比 較器の出力の 整数倍の周波数成分(高調波)を取り除きます。 VCOの発振周波数は、この電圧を元に決まります。 赤の矢印で 示して有ります様にループに なっています。この ループを PLLループと言います。 fr = fo/N の状態をロック状態と言います。 VCOが発振する周波数は、fo = fr・Nと言う事になります。 つまり、 PLLの出力は、fr の 1倍、2倍・・・・・N 倍と言う様に、 fr のステップで周波数を変える事が出来ます。 例えば、fr =1 [MHz] 。fo = 100 [MHz] とします。 そして N = 100 としますと、foは、100 [MHz]で安定します。 今度は、 N = 101 としてみますと fo は、 fo = fr x 101 =101 [MHz] で安定します。 これで、 2つ目の条件の周波数の可変を実現する事が出来ま す。 PLL は、周波数が安定していてなおかつ発振周波数を変える 事が出来る発振器と言う事になります。 (コイルと 可変容量コ ンデンサーによる発振回路回路の様に連続して周波数を変え る事は、出来ませんが、 航空無線のチャンネルは、25 [KHz] 間隔ですので、PLLを使用する事が出来ます。) 以上の事より答えは、”4” 。 今回をもちまして 2021年2月期向けの講座は、全て終了です。 半年間ご苦労様でした。 明日は、受験に勝つ為の”受験の心得”(極意)”をお話します。 | |
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