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2010年11月15日 10時13分
競争的になると
 
貨物輸送の市場が競争的になると、鉄道を利用する貨物輸送、すなわち、荷主からの集貨-積込み1鉄道輸送-取卸しー配達というシステム全体について、サービスの質の向上とコストの節減を図らないかぎり、貨物輸送市場において顧客を獲得することができなくなります。


本来、こうした事態のもとでこそ真の「唇歯輔車」の関係が求められるのですが、現実はむしろこれとは逆の関係であって、自分の担当する部分―たとえば鉄道輸送(オン・レールの部分)―についてのサービスの質の向上、


コスト節減よりは、それと補完的な部分ー集配・積卸しなどの通運業務のサービスの質の向上やコスト節減を求めたり、逆に自分の担当する部分―通運業務―と補完的な関係にある部分―鉄道輸送―のサービスの質の向上、


コスト節減が期待できなければ、鉄道を利用しない別の輸送手段による輸送―トラック運送事業―へ進出するという形になります。


国鉄の貨物輸送量の伸びが停滞しはじめた昭和40年代に入って通運事業に対して批判が強まったことがあったが、以上述べたような事情が背景になっていました。


従来いわれてきた「唇歯輔車」の関係の実態は、鉄道が市場を独占している場合に獲得可能だった利潤のなれ合い的「山分け」―幾分表現は悪いが―の関係であったから、市場の競争が激しくなり「山分け」の対象である独占的利潤がなくなってしまえば「蜜月」の関係が消滅するのは当然の成り行きでした。


物理的な意味での輸送システムとしてみるとき、鉄道の端末輸送にトラック輸送が必要であり、補完的な役割を果たしていることは事実です。


しかし、端末業務を現行の『通運事業法』鉄道が貨物輸送市場で独占的であることを前提に作られた法律1に規定する通運事業の枠のなかで運営することが、市場の実態にそぐわなくなってきています。


今日の通運事業の性格については、こうした輸送市場の変化を考慮に入れて考えることが必要です。


運送業界アナリストフジワーク
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2010年11月14日 10時13分
業務は五つに分けられる
 
第一が、通運取扱業と呼ばれるもので、自己の名をもってする鉄道による物品輸送の取次または受取りです。


第二は、通運代弁業で、鉄道によって運送される物品の他人の名をもってする鉄道への託送または鉄道からの受取りです。


第三は、鉄道集配業で、鉄道により運送される物品の集貨または配達です。


第四は、鉄道によって運送される物品の貨車への積込みまたは取卸しを行う貨車積卸業であり、第五は、鉄道を利用して行う物品の運送で鉄道利用業と呼ばれています。


事業免許は、これら五つの業務のおのおのについて取扱駅ごとに行われてきました。


通運取扱業、通運代弁業および鉄道利用業によって貨物取扱量を増やせば、鉄道集配業と貨車積卸業の業務が増えるという関係にあるから、鉄道貨物輸送の増大と通運業務の拡伏抵ほ由鰯ば相互依存の関係にある。


従来、鉄道貨物輸送と通運の問の関係を表現するとき、「唇歯輔車」という言葉が使われてきたのはこのような理由による。


しかし、現実の市場において「唇歯輔車」の関係が成り立つかといえば、それはきわめて限定された条件の下においてのみ成立するに過ぎません。


鉄道が貨物輸送市場で独占的な地位を占めている場合には、通運の販売努力いかんにかかわりなく荷主は鉄道輸送を利用するから、通運業はいわぼ鉄道を利用する貨物輸送からあがる利潤の分け前にあずかる形になります。


鉄道は通運業に対して強い立場に立つことになるが、鉄道がそれ自身の利潤の極大化を目標としないかぎり、通運業の免許を得さえすれば必ず一定の―しかも比較的大きな―分け前にあずかることができます。


運送業界アナリスト フジワーク

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2010年11月13日 10時13分
特徴
 
通運事業の特徴は、鉄道輸送と不可分の関係にあることです。


工場や倉庫へ直接引込線を引いて鉄道輸送を利用する場合を除き、一般的に鉄道を利用する輸送はいわゆる端末業務-集配、積込み・取卸しなどーの補完的サービスを必要とします。


明治6年、前年の鉄道開通に引き続いて貨物取扱いが開始されると同時に、今日の通運業務が始まったわけであるから、トラック運送事業よりも歴史が古いことになります。


人力による貨車への積込み、貨車からの取卸し、馬車による集配という通運システムは、集配の部分が馬車から自動車へ順次代えられてきたとはいえ、戦後まで続きました。


戦後、ベルトコンベア、クレーン、フォークリフトなどの近代的な荷役機械が登場するとともに、それまでみられた貨車に人が群がって荷役を行う現象が見られなくなりました。


通運事業は、鉄道による貨物輸送を前提とするから、他人(荷主)の需要に応じて鉄道輸送の端末業務を担当するものであり、その業務は五つに分けられています。

それはまた次回更新時に。

運送業界アナリスト フジワーク
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2010年11月12日 10時12分
小規模企業と収益の低さ
 
区域トラック事業の企業は、すでに述べたように、経営成績が免許を受けた路線網の規模・性格によって大きな影響を受ける路線トラック事業とは異なり、規模にかかわりなく、同一の市場で荷主をめぐって競争しているので、


企業の規模による経営成績の差異、あるいは同一規模の企業間の経営成績の差異は、企業が荷主に対して提供する広義の運輸サービスの質と収受する料金、および運輸サービスの供給にかかわる費用の差異に依存します。


業界では経営成績の良し悪しは、企業が安定した良い荷主を顧客にしているかどうかにかかるといいます。


運輸事業者にとって「安定した」、「良い」荷主とは、好不況にかかわりなく安定した量の貨物を同一の事業者に十分に採算のとれる料金で運送することを託する荷主を意味すると受け取られていますが、


経営成績の良い事業者がこのような業者にとって都合の「良い」荷主に恵まれているが故に経営成績が良いわけではないでしょう。


公表されている統計から結論を引き出すことはできないが、比較的規模の大きい企業のなかに荷主の物流効率化に適合した質の高い運輸サービスを供給し得る企業が多く、規模の小さい企業のなかに他企業の傭車に依存する度合いの高い企業が多いのではないでしょうか。


不況期には貨物輸送需要が減少するので、傭車の需要も減少します。


傭車による収益に依存する度合いの大きい企業の経営成績が低下することはいうまでもありません。


また、供給する運輸サービスの質が同業他社のそれより優れている企業は、料金引下げによる「価格競争」によって荷主を確保する必要性が小さいのです。


比較的規模の小さい企業のなかには、こうした同業他社との間の競争に関して有利な立場に立つことができる企業が少なく、不況期には料金を引き下げて荷物を集めようとするために収益性が低下するように思われます。

運送業界アナリスト大木一雄
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2010年11月11日 10時12分
事業用有形固定資産額
 
従業員一人当たりの事業用有形固定資産額が、49年度に前年比49%も増加しています。


10両以下の小規模の企業の主たる事業用有形固定資産は車両であろうから、47、8年の好況が将来も持続されるものとして、車両の更新ないし増加を進めたために労働装備率が上昇したのではないでしょうか。


規模の小さい企業の付加価値額が伸びなかった理由は何でしょうか。


輸送効率の企業規模別の比較をみて気付くことは、10両以下の最小規模の企業と、11〜20両の規模の企業の実働率がこれらより規模の大きい企業と比べて格段に低く、222社のサンプルの平均68・18%に遠く及びません。


すなわち、規模の小さい企業では、車が遊んでいる割合が相対的に高かったことになります。


運送業界アナリストフジワーク
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