物語のない物語 1 | |
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2010年8月9日 12時28分の記事 | |
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何の事件も起こらない、 何の面白いことの起こらない、 物語のない物語 はじまりはじまり・・・
「それで、人は死んだのかい?」 「いいえ、人なんて死んでませんよ」 僕がそういうと、木島平先輩はなーんだと言ってちょっとがっかりしたって顔をした。 ここは東京都某市某図書館 僕は棚岸太郎 高校一年生だ。 彼女は木島平奈奈恵 高校二年生。 ボーイッシュで小説のような話が大好きだ。 先輩と僕が出会ったのは最近だ。 でもまあ、その話は今はいいか 今、僕は図書館で偶然出会った先輩に僕の実体験、といってもなにも面白くない、何の味もないお話である。 「人は死んでないけど、蝉はいっぱい死んでましたね」 といいながら僕はゴミ箱に向かって鼻をかんだティッシュを投げる。 わずかに外した おしい 「蝉なんかどこでだって死んでいるよ・・・」 「そうでしたね」 そういいながら僕はさっきおとしたティッシュを拾ってゴミ箱に入れる。 「で、それからなんですけど、隣にいたおじさんが急に立ち上がって・・・」 とまでいって僕はティッシュで鼻をかむ。 「風邪かい?」 「いえ、鼻炎なんですよ。一年中鼻ずるずるです」 そういって僕は再びゴミ箱に向けてティッシュを投げる。 大きく外した もうやになるね 「えーと・・・どこまで話しましたっけ?」 「おじさんが急に立ち上がったとこだよ」 「ああ、そうでしたね。立ち上がったおじさんはそのまま走ってどっか言っちゃったんですよ」 「はっくしょん!!〜」 大きなくしゃみだ。 「風邪ですか?」 くしゃみくらいで風邪だとは思わないけど、さっきの先輩をまねて言ってみた。 「ごめんごめん、ちょっと体が冷えちゃって・・・」 ちょっと照れ気味に言う先輩がちょっと可愛かった。 「ああ、ここけっこう冷えてますからね。別の場所に移りますか?」 「悪いね」 そう言って僕たちは図書館を出た。 −続く・・・ | |
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