イギリスのピーター・グッドフェロー博士羅は、Y染色体の先端付近で一つの遺伝子をみつけ,「SRY(Sex-Determining Region on the Y Chromosome ;「Y染色体上の性決定領域」の意味)」と名づけた。そして1991年,同じくイギリスのロビン・ラベルバッジ博士らは,SRY遺伝子をメスのマウスの受精卵に入れる実験を行った。すると,そのマウスには精巣がつくられ,オスへと性転換されるという衝撃的な結果が得られたのである。こうして競争に決着がついた。Y染色体をもつと男に産まれる理由は,精巣決定遺伝子であるSRY遺伝子が,Y染色体に含まれているためだったのである。