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くる天
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TALES OF  NIGHTINGALE
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原発稼動推進派企業の不買運動を
[”民主主義はタダでは手に入らない!”政治・経済・デタラメディア]
2012年6月10日 14時58分の記事

首相が原発再稼動に言及しましたが、原発は十分に安全であり、国民を守るためにそれらが必要だという彼の言葉が原発稼動のための方便に過ぎないことはおそらく国の中枢にいる首相本人が誰より知るところでしょう。

安全な原発など存在しないし、国民生活を守るはずの原発が一瞬にしてそれへの最大の脅威になる事は福島第一で目の当たりにしたところです立証済みです。

何の必然性もない電力ピーク時以外の稼動に至っては開いた口が塞がりませんわ。ここまで利権の犬とは思いませんでした。
どこがどじょうなんだか。その言葉にいまやボウフラほどの重みもないわ。

金曜の首相会見で気落ちしている脱原発派の方も多いでしょうが、まだやれる事はあります。
強固な利権を一朝一夕に切り崩すことはむずかしいかもしれませんが、あきらめないでほしいです。

今回の首相声明で川上からの原発離脱が困難となった今、私の考える次なる一手は、トヨタ等、原発稼動を後押しする経団連直属大手企業商品不買です。

環境共生型企業がCSRとして評価されているのと同様、自家発電や自然エネルギー、そして原発を所有する大手電力会社以外からの電気購入によってより原発依存度の少ないエネルギー供給を模索している会社を、エネルギー問題をより真剣に考える企業として評価し、同じような商品であれば、そういった企業のものを選別・購入することによって差別化することは、原発依存を減らすことを企業の至上命題である利潤最大化にリンケージする点で意味があると思います。

例えば、車を購入しようとする際に、やろうと思えばいくらでも自家発を増やせるだけの体力がありながら、利潤追求を至上とし、また大手企業割引分を個人向け電気価格に上乗せ転嫁するような電力会社ともたれあって、漫然と原発由来の電気に依存し続けるトヨタの車に乗るということは、原発利権の最大の後押しになるということを意識する、要するに消費行動に、「この品物を買うことによって原発の存在を後押しすることになるか否か」という基準を追加するということです。

上記トヨタのように漫然と3.11以前を当然の前提と夢想して原発を動かせとせっつく企業が存在する一方で、大規模太陽光発電を積極的に進めているソフトバンクのように、原発脱却を口先だけではなく行動に移している企業が実際に存在するのだから、消費者としての国民がそれらの会社の提供するモノやサービスをより優先的に選択購入するようになれば、企業は利潤追求に結びつく形で自社のエネルギー政策を考えるざるを得ず、原発離脱企業の後援になるばかりでなく、原発由来電力に平然と依存し続ける企業のそれから離脱への方向性、ひいては原発を所有する電力会社を下支えする最も大きな支柱を根元部分から切り崩す可能性につながるという点で、非常に意味があるのではないかと私は考えます。

デモや署名等の抗議行動も非常に意味があると思いますし、参加されている皆様の熱意には常に敬意を払うところですが、どうしても原発利権やそれを是とする対象に直接影響が及びにくいという点で効果が限定的な部分があり、この選択的消費行動が追加・徹底されるならば、それら抗議行動単独よりも一歩進んだ効果が期待できると思います。
電力会社の”上得意”であり存在肯定の根拠となっている個別の営利企業を消費者の不買行動で干し上げることができれば、それは電力会社の根を枯らすことにもつながり、脱原発への大きな原動力になるのではないでしょうか。

この手法は、逆説すれば、国民に相応の覚悟と意思がなければ、この行動は効力を有さず、効果が期待できないということです。

消費者としての国民の覚悟のほどが試されることになるでしょうし、本気で脱原発を願うならば、場合によっては、自分の嗜好や経済性にこの価値判断を優先せざるを得ない場面も出てくるでしょう。
しかしそれらの不便や不都合を託つことなくして利権が縦横無尽に根をはりめぐらせているこの国のあり方を改変することはおそらく不可能です。

個人的には、買って後悔するよりも買わずに後から後悔することのほうがずっと多く、今はやりの「ときめきの片付け術」的判断基準に従えば、我が家にある品々はどれもこれも役には立たないがときめくものがその逆よりも圧倒的に多い私でしたが、昨年3月11日、あの大津波によって、あまたの人命のみならず、そこに住まう人々が大切に買い集めたであろう物という物が一瞬にしてガレキの山と化すのを見た時ほど、『平家物語』の諸行無常ではありませんが、物をかき集めることのむなしさというものを感じたことはありませんでした。
おそらく私の物欲のなにがしかもまた、あの時波に呑まれ押し流された東北の方々の品々と一緒に、海の向こうに遠く流されたような気がします。
あの時人生において最低値に落ち込んだ購買意欲も、その後それなりに復活してきているようにも思えますが、それでも物を見る目は遥かに醒めている今、この「選別購入」は少なくとも私にとってはそれほどの苦痛や困難を伴うものではありません。

ここをご覧の皆様にとってははどうでしょうか。

先程も述べたように、国民の脱原発の意思が”本物”であり、それが消費選択行動として具体化するならば、今声高に原発を動かせと叫んで憚らない営利企業を選別淘汰し、ひいては利権の衰退に繋げる可能性すら存在すると考えます。

国民の意見と利益を代弁すべき行政という上からの原発離脱が期待できない今、本気で脱原発を願うなら、選挙以外にも川下からアクションをおこすほかありません。
それが権力に対して決して全くの無力でない事はイタリアやドイツの脱原発が証明していると思います。
そして本来国とはそういった下からのムーブメントと連動すべきものではないのでしょうか。

アラブの春が立証するようにインターネットや携帯等の情報伝達手段の飛躍的な発達によって支配層と被支配層のデジタルデバイス、情報の非対称性は大きく破られました。それは、国民ひとりひとりが情報発信源となり世界に影響を与え、また連帯できる可能性を開いた点で革新的であったと思います。
今の日本人は必要以上に自分達は無力だと思い込まされていますが、まずひとりひとりの行動が集積して大きな力になる事を認識する必要があり、特に脱原発においては、あきらめないことと自信を持つことは常に要求される最も大切な基幹です。

問われているのは常に国民の意思と覚悟であるべきであり、したがってまた、国のあり方を決めるにおいて最終的に優先されるべきも、利権の都合なんかではなく、それら国民の意思であるべきだと思います。


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