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イチョウの根 特性など
 
2017年1月24日 21時59分の記事

『イチョウ』より

イチョウの根

・土壌中の水分や養分の吸収
・いくらかの有機栄.養物質の貯蔵
・樹体を支持する作用

さらに 根蘗をよく出して 繁殖と更新の作用も始められる


イチョウ 根系

【垂直分布】
50〜100年生のイチョウ大樹の場合 根系深度は1.5m前後に達するが
根系の多くは20〜70?の土層中に見られ
その層中の根量は総根量の約76.4%を占める
適した土壌条件であれば根系の深度が5m前後にも達することがある
細根は20〜70?の土層に多く 総細根量の約81.8%を占める

【水平分布】
イチョウの水平側根は主根に比べて長く 一般に樹冠幅半径の1.8〜2.5倍
たとえば 50〜100年生のイチョウの場合 樹幹から5〜8mの範囲内の根重は総根重の62.5%を占め 細根は樹幹から4メートル離れると次第に多くなるが 9m離れると減る傾向にあり 5〜8mの範囲内の重量は細根総重量の77.3%を占めると言われる
50年生の実生樹は接ぎ木樹に比べて総根重が37.1% 総根重が36.4%少なかった という調査例がある
イチョウ根系の水平分布は広く 栄養吸収力を高めるほか 特に風などへの抵抗力を増加して樹体の保全に大きい力を発揮する

【年成長の動態】
イチョウの年間の根系成長では 二つの時期で高いカーブがあり
分布地域で異なるが 一般に根系は3月上〜中旬に芽生えが始まり12月上旬には成長が停止…期間は約250日
1回目の高いカーブは5月上旬から7月中旬に現れ 約70日間前後 その時期の根系成長量は比較的大きく 50〜100年生の大樹でその成長量は約80?になる
地上部の成長も同様なカーブを示すが その時期の樹体は養分や水分の要求が最大になる
2回目の高いカーブは10月中旬〜11月下旬に現れ 約40日間前後 根系成長量は小さく 同樹で約18?
その時期は種実が落下し 樹体の成長が緩慢になり 葉の黄変が始まり 葉と樹体の中の養分が還流するため 根系成長に有利となり2回目の高いカーブ期が現れる
イチョウ苗の植栽や接ぎ木用台木としての実生苗の栽培の幼齢木で 主根下部に果肉質根の発生を見ることがある


幹と枝

  イチョウは落葉喬木で樹幹がまっすぐ伸び、成長は比較的緩慢で結実開始は遅いが、期間は千年を上回り、寿命の長い果樹である。
  幼樹の樹皮は浅く縦に裂けているが、大樹の樹皮は灰褐色で、浅く縦に裂けて粗っぽい。
  枝条は長枝と短枝(鱗枝または乳枝とも言う)に分かれる。
  長枝の成長は早く、一年で1メートルに達するのもあり、輪生に近く、斜め上へ伸びる。一年目の長枝は浅黄褐色、2年目から灰色に変わり、細い縦裂紋が出てくる。
  枝には葉腋ごとに芽があり、節間があり、内にあまり発達しない髄心と皮部を持ち、木質部は硬く横断面の主要部分を占め、樹脂道がすこし見られる。靭皮部は薄く外部は皮膚と表皮の組織から成る。
  短枝は乳首状で一般に年成長が0.3センチ程度のごくわずか、頂端に頂芽があってそこから葉が群生する。落葉すると魚鱗状の痕跡が見られる。
  髄腔は大きく、中に多くの薄壁細胞の組織があり、外層は薄い木質部と靭皮部から成り、木質部は柔らかい。髄部は空隙が大きく亀裂状で、組織中に紅色の結晶粒がある。短枝中の管細胞は長枝に比べて大きい。
  茎幹中には螺状紋管細胞が二次生の木質部の孔紋管細胞で取り囲まれ、この木質部は縁孔を持った円形の管細胞で組成されており、茎の主要部分を占める。
  また柾目面では、管細胞壁に散生状で対生か互生する1〜2列の縁孔が見られ、板目面では紋孔が成長期と休眠期に交替して表われる。射線は一個の細胞でほとんど発達しない。年輪は比較的明瞭である。
  長・短の枝型を生ずる主な原因は、長枝頂端の分生組織で作られる初生茎組織中の細胞分裂と伸長する持続時間が短いためで、両種の成長方式は可逆的であるとされている。ある実験では、伸長する長枝中に発生する成長素が、腋芽が発育して長枝になるのを抑制し、短枝を形成させると発表している。 59

  イチョウが結実年齢になると、その延伸枝と頂側枝の中〜下部の腋芽は二年目に短枝を発生し、5〜10枚の葉を着けるが、冬季落葉後に短枝台に変わり頂部に混合芽を形成し、三年目に頂芽が結実枝を出して、葉腋に開花する。この短枝台は、年々枝を出し、結実した後も続けて形成され、一般に10余年も成長できる。
  また、延長枝と頂側枝は頂の数芽が長枝を出すほかに、節ごとの腋芽が短枝を出すことができて、年々結実するが、この腋芽からの短枝は位置的な陽光条件などの違いによって成育に差が見られる。
  中国の古樹で、大枝がまれに自然折断し、樹姿が乱れる現象がおこることがあり、外力の作用ではないが、その原因についてはまだ明らかになっていない。
  イチョウ大樹の主側枝か大枝の下面に、鍾乳石状の垂下がよく見られ、多くの呼称はあるが、日本では「チチ(垂乳)」と呼び、比較的雄樹に多い。 60


(芽と葉 より)

イチョウの学名 Ginkgo biloba の種名である biloba は、ラテン語の二裂の意であるが、実際には同一樹でも葉の裂け方に差異があり、樹齢や枝の類型などとのかかわりから、異形葉性として葉の系列中における重要な現象と見られている。
  葉の上部表皮には気孔がほとんど無く、下側が柵状組織で形成され、細胞内に多くの葉緑粒が含まれ、下部表皮には気孔が多く、海綿状組織の細胞中にも多くの葉緑粒が含まれる。そのため表裏両面とも色合いの深浅の差も少なく、緑色を呈する。ゆえにイチョウ葉には表裏の違いがないという説もある。
  葉脈は規則的に、二叉分岐する維管束で、その集合が葉柄となるが、この形態は一つの特徴であり、シダ類植物に多く見られる。 (61)
 葉の角質層は病原菌の侵入や物理的損傷を受けると、細胞壁が厚みを増し防止することが知られており、また葉には多種の有機酸などの含有が認められて、それが抑菌・殺虫の作用を起こすと言われ、これがイチョウ長寿の重要な要因になっている。
  イチョウ種実が葉上に着生するオハツキイチョウ葉は、正常な葉の三分の二〜五分の三と小さく、奇怪な感を与える。 63


(花と種実 より)

一般に木本植物は種子の発芽から幼年期・成熟期の時間を経て老衰期に入る。当初の発育は栄養成長を主とし、個体形成の時期であるが、生理的条件が整うと生殖成長へ移り、成年期の到来を示す花を着ける。そして開花〜栄養成長〜結実〜芽形成〜休眠の年周期を繰り返すことになる。
  花原基の形成は、栄養条件が満たされると、内外の影響要因によって頂端の分生組織が活動して行われ、花になる(花芽分化)。

イチョウは花を備える種子植物
単性花で原則的には雌雄異株(同株も発見されている)
雄花は雄花の短枝の葉腋に新葉とともに群生し
3〜8個の小胞子葉に長さ1.5〜2.0センチの穂状花序の状態で着く
同一の樹・枝でも雄花の成熟に差があり 授粉条件が変わる 63


まれに発現する 雌雄同株

1950年代 中国の李生理が初めてイチョウの雌雄同株を調査観察し 報告 70

  それによると、この樹は北京市の寺院遺跡にあり、樹齢500〜600年以上、樹高約18メートルで、主幹下部に雄花が多く、中部以上に雌花を着けて、雌花は種実を結び、よく繁茂しているという。これについてさらに、自然形成か人工接ぎ木によるものか、枝幹の観察では接ぎ木の痕跡は見られなかったと記している。(梁立興『中国当代銀杏大全』1993年)
  日本では吉岡金市が1965年に岩手県内で二株の雌雄同株のイチョウ樹を調査し、その結果を詳しく記述している。
  それによると、一株は丘陵高地の畑に在って樹齢約1200年、樹高30メートルの古老木で、一本の太枝(直径15センチ、長さ4メートル)の中間部に葡萄様の穂状に雌花が咲いて結実し、他の枝には多くの裂葉と嚢(ふくろ)状の奇形葉が見られたという。別の一株は寺院庭に在り、樹齢約100年、樹高約20メートルの古木で、一本の小枝(直径1センチ、長さ30センチ)にやはり葡萄状に雌花が咲いて結実するという。
  もともとこの二株とも雄株であるが、雌枝は枝幹が疎らで陽光が良くあたる樹冠の南・西側に生じ、また比較的湿潤で肥沃な土壌条件にあることから考えると、この二つの状況は植物体の一部分を雌雄性に分ける転化の刺激要因になっているのではないかと、指摘している。(吉岡金市『果樹の接木交雑による新種・新品種育成の理論と実際』第一巻、1967年)

最近の実験によると 植物の性転換は主に鉱物質の栄養・光線・温度・損傷・輻射・化学物質などの刺激が引き起こす とされている 71

雌雄同株の樹で結実するイチョウ種実の種核(ギンナン)は
他に比べ細長く軽く最小で 結実の起源性を示して出土する種核化石に似ている

イチョウ雌雄同株の発現は その種の最も原始的な性状の現れで 異株に分化する以前の過程として今も微かな繰り返しを続けているといえ
その「先祖返り的な遺伝の発現は進化上の原始性を保持し続けている証(あかし」」 72

『イチョウ』2005 今野敏雄


....................

税務署近くの 根が吸盤様のあれは イチョウかどうかはあれですが 「水平」現象関連の何かでしょうか?


イチョウについては ぽつぽつ 向き合いたいかしら




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