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2007年2月8日 19時15分
ミチハルのミチ
 
<イントロ>

ミチハルは憂鬱だった。

飛行機の窓から見える景色は彼をそんな気分にさせた。
ただただ広大に広がる大地。そこには何一つ彼の興味をひくものは
なかった。ただ漠然と広がる大地。それミチハルの心を表している
かのようだった。

ミチハルはどこにでもいそうな普通の男の子だった。
勉強も運動も他の人たちより「ちょっとだけ良くできた。」

しかしミチハルはそんな自分に満足していなかった。そんな彼の
気持ちが彼をこの広大な大地ーカナダーに駆り立てたのだった。

英語語学留学。

それは彼にとってただ漠然とした情報の中から自分を変えられる
唯一のことだった。

しかしこの単純な、一見だれでも考えそうな「海外留学」という
アイディアが、これからの彼の人生を大きく変えていくのである。

日本を発つ前、ミチハルには悩み事があった。

それは彼の今後の人生のことについての悩みだった。

ミチハルは学校の他の人たちに比べたら「マシ」な子であった。

そんな彼が自分自身にたいしてある疑問を抱くようになるのに
時間はかからなかった。

「僕は一流になれるのだろうか?」

彼は不安だった。

「自分には中田英寿のような一流サッカー選手になることは
出来ない、かといってエジソンのような一流の発明家に
なれるとは思えない。なれても二流サッカー選手か発明家の助手
がいいところだろう。」

彼にはその理由がうすうすとわかっていた。
彼のまわりには誰一人として一流の人がいなかった。
クラスメートたちはどこにでもいる、普通の高校生たち。
将来に対する明確な希望や夢などはなく、ただ毎日学校に来て、
有名な大学に入って、ある程度の収入がある会社に就職すれば
それでいいという高校生たちだった。

ミチハルはそんな仲間たちとの毎日が嫌だった。
退屈だった。
そしてそんな仲間たちよりも「ちょっとだけ能力が高い」という
ことに満足して、それよりも上を目指そうとしない自分が
何よりも嫌いだった。

ミチハルはそんなありふれた日常から抜け出したかった。
そんな時、彼の周りで、明確に人生の行く先 ーミチハルのミチー
を指し示してくれる人は誰一人としていなかった。

いや、そういった人たちは確実に存在していただろう。しかし、
ミチハルにはそういった「一流の世界」に暮らす人たちとの
接点がなかった。親はどこにでもいる普通の主婦とサラリーマン。
友達もそう。

彼には新たなネットワーク、ー人脈ー が必要だった。
そして彼は決断した。自分のいる「普通の人たち」の
ネットワークから飛び出し、大きな世界、未知なる世界へ
繰り出していくことを。

そのために高校卒業とともに「海外留学」の道を選んだ。

ミチハルが海外留学を選んだ理由は単純だった。

「自分のような普通の人と違った考えをもつ人たち。外国人
なら違うはずだ。日本という島国から出ればきっと世界の人は
自分とは違った考えを持っているだろうし、「一流の人間」の
手がかりを知っているかもしれない。」

幸い、ミチハルの親は彼の意見に同意的だったし、留学にかかる
費用も十分にあった。学校選びからホームステイ先まで順調に
決まっていった。

そして、まだ肌寒い4月の後半、ミチハルはカナダへと旅だった。
自分は本当に変われるのだろうかという一抹の不安とともに・・・
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