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ミルズの炯眼 NHKの節穴(笑)〜N特『ミラクルボディ』の真相〜
 
2012年8月19日 18時49分の記事

今、ボルトについて言及した掲示板の過去ログ読み返すと、「四肢バラバラで、足のジョイントのボルトが一本飛んでそう」「全然速そうに見えない。」って書いてますが、あの走りのいびつさ。というかぎこちなさは、ボルトが一本飛んでたから、じゃなくて、背中の側湾のせいだったのね…う〜ん、そうだったのか!思わず膝打ち納得。

今回あらためてこの番組を見ても彼の走りは速そうに見えない。今にもひっくり返りそうなほど上体起きてるし、身体のキレはないし、ブレてるし、フォームも全くなってない。ドタバタ音がしそうなほど動きにムダが多く、今にも空中分解しそうなほど身体の各部位の連携がない。

でも速い。

ボルトのところだけタイムスケールが違ってるようにすら見える。

しかし、種明かしを見れば、そもそも車軸というべき脊椎に本来存在すべきでない横への歪曲があってその影響が全身に及んで身体の各部位が振り回されてる状態になるから無理もなかったんだな…う〜ん、結局その振り回しに耐えられるよう筋肉を鍛え上げて金。ってことだったのか…なるほどね。

以前この話題が出た時に掲示板で「フォームの改造、私はしないと思う。」と書いたのですが、あの時、変えない、というより変えられないんじゃないかと思いながら、書いてたんですけど、なぜって、これだけ速く走るためのセオリーなり理論が確立しているにもかかわらずそれが適用されてないというのは、ボルトがそれらを受け入れられない余程の頑固者か、あるいは、やろうとしてもやれない余程の不器用者かのどちらかじゃないか、おそらくは後者だろうと思ったんですよね…。

本人がやろうと思ってもできない。

その時はまさか側湾という理由が潜んでいるとは勿論知る由もがなだったので、極端に足の長さが違うとか身体のどこかが著しく非対称か、筋肉の質に何か特別な問題があると言った肉体的なものか、あるいは学習能力に難があるか前述のような心理的なところにその原因があるのかなと思ってたんですけど…そうだったのか。

ボルトのあの走り。

あれがいかにセオリーを無視し、そこから逸脱したものであろうと、背中に側湾を抱えた彼にとってはあの走り以外の選択肢は存在せず、彼の背中にとっては、いわば最も理に叶った、そしておそらくは唯一究極の”最適解”だったわけだ。

そしてそんな”特殊事情”を抱える彼の才能の開花は、いち早くその特性及びそれによる限界を見抜き、ボルトに通り一遍のセオリーを押し付けることなく、彼のその特性にあったオリジナルのトレーニングを柔軟に採用することで、文字通り他者に真似のできない独自の可能性に道を拓いたミルズの炯眼・手腕なしにはありえなかっただろう。その意味ではミルズのその炯眼こそ、ミラクルと呼ぶに相応しい。戦になるからというところまでをもまだボルトが無名の当初から見

100に挑戦したがるボルトに、100においては、最後にはスタート勝負になって、背中に問題を抱え足をまっすぐ出す事が難しいボルトには極めて困難な挑切り、最後までOKを出さなかったとは、なんという先見だろう。
同じく掲示板にてこの話題が出た当時、ボルトの走りは「名伯楽ミルズ氏によるところ大」って書いたわけですが、現実における彼の卓見は予想を遥かに超えるものであり、あらためて深い感銘を受ける。

勿論、いくらトレーニングを積んでも肉体的な能力がそれに呼応しない場合もあるし、単調なトレーニングを来る日も来る日も飽きる事なく反復する努力も時には天才と呼ぶべきものであることを考えれば、ボルト自身にもともとその素質が存在し、また彼が相応の努力を費やしたからこそ今の走りを獲得できたことは言うまでもないが、まず最初にあったのはミルズ氏のこの炯眼であり、基本的にボルトのやった事は、その指導を忠実に履行したにすぎないという意味で後発的なものと位置づけられる。

今回のように、通常身体的な欠陥とみなされるものが逆に突出した才能に結びついたケースは私の知る限りではボルトで二例目だ。
一例目は、女子スイマーのエバンスだが、彼女が実際に側湾やそれ以外の骨の変形を伴う疾病を患っていたか否かは知らないが、彼女の背中もまた水から出た時にはっきり視認できるほどその形がいびつだった。そして、むしろそれが水を鋭く切る事に奏功していた。

最後にボルトが独白していたように、側湾症は諸刃あって、その持ち主を生かすことも殺す事もできるものではあったが、選手生命を脅かしかねない致命を名伯楽の炯眼と選手自身の不断の努力によって天賦に変えた経緯こそ、まさに奇跡とも呼べるようなドラマチックなものだった。

ところで、このドラマに思い切りミソをつけてしまったのが、ほかならぬNHKのこの番組におけるアプローチだ。

確かにボルトの側湾を取り上げた事自体は、一定の評価に値するだろうが、例えばボルトの肩の揺れや腰のブレ、あるいはスタート時の足の暴れを最初にすっぱ抜いたのがNHKご自慢”もおこれしかないだろ!!”(笑)ハイスピードカメラだったってのならそら看板に偽りなしだろう。しかし、それらを予めそれらを、しかもハイスピードカメラ!!!等の特別な機材の手を借りることなく看破していたのは全てミルズコーチその人だ(まぁ、側湾については確かにレントゲンの手くらいは借りただろうが(笑))。
NHKがやったのは、それを”大得意中の得意・これが切り札だ!どうだ参ったか!”(笑)ハイスピードカメラ!!!(笑)で追試して焼直しただけ。それを自分(NHK)の特ダネみたく吹聴し倒すのは、他人のふんどしだろ。

第一、肩の揺れなんか、別にハイスピードカメラ!!!(笑)じゃなくてもフツーのカメラのスロー再生で十分確認可能じゃないのか?(笑)そもそもあれだけブレたら肉眼でも歴然だっつーの。実際ミルズ氏は自分の眼だけでそれを見抜いていたし、私やチャメ様もハイスピードキャメラアアア!(笑)なしで(笑)あっさり(笑)違和感を感じていたのは掲示板をご覧のとおりだ。おそらく少しでも見る目のある方ならば、同じような違和感を感じただろうと想像するが、であれば別にハイスピードカメラ(笑)じゃなければならない必然性なんか、どこにもない。

”超高速!!!”ハイスピードカメラ!!!(分かったから!(笑))はあくまで補助的要素にとどめて、ミルズコーチのインタを主軸にでもしていればここまで恥かかずにすんだものを、中心に「ハイスピードカメラが捉えた!ボルトの秘密!!」と据えてしまったから、完全に文脈が歪んでしまい、こないだ掲示板で指摘したようにラジオにまで出張ってこのミラクルシリーズをPRしまくってるんだから、NHK御大はそれに気づく気配もない。これを荒唐無稽と言わずして何を言う(笑)。

私的にも全編ミルズコーチの独白でも良かった。明らかに番組の作り方間違えてる、NHK(笑)。

一番首かしげたのは、腰の上下のブレによる加速をハンマーの振り下ろしになぞらえて、より高いところから足をふり降ろすためより大きな位置エネルギーを得て加速できる、みたいな解釈の部分。

あの解釈は正しいのか…?なんかものすごく違和感あった。違うだろ、それ。
少なくとも私の解釈は違うな。

あれは強いて例えるなら、足踏みミシンの踏み板とそれに連動する脚部の動作により近いんじゃないかと思うんですけど…。要するに回転運動(の一部)の中心角の大きさの問題だと思うんですけど、なんであれが位置エネルギーの問題になるの?ワケワカメー(笑)。

前述の”これがNHKのロイヤルストレートフラッシュ!!!”ハイスピードキャメラアアアア!!!(たまらんぞ、もう(笑))の位置づけだけでも相当問題があるが、万が一この解釈部分も誤っていたということになれば、その実験結果を読み解く専門家集団も自称だった疑いが出てくるが、そんな番組を堂々ゴールデンタイム放送した大丈夫か?NHK(笑)。

そもそもハイスピードカメラでなければ分からなかったのは、せいぜい厳密に弾き出された(笑)ボルトの左右の歩幅差と肩のぶれ具合くらいであって(ひゃはははははは)、それはこのボルトの奇跡においては幹ではなくむしろ枝葉末節であるが、それすら理解できないNHKにメディアを名乗る資格はあるのか。
一度視聴者センターにでも問い合わせてみようかとも思う今日この頃です…(笑)。
ついでになんであれがハンマーの振り下ろし・位置エネルギーの問題になるのかご自慢極まりない(笑)そのハイスピードカメラで以って実証・詳解お願いします。

ま、メカが優秀になればなるほど、あるいはそれに依存すればするほど人間はバカになる、というのが私の持論ですが(笑)、その立証番組としては意味があるかもしれません(笑)。

ちなみにデマで名高い四国デマ新聞も、8月4日一面社説もどきでこのN特を取り上げてましたが、N特の文脈をなぞるのみでミルズ氏の先見については一言も触れてませんでした。さすがですね(笑)。
こんな新聞に物事の真相を掬えというのが土台無理なお話です。

本当の驚きは、”NHK様的最重要強調ポイント”(笑)ハイスピードキャメラアアアア!!!!(笑)の性能においてではもとよりなく、独自の走りを獲得したボルト自身の才能にすらおいてでもなく、その起点ともいうべきミルズ氏の炯眼にこそ存在した事を考えれば、NHKの意図とは全く逆に、人間が本来持ち合わせている知覚・感性にこそ、無限の可能性が湛えられている事を、この番組は逆説的に照射している。
その可能性こそ真にミラクルと呼ぶべきものであって、ハイスピードキャメラアアアア!!!!(笑)はその婢女にすぎない、というのが今回、この番組から私が得た結論である。

その意味でこそ、あらためて人間の持つ可能性の深さに感動を禁じえない。




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フィギュアについては、個々の選手およびフィギュアというスポーツの特性についても取り上げてみたいと思っておりますが、個々の選手についての記事につきましてはなるべく客観的に捉えて生きたいと考えておりますので、ファンの方にとりまして耳あたりのいい話ばかりにはならないと思いますので、ご贔屓選手については賞賛コメントしか受け付けないという方がおられましたら、その選手についての私の記事はどうかスルーでお願いいたします。文中敬称略にて書かせていただきます。
なお、著作権は”TALES OF  NIGHTGALE”に帰属しております。無断転載等はお控えください。
以上、よろしくお願いします。


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◆この記事へのコメント(投稿順)
1. Elelsoppops 2013年8月16日 21時57分 [返信する]
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2. CANAL 2013年8月17日 18時58分 [返信する]
ボルト、こないだタイトル奪還しましたね…。
以前に比べてフォームが小さくまとまったような印象受けましたが、雷鳴のなかのレースというのがなんかの寓話のよう…。

 


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