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くる天
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遺伝子解析、iPS研究にも貢献
[看護]
2013年3月28日 16時5分の記事

 個人ゲノム解読の最大のインパクトは、患者一人ひとりが最適な薬で治療を受けられるようになることだ。2〜3年のうちに、ゲノムを分析して薬が効く患者と効かない患者を見極める診断の精度が高まるだろう。

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さらに10年程度の問に、遺伝要因と環境要因が絡み合った糖尿病や心臓病などの病気について、効果的な治療薬の開発が始まるはずだ。自閉症のような複雑な病気でも、ゲノムの活用が治療の改善に結びつくという感触を得られつつある。

 変革の兆しは既に起きている。ガン患者のゲノムを調べて適切な治療薬を選ぶのはその代表例だが、それだけではない。ドイツでは病原菌のゲノムを解析して食品に含まれる菌の検査法を開発できた例がある。多くの病院ではシーケンサーで
子供の遺伝子変異を調べ、病気との関連を調べる診断が始まっている。iPS細胞(人工多能性幹細胞)などの幹細胞分野でも、シーケンサー技術を使った研究が非常に重要だ。クローン羊の「ドリー」が短期間で病気になったことから、クロー
ン技術で作った細胞が完全ではないということが明らかになった。シーケンサーを使えば、細胞に遺伝子の変異が含まれていないかを調べ、性質の良い細胞を選ぶことが可能になる。

 半導体の普及が現在の通信社会を築いたように、シーケンサーの低価格化で多くの人がゲノム解析を利用できるようになる。5年前にはほんの一部の研究機閲しかシーケンサ丁を使えなかったが、今では装置の価格が10分の1以下に下かり、世界中の数千機関で導入されている。短期的には医療診断に問わる企業、長期的には製薬会社のビジネスに大きな影響を与える。

 個人ゲノムの利用で、個別化医療の実現が間近に迫っている。しかし、ゲノムを理由に人々が差別されることがあってはならない。このため、我々は今、ゲノムの解読技術が適切に使われるためのガイドライン作りも進めている。

日経ビジネス2013年2月25日号より抜粋

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