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くる天 |
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プロフィール |
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〜司〜 さん |
ちまちま絵日記 |
地域:愛知県 |
性別:女性 |
ジャンル:お絵描き 4コマ漫画 |
ブログの説明: マイピク募集中です。
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小説 乗り越えられない壁はない |
[小説] |
2010年4月21日 23時43分の記事
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はらりはらりと桜が散る
そういえば…誰かがこんなこと言っていた気がする。
「困難な壁だからこそ乗り越えるのは難しい」
「けどそれは貴女にとって大切な壁だからこそきっと壁は高いんだろう」
誰だったか…
「ちーづるちゃん?」
ゆさゆさと肩を上下にゆすられて私ははっと目が覚める
「お、沖田さん!!」
まだぼやけた頭で目の前でネコのように笑っている沖田を目に千鶴は驚いた声を上げる ごしごしと目を擦り、時間が経つにつれ自分が置かれている状況を把握しさっと顔の色を青くする
「お寝坊さんだね、今日は珍しく勝手場で姿見当たらないと思ったからもしかしてと思って来てみたんだけど正解だったみたい」
「す、すみません!今支度しますから!」
あわあわと千鶴は大急ぎで布団から飛び起きタンスから衣服を取り出す。 着替えを始めようと思ったところではっともう1人の存在に視線を送り
「あ、あのすみません、私着替えますのでその…外に出てってもらいたいのですが…」
あわてふためく千鶴の動作をおもしろおかしく眺めていた沖田は千鶴の言葉にはいはい、と短く返事をして 部屋から出ていこうとし
「あ、そういえば千鶴ちゃん、今日はお母さんでも恋しくなったのかな」
「?」
沖田は部屋を出る直前で足を止め軽く千鶴の方へ顔を向けるとくすりと笑みを浮かべてそう言う 千鶴はなんのことかわからず頭に?マーク浮かべて沖田を見つめる
「あは、やっぱり覚えてない、君、寝言で母様って言ってたんだよ、そりゃもう可愛らしい顔でね」
ぱたり、
沖田はそう言い残して部屋を後にする
1人残された千鶴は顔を赤くしてかぁぁぁと両頬に手を添える
「なっ!!!!!!!!沖田さんに寝言聞かれていたなんて!!は、はずかし…」
最後の言葉言い終える前に千鶴はふとふすま越しの影に気付いたと同時にその影の主が姿を現す
「雪村、今日の朝飯の支度はほぼ終わった、後でよそった飯を隊士達に運んでやってくれないか?」
颯爽と無表情で現れた斎藤に千鶴は再び驚きの声を上げる
「さ!斎藤さん!いつから!?」
「総司がアンタを起こしに入った時からだ、話しかけるタイミングを窺っていた」
(斎藤さん…結局最後までいたんですね…)
千鶴は顔を赤くしたままへたりとその場に座りこむ
「………」
「………」
「あの」
「どうした?」
「いえ、その、用件を伝えられたのなら斎藤さんも部屋から出て行ってもらえると嬉しいですが…」
「………」
「斎藤さん?」
斎藤は静かに千鶴を見つめる
「アンタは」
「?」
千鶴は珍しく自分になにかを伝えようとする斎藤を珍しそうに見やる
「アンタはここ最近辛そうだったから気になっていた」
「え」
「アンタの気持ちもわかる、自分の思うように父を捜しに行けない焦り、苛立ち、俺がアンタの立場だったらその身を犠牲にしようと任務のためなら この場から脱出しようとする」
(任務とは少し違う気がするけど」
千鶴は苦笑交じりに笑う、けどなんだかんだいって斎藤に自分のことを気にかけてもらっていたことがなにより嬉しくてじわりと胸に熱いものが伝ってくる
「だが困難だからこそ乗り越えるのは
難しい、アンタにとってそれが高い壁だからこそ乗り越えた時、得るものははかりしれないだろう」
…この言葉、どこかで聞いた覚えがある
あぁそうだ…とうの昔…とう様と出会う前のもっと昔に聞いた覚えがある…
それが誰だったかわからない、けどとても温かくて柔らかい人だった
「くす」
千鶴はそれがなんだかくすぐったくて思わず笑う
「私、斎藤さんの言う通り確かにすごく不安で不安で焦って苛立っていたのかもしれません、けど私にはこうして皆さんがいますから だからとう様を探し出すのが例え困難だったとしても時間がかかっても必ず見つかるような気がするんです」
くすくすと笑う
ああそっか、私には皆がいるんだ
だからどんな困難がこれから先立ちはだかろうと大丈夫
つらいときも苦しいときも皆となら…
「ねぇ?ほんんんと、お取り込み中のところ悪いんだけど、そろそろ朝食の時間だから集まってほしいんだけどなー…」
呆れたような顔で言う沖田
「つーか一君、なに1人でいいかっこしてんだよ、そのせりふ俺が言おうと思ってたのによー!」
ぎゃーぎゃとわめく平助
「なんだなんだ?平助、お前やっぱ千鶴ちゃんに惚れて…」
からかうように平助の頭をわしゃわしゃ撫でながら言う永倉
「新八つぁんっ!そんなんじゃねーて!」
「まーまーそんなことより早く飯にしようぜ飯に、早くいかねーと土方さんが…」
「てめぇら…そろいもそろって俺を怒らせてーみてぇだな!!切腹になりたくなかったらさっさと行け!」
沖田に藤堂、永倉原田土方がいつのまにか千鶴の部屋に集まる
そう、私は1人じゃない…皆がいる…
初薄桜鬼小説です。 |
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