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PSYCHO-PASS サイコパス 〜世界観・設定語り〜
[PSYCHO-PASS サイコパス]
2012年12月20日 9時53分の記事


キャラクター原案がリボーンの天野先生で、ストーリー原案&脚本が魔法少女まどか☆マギカの脚本やFate/Zeroの原作の虚淵さん、総監督が踊る大捜査線の本広監督ということで、アニメ放送前から期待していて毎週ドキドキしながら観ていましたが、最近本格的にハマってきました!

長くなるので、とりあえず今回は作品全体(世界観や設定等)について。



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簡単に表すと、近未来SF刑事モノという感じ。



実際に観るまでは、もっと複雑な感じなのかと思っていましたが、大まかなストーリー構成や流れは、事件が起こる(もしくは潜在犯が逃亡等)→公安局刑事課である主人公たちが事件を解決(潜在犯や犯罪者を確保したり排除したり)という感じで、流れは自体は結構わかりやすいです。
世界観や事件内容は結構特殊な感じはありますが。


近未来(現代から100年後)なのに、妙にリアルな感じの世界観で好きです。
かなり科学が発達していますが、絶対に実現不可能なレベルではなさそうというか、いつかこうなってもおかしくなさそうな感じだなと思いました。

例えば、着替えは、コンパクトで好きな服を選択するだけでokだけど、あくまでもホログラム(おそらく、選択できる服は自分で好きな服のホロを購入する感じだと思われる)で、ホロの下にちゃんと本物の服を着ないと多分普通に寒いこととか。

服だけでなく、部屋や町も基本的にホロだらけで、でも実際にそこに本物がないと感触はないというのが妙に現実的というか。

あと、文字通りの自動車とか。
大きな道路ではハンドル握らなくてもいいみたいですね。自動運転いいなあ。


そして、この世界で一番特徴的で絶対的なものであるシビュラシステム。

人間のあらゆる心理状態や性格傾向が数値化できるようになっていて(その計測値が「サイコパス」)、シビュラシステムは、市民のサイコパスを解析し、深層心理の願望や職業適性を診断する包括的生涯福祉支援システム。

でも、職業等が勝手に決められてしまうわけではないようで、「厚生省はA判定、環境省はB判定」というように判定されて、最終的に決めるのは個人に委ねられているようです。

公安局刑事課の監視官であるヒロインの朱ちゃんの場合は、13省庁6公司全部A判定が出た優等生なので、好きな仕事選び放題だったという。
この世界では、こんなに仕事選び放題な人は珍しいとか。

A判定やB判定じゃないと採用してくれないのかどうかまではよくわかりませんが、シビュラシステムが絶対的な感じなので、あえてC判定以下のものを選択する人はほとんどいないのかもしれません。

このシビュラシステムは、種デスのデュランダルさんが望んでたものに近いんだろうなあと思いました。
完全に一致するわけではないでしょうけれども、かなり近いものなのではないかなと。


一方で、街中に設置された街頭スキャナーや定期健診等によって、各々の「色相」(サイコパスのごく表層的なバロメーターで、生体反応の計測値をそのまま視覚化したもの。日常的なメンタルケアの指標。)をチェックされ、ストレスやネガティブ思考によって悪化すると色相が濁って黒に近くなっていく。

色相が濁るとセラピーを要求されて、それを拒否して逃げたりしたら公安局に捕まえられてしまう。

捕まえられても、セラピーを受けて色相が回復すればまだいい方で、セラピーによっても色相が回復しない状態、つまり、犯罪係数(犯罪者になる危険性を表した数値。数値が一定の基準を超えた人間は、罪を犯さずとも「潜在犯」と呼ばれる犯罪者の扱いとなる。)が規定値を逸脱してしまったら、犯罪を犯していなくても強制的に隔離施設行き。
それが嫌なら、公安局で、刑事(潜在犯の刑事は「執行官」)として働く。

さらに悪い状態、更生の余地なしとシビュラシステムに判断されるほど犯罪係数が高くなってしまった場合は、公安局の刑事(正確には、刑事の持つドミネーター)によって殺されてしまう。
例え犯罪を犯していなくても。



第一話の事件では、街頭スキャナーの色相チェックに引っかかってしまい、その後のセラピー要求も拒否して逃亡した潜在犯が、逃亡中に色相も犯罪係数もさらに悪化して、公安局の執行官である主人公の狡噛さんに、ドミネーターで撃たれて死んでしまいました。

何も悪いことをしていなくても、シビュラシステムに「潜在犯」と判断されたら、それだけでもう犯罪者扱いされる世界。

確か、この世界では裁判がないと雑誌か何かのインタビューで読んだような気がします。
そして作中では、「もう少年法とかない」と言われていました。

執行官の一人である縢くんなんて、5歳の時から隔離施設に入れられていたらしいので、何歳だろうが潜在犯は潜在犯という扱い。


犯罪を未然に防ぐことを徹底し過ぎたことと、科学の発達によってなんでもかんでも数値化できる世界になってしまったことによって、結果として人権が守られていないような世界になってしまっているような感じがしました。

犯罪者の心理を正確に理解できてしまうと、それだけでも犯罪係数が高くなってしまうようなので、刑事課には、潜在犯である執行官と、執行官を監視するために、犯罪係数の低い健康な精神を持つ監視官がいる。
潜在犯を取り締まるには潜在犯が必要ということですね。

主人公の狡噛さんは、元監視官で現在は執行官、ヒロインの朱ちゃんは新卒の監視官です。


犯罪者の心理が理解できるだけでも犯罪係数が高くなってしまうのなら、この世界には、犯罪関連の作品は完全になくなっているのかもしれないですね。
探偵モノとかもなくなっているかもしれない。

個人的には刑事モノとか探偵モノとか結構好きなので、そういうのが無くなっている世界なんて嫌だなあ。
絶対にこの世界で生きたくないです(笑)

それに、この作品の制作陣が「現代人がこの世界に行ったら、ほとんどの人が潜在犯だろう」というようなことを言っていましたし。

犯罪を犯していないのに、犯罪係数が高いというだけで刑事に捕まる。
そして、犯罪係数があまりにも高過ぎる場合は、問答無用で殺される世界って恐いなあ……。

まあ、定期的にサイコパス診断をしてセラピーをちゃんと受ければ大半の人は大丈夫なのかもしれないけれども。
このシステムがあるのは日本のみで、このシステムのある日本はとても住みやすい国という設定らしいですし。



ちなみに、主人公たちが在籍しているのは、警視庁ではなく、厚生省公安局刑事課だそうで、警視庁は存在しないそうです。

この世界では犯罪は病気扱いで、悪意は伝染病みたいなものなので厚生省の管轄で、取り調べよりも排除が大切とのこと。

設定としてはとても面白いので、観てる分にはいいんですけど、実際にこの世界で生きるのはやっぱり嫌ですね(^-^;

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