ピカソのつまらなさ | |
2012年9月27日 13時6分の記事 | |
H君―― 「ピカソは何故つまらないか、あなたはそれを話してくれる義務がある」と言う。 先頃私がある雑誌に書いた文章の中で「正直に言って良いことは正直に言った方が良い」ということを書いた中に「ピカソはつまらない」と書いていたのに君はこだわったようだ。君の手紙には詰問するような調子がある。なるほど近代の絵画を真剣に考えている君としては、私の言葉は無責任な放言のように聞えたかもしれないし、また私がイコジになって逆説を弄してるようにとれたかも知れない。しかしそれは二つながら当っていない。私は真面目にそして正面からものを言ったのだ。ただもう少しくわしく述べる義務があるようだから、ここで述べる。 「何故ピカソがつまらないのか?」と君は問うが、まず第一に子供らしい答え方で答えるならば私は「何故つまらないかをぬきにして、まずピカソの絵は私にはつまらないのだ」としか答えられない。だからまず逆に私は君に対して次のように問いかけてみる。 「それでは君はピカソの絵を本当に良いと思って見たことがあるか?」
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