さむっ | |
[インドア的生活(映画&DVD)] | |
2009年2月20日 12時0分の記事 | |
結構 音楽中心の映画も好きだったりします。
ロードショウを見るのも好きなんですが、やっぱり気に入った映画は、DVDを買っちゃうんですよね。 前は ビデオを買っていたんですが、何回も見ていると画像が荒れてくるし、まぁ〜。ビデオしかでていない作品も結構あるんですがね。 というわけで、ちょっとラックを見てみると これが結構 ミュージカル系のDVDとか 音楽を中心に据えた奴が多いことに気がついたんですよね。 とはいえ、よく見る奴は 結構決まっていたりもしますが・・・。 今回のお薦め作品は、これです。 カストラート Farinelli il castrato ちょっと前に 音楽業界で流行った(?)ソプラニスタ(カウンターティナー:女性のアルトキーからソプラノキーまで出せる人)の元になった去勢歌手の実話です。 去勢したからといって 別に性同一性障害とか そういうことじゃないんですが、19世紀後半ぐらいまでは 結構いたらしいんですよね。 今は女性の歌手は普通だし、音楽も大衆のものになってはいますが、中世から近世ヨーロッパにおいての音楽は 教会音楽と貴族階級の楽しみの為が中心で 俗曲としてのタブラのようなものは あまり多くなかったんですよね。 まぁ〜 お祭りとかの時や酒場などで 吟遊詩人が歌ったりもしていたみたいですが、音楽性という意味においては 音の構成なども単純だったんですね。 でっ、教会音楽などは より優れたものをっていうのがあったりしたので、かなり音楽性も優れていたし、声楽に関して言うのであれば、よりすぐれた歌手を求めていたわけです。 そのために 専門の音楽学校もあったりしましたし・・・。 全寮制で 朝から晩まで音楽付け。 音楽のために ラテン語などの勉強もあったみたいですが、1つのテクニックを完全にマスターするまでは次のステップには進ませてくれないし、ダメだと思われると 放り出されちゃうぐらい厳しい学校だったみたいです。 あぁぁ、あと女性が教会音楽に参加することも原則禁止していましたし。 (女性のための音楽学校も出来たみたいですが、女性が教会で演奏や歌うことはやっぱり原則禁止・・・。修道院などでは可。だったらしいです) ということで、声楽における高音部の担当は 少年によるボーイソプラノを中心にしていたのですが、残念なことに男性は 変声期ってものが女性に比べてはっきりしているもので、どんなにすばらしいボーイソプラノであっても これがきちゃうとダメになっちゃうんですね。 そうです。 もうおわかりだと思いますが、その声を残すために・・・。 去勢 しちゃうんですね。 厳密に言うと このような行為は キリスト教としては禁止しているので、『事故にあって(病気になって)、去勢しないと死んでしまったから』というかなり苦しい言い訳をして 去勢しちゃうんですが・・・。 この映画のすごいところは、現在記録が残っている 『ファリネリ』の伝記に基づいて脚色をしているって言うことと、その声の再現のために男性のソプラニスタと女性のソプラノの声をアナログ合成(デジタルじゃないんですよ。デジタルじゃ)して 作っている所なんですねぇ〜。 ファリネリという人物は イタリアの貧乏貴族の子供だったんですが 最後はスペイン王国の宰相まで上り詰めたんですよね。 声もすばらしかったらしく、3分以上もブレスをしない(様に見えた?)で 声を出し続けたとか言う記録も残っているんですよね。 声楽の基本をすべてマスターし完成した人物とも言われているんですけど、見ていただければ 判ると思います。 高音ののびといい 安定感といい すばらしい作品に出来上がっています。 街角で トランペットと声楽家のテクニックを競い合うための試合です。 もちろんお金がかかっているんですが、これがすごい。 ここで写っている男性は 負けてしまって 喉がつぶれてしまったようなのですが、ここで真打ちが登場・・・。 ファリネリです。 本名は違うのですが、この時代は自分のパトロンの名前を貰うというのが普通だったし、あざななどをファンから貰って その名前を名乗ることも普通だったんですよね。 いやぁ〜〜。すばらしい・・・。 背中にぞくぞくとした感覚が走るぐらいにすばらしいです。 もちろん 勝利。 まだ、プロとしてやっているわけではなくて、学生だったんですよね・・・。 プロとして 引く手もあまたの状態になっている時代のファリネリです。 めちゃくちゃゴージャスな衣装を着て 歌を歌うんですが、この時代は 舞台のテーマとかそういうのは全く関係なく 結構自分が着たい衣装を着て、譜面を無視して(自分が最大限目立って 自分の得意とする部分がないと歌うことを拒否する。ようするに歌いたいように勝手に曲を編曲しちゃって歌う)のが普通だったらしいのですが、そういう感じが現れています。 この女性は この時代において 知性派と言われるほどに 知性的な女性で、オペラ(音楽会)にいくのは あくまでもお付き合いのためで、別に聴きに来ているわけではなくて、自分のいるテラスのところでは、お茶(コーヒー)を飲みながら本を読んでいるんですねぇ〜。 そのことに気がついたファリネリが歌うことをやめてしまって、会場が騒然とした後に、彼女のためにファリネリが歌を歌い始めるんですが、その声に感動してしまうんです。 いままで そんなことは一度もなかったのに・・・。 いままで 歌手などを彼女のサロンに呼んだことはないのに、ファリネリだけは 別だったらしく 彼を呼んだのですが・・・。 目的は、彼を自分の愛人にすること・・・。 ほら、去勢していますから お楽しみの後の罪の発生のしようがなく 絶対安心できるわけですよ。 この辺は 結構 貴族の間では普通のことだったらしいのですが、 (舞台に立つお仕事は、結構そう言うことが多かったらしいです。バレーとかもそうだし、オペラ歌手なども・・・。パトロンがいないと成立しないお仕事って言うことなんでしょうが・・・。) それをさりげなく語りかけているシーンですが、ファリネリは 超然とそれを拒否するんですね。 う〜〜〜ん・・・。 わしだったら・・・。 や、やめとこ この県に関しての妄想は・・・。 みっともない結果になることは間違いなさそうだから・・・。 この時代の音楽の先進国は、イタリア・・・。 イギリスはかなり後進国で、田舎もの扱い。 そんなイギリスにファリネリは呼ばれたんですね。 学生だったときの先生が 貴族が作ったオペラハウスで作曲をしていたためと言うことと ヘンデル(昔、めちゃめちゃに言われて、叩きつぶされた)がいたからなんですが・・・。 貴族が作ったオペラハウスと王族が作ったオペラハウスとで 争っていて、すごい状態の所に 忽然とヨーロッパ中で話題のファリネリが登場・・・。 録音なんて方法がない時代ですから、自分の声のチェックのためには 反響音が聞こえるところで練習をするしかないんですよね。 で、この練習の時の高音ののびがすごい・・・。 いやぁ〜〜。もう声って言うよりも楽器です。 声楽家の喉は楽器だって言いますけれど、本当にすごい。 この声を聞いているだけで、なんだから判らないけど 感情がわき上がってきて、うわぁ〜〜〜ってなっちゃう 自分が歌う歌を探し続けていたファリネリは ここで、ヘンデルの「リカルド」の中の譜面を手に入れます。 そして、その詩の内容と曲に引かれます。 そうです。 テレビドラマのテーマ曲にもなった 私を泣かせてください この曲を手に入れてから 紆余曲折があった上で 舞台に立って歌い始めるのですが・・・。 もうもう、感動の嵐です。 声が耳について離れない・・・。 快感と感情が入り交じってぐちゃぐちゃになって ともかくすごいです。 何度見たか判らないですが 見る度に いいなぁ〜。この作品 って 本当に思えるんですよね。 ロードショーは 渋谷で見たのですが、かなり入りが悪くて、2週間で打ち切り・・・。(爆 まぁ〜。客席がガラガラでしたからねぇ〜。 それでも、4回見ちゃいましたけど・・・。 レンタルで借りれるのであれば、是非見てください。 オペラ好きの人には お薦めできますよぉ〜。 あぁぁ、でもモーツアルトよりも前の時代の設定ですから・・・。 | |
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