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〔助太刀兵法3〕白波心中 
[【時代小説発掘】]
2010年7月18日 10時47分の記事



【時代小説発掘】
〔助太刀兵法3〕白波心中 
花本龍之介 



(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


梗概
江の島見物に出かけた飛十郎。心中事件に遭遇して、思わぬことから助太刀商売をするはめに………。

【プロフィール】:
花本龍之介。尾道市生まれ。居合道・教士七段。現在逗子に居住している。

これまでの作品:
[助太刀兵法1]鎌倉しらす茶屋  
[助太刀兵法2]人助けの剣
猿ごろし

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【時代小説発掘】
〔助太刀兵法3〕白波心中 
花本龍之介 


 
一 海の道

 早船飛十郎が立っている足元の砂を、夕凪(ゆうなぎ)の静やかな波が、ゆった
りと洗っていた。大海原に沈もうとしている夕陽が、飛十郎の顔を赤く染めている。
 遠く左手には、伊豆の山々が長く連なって海上にのび、さらにその向こうには
箱根の山と、富士山が小さく見えていた。
「ふうむ。これは、また見事な景色ではないか」
 ふところ手の指を襟元から出し、無精髭をこすりながら、飛十郎は思わず溜息
まじりの声をあげた。
 空の高みは早くも濃い藍色に沈み、星のまたたきも見えたが、その下はまだ夕
焼けの金色と赤の入りまじった残光が、あたりの夕景を華やかな錦絵のように見
せている。
そのため正面に見える江の島は、波間に浮かぶ黄金の亀の姿のようにも見えた。
江の島の社寺の正式な名は〔金亀山與願寺〕である。山号を定めた者も、おそら
く夕陽に染まる島影を目にして決めたに違いない。養和二年(一一八二)頼朝が弁
財天を勧請し、祀(まつ)ったのが始まりだが、安芸の宮島、近江の竹生島となら
ぶ日本三弁天として、古くから江戸庶民の信仰をあつめていた。
 
 波打ち際から少し離れた場所に、茶店が四、五軒ならんでいるのが見えたが、
参拝の人の足が少なくなる時刻とみえて、ほとんどの店が戸を閉めている。
 漁師小屋もいくつかあったが、こちらは漁から帰ったばかりらしく、男も女も
漁具を小屋へしまい込んだり、舟を浜へ引き揚げたり、いかにも忙しげで声を掛
けるのもはばかられた。
「おや、どうなさいました」
 誰もいないと思っていた茶店の中から、男が出てくると戸締まりをしながら、
飛十郎を見た。
「うむ。泊まるところを、さがしているのだが」
「たくさんございますよ、宿屋なら。この片瀬にも、そこの江の島にも」
「できれば魚のうまい宿がいいな」
「それなら、日の出屋がよろしゅうございます。造りはさほど大きくはございま
せんが、料理も客あしらいも良い、と地元で評判の宿でございます」
「では、そこにするとするか。日の出屋だったな」
「さようで。宿へ着きましたら、波屋の善七に聞いてきた。とおっしゃって下さ
いまし。すこしは料理の盛りが違うかもしれません」
「そうか。いや手間をとらせた。ま、これで一杯やってくれ」
 袖から出して自分の手に押しつけた、こころ付けの額を見て、善七は驚いたよ
うに飛十郎の顔を見た。
「これは二朱ではありませぬか。いかになんでも多すぎます」
「かまわん。面倒な仕事を、すんなりと鎌倉で片付けて貰った、あぶく銭だ。遠
慮はいらぬ、とっておけ」
 しばらく飛十郎を見つめていた善七は、にこりと笑うと二朱金を押しいただく
ようにして、ふところの中に入れた。
「さようでございますか。では、ありがたく。そういえば鎌倉で仇討があったそ
うで。お侍さまは、ご存知でございますか」
「ほう、仇討が………。いや、知らんな」
「うら若い娘とその弟が、化粧坂で父親の仇を見事に討ち果たしたそうで。この
あたりは、もうその噂でもちきりでございます」
飛十郎、いかにも初耳といった顔でうなずいたが、鎌倉から江の島道を片瀬まで
たどり着くあいだに、何度も耳にしていた。往来する行商人たちや漁師たち、浜
上げした魚を売りに町や村へむかう女たちにいたるまで、化粧坂の仇討はやかま
しく語られていた。
「ところで、お侍さま。今夜はお泊りになるだけで、よろしいので」
「そうだが。ほかに何かあるのか」
「このあたりは神域(しんいき)でございますから、どの宿屋もお泊りだけでござ
います。しかし藤沢宿まで行けば、そこはそれ名にしおう大山詣での精進落とし
の宿場町でございますから。それは、いろいろと」
「磯くさい飯盛り女ならいらんぞ」
「ちがうんですな、それが。なにしろ夏の二十日あまりの間に十万人近くの信者
がお山へ登るという賑わいで、しかもほとんどの江戸っ子がそのあと藤沢へま
わって大騒ぎをやらかします。そりゃもう江戸四宿(品川、内藤新宿、板橋、千
住)に引けをとらない女郎衆を揃えた廓がございますので」
「あいにくだが、精進落としをする気はない」
「さようで。いや、それは、じつに………」
 残念そうな顔を、善七はした。飛十郎が話にのれば、尻について藤沢宿の遊郭
にあがるつもりだったのかもしれぬ。
 
 大山詣でとは、陰暦六月二十七日の初山から七月十七日の盆山までのあいだ、
雨降山大山寺へ参拝し、大山山頂の石尊大権現(現在の大山阿夫利神社)に詣でる
ことをいうが、なぜか江戸の庶民たちはこれに熱狂した。とくに火消し、鳶職、
芝居者、博徒、それに裏長屋に住み暮らす職人たちはこれを喜び、これら勇み肌
の江戸っ子たちは、両国橋の東たもとの垢離場(こりば)で、七日間の水垢離を
とったあと、奉納の大木太刀を背にかついで、威勢よく揃ってくりだした。その
あと男たちのほとんどが、藤沢宿で精進落としをしたあと江の島を見物して江戸
へ帰った。
「では、お急ぎになったほうが。まだ歩いて渡れますが、あと四半刻(三十分)も
すれば潮がさしてきます。そうなれば」
 渡しの小舟に乗るか、人足の背におぶわれなくては、江の島に行けぬらしい。
「日の出屋は、あそこに見える青銅の大鳥居を右に入った、海辺でございます」
 指差す先を見ると、引き潮の時だけあらわれて島へ渡れるという、細長い中州
のむこうに大きな鳥居と石燈籠が見える。
「またな」
 軽く手をあげて、江の島へ一歩足を踏み出した飛十郎の背中にむかって、
「旦那、帰りにはお立ち寄りなすって。このあたりの地酒もいけますし、うまい
肴も用意してますんで」
 と呼びかける波屋善七の声が、うしろから追いかけてくる。
飛十郎が女より酒を好む、ということを素早く見抜いたものらしい。江戸の商人
は、生き馬の目を抜くほど、したたかだと言われているが、このあたりの商い者
も、なかなかに負けてはいない
「おう。これは、おもしろい」
 波の中を歩くような気がする、砂の道なのだ
 ざざっと、耳に響く穏やかな音が両側から聞こえ、ゆったりとした波が左右の
砂浜に打ち寄せているのが、白く見える。自然があつらえた洲の道なのだから、
幅は一定ではない。広いところで三間あまり、細いところでも一間半はあろうか。
 夕闇がせまった砂の道の真ん中で、飛十郎は足を止めた。あれほど金色に輝い
ていた富士も、いまは黒く切り絵のような山に変っていた。振り向くと、片瀬の
浜の家々はすでに暗い。めざす江の島も大鳥居の両側に立つ石灯籠に火を入れた
らしく、灯明がちらちらと揺れて見える。島の山頂の森の上を、何十羽もの鳥影
が飛び騒いでいる。
 飛十郎は、ふところ手をしたまま、目を細めた。この時刻が、一番ものの姿が
はっきりしない。
 島の中腹へつづく参道に並んだ店の軒行灯が明るくともり、海辺の旅宿や料理
屋の二階から流れでた三味線や太鼓の音が海上に響き、行き来する人の姿が小さ
く夕闇に滲(にじ)むように見えはじめると、
………べつに淋しくはないが。なにやら、もの哀しいような………
 思いに柄にもなくとらわれた飛十郎は、うまい酒と肴と、あたたかい宿の灯り
にむかって歩きはじめた。


二 潮騒の宿

 廊下を行くあわただしい足音で、飛十郎は目を開けた。
 窓を見ると、障子が青く明るんで、夜明けの気配を見せている。あと少しで明
け六つ(午前六時)になり、宿の名の通り日の出屋の障子を、朝日が照らす時刻で
ある。とすれば、この大勢の話し声や物音は、大山詣での参拝客たちが、いよい
よ大木太刀をかついで江戸へむかって帰路につく足音であろう。
 窓に手をのばすと、飛十郎は障子を細めに開けた。ひんやりとした夜明けの風
が、さっと吹き込んでくる。その風にのって、岩に打ち寄せる潮騒の音や、うる
さく鳴きかわす海鳥の声が聞えた
「うう、む」
飛十郎が伸びをする声を聞きつけたのか、廊下から元気のいい声がした。
「お客さん、もう起きたかね」
「おう。いま起きたところだ」
「じゃあ、入ってもいいだかね」
「ああ、かまわんぞ。はいれ、おとよ」
 この若い女中の名が、おとよだということは、昨夜のうちに聞いていた。
「あれ、まだ、寝たままでねぇか」
「ちゃんと起きてるぞ、ほら」
「いくら目を開けたって駄目だ。布団にもぐり込んでいるうちは、起きているこ
とにはなんねぇ」
「あい変わらず、うるさいやつだな。ま、そうきびしいことをいうな、おとよ」
 肘枕をして横になっていた飛十郎が、にが笑いをしながら起き上がる。
「おらの、そんなとこが気に入ったって、昨日晩めしを食べながら、ほめてた
じゃねえか」
「ふん。そんなことを、いってたか」
「朝湯に入ってこねえかね。いまなら空いてるよ、早船さん」
「そうだな。ひと風呂あびて、さっぱりするか」
 昨夜は、大山詣での職人たちとぶつかって、ろくに湯船にはつかっていない。
「じゃ、風呂からあがってくる頃に、朝めしを運んでくるよ」
「おう、たのむ」
 手拭いを掴んで立ち上がると、飛十郎は階下にある湯殿へむかって部屋を出た。

「いや、じつにいい気分だった。朝湯は寿命がのびるというが、ほんとうだな」
「だけど、早いね。まるで、鴉の行水みてぇだ」
 朝餉の膳を運んで来た、おとよが口に手を当てると、おかしげに笑った。
「早湯もな、武士の芸の内よ」
 濡れた手拭いを手摺りに掛けながら見おろすと、開け放った窓のすぐ下に白い
波が見えた。
「く、くく。名が早船だから、風呂もめしも、ほかのもんも全部早えと思った
ら、おかしくてなんねえだ」
 箸が転んでもおかしい年頃なのか、おとよは両手で腹を押さえたまま、苦しげ
に笑いつづけた。
「そうか、おかしいか、は、はは。だがな、おとよ。残念ながら、めしと酒は
ゆっくりやるほうだ」
 飛十郎が笑っておとよの顔をみたとき、廊下で足音が止まった。
「へい、おまちどう。ご注文の酒をお持ちいたしました」
 声と一諸に障子が開くと、小さな盆の上に杉の枡と小皿を乗せて、番頭が顔を
出した。盆をおとよに手渡すと、番頭はすぐに帳場へ引き返す。
「あれまあ、昨晩あれだけ呑んで、また朝からこれだよ。早船さんは、よっぽど
お酒が好きなんだねえ」
「そうでもないが、湯あがりに一杯やるのは、こたえられんからな。ま、旅先
だ、ゆるせ。江戸ではこれほど呑まん」
 盆の枡酒に手を伸ばすと、飛十郎はうれしそうに口に運ぶ。
「ふうん。早船さんは、江戸のどこへ住んでいるんだね」
「深川・海辺大工町の裏長屋だ。大川のすぐ横だ。おとよ、おまえの生まれはど
こだ」
「おらは、大磯の漁師村の出だよ」
「大磯といえば、東海道の宿場町だな」
「ああ、藤沢宿から二つ目の宿場だよ。ここからだと五里九町ほどのところさ」
「ふむ。その距離だと、およそ二刻半(五時間)ほどで行けるな。節季には帰るのか」
「いいや、帰らねえ。かえっても、おやじさまは貧乏ひまなしの漁師かせぎで、
ろくに家にはいねえし、おふくろさまは無理がたたって半年前に倒れていまだに
寝たきりだ。おまけにたった一人の姉ちゃんは奉公に出ていねぇから、帰っても
しかたがねえ」
 正座をした膝の上の拳を、ぎゆっと握ると、おとよは窓の外に目をやった。
 二重になった切れ長の目が大きく、鼻は少し小振りだったが、意志の強そうな
口元と浅黒い肌が、おとよを少女というより、少年のように見せている。
「歳は、いくつだ」
「十三になったばかりだよ」
 もの怖じしない視線を、まっすぐに飛十郎にむけている。
「ほほう。おれはもう少し上かと思っていた」
 浜育ちらしく、のびのびと成長した姿態と、きびきびしたもの言いが、おとよ
を実際の年齢より年上に見せていたのだ。
「ふむ、そうか」
この年頃だけにある、花ならば春の風に蕾(つぼみ)がほころびかけているよう
な、不思議な魅力がおとよにはあるのだが、飛十郎はそんなことは、とんとわか
らない。ただ、両国で出会った辰巳芸者の小吉のような、今を盛りの満開の花に
は、苦手というより妙な反発を感じるだけに、こちらの花のほうが自然にふるま
えて、気楽らしい。
「よし、めしをよそってくれ。これを平らげたら、江の島見物に出るつもりだ
が、どう行けばいい」
「そうだね、岩本院は知ってるかね。この島の別当をしている大きな宿坊だけど」
「いや、しらぬ」
「そこの参道をあがった途中にあるよ。聞いたとこじゃ、京の天皇さんのお使い
や、江戸の将軍さまや、日本中から参拝にくるお大名がたの宿泊所になっている
そうだ」
「ほほう、たいしたものだな」
「その岩本院を通りすぎたら、坂道は石段にかわるよ。その先にある大鳥居をく
ぐって右に行くと、大きな山門があって、それを進むと三重の塔が見えてくる
よ。その手前の石段を登ると、そこが辺津宮(へつのみや)だ」
「なんだ、それは」
「まあ、よその外宮だね。江の島には、ほかに中津宮があり、さらに山上の一番
奥まったあたりに本宮・御旅所とよばれる、奥津宮があるんだ」
「なに、そんなにあるのか社殿が」
「ああ、昔から江の島には、三つのお社(やしろ)があるよ」
「ならば、仕方がない。せっかくきたのだ、すべて廻るとするか」
「なあに、大丈夫だよ。早船さんなら、だまってても三宮とも参拝できるよ」
「なぜだ。どうして、そういい切れる」
 飛十郎は無精髭をこすりながら、不思議そうにおとよを見た。
「だってよ。江の島の参道にゃ、どこでも名物の焼きはまぐりや、さざえの壺焼
きを売ってる茶店があるもん」
「ふむ、酒もか」
「もちろんさ、酒も置いてるよ。だから茶店で一杯やっているうちに、だまって
ても三宮ともお参りできるわけだ」
それを聞くと、飛十郎は急いで茶碗のめしを、口にかき込んだ。
「さて、めしも喰った。おとよ、それでは弁財天にお逢いしてくるからな」
「ふん、裸弁天は稚児が淵にある岩屋の奥だよ。見とれて海に落っこちても知ら
ねぇからな」


三 海見酒
 
 江の島山内で、もっとも奥まった場所にある奥津宮の、神門天井に描かれた巨
大な亀の絵を、飛十郎は汗をぬぐいながら見上げていた。どの方角から見ても、
こちらを睨んでいるという、名絵師・酒井抱一寄進の〔八方睨みの亀〕で、江の
島名物の一つである。
「ほほう。なるほど、不思議な………」
 巨亀の絵である。あちこち場所をかえて眺めても、たしかに飛十郎を睨みすえ
ているが、頭の横に突き出した獰猛な両爪に似合わず、その丸い目はやさしい。
何度見なおしても、大きな亀の目はおだやかに飛十郎を見返している。睨まれて
いるという感じはしない。
「さて、あとは、いよいよ名高い裸弁天さまに、お目にかかるとするか」
 稚児が淵というのは、鎌倉〔相承院〕の稚児・白菊が世をはかなんで身を投げ
たところから名付けられたと言われている。江戸生まれの飛十郎が、これまで目
にした海といえば、大川の河口に広がる江戸前の海か、品川や大森の海岸。それ
と今度の旅で見た材木座につづく、由比が浜からのびる七里が浜の長い海岸線ぐ
らいのものだ。海が好きな飛十郎は、そのどれもが気に入っていたが、この稚児
が淵はそれらのどの海とも違っていた。

 長い急な石段をくだり、さらに狭くなった石段を左に折れて、大きな岩の角か
ら顔を出した飛十郎の前に広がっていたのは、これまで一度も見たことのない奇
景であった。
「おお、これは………」
 ひと口にいえば岩棚なのだろうが、それがまことに広い。千畳敷はゆうにあ
る。明るい太陽に照らされた青い大海原から、白い波が絶えず打ち寄せている。
平らな岩棚が連なる岩場の上では、参拝を終えた人たちが海風に吹かれながら、
のんびりと磯遊びをしていた。
 その広い岩場の奥に、岩屋洞の入口があった。その岩屋のすぐ横で、葦簀囲い
の茶店が、店先に出した炭火の上で蛤やさざえを焼いている。
「おやじ、弁天さまを見たら、すぐに引き返してくるからな。壺焼きを一つ頼むぞ」
 渋団扇(うちわ)で、いい匂いを振りまいている亭主に、そう声を掛けると、飛
十郎は岩屋の中へ入って行った。
 江の島を描いた浮世絵を、江戸で何枚も見たことがあるが、広重の〔六十余州
名所図会の内・相模江の島・岩屋の口〕にも、巨大な洞窟の傍に茶店があったこ
とを飛十郎は思い出していた。
 最初、高かった岩屋の天井も、先に進むにつれて低くなる。途中まで流れ込ん
でいた海水が見えなくなると、洞窟はいよいよ深く狭くなっていく。
「これから先は、これで足元を照らしてお進みください」
 火のついた手燭を持った若い神官が、声を掛ける。
「妙音弁財天さまご拝観料ともで、十六文でございます」
 袖をさぐって四文波銭を四枚取り出すと、飛十郎は神官の手の上に置いた。予
想していたより洞窟は奥が広い。道の両側に古びた石仏がいくつも並んでいるの
が、歩くにつれて蝋燭の灯りにぼんやりと浮かび上がる。やがて、突き当りと思
われる穴の奥に、立派な厨子があるのが見えた。妙音弁財天は、その中に安置さ
れているようだ。
「これが、頼朝公が祀ったという世に名高い裸弁天か………。なるほど、おとよの
いった通り、なまめかしくも美しい。見とれて足を踏みはずし、海へ落ちる者が
いるかもしれぬ」
二基の灯明台に照らされた弁財天は、木で造られているとは思えぬほど、ふく
よかで色っぽい。岩に似せた台座の上で右足は折り曲げ、左足をだらりと下げた
全裸のまま、手には琵琶を抱いている。
 伝承によれば第二十九代欽明天皇の頃、天から舞い降りた天女だといわれ、江
の島の対岸に棲み庶人を苦しめていた悪龍を退治したことから、武神として信じ
られていたという。鎌倉から室町期にかけて、武家の頭領である将軍や公方がし
きりに参拝したといわれている。恐妻家だったといわれている頼朝が、妻・政子
の目をのがれ江の島参拝にかこつけて、このあたりに住む遊女(あそびめ)のもと
へ通っていたのではあるまいか。それでなくとも悋気深いとされる北条政子が、
ひと目見たとたん怒り出しそうなほど、艶っぽい裸弁天である。
 ともあれ、飛十郎が暮らす天下太平の江戸・文政期にふさわしく、武神は音曲
や芸能の神へと姿を変えて、役者や芸人それを贔屓する芸者や商人や職人に慕わ
れる妙音弁財天になったという。
「これはたまらぬ。おやじ、この醤油が焼けた貝にからむ焦げたような匂いが、
かなわんな。岩屋の奥の弁天さまのところまで匂ってきたぞ」
「へ、へへ、そうでしょうとも。こちらはそれが狙いでして………」
「やはり、そうか。お、この酒はなかなかいけるではないか。それに、さざえの
壺焼きがまたうまい」
 床几に腰を掛けた飛十郎は、壺焼きを口に入れたとたん、うなるような声をあ
げた。焼き上げたさざえを殻から引き出し、小さく切ったのち刻み葱(ねぎ)を添
えて殻に戻し、もう一度焼き上げる。手間はかかるが、食べやすいうえに葱とさ
ざえの身がまじり合って、なんとも絶妙な味と香りであった。
「江戸では喰えぬ。やはり江の島のならではの味だな。おやじ、もう一個焼いて
くれ」
 一升徳利から枡にそそがれた酒を呑むと、飛十郎は満足そうに沖から吹きつけ
る潮風を、胸いっぱいに吸い込んだ。その風にのって白い帆を大きくふくらませ
た三百石ほどの荷船が、波しぶきを上げて江戸湾へむかって走っていく。頭上高
く舞っていた大きな鳶が、羽根をしならせて海面すれすれに滑走する。
 住み暮らす江戸とちがい、昼間から酒が呑める。これも旅の醍醐味の一つとい
えよう。飛十郎は二杯目の枡を持つと、口に運ぼうとした。
 騒ぎは、その時に起こった。時刻は八つ(午後二時)を過ぎた頃であろうか。
「おおい、大変だ。土左衛門(どざえもん)があがったぞ」
 遠くで叫ぶ声が風にのって聞こえてきた。
 土左衛門とは、享保の頃の江戸の相撲取り成瀬川土左衛門の肥え太った躰が、
溺死人に似ていたことから起きた呼称である。
「この清浄な神域で死人とは、おだやかではないな。おやじ」
「へえ。さようですな」
 思わず立ち上がった飛十郎の横に並ぶと、茶店の亭主も顔をしかめて、波が打
ち寄せる岩場の人だかりのほうを眺めた。

「こりゃあ、覚悟の心中だ。ほれ、見ろや、おたがいの手首と足首をきちんと結
びあって。ほんに、哀れなもんじゃ」
「これ、哀れなぞと、うかつにいうでねえ。相対死(あいたいじに)は、きつい御
法度じゃ。お役人の耳に入ったら、とんだお咎めをこうむるぞ」
 相対死というのは、江戸中期から大流行した男女の心中事件に手を焼いた幕府
が、甘美な香りのす〔心中〕という言葉を禁じて作り上げた御仕置(法律)用語である。
「ふたりとも、まだ二十歳にはなってねえな。それに男のほうは、どう見たって
坊さまだ。こりゃ大騒ぎになるぞ」
 海をただよっているうちに脱げたのか、死骸は二体とも全裸だったが、若い男
の頭は剃刀を当てたばかりのように青々とそり上げられていた。それと対照的に
女の長い髪は、海藻のように白い顔のまわりに広がっている。
「鎌倉か逗子か、それとも藤沢か平塚か、どっちにしても遠くねえ寺の僧だな。
躰に傷がねえからな」
「それにしても、もったいねえ。見ろよ、ふたりとも綺麗な顔をして。これから
だっていうのによう」
 口々に騒ぐ見物人たちの足元の岩の上に、引き揚げられたばかりの男女の死骸
が、明るい陽光に照らしつけられて、あお向けに横たえられている。その無残な
ふたりの足を、白い波の飛沫がくり返し濡らしているの見て、飛十郎は思わず顔
をそむけた。


四 八州廻り

 日の出屋の泊まり座敷に戻ると、腰の大小を床の間の刀掛けに置いて、飛十郎
は袴をぬいだ。汗ばんだ単衣(ひとえ)もぬぎ捨て、下帯ひとつの裸になると、大
きく開けはなった窓の前に立つ。
「これは、心地よい」
 海からの風が吹きぬけて、生き返ったような気分になる。涼やかな風にしばら
く肌をさらしたあと、飛十郎は宿そなえ付けの浴衣の袖に腕を通した。
 汗を流すには、ひと風呂あびるにかぎる。手拭いを掴んで、湯殿へむかおうと
した時、
「ごめんくださいませ」
 この宿の主人、日の出屋喜兵衛の声がした。
「おう、喜兵衛か。かまわん、入ってくれ」
 障子をすっと引きあけて入ってきたのは、年の頃は四十なかばの男盛り、縞柄
の単衣を身幅狭く、きっちり着こなした上に紺の前掛けをしている。江の島に三
十軒からひしめく宿屋同志の客引き争いも激しいが、気の荒い江戸っ子が酒に酔
っての、喧嘩、刃傷沙汰、盗っ人騒ぎに無銭宿泊に忘れ物と、ありとあらゆる揉
め事が宿の主人のもとに持ち込まれる。これを四方丸くおさめるのが、喜兵衛の
腕である。
「早船さま、昨夜お出しいたしました料理のお味は、いかがでございましたか」
「いや、おいしかった。それに酒もうまい。波屋の言葉どうりであった。このあ
たりの魚貝の味は、また格別だな」
「それはよろしゅうございました。それに、なんですか、おとよに格別のおここ
ろ付けをいただき、まことにありがたく存じます」
「なに、たいしたことはない、気にするな」
「あのおとよという娘が、ここへきましたのは三年ほど前でございますが、その
頃から何といいますか、
目から鼻へ抜けるようなところがありました」
「いい働き手がきてくれたではないか」
「少しばかり気の強いところもございますが、まことにしっかりとした娘で、上
からも下からも可愛いがられております」
「だろうな」
「ところで、うっかりしてお聞きしておりませぬが、早船さまはいつお立ちでご
ざいますか」
「なに。いつ立つか、だと」
 飛十郎は立ち上がると、手摺り越しに海を見おろした。片瀬から打ち寄せる白
波が、くり返し岸壁を洗っていくのが見える。
「あと二、三日は逗留して、このあたりを見物していくつもりだが」
「はあ、さようで」
「ふ、ふふ。日の出屋、おれがあまりこの宿にいては困るとみえるな」
「とんでもない。けっしてさような………」
「よせ、よせ。まわりくどい話はやめて、ずばりと言え。なにか、おれに頼みた
いことがあるのだろう」
 飛十郎の言葉にも、喜兵衛はまだ思い迷っているように見えた。
「どうやら、おれがいては迷惑らしいな。それとも、おとよの身になにか起きた
のか」
 腕組みをして軽く目をとじていた喜兵衛が、腹をくくったような顔で飛十郎を
見た。
「やはり、早船さまの目は、ごまかせませぬな。ただいま、おとよは稚児が淵に
あがりました、心中者の亡骸(なきがら)に付きそっております」
「なんだと、では心中したふたりは、おとよの身寄りのものか」
「はい。女のほうは、おとよのたったひとりの姉、おゆきでございます」
 これには飛十郎も驚いた。
「たしかに、おとよの姉なんだな」
「間違いございませぬ。さきほど、てまえも稚児が淵へいって確かめてまいりました
「ふうむ。不思議なことだが、おれも心中騒ぎのとき、岩屋洞のそばの茶店にい
たのだ。身投げをした男女の顔も見たが、おとよには似ていなかったぞ」
「でございましょうな。あのふたり、外見(そとみ)はまったく似ておりませんか
ら。おとよは痩せて色浅黒く、ひきかえ姉のほうはふっくらと色白な丸顔で、気
立てもおとなしやかで女らしゅう見うけました。ま、花にたとえるならば妹は野
菊、姉は白百合と、まるで違いますからな」
「だが、それだけに仲が良い、かもしれぬ」
「まことにその通りで。おとよは、たったひとりの姉が死んだのを目にして逆上
したのか、姉の仇をとる、仇討をする、といい張り、てまえはほとほと手を焼き
ました」
「しかし喜兵衛、あれは心中だろう。覚悟のうえの相対死に、仇討もなにもある
まい」
「てまえもそう思います。ですが、おとよは姉のおゆきが死ぬわけは何もない。
まして心中などするはずはない。あれは殺されたに違いない。と、泣き騒ぐので
ございます」
「うむ、おぬしのいったように、おとよは姉の思いがけぬ死に衝撃をうけ、錯乱
(さくらん)しているのではないか。それに、もし姉が心中にみせかけて殺害され
たとしても、おとよは十三歳だろう。仇討など出来るはずがない」
 飛十郎の言葉に、喜兵衛は一瞬こまったような顔をした。
「それが、早船さま。そういうことになれば、あなたさまに助太刀をたのむから
心配ない。と申すのでございます」
「なに、おれに仇討の助太刀をさせる。といったのか、おとよが」
 さすがの飛十郎も、目を白黒させた。
「もうひとつ、妙なことを口走っておりました。いま大評判の鎌倉・化粧坂の仇
討、あれの助太刀をしたのは間違いなく早船さまだ。と、おとよはいっておりま
したが、いかがでしょうか」
「ふうむ………」
 頭をかきながら腕組みをすると、飛十郎はため息をつくばかりだった。

 その日の夜。夕餉をすませた飛十郎の座敷に、おとよが来ていた。
「話は喜兵衛から聞いたが、おとよはどうして鎌倉の仇討に、おれが関わってい
ると思ったのだ」
「どうしてって………、勘だよ」
「ばかな。勘なぞで、助太刀だの、仇討だのがわかるはずがない。何かわけがあ
るはずだ」
「そんな怖い顔をしなくたって白状するよ、早船さん。気がついたんだよ」
きちんと正座したおとよは、そう言って顔を上げた。
「きのうの夜、この日の出屋に早船さんが着いた時のことだ。覚えてねえかしん
ねえが、すすぎの水をとって早船さんの足を洗ったのは、このおらだ」
「そうだったな」
「あの時ほんの少しだが、爪の間に血がこびりついていたんだ。おや、と思って
よく見ると袴の裾にも、米粒ぐれえな血の跡が二つ三つあったんだ。それで、は
はあ、このお侍さんは斬り合いをしてきたんだな。とおらは思ったんだ」
「なるほど。だが、たとえ斬り合いをしたとしても、化粧坂とはむすびつくま
い。ほかでやったかもしれぬではないか」
「そりゃあそうだ。けど、あのとき早船さんは、波屋善七さんに聞いてこの宿に
きた、とおらにいったではねえか。ぴんときて、今朝すぐに波屋まで、ひとっ走
りしてきたんだよ」
「なに、波屋をおとよは知っているのか」
「ああ、波善さんなら、三年前に江の島にやってきた時から、おゆき姉ちゃんと
もども、よく知ってるよ」
「うむ。この日の出屋と対岸の洲鼻にある波屋は、すぐ近くだからな、顔見知り
であったとしても不思議はない。で、波屋からなにを聞いてきた」
 自分が波屋善七に何をしゃべったか、まるで忘れ果てていた飛十郎は、何気な
くそう言った。
「たかが宿を教えただけなのに、大枚二朱もくれて、波善さんが多すぎるといっ
たら、鎌倉で面倒な仕事を片付けて貰った、あぶく銭だから遠慮するな。といっ
たそうじゃねえか」
「ううむ。そういったかもしれぬ」
 無精髭をこすると、飛十郎はにが笑いをした。
「それに噂では討ったほうは若い女とその弟で、討たれたお侍は剣術使いだった
そうでねえか。死んだ侍の手首が見事に斬り落とされてたそうだし、これは腕き
きの助太刀がいたにちがいねえ。とおらは思った」
「よし、わかった。喜兵衛がいった通り、目から鼻に抜けるとは、おとよのこと
だ。しかしな、お前が考えているように、姉のおゆきが何者かに心中に見せかけ
て殺害されたというならば、直接手をくだした下手人がいるはずだ。それがわか
らなければ、仇討はできぬぞ」
「じゃあ、手をくだした者の名がわかれば、早船さんは助太刀してくれるんだね」
「ああ、いいぞ。誰が殺したか知れたなら、おれは喜んで助太刀をしてやる」
 多少知恵が回るといっても、たかが十三歳の小娘だ。殺害した下手人の名など
知るはずはない、と飛十郎は高をくくっていた。
「なら、話は簡単だよ。姉ちゃんを殺した下手人は、八州廻りの川村っていう役
人と、その手先をしている藤沢宿の目明し、竹虎のふたりだよ」
 顔色も変えず、おとよは言ってのけた。
「八州廻りだと。それは本当か、おとよ」
 むしろ顔色を変えたのは、飛十郎のほうである。俗に八州さま、あるいは八州
廻りと呼ばれているが、その公式名称は〔関東取締出役〕である。当時、関八州
は天領(幕府領)や、大名領、旗本領などが複雑に入り組み、江戸を逃げ出した無
宿者や凶悪犯たちにとって自由に歩きまわれる場所であった。そのため文化二年
(一八〇五)六月、幕府が設置したのが、関八州を巡察し領地の区別なく踏み込ん
で犯罪者を追捕できる、この八州廻りである。
「おい、おとよ。八州廻りといえば身分は低いが、れっきとした幕臣だ。うかつ
なことを言えば、こっちの首が飛ぶぞ。間違いないんだろうな」
「ああ、間違いねえ。七日前のことだ、急におとよの顔が見たくなったといっ
て、姉ちゃんがここへきたんだ。様子がおかしいから、何か起きたなと思って、
番頭さんにことわって姉ちゃんと、そこの浜辺へいったんだ」
 そう言って、おとよは窓の外を指差した。
「姉ちゃんは、おらに全部うちあけた。八州廻りの川村というお侍が、お袖さん
という女郎にのぼせあがて、身請けして妾にしようとしたけれど、お袖さんには
べつに好きな人があったんだ。お袖さんの愛想尽かしに、かっとなった川村は、
いきなり刀を抜いてお袖さんを斬り殺したんだ。その場にいた目明しの竹虎と、
おゆき姉ちゃんが止めるひまもなかったそうだ」
「可愛さあまって憎さが百倍、というやつだな」
「女郎に振られたからといって、殺していいわけはねえ。そうだろ、早船さん」
「それは、そうだ」
「川村は、おゆき姉ちゃんに血刀を突きつけて、ここで見たことはすべて忘れろ、
さもないと殺す。といって竹虎と脅したそうだ」
「とんでもない悪党どもだな」
「姉ちゃんがいうには、このまま無事ですむはずはねえ。あの二人は遅かれ早か
れ、殺しのありさまを見た姉ちゃんの口をふさぎにかかるのは間違いねえ。もし
姉ちゃんが死んだら、下手人は川村と竹虎だ、といって帰っていったんだ。心中
にみせかけて姉ちゃんを殺した人ごろしは、八州廻りと目明しだ。どこへ出たっ
て、おらはそういってやる」
「まて。ちょっと、考えさせろ」
 手をあげて、おとよの言葉を止めると、飛十郎は座敷を照らしている行灯(あ
んどん)に目をやった。
本当だとすれば、容易ならぬ事態である。江戸でいえば町奉行所の同心と岡っ引
きが、心中にみせかけて人をふたりも殺害したことになる。
「ひとつ聞きたいが、お前の姉のおゆきとやらは、藤沢宿のどこで奉公していた
のだ」
「藤沢新地にある〔夕月楼〕という女郎屋だ」
 おとよは、くやしげな目で飛十郎を見た。
「そんな気の毒そうな顔をすることはねえ。姉ちゃんは病気のおふくろさまを助
けるために、進んで身を売ったんだ。おらはべつに恥ずかしくともなんとも思わ
ねえからな」
「そうだ、おまえの姉は親孝行のために身売りをしたのだ。少しも恥ずかしがる
ことはない」
 口ではそう言って励ましたが、飛十郎は頭に手をやって、困惑した顔をおとよ
からそらした。
「ふうむ」
 心中した女郎が、じつは殺されたのだと届けても、まず藤沢宿の町役人は取り
上げまい。江戸へ出て、恐れながらと町奉行所や寺社方へ訴え出ても、結果はま
ず同じだ。それどころか下手人が関東取締出役と、その手先の目明しだと知った
とたん、幕府が揉み消しに出るのは間違いない。まして仇討願いをだしても、町
奉行所が許可するはずがない。
「むむ。こいつは、ちとやっかいな………」
 女郎の命と御公儀の権威を秤(はかり)にかけたら、天秤の皿がどっちにかたむ
くか、考えるまでもない
「さっきから、何をうなり声ばかり出してるんだ。ははあ、相手が八州さまだと
聞いて、怖じ気づいたんだろう。情けねえ、そんなことでは、おらの助太刀役は
つとまんねえぞ」
「まあ、そういうな。その川村とかいう八州廻りは、もうここにはいないだろうな」
「あたりめえだ。もう五日も前に江戸へ帰っちまったよ」
「竹虎のほうはどうだ」
「あれは藤沢宿の目明しだ。どこへも行きゃあしねえ」
「………それにしても、おれとお前だけでは、ちと手が足りん。どうだ、おとよ、
この近くに信用できる男はいないか」
「そうだねえ、ここの旦那さんなら信用できると思うけどな」
「たしかに喜兵衛は信用できるが、宿のほうが忙しくて手助けはたのめまい。誰
かもっと若くて身軽なやつはいないか」
「そうだ、うってつけの人がいたよ。波善さんなら喜んで手をかしてくれるよ」
「うむ、波屋ならよかろう。よし、おとよは部屋へかえってもう休め。明日は忙
しくなるぞ」
 おとよが出ていくと、飛十郎は窓の傍まで歩いていって、夜の空を見あげた。
月は見えなかったが、上空には満天の星が輝いている。対岸の人家の窓に灯火
(ともしび)が揺れ、足元の岸壁には夜目にも白く波が砕け散っていたが、飛十郎
は潮騒の音も耳に入らないのか、一心に何ごとかを考えていた。


五 波屋善七

「そういえば、たしかに十日ほど前に藤沢新地で、女郎の足抜け騒ぎがありました」
 飛十郎とおとよの前に、江の島名物の海苔羊羹を置きながら、善七は言った。
 翌日の朝五つ半(午前九時)頃のことで、波屋の前の洲鼻通りは、人の姿は少な
かった。
「しかし驚きましたな。あれが女郎の廓抜けではなく、かなわぬ恋の女殺しで、
それを目撃した朋輩女郎の、おゆきさんまで心中をよそおって殺害するとは。ま
ことにもって鬼畜のような、残忍な下手人どもでございますな」
「いや、殺されたのは、その二人だけではない。心中の片割れにされた若い男も
いる」
 飛十郎はそう言って、羊羹を口に入れた。
「頭を剃っていたそうですが、やはりこの近くの僧侶ですかな」
「そうではあるまい。僧ならば、すぐに身元が判明するはずだ。おそらく東海道
を旅していた者だろう」
「なるほど、藤沢宿は大山道と江の島道の分岐点ということもあって、街道でも
名にしおう繁昌な宿場町。その気になれば生け贄にする若い男なぞいくらでも見
つかりますな」
「おれが思うには、おゆきとともに殺されたあの若者。旅の医者ではないか、と
考えているのだが」
 聞いたとたん、善七は勢いよくぽんと膝を叩いた。
「違いございませぬ早船さま。京へのぼるにせよ、江戸へくだるにせよ、修行中
の旅医師ならば身元はわかりにくい。それに、なんといっても医者は坊主頭でご
ざいますからな」
 善七は感にたえぬような顔で、飛十郎を見た。
「それだとて、かも知れぬとおれが思っているだけのことだ。調べてみなければ
本当かどうかわからん」
「それにしても、七日前に日の出屋さんを訪れたというおゆきさんが、おとよさ
んに打ち明けたついでに、この波屋へも立ち寄って、ひと言相談してほしかっ
た。助けられたかと思うと、残念でなりません」
 そう言って、善七はうなだれた。
「すべては、他人に迷惑をかけたくないという、おゆきの心くばりだろう。それ
に波屋、お前がへたに乗り出していたら、稚児が淵へ打ち揚げられた心中相手の
男は、たぶんお前だったかもしれぬ」
「そうだよ。波善さんだけでも助かってよかったんだ。けど、おらはくやしい。
なんにも悪いことをしてねえ姉ちゃんや、ほかの二人を殺した鬼みてえな連中を
討つぞ。ぜったいに三人の恨みを晴らしてやる」
 蒼白(そうはく)になって床几から立ち上がったおとよは、血が滲み出るほど強
く唇を噛みしめた。
「が、なんといっても相手は並みの人間ではない。強大な権力をもった八州廻り
と目明しだ。へたに動けば、命を失うぞ。波屋、わかっているな」
「わかっております。たとえ、この命を落としても、おゆきさんの仇討をしたい
と思っております」
 善七は大粒の泪を、ぽろぽろと膝の上にこぼした。
「よし、その泪にいつわりはあるまい。これで、きまった。殺されたおゆきの仇
は、この三人で討つ。おとよ、それでよいな」
 無言のまま目を輝かせると、おとよはこくんと頷いた。
「では。明朝、夜明けとともに、江戸へむかって早立ちする」
「えっ、 江戸へ」
 おとよと善七が、驚いて顔を見合わせる。
「そうだ。関東取締出役は、巡廻が終われば浅草御門近くにある御用屋敷の中
の、関東代官所へ帰ることになっている」
「だから、おらたちも江戸へ出るんだね」
「仇討は、江戸でおこなう」
「ですが、早船さま。目明しの竹虎は藤沢宿におりますが」
「ふ、ふふ。まかせておけ。そのための策は立ててある。善七、竹虎はどこに住
んでいる」
「この茶店の前の江の島道を、まっすぐに行けば赤い大鳥居に着きます。そこが
藤沢宿の入口で、境川にかかる大鋸橋(だいきりばし)の西詰に高札場がございま
す。その横を入ってすぐの〔竹乃屋〕という小料理屋が、虎吉親分の家でござい
ます」
「ふむ、妙な名だと思っていたが、竹乃屋の虎吉で竹虎か。なるほどな」
 飛十郎は、刀をゆっくりと帯に差しながら、床几から立ち上がった。
「これから、どうなさいますので」
「竹虎の顔を見物がてら、ゆさぶりをかけてくる」
「え、では竹乃屋へおいきになるんで。そいつは無茶でございますよ。竹虎のま
わりには、腕っぷしの強い子分が何人もいますし、最近は剣術使いの用心棒もい
るというもっぱらの評判で」
「だがな、虎の穴に入らねば、虎退治はできん道理だろう。まあ、黙って見てい
ろ。それより、この近くに飛脚屋はないか。江戸へ書状を送りたいのだが」
「それならば、藤沢宿の問屋場によい飛脚がおります。てまえの知り合いですが
信頼のおける男です。なんでしたら書状を渡しておきましょうか」
「そうだな。悪いがそうしてもらおうか」
 懐の中から一通の書状を抜きだすと、飛十郎は善七に渡した。
「ほう〔江戸本所松坂町・安達屋藤兵衛〕と宛先が書いてございますな。これは
何者です、早船さま」
「これから、おれたち三人が世話になる男だ。表むきは口入れ屋を稼業としてい
るが、裏では仇討屋をやっている面白いやつだ。また両国界隈の盛り場で、芝居
小屋や見世物小屋の元締もしているらしい」
「それはまた、たいしたお人でございますな。会うのが楽しみでございます」
「なかなか胆っ玉の太い男だぞ。おとよ、今いくらか銭を持っているか。あるな
ら出してくれ」
「ここにあるのは銭が二百文と、きのう早船さんから貰った二朱だけだ」
 おとよは腰に吊りさげていた巾着袋を、飛十郎に差し出した。
「よかろう。前金に百文、あとは仇討が終わってから百文だ。おとよ、おれは助
太刀を商売にしている男だ。ただで働くわけにはいかんからな、遠慮なくもらっ
ておくぞ」
 巾着袋を開いての中を覗き込んだ飛十郎は、四文波銭二十五枚を、紐に通して
一本にした百文を、引っ張り出すと懐にねじ込んだ。
「おどろきましたな。たった二百文で、助太刀をなさるんですか。費用ならば、
この善七も、日の出屋さんも、喜んでお出しいたしますよ」
心底(しんそこ)あきれた顔をして、善七は飛十郎を見た。
「ばかをいうな。助太刀人として、おれを雇ったのは、おとよだ。ほかの者か
ら、金を受け取るわけにはいかん」
無精髭をこすりながら言ったあと、飛十郎はふところ手をしたまま、さっさと茶
店から出ていった。


六 目明し竹虎

 東海道・藤沢宿は、品川から数えて六番目の宿駅である。戸塚宿からつづく見
事な松並木が左に折れると、宿場への入口になる大鋸橋まで、長い坂道になって
いる。これが遊行坂である。坂の名の起りである〔藤沢山・遊行寺〕正式には無
量光院・清浄光寺の巨大な大屋根が、夏の強い日差しを反射させながら、そびえ
立っていた。
「これが、一遍上人の踊り念仏で名高い、時宗の関東総道場か………」
 江の島道の入口になる赤い大鳥居の前に立ってそう呟くと、飛十郎は遊行坂か
ら境内まで、四十八段あるという参道の〔いろは坂〕のあたりへ、目を移した。
蝉の声がうるさい。暑さに顔をしかめながら、飛十郎は手拭で流れる汗をふいた。
 善七の言った通り、高札場の横をはいってすぐの突き当りに、竹乃屋はあった。
江戸の柳橋にある小料理屋といっても通るほど、小粋な店構えをしている。
入口の格子戸が、わずかに開いたままなのは不用心だが、まさか目明しの家に盗
みに入る間抜けもいないのだろう。
「竹虎は、いるか!」
格子戸へ手を掛けると、大声でそう言いながら、飛十郎は店へ入っていった。足
を踏み込んだ所が土間で、その先が広い入れ込みの座敷になっている。奥にも小
座敷が三つほどあるように見えた。
「出てこい、竹虎っ」
 店の奥にむかって、飛十郎が声を張り上げた。
「うるせえな。誰でえ、朝っぱらから野暮な大声をだしゃあがって」
 荒々しい足音をたてて顔を出したのは、二十を過ぎたばかりのまだ若い男だ
が、十手持ちの子分とは思えぬほど、荒れてすさんだ顔をしている。
「竹虎の、顔が見たい」
「うちの親分を気安く呼び捨てにするとは、ふてぇ野郎だ。誰だ、てめえは」
「誰でもよかろう。藤沢宿を通りすがりの浪人だ」
「その浪人が、親分になんの用だ」
「いいから、竹虎を呼んでこい」
「やい。うちの親分はなにが嫌いって、人から竹虎といわれるのが一番嫌いなん
だ。いいかげんにしねえと、宿場牢へ放り込むぞ」
 袖をまくって入れ墨をちらつかせて、脅し声をあげるところは、とうてい目明
しの子分とは思えない。
「ふ、ふふ。早く竹虎に取りつがぬと、牢に放り込まれるのは、きさまのほうだ
ぞ。江の島心中の一件で、相談したいことがあると、竹虎にいってこい」
 さっと顔色を変えた男は、腰の十手を引き抜くと、飛十郎めがけて殴りかかっ
た。鉄の十手が、うなりを上げて飛んできて、頭が微塵に砕けたかと思った瞬
間、すっと身をかわした飛十郎は、相手の手首を逆にひねって投げ飛ばした。宙
を一回転した若い男の躰は、すさまじい音をたてて下足箱と、その上にある花瓶
にぶち当たった。
「野郎っ、死ね」
 機敏に起き上った男は、ふところに手を入れると匕首(あいくち)の切っ先を飛
十郎にむけて、早い動きで突きかかってきた。
「む」
 紙一重でその突きをかわすと同時に、飛十郎は刀の柄頭(つかがしら)を男の脇
腹に叩き込んだ。若い男のの躰が、崩れるように土間に倒れ込む。
「なんだ、騒々しい。静かにしねえか」
 舌打ちしながら出てきた中年男が、倒れている子分を見て、ぎくっと足を止めた。
「こいつは、どうも………。お侍さんが、やりなすったんで」
「そういうことになるな。おれしかいないからな」
飛十郎が、あたりを見廻しながら答えた。
「そいつは、てえしたもんだ。この男は猿(ましら)の三次という、一筋縄じゃい
かねえ野郎なんだが、旦那は、いい腕をしていなさるね」
「そんなことはどうでもいい。竹虎を呼んでくれ」
「あっしが、虎吉でございますよ。お侍さん」
 そう言いながら、じろりと飛十郎を見た。四十はもう半ばを過ぎているだろう
が、髪には白いものがまじっているものの、大柄な躰はよく日焼けして、がっしり
として見える。
「そうか。きさまが竹虎か。世間の評判通り、たいした貫禄だな」
 無精髭をごしごしこすると、飛十郎はふところ手をして、竹虎の頭から足まで
眺めおろした。
「で、旦那の名は、なんとおっしゃるんで」
「おれか、おれは早船飛十郎。おぼえておいてもらおう」
「あっしに何か御用で」
「おい、竹虎。おかみから十手を預かる目明しが、人殺しをするのはよくないぞ」
「人殺し………。そいつは、また、なんのことで」
「とぼけるな。おれがいっているのは、江の島心中の殺しのことだ。藤沢新地の
夕月楼で女郎殺しをしたのは、川村とかいう八州廻りだろうが、その死骸を足抜
けに見せかけて、どこかへ埋めたのは、竹虎きさまだ」
 飛十郎の言葉を聞いている竹虎の顔が、たちまち蒼白になったかと思うと、ま
た一気に真っ赤になった。
「そのうえ、それを目撃したおゆきという女郎と、旅の医者を殺したあげく、心
中に見せかけて海へ流したろう。竹虎、ちょっとやることが悪どすぎるぞ」
「てめえ、なんの証拠(あかし)があって、そんなことを」
「証拠は、きさまの震える足と、その顔を流れる汗だ。わかったか竹虎」
「く、くそ、野郎ども出て来い!」
 竹虎のわめき声に、奥にいた子分たちが、どっと飛び出してきた。
「ほう、四人か。用心棒の先生はどうした」
 ぐるりと取り巻いた子分の顔を見ながら、飛十郎が頭をかく。
「そうだ、熊沢先生はどうした」
「へい。さっきまで酒を呑んでましたが、いまは寝てらっしゃいます」
「馬鹿野郎! すぐに二階へいって呼んでこい。こんな時のために高い金を払っ
てやとっているんだろうが。まったく役にたたねえ奴らだ」
 竹虎の怒鳴り声に、子分のひとりが慌てて用心棒をむかえに走っていく。
「そう怒るな、竹虎。癇癪(かんしゃく)を起こすと、躰に悪いぞ」
「うるせえ早船! てめえなんかに言われる筋合いはねえ。いいか野郎ども、こ
いつを生きて藤沢宿から出すんじゃねえぞ」
 竹虎の声に、子分三人が長脇差(ながどす)をさっと抜いて構えたとき、左指で
鍔を押さえ、右手で柄を握った飛十郎が、するすると近寄っていった。
「お、油断するな。こいつは三次を倒した奴だからな」
 その声がまだ終わらぬ前に、斬りかかった子分の刃先をかいくぐった飛十郎
が、身を沈めざま鉄鍔で子分の膝骨を打ち砕いた。
「わっ!」
 膝を砕かれた子分が、刀を握ったまま頭から土間へ倒れ込む。同時に二人目の
子分の手元に、するりと付け込んだ飛十郎が、相手の喉首を柄頭(つかがしら)で
強く突いた。
「ぐえっ」
 刀を投げ出すと、喉を突かれた子分は、両手で首を掴んで土間を転げまわる。
 最初に片付けた三次をふくめて、ここまでは無双直伝英信流居合・奥技〔行
違〕の変化技であった。
一瞬のあいだに二人の子分を倒し、すぐに三人目にむかって静かに立っている飛
十郎を見て、十手を握った竹虎の手がわなわなと震えはじめた。
 飛十郎の左指がゆっくりと鍔を押さえ、刀の鯉口を切りながら、ひと足前へ出て、
「ええい!」
 と、気合いを掛けたとたん、それまで恐怖をこらえていた三人目の子分が、長
脇差を放って、
「わああっ」
 悲鳴をあげながら竹乃屋から逃げ出していった。同時に竹虎が、すとんと畳の
上に尻もちをついた。
「ふ、ふふ。どうした竹虎、腰が抜けたか。悪いことをした報(むく)いだぞ。今
日はこれで帰るが、こんど会ったときは、命がないと思え。首を洗って待ってい
るんだな」
 竹乃屋から出ていこうとした飛十郎が、くるりと振りむいた。
「早く子分の手当てをしてやれ竹虎。それから、用心棒の先生によろしくな。勝
負ができなかったのが残念だったと、熊沢さんに伝えておいてくれ。では、またな」
 用心棒の熊沢源兵衛が駆けつけた時には、うめき声をあげて転げまわっている
子分三人と、腰を抜かした竹虎がいるだけで、早船飛十郎の姿は消えていた。

               了 〈助太刀兵法4・おとよの仇討〉へつづく。
 






最終編集日時:2010年12月14日 13時35分

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10/26 08:49 「本日のマーケット」(FX編)・・・今週は日米の金融政策イベントに注意。
10/26 08:40 「本日のマーケット」(株式編)・・・ 続伸後に日経平均株価が1万9000円台を回復。
10/21 08:39 「本日のマーケット」(FX編)・・・ドル円は120円ちょうどの壁を意識。
10/21 08:25 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、方向感の出づらい展開。
10/19 08:33 「本日のマーケット」(FX編)・・・午前11時に発表される中国の一連の経済指標に注目
10/19 08:23 「本日のマーケット」(株式編)・・・午前11時、中国経済の指標しだい。
10/14 08:48 「本日のマーケット」(FX編)・・・昨日に続き中国の経済指標。米9月小売売上高。
10/14 08:31 「本日のマーケット」(株式編)・・・前日の動きが継続し軟調な展開。
10/13 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・ドル円は120円大台を中心に方向感に欠ける動きが当面続きそう
10/13 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・5日線(前週末9日時点で1万8218円)が下値を支え
10/05 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京タイムではドル円やクロス円は押し目買いが優勢
10/05 08:34 「本日のマーケット」(株式編)・・・続伸後、日経平均株価が1万8000円に迫る。
10/04 12:07 江戸浅草物語13「天海僧正の結界が破られる時、魔界の者たちの進撃が始まるのか」 (無料公開)
10/02 08:44 「本日のマーケット」(FX編)・・・米雇用統計を控えた様子見姿勢
10/02 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・週末要因や米雇用統計を前にポジション調整
10/01 08:47 「本日のマーケット」(FX編)・・・9月日銀短観、9月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などが材料。
10/01 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・欧米株式の上昇を受けて買いが先行後、もみ合い。
09/30 08:52 「本日のマーケット」(FX編)・・・日中は119円後半のもみあい
09/30 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・反発後、上値が重い展開。
09/29 08:55 「本日のマーケット」(FX編)・・・株安・円高パターンの継続はドル高圧力を後退
09/29 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落後に落ち着きどころを探る展開。
09/28 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京時間のドル/円は120円半ばを中心にもみあい。
09/28 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、もみ合い。
09/25 08:53 「本日のマーケット」(FX編)・・・・朝方、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が年内利上げが適切との見方を
09/25 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・引き続き弱含みで推移。直近の安値1万7415円61銭を意識。
09/24 08:37 「本日のマーケット」(FX編)・・・・連休明けの東京時間のドル/円は120円前半を中心にもみ合う展開。
09/24 08:26 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落スタート。連休中にNYダウが軟調に推移。
09/20 10:55 〈助太刀兵法45〉北斎蛸踊り(7)(無料公開)
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