なぜ、金融恐慌は続いているのか? | |
2011年8月3日 21時20分の記事 | |
USAの債務上限問題が落ち着くと、今度はEU(スペイン、イタリア)のソブリンリスクを問題にしているようですが、USAに比べるとスペイン、イタリアはずっと健全であり、財務改善にもより具体的に取り組んでいるようです。 USAの格付けは、ムーディズとフィッチは「AAA」据え置きでS&Pはまだ発表していないようですが、冷静に判断してみると、USAの格付けは日本の国債より3段階〜4段階程度低いのが妥当だと思います。この根拠は、後日、説明したいと思います。今日は「なぜ、金融恐慌はつづいているのか?」について2回に分け説明します。以下の分は3年前にまとめた資料の一部です。
2008年9月15日のUSA投資銀行リーマンブラザースの破綻以来、FRB、ECB、スイス、日銀等々、世界の中央銀行がコール市場に連日短期資金および短期ドル資金を放出しています。その規模は累計100兆円(日銀は10/8現在30兆円)を上回る規模に達しています。世界の通常時のマネーサプライ(現物の通貨紙幣)は600兆〜700兆円規模と推計できますので、この2週間余に世界通常規模の15%相当以上のマネーを市場に放出したことになります。マスコミでは恐慌について将来の危険性として触れておりますが、このようなマネーの放出は世界の巨大銀行数行が同時に取り付け騒ぎになっている状態に等しく、1929年の世界大恐慌と同じ世界金融恐慌が発生したことになります。いや、現在の世界市場の連携とその規模、スピードから当時の数倍以上の規模・スピードで世界に深刻な恐慌をもたらす恐れが高くなってきました。以下、その発生原因について説明します。 このような世界金融恐慌を招いた主な原因はCDSの発行にあります。CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は1994年にJPモルガンが自己資本比率を落とさずに貸出を増やす方法として考えられたもので,1997年に初めて発行された債務保証のリスクをヘッジするための保険としての機能を持ったデリバティブ商品です。2008年6月でのCDSの保証想定元本残高は54兆ドルになっています。保証期間は一般的に5年ものが主流のようです。現在のUSA&世界虚構(影の)金融破綻は起こるべくして起きたことで20数年前より人為的に段階的に仕組まれたものであると思われます。振り返れば、日本の日銀主導によるバブル経済の発生とその破壊は日本の経済力をそぐことと現在の世界金融恐慌の実験とする意味もあった疑いが濃くなってきました。そして最終段階で、近い将来、明らかに返済不能となる低所得層にサブプライムローン(ノンリコローン、物件を越えて債権訴求できないため債務者は簡単に住宅を手放す、このため益々住宅価格が下がる)を組ませ、それを証券化(RMBS証券)しさらにミンチにしてCDSを掛けそのデリバティブ商品(CDO等)を世界中に転売(金融破壊兵器または金融破壊ウイルスの世界拡散)しました。これにより貸手責任は完全に放棄されていますし、1京5000兆円といわれるUSAの金融資産はポーカーのブラフ(強い手を持っているように見せかける)状態であったことになります。 そして、サブプライムローンのデフォルト率が13パーセント2008年10月、(現在(2009年9月)は20パーセントを超えていると思われる)の段階で金融危機が表面化し、ミンチにしているため損失額が確定出来ず金融機関同士が疑心暗鬼となり欧米のコール市場(金融機関同士が資金を融通しあう市場)が機能不全となり、各中央銀行が一方的に資金を市場に投入する異常な状態が続いています。さらに、CDSの売り手の投資銀行の破綻が次々に表面化し、CDS市場の5%を持つといわれるリーマンブラザーズが救済されること無く破綻しました。リーマンブラザーズが持っていたCDS想定元本は2.7〜3.0兆ドルあるといわれています。この額は日本がバブル崩壊後、金融危機が生じた時の全金融機関の不良債権額の約2倍に相当します。また、現在のCDSデフォルト想定元本推定累計額はほぼその額(2.41兆ドル)に匹敵します。今後、デフォルト率は益々増加が予想され、その結果、膨大な損失が予想されます。 | |
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