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無残なり!ギリシャ国民
 
2012年2月16日 22時54分の記事

ウイキペディア「ユーロ」によりますと、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A6%E3%83%BC%E3%83%AD

ギリシャのユーロ加入が決められたのは、
「1998年5月3日に開かれた欧州理事会の会合において、各国首脳は1999年1月1日に収斂基準を満たした11か国で経済通貨統合を第3段階へ移行することを決定した[3]。
2000年6月19日、欧州理事会は「ギリシャは高い水準で持続的な収斂性を有しており、ユーロの導入に必要な状況になった」という理解に達した。その後の経済・金融理事会において、2001年1月1日にギリシャでユーロを導入することが承認された。」

と書かれています。


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この時、ギリシャは加入基準をほんとうに満たしていたのでしょうか。

「収斂基準と安定・成長協定 [編集]
1992年に署名された欧州連合条約では、加盟国は経済通貨統合の第3段階への移行、つまりユーロの導入にあたっては「収斂基準」を満たさなければならないとした。またテオドール・ヴァイゲルが主導した結果、1996年のダブリンでの欧州理事会においてユーロ導入にあたっての2つの基準が定められた。さらに安定・成長協定ではユーロ導入国に対して、通常の経済情勢では財政の均衡を維持することを義務づけており、他方で景気が悪化している情勢では、経済の安定化のために単年度国内総生産 (GDP) の 3% を上限として国債の発行を認めている。累積債務残高については60%を上限としている。
2004年11月、ギリシャがユーロ導入の決定がなされた時点で収斂基準を満たしていなかったということが判明した。ギリシャは実際の財政赤字を偽って欧州委員会に報告書を提出していた。しかし収斂基準に違反していたとしても、条約・協定では基準違反を想定していないために、既存のユーロ導入国の責任が問われるということがない。
またドイツやフランスなどを含む一部の国が安定・成長協定で定める基準に抵触するということが起こっている。」

とあります。

累積債務残高が60%を上限とする。
で、現在のギリシャ第二次救済で問題となっているのが、債権団のヘアーカットを70%とし、ECBも何らかの支援をしたとして、2020年にGDP比債務残高を120%とするのが難しいのでは、といわれています。

ということは、加入申請時点(2000年当初)で、既に大幅に収斂基準を満たしていなかったと言うことです。
これについては、ゴールドマンサックスの入れ知恵で、相当な額を債務残高に入れないようにして不正の申告をしたことがわかっています。

このゴールドマンサックスのエコノミック・ヒットマン(経済破壊工作員)の悪魔のささやきに甘いギリシャ当局は騙されたと思われます。

そして、審査するユーロ側も、元々ギリシャの財政は良くないのを知っていたはずなので、このような不正申請であることを承知していたものと思われます。
では、なぜ加入を認めたのか?

将来、ギリシャがデフォルト問題を引き起こし、小国であるギリシャを見せしめとし、その他のユーロ・EU加入国の危機感を煽り、EU共同債およびEU財政統合へ進める思惑があったものと推測できます。

将来、必ず破綻する小規模な国を加えておくと言うことです。
この点は、将来必ず破綻するサブプライム問題と同じ構図です。


この企みは、1998〜1999年ごろに仕組まれたものと思われます。
しかし、EUおよびユーロ首脳は1つ見落としていました。
1997年からアメリカのJPモルガンが利用を始めた「CDS」です。
CDSは2001〜2002年ごろから普及し始めましたので、首脳陣も気がついてなかったと思います。
ところが、ギリシャ国債にも多額のCDSが掛けられています。
さらに、博打のように、ギリシャ国債を保有していない第三者がCDSを掛けてギリシャがデフォルトするのを欲深く待っています。

このCDSの影響をどこまで低減出来るか、財政統合の機運をどこまで高めることが出来るかなどの思惑のため、この2年間が費やされたものと思われます。

そして、とうとうギリシャはS&Pとフィッチに死刑宣告を受けてしまいました。
「ギリシャに死刑宣告;S&P、フィッチ」
http://blog.kuruten.jp/katukan01/195240

ギリシャは4年連続マイナス成長でピークより16%のマイナスになっており、このままだと、ロシアを特別例として除くと、史上最悪の記録になりそうです。

ギリシャは役人天国で、年金天国(従来は現職時の80%支給)であり、しかも徴税率が悪く南欧特有のルーズな財務体質ではあったのですが。
ギリシャ国民は、ユーロ加入の一連の世界支配層、ユーロ当局、ドイツ、フランス、ギリシャ当局の思惑をまったく知らず、ユーロ加盟による、ただ一時のバブルを謳歌したに過ぎません。

こんなことになるなら、ユーロに加入せず、役人天国と徴税率の改善を地道に進めれば、多少、貧しくても平穏に暮らせていたものと思われます。

昔、オーストリーのインスブルックの居酒屋でのことです。
出稼ぎに来ていたギリシャ人20名位が盛り上がって輪になって踊りはじめました。彼らは陽気で人懐っこく、私とパートナーもその輪に引き入れられ彼らと一緒に楽しく踊りました。
地元のオーストリー人は彼らギリシャの人々を貧しいが為かやや見下すような感じがありました。

ギリシャは昔からドイツやオーストリーに比べずーと貧しかったのです。

格付け会社から死刑宣告を受け、EU、ユーロ、IMFからも散々コケにされているギリシャ。
このまま行くとデフォルトになりユーロ圏離脱を避けられないギリシャ。
ギリシャ国民には、今よりもずっとずっと厳しい過酷な情況が待ち受けています。

彼らが陽気に輪になって楽しく踊れる日はいつになるのでしょう。
日本の国民も、今の時代は、戦後からのCIA配下のマスコミが、日本国民の「洗脳」、「誘導」のために報じるニュースをそのまま信じ、何も知らないで暮らしていると、世界の狡猾な罠に陥れられる危険性があることを十分に知る必要があると思います。


以下、参考記事

[ブリュッセル 15日 ロイター] ユーロ圏財務当局者は、ギリシャ第2次支援の一部、もしくはすべてについて延期する方策を検討している。ただ延期した場合でも、デフォルト(債務不履行)は回避する見通しだという。複数の欧州連合(EU)筋が15日、明らかにした。
4月実施ともされるギリシャの選挙後まで延期される可能性があるという。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE81E00E20120215





http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE81E00820120215
[アテネ 15日 ロイター] ギリシャ保守系政党・新民主主義党のサマラス党首は、支援条件となっている緊縮措置実施に向けた誓約書を欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)に提出した。同党が15日、明らかにした。
書簡では、新民主主義党が次回選挙で勝利した場合、2010年の第1次支援、および第2次支援プログラムで定められた目標や主要政策に引き続き注力するとの意向が示された。


http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE81E00420120215

[アテネ 15日 ロイター] ギリシャのベニゼロス財務相は15日、同国向けの第2次支援をめぐる協議に関し、ギリシャが欧州連合(EU)・国際通貨基金(IMF)から新たな支援を受けるために求められていた条件の大半は達成しており、残りの問題についても同日開かれるユーロ圏財務相会合(ユーログループ)の電話会議までに解決するとの考えを示した。
同相は、記者団に対し「残っている項目が2、3あるが、それらもギリシャ時間午後6時(1600GMT、日本時間16日午前1時)からのユーログループの電話会議までに解決する予定だ」と述べた。
同相はまた、ユーロ圏の一部国について「火遊びをしている」と不満感を表した。



http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE81K3Q320120215
[ロンドン 14日 ロイター] ギリシャはマイナス成長が5年目に入っており、近代における経済悪化の最もひどい事例の1つとして不名誉な記録に載りかねない。
ギリシャの昨年の成長率はマイナス6.8%で、危機前のピーク時からの落ち込みは推定16%となった。2008年に7.7%だった失業率は20%以上に達している。
最近の深刻な景気後退としては2001年の債務不履行により経済が20%落ち込んだアルゼンチン、08年の世界金融危機で24%悪化したラトビアなどが挙げられる。世銀の統計によるとロシアは1989年から98年にかけて生産が44%減少しており、米国が大恐慌の際に経験した29%を大幅に上回るが、これはソ連崩壊時のこととして例外扱いされることが多い。
カーネギー国際平和財団のエコノミスト、ウリ・ダトッシュ氏は、ギリシャは国際的な金融支援と引き換えに一層の財政引き締めを計画しており、過去のこうした記録と肩を並べるばかりか抜き去る可能性があると指摘。「このままの道筋をたどれば─私はそんなことは続けられないと思うが─ギリシャの国内総生産(GDP)成長率は25─30%減少し、過去に例のない落ち込みとなる。ギリシャにとって悲惨な危機だ」と話した。
<長い悪夢続く>
経済危機を比較するのはりんごとオレンジを比べるようなものだ。すべての国は経済や政治の面でことごとく異なる。ただ経済政策調査センター(CEPR)の共同ディレクターのマーク・ワイスブロット氏によるとギリシャには他の事例と大きく異なる重要な点がある。経済が悪化し続けている期間が過去の事例の平均の2倍におよび、なお収束のめどが立たないのだ。同氏は「かなりの確率で最悪期を脱したというのならば違ってくる。しかしそうは言えない。まだ長い悪夢が続いている」と述べた。
ギリシャ政府は2010年に1100億ユーロの金融支援を受ける際に改革断行を約束したがそれを果たさず、欧州連合(EU)、国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)のいわゆる「トロイカ」をたびたび怒らせてきた。公務員の削減や民営化など財政立て直しに向けた取り組みにも消極的だ。
しかしプライマリーバランス(基礎的財政収支)でみるとギリシャ政府は増税や年金削減などによって大きな調整を果たしている。09年のプライマリーバランスのGDP比は10.4%の赤字だったが、今年は同0.2%の黒字が見込まれている。コンサルタント会社キャピタル・エコノミクスのアンドルー・ケニンガム氏は「これまでの政策の実行ぶりに対する評価は高くないが、これほど急速にプライマリーバランスの赤字を縮小した国はほかにない」と話す。
とはいうものの、巨額の利払いのため、今年の財政赤字のGDP比はなお4.7%に上ると見込まれている。EUとIMFはこの財政赤字を抑制するためにプライマリーバランスを14年と15年にGDP比で5.0%の黒字にするよう求めている。CEPRのワイスブロット氏によると、ギリシャの金利負担はジャマイカに次いで世界で2番目に重く、「(EUやIMFは)ギリシャから永遠に絞り取ろうとしている。トンネルの出口は見えない」という。
ギリシャ経済はさらに下振れるリスクがある。緊縮財政で成長が落ち込めば税収が減り、財政赤字が拡大し、一層の財政引き締めが必要になる。そしてこうした事態は既に昨年発生している。14日発表された11年の成長率はマイナス6.8%。IMFはマイナス4.5%としていた予測を昨年12月にマイナス6.0%に引き下げたが、実際にはそれよりも悪かった。
<ユーロ圏にとどまるべきか否か>
景気悪化に見舞われた国は通常、通貨を大幅に切り下げることによってこうした悪循環を断つ。生産や雇用は当初は大きく悪化するが、比較的速く回復する。アルゼンチン、ロシア、1997─98年のアジア金融危機後の国などがそうだ。
こうした事例から、ギリシャはユーロ圏を離脱して通貨を切り下げるべきではないかとの問題がくすぶり続けている。アイルランドや、通貨をユーロにペッグさせているラトビアは、通貨切り下げだけが唯一の解決策というわけではないことを示した。予算や賃金の切り下げによっても競争力は回復できる。
しかしワイスブロット氏は、ギリシャは危機があまりにも深刻なため、危険を冒してユーロから離脱すべきだと考えている。同氏は「私の予想では、ユーロを捨てればアルゼンチンのように非常にうまく行くだろう。短期的には危機に見舞われるが、それを脱して急速に成長するだろう」と話す。
一方、シンクタンクのブリューゲルのリサーチャー、ソルト・ダルバス氏は、ギリシャのユーロ離脱は混乱が必至で、その実現の可能性は低いとみる。ユーロを離脱すれば国際機関が支援から手を引いて政府が破綻するだけでなく、ユーロ建て債務の返済が不可能になって銀行や民間企業の大半は経営が行き詰まるという。同氏は「純粋に経済的な見地からすれば、たとえあと5年以上経済が悪化してもユーロ圏にとどまる方がギリシャにとって好ましい」と述べた。
ただダルバス氏は、つまるところこうした質問に答えなければらないのはギリシャの国民と政府だと付け加えた。ギリシャ国民はいつまで緊縮財政に耐えられるのか。いくら経済を比較検討してもその答えは見つからない。
(Alan Wheatley、Scott Barber記者)


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