2011年5月5日 0時55分 |
「逝くきみへ」 |
とおい 惑星の果て 立ち上る 幾億の星々 耳を澄ませば 聴こえる ざわめき 押し寄せる 目を閉じれば 拡がる 無限の宇宙 底無しの空漠 来たりて生命奪うもの 去りにし後に残るもの 絶望と希望 恐怖と歓喜 連なっている 何もかもが しめやかに祈り捧げるだけ 誰も知れぬ運命 巡る宿星の奏 息吹く命 また繋ぐ それを浮かべて 静寂より 終焉まで 連綿と 鼓動、打ち震え 知れよ ここに在ることを 知れよ ここに この命 在ることを いつか 辿り着く末へ… |
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2009年12月1日 2時12分 |
「記憶鮮明」 |
繋ぎ合わせた片翼が 高い天空を滑り往く 大地を孕んだ透明な 硝子のような風の群 覚えているか?水の匂いを 覚えているか?緑の匂い 忘れてないか?鳥の声 忘れてしまえ 過去の唄 先行く誰かの足痕を 肩を落として辿るだけ 振り返ることをやめたなら 進む意味も失いだろう 覚えているか?母の愛を 覚えているか?幼き頃 忘れてないか?旅の意味 忘れてしまえ 傷の色 人の意思など儚くて 潰えた夢の石畳 地表を果てまで埋め尽くす 墓標のように立つものを 読み取る誰がいるだろう? 忘れてしまえ 誰も彼も 忘れてしまえ 何もかも 忘れてしまおう このこころ 思い出せない 遠い声 絶え間無く 絶え間無く 降り来る光の粒子 やがてそれは 天空へと 光放つ 彼方へと 忘れ、忘れ去られた 記憶たちの宴。 |
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2009年10月15日 4時43分 |
「証」 |
死に逝く君の 白く冷えた指先 握っている僕の指の感触など もう届いてはいないのかも知れないね 君が死ぬということは 僕がひとりになるということで 人は独りでは生きて行けないと言うけれど 僕は生きてゆくためにひとりになる 最後の君を殺して 僕は僕だけになる 君達は何だったのだろう? これまでの僕が何者で これからの僕は何だというのだろう 君が逝ってしまったら 僕は僕の外側に 誰かを捜さなければならない だって矢っ張り 人は独りでは生きれないから その煩わしさこそが 生きているという証なのだから さようなら、君よ 初めからいなかったはずの君の 喪失のこの大きさ さりとて消えてしまったなら 泡沫の飛沫のように些末 人は独りでは生きれないものであり 生きるために忘却するものなのだから 君よ 君の形無き屍を踏み越えて 僕は生きよう それだけが 君達が存在した証 誰に立てるともない 孤高の証 孤高の、絆。 |
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2009年10月14日 1時11分 |
「巡る季節」 |
凍える季節が また近付いている あなたの不在を 明瞭と思い出させる 木枯らしは命を削り 積雪は尸を埋める 永久凍土の名残のように 只管時が過ぎるのを待つ あなたがいたからと言って 暖かな季節を過ごせる わけでもないのだけれど |
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2009年9月18日 4時14分 |
「行き交う偶さかへの謝意」 |
この街角で 通り過ぎたキミの姿を ぼくは見送る 一期一会にも満たない 刹那の邂逅 光速の交錯 キミの心に ぼくは何かを残せただろうか? ぼくの想いは届いただろうか? 既に忘れ去られていたとしても それでも良いと 強がりではなく 本当にそう思う。 容を生さなくても ぼくにとって価値がある それは揺るがない真実だから ただ 叶うなら キミの海馬に1ミクロンでも アトを残せたら そしていつかその ほんのわずかな一重が キミのやがての幸福に ほんの少しでも作用したら ぼくのこのちいさな いのちの業でも 神世にすら比類なき尊しを得る 結末は知れないけれど だからこそ今日もぼくは祈り 心を紡ぐよ キミに 感謝を |
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2009年9月18日 3時23分 |
「宇宙の水槽」 |
水の中に 沈む惑星 揺らぎたゆたい 控え目に乱反射 コポリと気泡 身を寄せる熱帯魚 惑星を巡り 棚引く尾ヒレ 層雲のように 縞になって 昇ってゆく 水面 顔を出す惑星 碧い闇で 月が待つ 濡れたkiss 滴が舞って 煌めく祝福 星祭り -------------------------------------------------- ■タイトルは「ソラ-ノ-スイソウ」と読みます |
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