「世界はいつも夜明け前」 | |
[詩] | |
2009年8月17日 13時54分の記事 | |
世界はいつも夜明け前 銀砂に飾られた 紫紺の宇宙を天井に 惑星色の光の粒が 深々と降りてくる やがて地表が近付くと 蛍の様に不規則に くるりふわりと弧を描き 立ち尽くす足元で 煙の様に溶けて びぃどろに似た溜りをつくる 爪先を刻むと イルカの様に跳ねる 「・・おーい・・」 誰かの聲 「・・おーい・・」 姿は見えず 「・・おォーい・・」 彼方から響く 「・・おォーい・・」 よく聴けばそれは波の音で そうとも此処は 誰も呼ぶ者などいない世界 それでも探してしまうのは やっぱり淋しいからなのだろうか 眩しいほどの夜の中で 月光を透かす肌をさすり 指先の感覚に目を閉じる 思い起こす 既に忘れ去られた記憶を もう覚えていないけれど これは確かに知っている そう気付いて 唇の端だけで笑む そうそれだけで もう良いんだ 何もかもを赦そう 二度と来ることの無いかつての夜明け 待っているのは誰も見たことのない 神も知らない新たなる夜明け 半端な温もりなど何処にもない 風が流れれば 光と波の円舞 唄をうたえば 天上への帰還 立ち昇る火影 肌をなめ 髪を撫で 堆く昇天する 奏でられるは世界の息吹 世界の鼓動 それでも世界は 今暫くは、夜明け前
世界はいつも夜明け前 銀砂(ギンサ)に飾られた 紫紺(シコン)の宇宙を天井に 惑星色(ワクセイイロ)の光の粒が 深々(シンシン)と降(オ)りてくる やがて地表が近付くと 蛍の様に不規則に くるりふわりと弧を描(エガ)き 立ち尽くす足元で 煙の様に溶けて びぃどろに似た溜(タマ)りをつくる 爪先(ツマサキ)を刻むと イルカの様に跳ねる 「・・おーい・・」 誰かの聲(コエ) 「・・おーい・・」 姿は見えず 「・・おォーい・・」 彼方から響く 「・・おォーい・・」 よく聴けばそれは波の音で そうとも此処(ココ)は 誰も呼ぶ者などいない世界 それでも探してしまうのは やっぱり淋(サビ)しいからなのだろうか 眩しいほどの夜の中で 月光を透(ス)かす肌をさすり 指先の感覚に目を閉じる 思い起こす 既に忘れ去られた記憶を もう覚えていないけれど これは確かに知っている そう気付いて 唇の端だけで笑(エ)む そうそれだけで もう良いんだ 何もかもを赦(ユル)そう 二度と来ることの無いかつての夜明け 待っているのは誰も見たことのない 神も知らない新たなる夜明け 半端な温もりなど何処(ドコ)にもない 風が流れれば 光と波の円舞 唄をうたえば 天上への帰還 立ち昇る火影(ホカゲ) 肌をなめ 髪を撫で 堆(ウズタカ)く昇天する 奏でられるは世界の息吹 世界の鼓動 それでも世界は 今暫(シバラ)くは、夜明け前 | |
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