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平成13年行政書士試験過去問 問29 民法
[平成13年行政書士試験過去問]
2011年5月25日 9時15分の記事

AはBから1000万円借り受け、Aの依頼によってCおよびDがこの債務について連帯保証人となった。次の記述のうち、正しいものはどれか。

1.この債務の弁済期到来後、Bが、主債務者Aに請求しないでいきなりCに1000万円弁済せよと請求してきた場合、CはBに対してまずAに請求せよと抗弁することができる。
2.この債務の弁済期到来後、Bが、Cに1000万円弁済せよと請求してきた場合、Cは500万円しか弁済する義務はない。
3.この債務の弁済期到来後、BがCに対して弁済請求訴訟を提起して勝訴した場合、Aに対しても時効中断の効力が生じる。
4.この債権の時効完成後、Aが「必ず弁済します。」という証書をBに差し入れて時効の利益を放棄した場合、CもDもこの債権の消滅時効を援用することができなくなる。
5.この債権の弁済期到来後、CがBに1000万円全額を支払った場合、CはAには求償できるが、Dに対しては求償することができない。

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1、この問題の出題形式は、「正しいものはどれか。」を問う問題である。

正しいと確信できる選択肢は○。あいまいな選択肢は△。間違いだと確信できる選択肢は×をつければ自ずと答えが出てくる。

2、まずは、何の問題か把握しよう。

連帯保証に関する問題である。基本的な問題なので必ず得点したい。

3、選択肢を一つ一つ検討しよう。

1.この債務の弁済期到来後、Bが、主債務者Aに請求しないでいきなりCに1000万円弁済せよと請求してきた場合、CはBに対してまずAに請求せよと抗弁することができる。

連帯保証人には、催告の抗弁権及び検索の抗弁権は認められていない。
選択肢の場合は、CはBに対してまずAに請求せよと抗弁することはできない。
よって、誤り。

参考条文

(催告の抗弁)
第四百五十二条  債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人は、まず主たる債務者に催告をすべき旨を請求することができる。ただし、主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたとき、又はその行方が知れないときは、この限りでない。

(検索の抗弁)
第四百五十三条  債権者が前条の規定に従い主たる債務者に催告をした後であっても、保証人が主たる債務者に弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したときは、債権者は、まず主たる債務者の財産について執行をしなければならない。

(連帯保証の場合の特則)
第四百五十四条  保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、前二条の権利を有しない。

2.この債務の弁済期到来後、Bが、Cに1000万円弁済せよと請求してきた場合、Cは500万円しか弁済する義務はない。

連帯保証人は、複数の保証人がいても分別の利益がないため、主たる債務の全額について弁済する義務を負う(大判大正6年4月28日)とするのが判例。
よって、誤り。

3.この債務の弁済期到来後、BがCに対して弁済請求訴訟を提起して勝訴した場合、Aに対しても時効中断の効力が生じる。

連帯保証人に対する請求は、絶対的効力を有し、主たる債務者にも時効中断の効力が生じる。
よって、正しい。

参考条文

(連帯保証人について生じた事由の効力)
第四百五十八条  第四百三十四条から第四百四十条までの規定は、主たる債務者が保証人と連帯して債務を負担する場合について準用する。

(連帯債務者の一人に対する履行の請求)
第四百三十四条  連帯債務者の一人に対する履行の請求は、他の連帯債務者に対しても、その効力を生ずる。

4.この債権の時効完成後、Aが「必ず弁済します。」という証書をBに差し入れて時効の利益を放棄した場合、CもDもこの債権の消滅時効を援用することができなくなる。

時効利益の放棄は、各当事者ごと相対的に効力が生じるから、主たる債務者が時効利益を放棄しても、連帯保証人は消滅時効を援用することができる(大判大正5年12月25日)とするのが判例。
よって、誤り。

5.この債権の弁済期到来後、CがBに1000万円全額を支払った場合、CはAには求償できるが、Dに対しては求償することができない。

連帯保証人が債務の全部を弁済した場合、主たる債務者にも他の連帯保証人にも求償することができる。
よって誤り。

参考条文

(委託を受けた保証人の求償権)
第四百五十九条  保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、過失なく債権者に弁済をすべき旨の裁判の言渡しを受け、又は主たる債務者に代わって弁済をし、その他自己の財産をもって債務を消滅させるべき行為をしたときは、その保証人は、主たる債務者に対して求償権を有する。
2  第四百四十二条第二項の規定は、前項の場合について準用する。

(共同保証人間の求償権)
第四百六十五条  第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。
2  第四百六十二条の規定は、前項に規定する場合を除き、互いに連帯しない保証人の一人が全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。

(文 朝日久義)

 

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