平成13年行政書士試験過去問 問27 民法 | |
[平成13年行政書士試験過去問] | |
2011年5月25日 9時14分の記事 | |
次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。 ア、契約の申込は、相手方が承諾をしたならば、申し込んだ内容通りの法律効果を発生させる意思をもって行われるものであるから、意思表示といえる。 イ、契約の解除は、解除権の行使であって、そのことによって法律により契約関係を遡及的に解消させるものであるから、意思表示とはいえない。 ウ、転貸の承諾は、賃借人に対して、利用権限を移転させることを許容することであるから、意思表示といえる。 エ、債務の履行の催告は、相手方がこれに応じない場合には、解除権が発生し、契約を解除できるものと考えて行う場合は、意思表示といえる。 オ、時効の中断となる債務の承認は、債権が存在するという事実を表明するものであるから、意思表示とはいえない。 1.一つ 2.二つ 3.三つ 4.四つ 5.五つ <合格する人はこう考える>
1、この問題の出題形式は、「正しいものはいくつあるか。」を問う問題である。 行政書士試験でよく出題される個数問題といわれるタイプの問題である。このタイプの問題を解くためには、選択肢の正誤を一つ一つ正確に判断できなければならない。 1つでもあいまいな選択肢があれば、正解することは難しいので、長く考えず、後回しにするとよい。 2、まずは、何の問題か把握しよう。 意思表示に関する問題である。基本的な問題なので必ず得点したい。 意思表示は以下のようなものがある。そのうちのいいずれに該当するのか?を問う問題である。 ・意思表示 人が法律効果の発生を意欲し、かつその旨を表示する行為 例:申込み、解除、取消し、転貸の承諾、同意、許可、契約 ・意思の通知 意思の発表だが、意思が法律効果の発生を内容としないもの 例:催告(請求)、弁済の受領拒否 ・観念の通知 一定の事実の通知で、意思の発表という要素を含まないもの 例:債務の承認、代理権の通知、債権譲渡の通知及び承諾 3、選択肢を一つ一つ検討しよう。 ア、契約の申込は、相手方が承諾をしたならば、申し込んだ内容通りの法律効果を発生させる意思をもって行われるものであるから、意思表示といえる。 正しい。契約の申込みは、契約締結の意思を欲して、表示されるものであるから、意思表示である。 イ、契約の解除は、解除権の行使であって、そのことによって法律により契約関係を遡及的に解消させるものであるから、意思表示とはいえない。 誤り。契約の解除は、契約解除の効果を欲してその旨を表示する行為といえるので意思表示である。 ウ、転貸の承諾は、賃借人に対して、利用権限を移転させることを許容することであるから、意思表示といえる。 正しい。転貸の承諾は、意思表示である。 エ、債務の履行の催告は、相手方がこれに応じない場合には、解除権が発生し、契約を解除できるものと考えて行う場合は、意思表示といえる。 誤り。債務の履行の催告は意思の通知に過ぎない。 オ、時効の中断となる債務の承認は、債権が存在するという事実を表明するものであるから、意思表示とはいえない。 正しい。債務の承認は、観念の通知に過ぎない。 よって、正解は、3.三つである。 (文 朝日久義) | |
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