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〔助太刀兵法6〕秘剣虎走り(無料公開)
[【時代小説発掘】]
2010年11月19日 8時54分の記事


【時代小説発掘】
〔助太刀兵法6〕秘剣虎走り
花本龍之介 



(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


梗概:

 謎の乙女・咲椰に連れられて、隠れ里に連れて行かれた早船飛十郎は、五人のならず者にかどわかされた母親を救う手助けをしてくれと頼まれる。黄金一袋の謝礼で助太刀を引き受けた飛十郎は、女軍団と共に地獄谷へむかう。壮絶な闘いのすえ四人を倒した飛十郎の前に、元小田原藩士で剣の達人・波切平助が現れる。名月の下、対決した浪人ふたりは死力をつくすが、平助のあまりの強さに、ついに飛十郎は秘剣虎走りの奥技を使ったが………。

 この技は流祖・林崎甚助が戦場において編み出した秘剣だといわれている。枯れ草の間に身をひそめた甚助が、その姿のまま敵に駆けより一刀のもとに切り捨て、後ずさりをして戻った技が、まるで虎が獲物を一撃で仕止める姿に似たりと、虎走りと名付けられたと伝えられる。よほどの腕をもった弟子でなければ師匠から口伝されないという秘技であった。
〈本文より〉


【プロフィール】:
花本龍之介。尾道市生まれ。居合道・教士七段。現在逗子に居住している。


これまでの作品:
[助太刀兵法1]鎌倉しらす茶屋  
[助太刀兵法2]人助けの剣
[助太刀兵法3]白波心中
[助太刀兵法4]おとよの仇討 
[助太刀兵法5〕神隠しの湯

猿ごろし


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【時代小説発掘】
〔助太刀兵法6〕秘剣虎走り
花本龍之介 



一 遙かなる山へ
 
 身仕度をととのえて宿を抜け出してきた飛十郎を見て、不快気な顔で咲椰は立ち上がった。
「遅い!。 男のくせに、なにをしていた」
 早川の流れの中にある大岩から、軽々と身を躍らせて、飛十郎の横に降り立つと、あきれたような声を
出した。
「油屋に書置きを残してきた。黙って消えて、またぞろ神隠しだと騒がれては困る。十日ほど、箱根山の湯めぐりをしてくると書いてきた。それに、」
 と言って飛十郎は、腰に差した両刀をぽんと叩いた。
「これを刀部屋から、こっそり盗み出してきたしな」
「盗み出す? では、それは他人の剣か」
「いや、じょうだん、冗談。これは、おれの刀だ」
 頭をかきながら、飛十郎は首をすくめた。
「ふざけるのは、やめてもらおう。そなたの腕に、わが氏族の命運がかかっているのだ。冗談なぞ聞いているひまはない」
 けわしい顔で決めつけると、咲椰は足を早めて歩きはじめた。咲椰は、もう裸ではない。麻糸を織って作った短か袖のゆったりした古風な上衣に、裾幅の狭い袴のような物を穿いている。色は草木で染めた淡い桜色である。
「あやまった。おれも若くはない。もう年だ。けわしいこの山道を、咲椰どののようには歩けぬ。足をゆるめてくれ」
 閉口したような飛十郎の声を聞くと、咲椰は足を止めて振りむいた。
「早船どのが、われらのように軽々と山を歩けぬのはわかっている。そこに見える橋を渡った先に、乗り物を用意してある。あと少しのしんぼうじゃ」
 乗り物と聞いて、飛十郎は竹を編んで作った山駕籠のような物を想像していたが、案に相違して待っていたのは扉のある立派な引き手駕籠であった。担ぎ手は四人、すべて女である。
 飛十郎が乗り込むと、すぐに扉が閉じられ、急な山道を宙を飛ぶように走りだした。
 外は明るい月夜だが、駕籠の中は鼻をつままれてもわからぬほど暗い。それに女用の乗り物らしく身動き出来ぬほど狭い。ぴたりと閉じられた窓や扉を何度か開けようとしたが、びくとも動かない。飛十郎は、あきらめると腕を組んだ。
「鬼が出るか、蛇(じゃ)が出るか……」
 こうなると、運は天にまかせるしかない。
 途中、いくつもの集落を通り過ぎたことは、道が平らになり湯の香りがしたことでわかった。渓流の音が、遠くなったり近くなったりしながら絶えず耳についた。二回、担ぎ手の肩が入れ替わったことは、駕籠の揺れが微妙に変化をしたことで知れた。
 ……やがて、駕籠はゆっくりと草の上に降ろされた。
 外から扉が引き開けられると、涼やかな風が吹き込んできた。駕籠に乗せられてから、どれほど時間がたったか見当もつかなかった。
「ようやく着いたか。いや、尻が痛くなったぞ」
 と言いながら飛十郎が駕籠から出て、刀を帯に差しながらあたりを見廻すと、そこは美しい渓谷をはるか下に見おろす、切り立った崖の上であった。
「ふ、うむ。これは、」
 かなわぬ。とばかりに、飛十郎は思わず二、三歩うしろへ下がった。
「ほほう。早船どのは、高い場所は苦手なのか」
 愉快げに言って、咲椰が飛十郎の背中を、どんと突いた。
「それ。もそっと崖の近くまで寄って、見物しなされ」
「よせっ、やめろ」
 こんな高い所へきたのは生まれて初めてだ。目もくらむばかり、というのはまさにこの高さである。両国橋から見た、大川の水面までの高さなど、問題にもならぬ。飛十郎の足が細かく震え出した。
 はるか下に見える、一筋の細い糸のような川の水が、しらじら明けの朝の空気の中で鈍く光っている。
「ここへきた下界の者はあまりいないが、誰でも怖いらしいな。われらは、なれておるが」
 よほどの高みに登ってきたのか、それまで飛十郎が見上げていた箱根の山々の頂きが、すべて目の下に見える。その連なった山の底から、湧き出すように次々と濃い朝霧が立ちのぼってきて、風に白くたなびき流れているのが、まるで絵巻物のように見えた。
「いや、見事な景色だ。たっぷりと見せてもらった。そろそろ商談に移ろうではないか」 うしろへ下がりながら、飛十郎は振りむいて咲椰を見た。
「商談? なんだ、それは」
「おれの腕を借りたい、といったではないか。くわしい事情を聞かせてもらおう」
 駕籠のまえにあぐらをかくと、目の前に立つ咲椰を見あげた。朝露にしめった草のために袴がぐっしょり濡れたが、気にするような飛十郎ではない。
「わらわも、そなたが承知してくれねば、館へ連れていくわけにはいかぬ」
「ことわっておくが。人を殺せという話には、のれんぞ」
 草を引きちぎると、口にくわえながら飛十郎は言った。
「変わった男じゃ。それでも侍か。武士は、人を殺すのが仕事ではないか」
 飛十郎の顔を、咲椰はあきれたように見た。
「おれはちがう。助太刀をするのが、商売だ。人を斬ったことは何回かあるが、殺したことは一度もない」
「ふうん……、なるほど」
 草叢の上を歩き廻りながら、感心したように咲椰がうなずく
「よし。それで、よい。十日ほど前わらわの母君が、かどわかされた。取り戻すのを手伝ってほしい」 
 人さらい、と聞いて飛十郎は顔をしかめた。
「あんずるな、早船どの。居場所は突きとめてある」
「そうか、どこだ」
「さほど遠くはない。ここから山を二つ越え、谷を三つ渡ったところにある地獄谷だ」
 なにが、さほどだ。立派に遠いではないか。飛十郎は、さらに顔をしかめた。
「母君をさらった悪党どもは、五人。ひとりは、火を放つ棒を持っている」
「なんの棒だと?」
「大きな音がして、火と煙りが出ると、人や獣が死ぬ。恐ろしい棒だ」
「ああ、そいつは種子島だ。火縄銃といってな、異国から渡ってきた武器だ。知らないのか」
「知らぬ」
「ふん。人さらいの仲間に、猟師がまじっているわけか。ちと、面倒だな」
 しかめた顔のまま、飛十郎は無精髭をごしごしこすった。
「と、なると、まずそいつから片付けなくてはならん。値段が高くなるぞ」
「ほう、高くなるのか」
 咲椰が形のいい鼻に、皺をよせた。
「なにしろ、敵は鉄砲を持っているからな。こっちも命がけの商売になる。悪いが、礼はたっぷりといただきたい」
「いくら支払えばいい」
「そうだな。まず小判、いや小判はないか。黄金を皮袋いっぱい、でどうだ。手を打たぬか」
 噛んでいた草を投げすてると、飛十郎は咲椰の顔を見た。
「よい。それで、手を打とう」


二 隠れ里   

 崖の上の広い草原を横切ると、巨大な岩の上に出た。あたり一面、るいるいたる巨石の群れである。飛十郎が初めて目にする、見上げるばかりの岩で、どれ一つとっても江戸城の石垣などくらべものにならぬ大きさだった。
 ――これが、神隠しの里への道か。いったん出れば、二度と戻れぬのも無理はない…… ような迷路である。巨大な岩と岩の間の狭い道を、咲椰のあとについて曲がりくねりながら歩いて行くと、ひょっこりと大きな門の前に出た。
「ここが、わが氏族の住む館じゃ。くるがよい」
 館は巨大な岩の上に建っているらしく、急な高い階段を足取りも軽く咲椰は上がっていった。飛十郎は手摺りにすがって、息を切らして後へつづく。
 着いたのは、いくつかある建物群の入口にあたる場所らしく、両開きの扉をくぐり抜けると、その先は岩から岩へ長い渡り廊下がつづいていた。建物は、いずれも分厚い杉板で造られている。古代様式の高床式の屋敷なのだが、飛十郎はそんなことは知らぬ。ただ、いかにも古い館だということは、黒ずんだ木の色でわかった。
「ずいぶんと長い年代をへた館のようだが。咲椰どの、百年はたっているかな」
「いや、二百五十年だ。一番奥にある御神殿は、もっと古い」
「ふうむ」
 恐れ入った、というように飛十郎は頭をかいた。
「さあ、わらわの館にきた。早船どの、くつろぐがよい」
 いちだんと大きな建物の中に入ると、咲椰は草を編んだ円座を指差しながら言った。
自分は、階段を三段ほど上がった舞台のような板敷に置かれた円座に、平然として腰をおろす。
――これでは、まるで将軍家に拝謁する小大名のようではないか……
 内心ぼやきながら、飛十郎は広々とした部屋を、珍しそうに見廻した。
「さぞ疲れたであろう。何か運ばせよう」
 咲椰は天井から下がっている無数の鈴がついた紐を引いた。涼やかな澄んだ音色が、あたりに響いた。この館を取り巻く回廊から裸足の足音が聞えて、角高杯(たかつき)を手に持った女たちが姿をあらわした。
「うずめじゃ、早船どの。顔なじみであろう」
 先頭に立つ背の高い女を見ながら、咲椰は笑顔で言った。
 思わず、ははっ、と答えそうになって、飛十郎は舌打ちをした。
 段上に座った咲椰は、そう言いたくなるほど、凛とした高貴な気品があった。
「さきほどは、どうも」
 笑いをこらえた声で挨拶すると、うずめは角高杯を飛十郎の膝の前に置いた。角高杯というのは、古代より使われた神饌、つまり神に供える稲、米、酒、鳥、魚介、獣肉、蔬菜などを乗せた足付きの台のことである。朝餉のつもりか、白い磁器の皿に赤飯や、川魚や獣の肉を焼いたものが並べてある。
「腹がへっては戦にならぬ、と申す。ぞんぶんに喰うがよい」
 角高杯を覗いていた飛十郎が、皿を持ち上げて咲椰を見た。
「では、いただくが。これは、なんの肉かな」
「猪と鹿じゃ。よく噛んで食べれば、すべて血と肉になる。力が満ちあふれる肉だ」
飛十郎は皿に鼻を近ずけて、くんくんと匂いをかいだ。
「おれはまた馬と鹿の肉かと思った。ならば、共食いになるからやめようと思ったが、猪と鹿なら食べてみよう」
 一瞬、顔を見合わせた咲椰とうずめが声を揃えて笑い出した。
「は、ははは。いや、早船どのは、面白いお人じゃ」
「ところで咲椰どの。ひとつ、ふに落ちぬことがあるのだが」
「なにかな」
「さきほど岩風呂で見た、おぬしの腕だが、なかなかのお手並みだった。ここにはあれほどの技を持つ者は、まだいるのか」
「いる。あと十人ほどは」
「弓はどうだ。手だれはいるか」
「弓の術なら、わが氏族の得意の技じゃ。太古の昔より飛ぶ鳥を射落とし、獣どもを射殺して生きてきた」
 飛十郎は、鹿の肉を噛みちぎりながら、咲椰の顔を鋭い視線で見た。
「ならば、おれなど雇わず。十日も前からさらわれ居所もわかっている母上を、おぬしらの手でさっさと救い出せばよい」
「それは、できぬ」
「わからんな、どうしてだ」
「そなたが、この箱根にあらわれるのを待て、というお告げがあったのだ」
「お告げだと? 誰のだ」
「われらが山幸彦族の氏祖神・木花之開耶姫尊(このはなさくやひめのみこと)さまじゃ。わが氏族が、ことを起こす時は、なにごとによらず氏祖神さまの神意、神託を聞くのだ」「ふうむ……。不思議なことを聞く。いったいどんな方法で、神託を聞くのだ」
「二つある。いずれも、われらが氏族に二千五百年ものあいだ伝えられている秘術だ。一つは、太占(ふとまに)といって、牡鹿の肩骨を、この館にある聖なる湯に百日間ひたし、さらに太陽に干して脂気を抜き、これを波波迦(ははか)という神木によって焼く。その骨にあらわれる、ひび割れによって吉兆を占なうものだ」
「おもしろい。もう一つの術とはどんなものだ」
「わらわの身に氏祖神が憑依(ひょうい)したまい、わが口をかりて神意を下しおかれるのだ。〔東方より登りくる武人の助けを得ることができず、氏族のみにて戦えば必ず敗れる〕との神託が下った。太占による吉兆も、ぴたりと一致した」
 飛十郎が、顎をこすった。
「おれが箱根へくる、日も、時刻も、すべてわかっていたというのか」
「もちろんじゃ。それでわらわは、そなたの腕を知るために、うずめをあの宿へ送り込んだのだ」
「ふ、ふ、それにしては、手荒いお出むかえだった」
にやりと、飛十郎が笑った。
「よかろう。で、いつ戦いに出発するのだ」
「いま、すぐにだ」
 咲椰は、そう言って立ち上がった。


三 使い鳶

 山を二つ越え、谷を三つ渡るあいだに、飛十郎はくたくたになった。
「まってくれ、かなわん。すこし休ませてくれ」
 最後の谷を目の前にして、飛十郎は座り込んだ。
「そうか、よし。みなの者、小休止じゃ」
 咲椰を先頭にした十人の武装集団は、立ったまま腰に吊った竹筒から、なにか飲みはじめた。
 女たちは手に、あの矛に似た武器を持ち、腰に両刃の直刀を差し、弓と矢筒を背負っていた。そのうえ咲椰をはじめ全員、奇妙な形をした金属製の甲冑を身につけている。古墳から出土する、埴輪の兵士の姿に酷似しているのだが、むろん飛十郎はそんな物は見たこともない。いずれにしても、古代の武人たちの姿である。
「しかし、おぬしら、元気だな」
 女のくせに、という言葉を危うくのみ込んで、あきれ顔で飛十郎は傍に立っている咲椰を見た。
「われら山幸彦族は、そなたらの種族とはちがう」
 たしかに違う。急な山肌を平地のごとく疾走し、木から木へ岩から岩へ、鳥のごとく飛び移る。こやつら、人間ではない。
「それは、なんだ。なにを飲んでいる」
「これか。早船どのも飲んでみるか」
 咲椰が差し出した竹筒を、飛十郎は受け取って口に寄せる。香り高い匂いにまじって、つんと鋭く鼻につく。
「む。これは、うまい。酒ではないか」
 ひと口飲んで、思わず声を上げた。
「は、はは、猿が造った酒じゃ。はるか昔、猿たちが木の実や花の実、それに野生の山葡萄や野苺を木の洞(うろ)に隠し、それが自然に発酵して酒となったものだ」
「不思議だ。これを飲むと、足の痛みが消え、全身に力がみなぎってくる」
 喉を鳴らして、飛十郎は飲んだ。
「それ位にしたがよい早船どの。初めての者があまり飲むと、逆に躰を痛める」
「いや、ありがたい。疲れがとれた。ところで咲椰どの、言い伝えでは、このあたりに隠し金山があるということだが、本当かな」
「まことじゃ。あれは、わが氏族の金山であった。だが今はない。千二百年ほど前、大和の国の葛城の里からやってきた役(えん)の小角(おずぬ)という男が、黄金の山をめぐってわが氏族と戦い、神の怒りにふれて大地が揺れ崩れ、金山への入口が二つとも永遠にふさがれてしまったのだ」
 銀色の冑(かぶと)からたれた長い髪をなびかせながら、咲椰は遠くつづく山脈に目をやった。
「役の行者のことか。仙術をよくし、空を飛行することが出来たというが」
「なんの、ただの悪党よ。葛城の山で悪さをし、伊豆の国に流されて、そのおり高天の里へも来た。なにやら自慢げに、富士山へ登ったと言っていたそうだ。いま思っても腹が立ってならぬ。われらが氏祖神を祀る、聖なる地をすべて穢(けが)して廻ったような男だ」 吐き捨てるような口調で、咲椰は言った。
「わが氏族は太古の昔、はるか南の火の国から、火の山を追ってこの地へやってきた。伊豆の国にある大室山。富士の山にある浅間明神。そしてこの山にある箱根権現。すべて、わが氏祖神である木花之開耶姫尊と、その子・山幸彦命を祀ってあるのじゃ」
「なるほどな……。だが、その役の小角という男、空を飛べるというのが本当なら、たいしたものではないか」
 ふところ手を胸元から出して、無精髭をこすると飛十郎は言った。
「そなたの種族は、すべてそのように愚かなのか。あれは、まやかしの術。目くらましの技じゃ。見るがよい」
 そう言って咲椰は、午後の輝く日差しの中を青空高く、ゆうゆうと舞い飛んでいる一羽の大きな鳶を指差した。
「おう。あの鳶、おれの行く手を、先になり後になり飛んでいたが。あれは咲椰どのに、なにか関わりのある鳥か」
「あれこそ、われらが氏祖、木花之開耶姫さまの使い姫じゃ。母君の捕らわられた場所も、あの鳶が教えてくれたのだ」
「ほほう。あの鳶、がな」
 間のびした声を出して、飛十郎は空を見あげた。
「早船どの。わらわは、あの谷のむこうにある大岩まで飛ぶぞ」
 咲椰の言葉に、あわてて飛十郎は空の鳥から目を離すと、谷のむこうを見た。
 ごおう、と音を立てて山頂から吹きおろす谷風に乗るかのように髪をなびかせて、咲椰は谷底めがけて飛び出した。女たちのどよめく声に、一瞬、飛十郎の目の前から消え失せた咲椰の姿が、はるか谷のむこうにある大岩の上に、ひらりと飛び降りたのが見えた。
「う、ううむ……。これは」
 たしかに目の前で、咲椰が空を飛んだ。飛十郎は、思わずうなった。
 大岩の上で、咲椰は背のびをするように爪先立って、手を振っている。崖の上から、うずめをはじめ女たちが歓声をあげながら手を振り返している。
「は、はは。どうじゃ、早船どの。わらわは見事に空を飛んだか」
 ふいに背後の岩のむこうから、咲椰の声がした。
「どういうことだ」
「まやかしの術だ。鳶に気を取らせている隙に、わらわに姿かたちのそっくりな影の者に合図を送り、あの大岩の傍の木の上に伏せておいたのだ。これを影飛(かげとび)という。わらわは崖から飛び、早船どのが谷のむこうに気を取られている間に、うしろへ廻ったというわけじゃ」
「まいった」
 ふところから手を出すと、飛十郎は素直に頭を下げた。
「さあ、急がねばならぬ。ぐずぐずは出来ぬ。なんとしても今宵のうちに母君を助け出すのじゃ。この谷を渡り、あの山肌に見える草原を抜ければ、すぐ地獄谷だ。いくぞ」
「おうっ!」
 咲椰を先頭に、武装した女たちは、声をあげながら谷底にむかって駆けおりていった。 飛十郎も遅れじとばかり、木の枝、草の根にすがって谷をおりていく。猿酒の効力か、足は軽々と動き、疲れはまったく感じなかった。


四 鬼の住み家

「ここが地獄谷か」
 うなるような声で、飛十郎は誰にともなく言った。
 目の届くかぎり、荒寥たる光景がつづいている。山肌は切り裂かれたように、むき出しになり、あちこちから硫黄が吹き出しているのか、黄色味を帯びた煙りが吹き上げ、つんと鼻を突く刺激性の強い匂いが流れてくる。
「そうじゃ。数千年前の、火の山の大爆発で出来た谷だ。土地の者は大湧谷と呼んでいるらしいが、地獄と呼ぶほうがふさわしい谷だと思わぬか」
 飛十郎は、ふところ手をしたまま黙ってうなずいた。
「それに、真っ赤な湯をたたえた血の池や、絶えずぶくぶくと大きな泡を噴き上げている坊主地獄もある。さらに、そのむこうの洞窟には鬼が住んでいたという、言い伝えもあるしな」
 咲椰はそう言って、岩陰から顔を出すと、谷の右手を指差した。
「いまの鬼たちは母君をさらって、あそこに見える小屋に住んでいる。母君と同じ重さの黄金を寄こせといってな」
「しっ」
 と言って、飛十郎は岩陰に首をすくめた。目の下に見える粗末な小屋から、男が出て来たからだ。男は猟師らしく手に火縄銃を持ち、それは肩に構えて、しきりに狙いを定めている。見張りをしているつもりらしい。そのうち、それにも厭きたのか、地面にむかって唾を吐くと、また小屋の中へ入っていった。
「いや、危なかった。やつに見つかれば、一巻の終わりだぞ」
 飛十郎は、空を見上げた。午後の陽は、かすかに傾むきかけて、じりじりと地獄谷のむこうの峰へ近づいていく。
「もう少し待とう。おぬしたちは、夜目が利くといっていたな」
 岩の後ろへ伏せていた顔を上げて、咲椰がうなずいた。女たちは全員たくみに岩の陰や、背の高い草の根元に身を伏せて、姿を消している。飛十郎から見えるのは、咲椰とうずめだけであった。
「さっき、おぬしの母を連れ去った悪党どもは、黄金を要求してきたといっていたな。それも、母上の躰の重さと同じ量の。咲椰どのの館には、それほど金があるのか」
「あったが。それは、はるか昔のことだ。役の小角が襲ってきた時の大地震で、隠し金山の入口の一つ、この地獄谷にあったほうは、あとかたもなく崩れ落ち、残る一つの山の中腹にあった入口のほうも、火山が造った深い湖に沈んでしまったのだ」
「湖というと、芦の湖のことか?」
「そうだ。そなたたちが、そう呼んでいる箱根権現の傍にある湖のことじゃ」
 咲椰はそう言って、母親が囚(とら)われている小屋の方に目をやった・
「そなたたち、とよく言うが。では聞くが、おぬしたちはあの湖をなんと呼んでいるのだ」
 飛十郎は、首をかしげた。
「あの湖や地獄谷ふくむこの一帯を、わが氏族は、神の山と呼んでいる。ならば、神の湖と呼ぶのが当然であろう」
 ――なるほど。芦の湖より、神の湖のほうが、あの青く澄んだ広い湖には、ふさわしかもしれぬ……
 無精髭をこすりながら、飛十郎は思った。
「早船どの、機をのがしてはならぬ。戦さはいつ仕掛けるのじゃ」
 小屋を見ているうちに気が高かぶったのか、咲椰はあせったように言った。
「まあ、まて。まだ早い。敵は鉄砲を持っているからな。すこし薄暗くなったほうが、やりやすい」
「なんじゃ。鉄砲ひとつ位で、びくびくして。あんな物は、わらわの弓ですぐ射殺して見せるわ。早船どの、まさか臆したのではあるまいな」
 怒ったような顔で、咲椰は飛十郎を睨みつけた。
「気持ちはわからないでもないが……。それには同意できんな。たしかに、矢で猟師は倒せたとして、その間に人質が殺されたらどうする。取り返しのつかぬことになるぞ」
 唇を噛むと、咲椰は下をむいた。
「ここは、おれにまかせろ。やつらが夕餉のしたくを始めた頃、仕掛ける。鉄砲もおれが奪う。いいな、咲椰どの」
 泪をためた目で、こくんと咲椰はうなずいた。無理もない。母の身が、よほど気にかかるのだろう。
「よし。いい子だ」
 思わず飛十郎はそう言った。躰こそのびのびと成長し、顔も大人びているが、まだ十七才の乙女である。
 咲椰のほうを見ないようにして、飛十郎は斜面にごろりと寝転んだ。両手を頭の下で組む。空は青く澄んでいたが、あきらかに透明さを増している。山の夕暮れは早い。地獄谷にくるまで咲椰の上を飛んでいた鳶も、硫黄の匂いが苦手らしく、見廻しても羽根の影は見えなかった。


五 決闘地獄谷

「そろそろだな」
 両刀を帯に差しながら立ち上がると、飛十郎は袴の紐を結び直した。咲椰たち十人の女たちも、武器を手に取って、いっせいに立ち上がる。
「ここは、おれの出番だ。あの小屋へは、おれ一人で乗り込む」
「では、わらわたちは、どうすればいいのじゃ」
「そうだな。ま、気楽に、ここで待っていてくれ。そのうち、小屋で大騒ぎがはじまる。逃げだす連中もいるだろうから、弓なり矢なり好きなもので射ってくれ」
「敵は五人もいて、しかも鉄砲を持っているのだぞ。それでも一人でいくのか」
 咲椰が目を丸くして飛十郎を見た。
「ああ。これがおれの商売だからな。とにかく咲椰どのは、外で待っていてくれ」
 ふところ手をして歩き出したが、二、三歩行って、すぐに無精髭をこすりながら引き返してきた。
「さっきの黄金のことだが。まったく無いわけでは、ないだろうな」
「むろんだ。早船どのに支払う黄金は、ちゃんとある。安心するがよい」
 咲椰は、腰に下げた皮袋を手で叩いた。
「そこに持っているのか」
「すこし持ってきた。それにしても、そなたは、よほど黄金が気になるようだな」
「まあ、な……」
 顎をなぜながら、何か考えていた飛十郎が、すっと手を出した。
「二、三個、渡してもらいたい。鉄砲を奪う策が、たった今ついた。黄金を使わせてもらおう」
 無言のまま、咲椰が皮袋を投げて寄こす。ずっしりと重い皮袋の中から、小振りの栗の実ほどの金塊を三つ取り出すと、飛十郎は袋を咲椰へ投げ返した。
 手の平へ置いた黄金を、軽く投げ上げると、また受け止める。急速に暮れていく夕陽の中で、黄金はまばゆい輝きを放っている。
「じゃあな。これは借りていく」
 金塊を懐の中に入れて、咲椰にむかって手を上げると、飛十郎は小屋にむかって歩き出した。
「これは、くさい」
 飛十郎は、鼻をつまんだ。小屋の周囲は、硫黄の強烈な匂いが立ち込め、それに獣の肉を煮る異臭が入りまじって、なんともいえぬ不快な匂いがする。
「おい、開けろっ!」
 飛十郎が怒鳴りながら戸を叩くと、話し声がぴたりとやんで、横の窓がわずかに開いた。
「誰だ! おめえは」
「通りすがりの浪人だ。道に迷って、まいっている。礼はするから助けてくれ」
「礼はするだと。金はあるんだろうな」
「こんな、ぶっそうな世の中だ。旅のための路銀は、たっぷりと用意してきた」
「ちょっと、待て」
「腹がへって死にそうだ。早くしてくれ」
 ぼそぼそと話し声が聞こえたと思うと、すぐに戸が引き開けられた。
「はいれ。へんな真似をしやがると、あの火縄銃が、ズドンだぞ」
 小屋の中は、思ったより広い。入った所が土間で、その奥が広々とした板敷きになっている。板敷きの真ん中に、大きな居炉裏が切ってある。鉄鍋の下で焚き木が燃えているから、小屋の中はむっとして熱い。
飛十郎の背中を、たちまち汗が流れ落ちた。
「浪人だそうだが、どうした」
 鉄鍋の中をかき廻していた坊主頭の男が、顔を上げて飛十郎を見た。
「えらい目にあった。芦の湯へきて、大湧谷がおもしろいと聞いて見物にきたが、歩きまわっているうちに迷ってしまった。いや、喉は渇くわ、腹わ空くは、日が暮れかかるわで途方にくれていたとこへ、この小屋だ。運が良かった」
 袴の裾を手ではたきながら、飛十郎が言った。
「運がいいかどうかは、まだわからねえ」
 壁にもたれて酒を呑んでいた片目の男が、にやりと笑って声を掛けた。
「そうだ。ここは地獄の一丁目かもしれねえぜ」
 外で見かけた猟師が、火縄銃を腰だめに構えて、飛十郎の動きにつれて銃口を移動させている。火縄の先から、煙りが不気味に上がっていく。
「生きて帰れるかどうかは、おめえの心掛けしでえだ」
 銃を持った猟師だけが、粗末な筒袖の着物をきている。あとの三人は熱いのか、上半身裸であった。
「そうか。とにかく腹がへった。なにか喰わせてくれ。それに酒があるとありがたい」
 飛十郎は、刀を帯から取りながら板の間に上がると、猟師が構えた銃口の前にすわった。
「ぬ。こやつ、いい度胸をしている。鉄砲に狙われながら、酒のさいそくか。気にいった、呑ませてやろう。ただし、酒代は高いぞ」
 片目の男は立ち上がると、一升徳利と茶碗をつかんで飛十郎の前に置いた。
「は、はは。この酒がいくら高かろうが、支払いはこれで間に合うだろう」
 ふところから取り出した黄金を、男にむかって放り投げた。受け取りそこねた片目の男の膝の前を、きらきら光りながら金塊が転がった。
「おおっ、これは黄金ではないか。きさま、どこでこれを見つけた」
 徳利から注いだ茶碗酒を、うまそうに呑みながら、にやりと飛十郎は笑った。
「さあて、教えなくもないが。まず、何かおれに喰わせてからだ」
 火縄銃に狙われたまま、ぐいぐい茶碗酒をあおったあげく、飛十郎は鍋の中の猪肉と山芋の煮物を、三杯もおかわりした。
「いやあ、喰った。おかげで腹いっぱいだ。礼をいう」
「約束だ。金の見つけ場所をいえ」
 飛十郎は、窓の外を見た。
「夜だからな。そうでなくとも見つけにくい所だ。こう暗くては無理だ。あすの朝すぐに案内する」
「黄金が転がっていたというのは、どんな場所だ。説明してみろ」
 それまで黙って飛十郎を眺めていた男が、はじめて口を開いた。奥の太柱にもたれていた男は、きちんとした衣服を身に付け、袴をはいている。ほかの喰いつめ浪人とは、顔付きも違っていた。
「そうだな。あれは大地震かなにかで、洞窟の入口が崩れたような感じだった。細かい石が積み重なって、足でそんな小石を蹴飛ばしていたら、あの黄金が出てきたのだ」
それを聞いて、鍋の前にいた坊主頭が目を?いて驚いた。
「お頭! あの女がいったことと話が合いますぜ。たしか、れいの隠し金山も…」
「うるせえ、陣十。てめえは黙ってろ。おれの話に口を出すな」
 男にきめつけられて、坊主頭は首をすくめて黙り込んだ。
「よし、外が明るくなったら案内してもらおう。ところで、おぬし名はなんという」
「おれか、おれは早船飛十郎だ。おぬしは、なんという」
「おれは、波切平助。こいつらと違って、これでも元は小田原藩の、れっきとした侍だ」「ふうん」
 飛十郎は顎をこすった。
「なんだ、早船。その顔は」
「いや。武士が、自分の藩の名をいうのは、珍しいからな」
 平助が、顔をゆがめた。
「ふ、ふふ。ちと藩に恨みがあってな。この四人を手下にして、旧藩の領内を荒らし廻っているところだ」
「ふむ。よほど深い恨みらしいな。おぬしの顔を見ればわかる」
「そうだ。くそ、ささいな手落ちを咎め立てて、家を取り潰しおった。おかげで身内は皆ちりぢりばらばらよ。なに、藩は家禄が欲しくて、おれに難癖をつけたのだ。武士の世界ほど汚いものはない」
 平助は、そう言って苦い薬でも飲むように、酒をあおった。
「浪人のほうが、よほど気楽でいい。早船、おぬしは何をやって食べている」
「おれの商売は……、助太刀屋だ」
 飛十郎は、にやりと笑った。
「なに助太刀屋だと。なんだ、それは。初めて聞く商売だぞ」
 小屋にいる男たちが、いっせいに飛十郎を見た。
「あまり、いないからな。つまり、仇討をしたい人間をみつけて、手を貸してやる商売だ」
「ほう。変わった仕事だな」
「そうでもない。むしろ、おぬしたちの商売のほうが、よほど変わっていると思うが。
「どういう意味だ?」
「かよわい女を人質にとって、身代金をせしめようとは、武士の風上にも置けぬといっているのだ」
 ゆっくりと刀の鯉口を切った飛十郎が、右膝を立てると同時に、逆手(さかて)で柄を掴んで刀を抜くや、斜め後ろから銃口をむけていた猟師の膝に、ぐさりと突き刺した。
「うわっ!」
 膝を刺されたはずみで、思わず引き金をひいた猟師の火縄銃から、轟音とともに発射された弾丸は、飛十郎からわずかに狙いがそれた。
 四人が棒立ちになった。それた弾丸が居炉裏の鉄鍋に命中した。たちまちあたりは、もうもうたる湯気につつまれる。
「うぬ。なにをする、きさま」
 早くも刀を鞘におさめた飛十郎は、居合腰になって、するすると滑るように寄ると、柄頭(つかがしら)
を片目の男のみぞおちに叩き込み、戻す刀の切っ先を横にいる坊主頭の胸元むかって、えぐるように刺し込んだ。
「ぐわっ」
 ふたりの男が、同時に居炉裏の中へ、頭から倒れ込む。無双直伝英信流居合の奥技・連達(つれだち)である。
残るは、ふたり。
 それまで終始不機嫌そうに黙りこくっていた、凶悪な顔つきの痩せた浪人が、のっそりと奥の納戸へ入っていった。飛十郎が人質がいると見当をつけていた、小部屋である。
 居炉裏の火が消えた後は、土間の壁掛け行灯と、奥の壁際に置かれた燭台の上で燃えている二本の蝋燭の明りだけである。
「おしいな」 
 波切平助が、刀を下段に構えながら、すり足でじりじりと横に動く。
「その腕をいくらで買われた、早船」
「なに、たいしたことはない。おれは、安いからな。小さな皮袋いっぱいの黄金だ」
 飛十郎が、頭をかく時の表情をした。
刀は素早く鞘に納められ、飛十郎は軽く拳を握って、だらりと両手を脇におろしていた。 納戸から痩せた浪人があらわれた。一尺あまりの穂先がついた、短かい素槍を手に握っている。
 槍が相手となると、話しはべつである。飛十郎は、刀をすらりと抜き放つと、正眼左崩しに構えた。
「こやつ、出来るぞ。糸沢、油断するな」
 糸沢と呼ばれた浪人は、よほど無口な性格なのか、槍をしごきながら無言でうなずく。燭台の炎が揺れ、糸沢の顔の濃い影が動いた瞬間、矢のような速さで銀色の穂先が、飛十郎の胸元にむかって伸びてきた。
 音は、無かった。
伸びてきた槍先を、ふわりとかわすと、飛十郎は刀の鎬(しのぎ)で、槍の長柄をぴたりと押さえた。
「むむ」
 思わず引こうとした糸沢の槍の動きに附けいって、ぬるりと鎬を長柄の上に滑らせると、飛十郎は引かれるように糸沢の手元に寄っていった。
 槍に鍔はない。滑っていった飛十郎の刀の刃先が、そのままの勢いで槍の長柄を握っている糸沢の左の拳に喰い込んでいった。人差し指と中指が、吹き出す血と一諸に、弾けるように飛んで床に落ちた。
 茫然として指のない左手を見ていた糸沢が、ふいに槍を投げ捨てると、入口にむかって走り出した。
「逃げても無駄だ糸沢、この小屋は取り囲まれている。だよな、早船さんよ」
「さすがは、悪党の親玉だ。知っていたのか」
「気配でな。すくなくとも七、八人。奉行所の手の者か」
「十人だ。それに、役人ではない」
 目にも止まらぬ動きで、刀を鞘に納めながら飛十郎は答えた。
「というと、あの中にいる女の一族というわけか」
 納戸にむかって刀を振りながら、平助が言った。
「娘が母親をむかえに来ている。どうだ波切さん、おとなしく返してやってくれんか。なんなら皮袋の黄金を、半分やってもいいぞ」
「なにを言う。おぬしこそ、今からでも遅くはない。おれたちの仲間にならんか。金には不自由はさせん。法のない世界は、やりたいほうだい、面白い目を見させてやるのだがな」
 そう言いながら、波切平助は飛十郎に負けぬ速さで、刀を鞘に入れた。
「ことわる。その面白い目のために、おぬしたちは人を何人殺してきた」
「そうさな。ざっと十四、五人というところか。おぬしを入れて、十六人だ」
 窓から差し込んできた月の光を見ながら、平助が不気味に笑った。
「外にいるのが十人だとしても、女ばかりだろう。早船、きさまさえ倒せば、斬り開いて逃げ落ちることはできる」
「無理だな。おぬしが人質にした女の一族は、狩猟で暮らしを立てている。それも、数千年におよぶ長い間だ。その女たちが全員武装して、この小屋を取り囲んでいる。いくら波切平助だとて、十張りの弓を相手にしては闘えまい」
「飛ぶ鳥を射落とす、というやつか。外にでれば、たちまち針鼠になるわけだな」
「そういうわけだ」
「さういうことか……。ならば早船、たのみがある。おぬしとの勝負、外へ出て居合で決着をつけたい」
 意外そうな顔を飛十郎はした。
「おぬし、居合を使うのか」
「ああ、伯耆流を少しばかりな。おぬしは、英信流と見たが」
「うむ、よかろう。居合同志もおもしろい。やろう」
「あたり前だ。あれだけ、おれの酒を呑んでおいて、ことわったら怒るぞ。早船」
 先に立って土間へおりた波切平助が、戸口から一歩外へ出たところで足を止めた。
「そういえば早船。あの皮袋の黄金だが、半分どころが一粒ももらえないぞ」
 月光に照らされた平助の顔が、にやりと笑う。
「なぜだ」
「あの女、綺麗な顔に似合わず、なかなか強情でな。舌を噛んで死んでしまった」
「なにっ! どうして舌を噛んだ」
 飛十郎は、愕然とした。
「さあ。おそらく、操を守って死んだのだろう。なんせ、荒くれ男ばかり五人だ。いれかわり立ちかわり納戸に入って、責めていたようだからな」
「波切、きさま、それを黙って見ていたのか」
 青ざめた飛十郎の顔が、怒りのために赤くなった。
「まあ、とにかく、これで黄金はふいだ。早船、残念だったな」
 肩でも叩きそうな口調で言いすてると、波切平助は表へ出ていった。
 飛十郎は、深く息を吸って、呼吸を静めた。敵の手にのってはならない。相手を怒らせ、平常心を失わせるのも、兵法である。
「ゆるせん」
 呼吸をととのえると、飛十郎は外へむかって、ゆっくりと歩み出た。
 月は銀色に輝き、あたりを明るく照らしていた。昼間は荒寥たる地獄谷も、こうして月光に照らされていると、なにやら夢幻的に思えるから不思議だ。
「見ろ」
 波切平助が、小屋のむこうに顎をしゃくった。猟師が左手に火縄銃を握ったまま、手の甲と腰に矢を射られて倒れていた。
「種子島に弾丸込めしようとしたところを、射抜かれたようだな」
「鳥の目を射抜くというやつだな。早船、おぬしのいう通り、見事な腕だ。糸沢も同じざまだ」
 平助は振り向いて、十五間ほど先に倒れている糸沢のほうを見た。逃げ出すところを射られたのか、左右の足に二本、背中に三本、長い矢が突き立っている。
 飛十郎は舌を巻いた。静止している的ではなく、走っている人間をこうも正確に射当てるのは、なまなかの腕ではない。
「どうやら、逃げるのは、無理なようだな」
 にやりと笑って、平助は飛十郎のほうに向き直った。
「そろそろ、やるか」
「いいだろう」
足 早船飛十郎と波切平助の距離は、およそ七間(約十二メ―トル半)である。
 中天高く、皓々とした明るい月が、目にみえぬほど、ゆっくりと移動していく。流れる雲が月光をさえ切った時だけ、むかい合った二人の姿を暗く陰らせた。
 真剣で闘う場合、生死は運が分ける。
 鞘ばなれの瞬時で、勝敗が決する居合の立ちあいの場合は、特にそうである。風に舞う花びら、宙を飛ぶ羽虫、そういったものが運悪く目に入ったり、地にある穴や石に足を取られれば、一瞬にして躰は斬り裂かれて命を落とす。
 むかい合ったまま、飛十郎と平助は動かない。
 岩場から顔だけ出して、二人を眺めていた咲椰が、たまりかねたように立ち上がった。それを待っていたかのように一声、鳶が鳴いた。
 その鳶の声にうながされたのか、飛十郎は頭をかくと、平助にむかって歩きはじめた。 居合の間合いは、ほぼ三尺(約九十九センチ)といわれている。両者がその距離に足を踏み込んだとき、二人のうち一人が斬られている。
 早船飛十郎と波切平助の間合いが一間半ほどに狭、(せば)まったとき、それまで微動だにしなかった平助の左手が、さっと刀の鍔にかかった。飛十郎の歩く速度がわずかに早くながったが、まだ鍔には手をかけない。まるで江戸の町を歩くように、平然と進んでいった。
 離れている咲椰の目には、二人がそのまますれ違ったように見えた。が、それは違う。間合いが五尺になったとき、波切平助が上から斬りおろすと見せて、目にも止まらぬ速さで刀身を反転し、凄まじい勢いで斬り上げた。
夜気を切り裂く、鋭い刃筋の音が、あたりに響いた。
 飛十郎は、月の光の中を地面をこするようにして、左脇腹めがけて殺到してくる平助の刀から、すっと身を離した。氷のように冷たいものが、躰の上を通り過ぎるのを感じた。 飛十郎は地面に座り込むように身を伏せながら、波切平助の横を走り抜けていった。無双直伝英信流・立膝奥伝〔虎走り〕の変化技であった。
 この技は流祖・林崎甚助が戦場において編み出した秘剣だとされている。胸の高さまである枯れ草に身をふせた鎧姿の甚助が、右膝を立てて座した低さのまま前方の敵にむかって駆けより、一刀のもとに切り捨て、目にも止まらぬ速さで剣を鞘に納めると、後ろずさりに元の場所にもどった。それを見ていた味方の侍大将が、まるで虎が獲物に忍び寄って一撃に倒したような技である。と言って感嘆したことから、虎走りと名付けられたと伝えられている。いずれにせよ、英信流の居合を会得した者の中でも、よほどの奥儀に達した剣士でなければ師匠から口伝されぬという秘剣であった。
 
 走り抜けた時には、飛十郎の刀は平助の腰をしたたかに斬り割っていた。
「うおうっ!」
 月にむかって斬り上げたままの姿で静止すると、波切平助は野性の獣が夜の闇の中で吼えるような声を上げた。
 平助の躰が、音を立てて地面に倒れ込んだ。
「こやつ」
 飛十郎は立ち上がると、切り裂かれた自分の袴を見た。太腿から血が滴り落ちている。「あぶなく、相討ちになるところだった」
「おい、早船……、いるか」
 平助の呼ぶ声に、刀を鞘に納めながら傍へいった。
「なんだ」
「きさまと、二人だけで、酒を呑みたかったな。ふふふ、月見酒をよ」
「おれもだ」
「人殺しにも、そろそろ嫌気がさしていた。早船、きさまのようなやつに斬られて、よかったぞ」
「見ろ、平助。おれも、きさまの剣に斬られた」
「月を見ながら、死にたい。早船、最後の頼みだ」
 うなずくと、飛十郎は平助を抱き起こして、傍の岩に背中をもたれ掛けさせた。
「いい月だ。これほどの、月を見たのは……」
月を見上げながら、平助は荒い息をついた。
「ああ。何年振り、だろうな」
 月をふり仰いでいた飛十郎は、振り返ると駆け寄ってくる咲椰たちを見た。
「早船どの。この男が、一味の頭目か」
「すまん。咲椰どのの母上を、助け出すことが出来なかった」
「そなたの、せいではない。小屋へいって、母君の亡骸(なきがら)を見てきた。身を守るための、ご立派な最期じゃ」
「小屋にいた男たちは、どうした」
「あの者たちは、わらわにとって母君の仇、討ち取ってきた。残るは、この男一人じゃ」「うむ、咲椰どの。この男はな、波切平助という」
 名を呼ばれて、平助は閉じていた目を開けた。
「咲椰どの、といわれるのか。名の通り、美しいな。おぬしの母を、殺すつもりはなかった。あやまる」
「だまれ。波切平助とやら、母君の仇討をさせてもらうぞ」
 咲椰は腰の直刀を、すらりと抜き放つと、高々と振り上げた。
「おい、早船、うらやましくはないか。老いさらばえて死ぬより、こんな美しい女に斬られて、あの世に行くほうが――」
 しゆっ、と刃鳴りの音がして、平助の声がそこで途切れた。
 顔をそむけるようにして、飛十郎は月を見上げた。
「早船飛十郎どの」
 呼びかける咲椰の声に、飛十郎は振りむいた。
「助太刀、ご苦労!」
 澄み切った夜気の中を、凛とした咲椰の声が響いた。


六 さらば神隠しの里

 七日後の朝。
 飛十郎は、こんもりとした形のいい丘の前の花畑の中に、咲椰とうずめと共に立っていた。
「この花は、母君が丹精して育てられたものじゃ」
「なにやら、心が清々しくなるような場所だ。いくつも、同じような丘が見えるが」
「ここは、我らが祖先の御霊(みたま)が眠る、奥つ城所じゃ。わらわも、いずれは、ここへ葬られる」
 そう言って咲椰は、丘にむかって香華(こうげ)をたむけると、二度深々と頭を下げて、高らかに二回かしわ手を打つと、手を合わせた。飛十郎も、うずめから受け取った花を、丘の前に供えた。
「飛十郎どの、腿(もも)の疵はどうじゃ」
「神隠しの湯のおかげで、もうすっかり良くなった。ここの湯は、おどろくほど金瘡によくきく」
「は、はは、神隠しの湯はよかった。あいかわらず面白いお人じゃ。飛十郎どのは」
「いや。疵がこうも早く治ったのは、れいの猿酒のせいかもしれんな」
 飛十郎は、そう言いながら袴の上から、波切平助に斬られた太腿の疵跡を二、三度軽く叩いた。
「早船さま、あれは猿酒ではございませぬ。そういったのは姫神子(ひめみこ)さまの、おたわむれ。わが氏族に古代から伝わる、神に供える薬酒でございます」
 うずめが笑いながら、たまりかねたように横から口をはさんだ。
「ほう、薬酒なのか。いや、いくら呑んでも悪酔いはせず、かえって五体に力が満ち溢れてくる。不思議な酒だ。江戸で売り出せば大評判になるぞ」
「とんでもございませぬ。あれは、門外不出の霊酒でございます。それに、ここでしか育たぬ白い花の実から採る白い汁が、都にはありません。とうてい造れませぬ」
「駄目か。おしいな」
「うずめのいう通りだ。誰にでも造れるものではない。木の実、草の根、それに白い汁を正しく調合するのは、わが氏族の秘伝の術だ。その量を間違えれば、あの酒はかえって身を滅ぼす元となるのじゃ」
 咲椰の澄んだ声を聞きながら、飛十郎は空を見上げた。高く青い空を、白い雲がゆっくりと流れていく。涼やかな風が空から吹きおろしてくると、色とりどりの草花を揺すって、飛十郎の袴を高くひる返した。
「飛十郎どの、そろそろ時刻じゃ。どこまで案内(あない)すればよいかな」
「そうだな。では、箱根権現まで送っていただこうか」
「おお、それはよい。あの社(やしろ)には、わらわの祖先、木花開耶姫尊と夫、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)とその息子、山幸彦命が、御祭神として祀られておる」
「その三人の名は、昨夜おもむいた神殿でも耳にしたが。たしか剣と鏡と勾玉(まがたま)の持ち主たちではなかったかな」
 丘の上の青く茂った木々を見ながら、飛十郎は言った。
「あの神殿のさらに奥まった所に、巨大な岩戸がありその中に、木花開耶姫さまの黄金の鏡と、山幸彦さまが首に掛けられていたという勾玉の首飾り、それに瓊瓊杵尊さまの黄金の剣が安置されている」
 咲椰は、ゆるやかに立ち昇っていく香華の煙りを見ながら言った。
「と、いう言い伝えじゃ。何千年というもの誰も見た者はいない。むろん、わらわもじゃ」
「ふむ、あれだな。浅草寺の身の丈一寸八分(約六センチ)の純金の観音秘仏と同じことか。見た者は、たちまち目が潰れ、足が萎え、腰が抜けるというやつだ。そうなってはかなわん、おれもやめておこう」
「そうじゃ。太古(いにしえ)よりの伝統は、われら子孫が絶すことなく、守らねばならぬ」
「これから、さらに何百年もか……。大変なことだな、咲椰どの」
 飛十郎の言葉にふくまれた、同情(いたわり)に気付いたのか、咲椰はきっと顔を上げた。
「何千年もじゃ。それが、わらわの宿命だ」
「そうだな……。人は誰しも、なんらかの役割を背負って、この世をい生きている……」 柄にもないことを呟やくと、飛十郎は丘のうえの木立ちを指差した。
「あれは、なんの木かな」
「桃の木じゃ。母君の好きな花だ」
「そうか。では、そのむこうの丘は」
「あれは桜の木じゃ。わが氏族の陵墓には、桃か桜を植えることに決まっている」
 ――なるほど。木花開耶姫の木の花は、桃と桜のことだったか……
 胸の内でつぶやくと、飛十郎は丘のうえで、春爛漫と咲き乱れる、桃と桜の花を思い浮かべた。
「飛十郎どの、これを」
 咲椰はそう言って、飛十郎に皮袋を手渡した。
「約束の礼じゃ」
 ずっしりと重い皮袋を、飛十郎は見た。
「いや、これは貰えぬ。母上を生きたまま助け出せなかったからな」
「あれは、やむをえぬ。そなたの助太刀のおかげで、親の仇を討ち、恨みを晴らすことができた。飛十郎どの、あらためて礼をもうす」
 咲椰と、うずめが揃って頭を下げた。
「ところで、おぬしたちの手元には、この皮袋のような黄金が、たくさんあるんだろうな」
 飛十郎の言葉に、咲椰とうずめは顔を見合わせると、声を上げて笑いはじめた。
「は、ははは。それで終わりじゃ。わが氏族に伝わる黄金は、それが最後だ。もう黄金は、一粒たりとてないわ」
 腰に吊った重い皮袋を、飛十郎は未練そうに眺めた。
「うう、うむ……。そんな、事情では、これは受け取れぬ、な」
 うなり声と共に、苦しげな口調でそう言って、飛十郎は皮袋を腰から取りはずすと、咲椰の手に戻した。
「それは困る。あれほど働いてくれた者を、手ぶらで帰すわけにはいかぬ」
「だが、この黄金がなければ、おぬしたちのほうこそ困るだろう。なにも買えぬぞ」
「われらは、黄金なぞ無用じゃ。買う物などなにもない。食べる物、着る物、明りのための油、そのほか生活に必要な品は、ぜんぶ祖先から伝わった方法で自分たちの手で作り出せるのだ。それより大切なのは、心じゃ」
 そう言って、咲椰は豊かに盛り上がった胸の上を、力強く拳で打った。
「そうであろう飛十郎どの。誠の心さえあれば、われらは豊かに暮らしていけるのじゃ。そうは思わぬか」
 まぶしそうな目で、飛十郎は咲椰の白い乙女の肌から視線を離した。
「そうかもしれんが……。ま、いろいろと世の中にはあるからな。そうか、それでは、せっかくだ」
 咲椰の手の上の、皮袋を開くと、飛十郎は金塊を十個ほど取り出した。
「これだけ、いただいておこう」
「たったそれだけでよいのか。欲のないお人じゃ、飛十郎どのは。のう、うずめ」
「ほんとに、いまどき珍しい殿御でございます」
「いや。べつに、そういうわけではない」
 ふところの中に黄金を納めた飛十郎が、無精髭をこする。
「もともと、おれの助太刀料はこんなものだ。あまり貰っても、寝ざめが悪い」
 顔を見合わせて、咲椰とうずめが微笑した。
「では、飛十郎どの。名残りはおしいが、出立つの刻限はとうに過ぎた。箱根権現まで、わらわの後についてくるがよい」
「うずめどの、さらばだ」
 黙って頭を下げたうずめに、手をあげて見せると、飛十郎はなだらかな斜面を、咲椰のうしろについて歩きだした。
 桃と桜の木立を揺すって吹きおろしてきた風が、背後から飛十郎の袖と袴を、大きくふくらませた。
       

 了〈助太刀兵法7・象斬り正宗へつづく〉 




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10/19 08:33 「本日のマーケット」(FX編)・・・午前11時に発表される中国の一連の経済指標に注目
10/19 08:23 「本日のマーケット」(株式編)・・・午前11時、中国経済の指標しだい。
10/14 08:48 「本日のマーケット」(FX編)・・・昨日に続き中国の経済指標。米9月小売売上高。
10/14 08:31 「本日のマーケット」(株式編)・・・前日の動きが継続し軟調な展開。
10/13 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・ドル円は120円大台を中心に方向感に欠ける動きが当面続きそう
10/13 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・5日線(前週末9日時点で1万8218円)が下値を支え
10/05 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京タイムではドル円やクロス円は押し目買いが優勢
10/05 08:34 「本日のマーケット」(株式編)・・・続伸後、日経平均株価が1万8000円に迫る。
10/04 12:07 江戸浅草物語13「天海僧正の結界が破られる時、魔界の者たちの進撃が始まるのか」 (無料公開)
10/02 08:44 「本日のマーケット」(FX編)・・・米雇用統計を控えた様子見姿勢
10/02 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・週末要因や米雇用統計を前にポジション調整
10/01 08:47 「本日のマーケット」(FX編)・・・9月日銀短観、9月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などが材料。
10/01 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・欧米株式の上昇を受けて買いが先行後、もみ合い。
09/30 08:52 「本日のマーケット」(FX編)・・・日中は119円後半のもみあい
09/30 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・反発後、上値が重い展開。
09/29 08:55 「本日のマーケット」(FX編)・・・株安・円高パターンの継続はドル高圧力を後退
09/29 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落後に落ち着きどころを探る展開。
09/28 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京時間のドル/円は120円半ばを中心にもみあい。
09/28 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、もみ合い。
09/25 08:53 「本日のマーケット」(FX編)・・・・朝方、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が年内利上げが適切との見方を
09/25 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・引き続き弱含みで推移。直近の安値1万7415円61銭を意識。
09/24 08:37 「本日のマーケット」(FX編)・・・・連休明けの東京時間のドル/円は120円前半を中心にもみ合う展開。
09/24 08:26 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落スタート。連休中にNYダウが軟調に推移。
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