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薩摩いろは歌 幕末編8 無明の酒 (無料公開)
[【時代小説発掘】]
2012年5月13日 11時5分の記事


【時代小説発掘】
薩摩いろは歌 幕末編8 無明の酒
古賀宣子


(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


無明の酒・梗概
 久光が力を入れている諸大名の参勤緩和と将軍上洛問題がなかなか実現しない状況だが、交渉事は一進一退と粘り強く構える一蔵等側近たち。一方、幕府の姿勢に苛立つ海江田武次と奈良原喜左衛門は、承知しない。対応に苦慮する一蔵は、小松帯刀の勧めもあって、吉井仁左衛門と共に、二人を隅田川の酒宴に誘う。そして江戸出立の朝、足並みは乱れずと安堵したはずだったが・・。



作者プロフィール:
古賀宣子。年金生活の夫婦と老猫一匹、質素な暮らしと豊かな心を信条に、騒々しい政局など何処吹く風の日々です。新鷹会アンソロジー『武士道春秋』『武士道日暦』『花と剣と侍』、代表作時代小説『剣と十手の饗宴』などに作品掲載。
 当コーナー【時代小説発掘】では、編集担当。


これまでの作品:
薩摩いろは歌 幕末編1 口上
薩摩いろは歌 幕末編2 率兵上京に向けて
薩摩いろは歌幕末編3 時に到りて涼しかるべし
薩摩いろは歌 幕末編4 久光入京
薩摩いろは歌 幕末編5 寺田屋事件 
薩摩いろは歌 幕末編6  舞台裏  
薩摩いろは歌 幕末編7  勅使東下

               
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【時代小説発掘】
薩摩いろは歌 幕末編8 無明の酒
古賀宣子
   


一 幕政改革

 塀の角から海江田武次と奈良原喜左衛門が現れた。
 首尾よくいったか。暮れなずむ大気のなか、急いた眼と酒気を帯びた息遣いが一蔵に迫る。
 黙って首を振る一蔵に、海江田が即座に吐き捨てた。
「時世を解かっておらぬ」
 言い終わるや海江田は木戸の際を蹴飛ばした。
「これでは、幕府に屈服すうのは目に見えておる」
 忙しげに扇を使う奈良原の怒りも半端ではない。
 一蔵は周囲を気にして中へ招き入れた。
 勅使を派遣しての幕政改革のうち、一橋慶喜の将軍後見職と松平春嶽の政事総裁職任命は果たしたが、久光が力を入れていた改革がまだあった。諸大名の参勤緩和と将軍上洛問題で、それがなかなか実現しない状況にあったのだ。
 ここは高輪屋敷の側近用の長屋である。昼過ぎから堀次郎と同道して、霊岸島越前邸内の中根雪江宅へ出向いていた。堀は五月に江戸藩邸留守居役を拝命し、堀小太郎と名前を変えて、大原勅使と久光の周旋活動を一蔵等と強力に推進している。引き続き対策を練るべく、堀も同伴して戻って来たところであった。
 海江田は一蔵が一服するのももどかし気だ。
「例の会合は順調にいったのであろう」
 例のとは、六日前の七月二十三日に持たれた伝奏屋敷での会合を指している。
 一橋慶喜、松平慶永と久光はともに勅使の旅館に集まり、将来の政務についての会議をもった。一蔵は中山中左衛門とともに随行している。
「あれも、本来なら十八日の予定であったゆえ」
 堀がそんなに急いては駄目だとたしなめる。が、二人は聞き入れる素振りも見せない。「それが五日もかかった訳は」
 海江田の問いに、一蔵は自嘲気味に言った。
「幕吏と大奥さ」
 一橋慶喜はその双方に容れられておらず、松平慶永もまた戊午以来の関係があって、内部になお政事総裁職就任を喜ばない風潮があるという。
「特に」一蔵は煙草盆の灰落としを叩いた。
「お二方が久光公等と謀って国政を執るに及び、却って幕威を失墜させるのではと反対する者も出ておうらしか」
「それで、列席を渋ったのか」
「一橋慶喜が辞退したのだ」
「それを聞き我らは、その因循を憤慨し、堀と協議して勅使に申し上げた」
 今日に至ってもなお、幕府が異議を挟んで故障を唱える如きは、実に朝廷に対して甚だしく不敬である。
「それ故、逆に勅使より二人の来会を謝絶するべきと、その通告の文案を認めて差し出したのだ」
「ところが大原様がその書を送付なさる前に幕府の方から陳謝してきて、二十三日漸く会議を開くに至った」
「さては、旅館には幕府の草がおうな」
「無論、伝奏屋敷だぞ、我らもそいを承知の上で申しておう」
「強硬な姿勢がとれうのも、薩藩の武力があうゆえだ」
「ちらつかせうが、使うこたあ極力避けう。度合いと時機の見定めが難しか」
 一蔵は今になって斉彬の苦慮が解かりつつある。だが、海江田と奈良原の眼は承知していない。精忠組が出来る以前から何かというと海江田はすぐ事を起こそうとし、一蔵はいつも宥め役であった。
「久光公は陪臣の身を弁え、独り下段に着座なさり」
 堀が話を先に進める。
「二人はしきりに席を勧めたが固辞なさった。だが、言うべきことははっきり申された」「勅命を奉じての改革がありました以上、越前侯におかれましては直ちに上京なさり」
 つぶさに国是が確定した所以を奏上して、公武の調和を計るよう強く望んだ。
「これは久光公だけの意見ではなく、朝廷の内命に基づくものであるゆえ」
「越前公は何を躊躇っておられうのだ」
 語気を強める海江田に、奈良原が同調する。
「幕府の内情が容易にそん決定を許さんのだ」
「幕閣め、許可を小出しにしておうな」
「で、今日は他には誰が」
「村田巳三郎、酒井十之丞等が同席しておった」
「越前公がもしご上京なさうなら」
 一蔵はこのように切り出したと語る。
「勅使と久光公も共に帰京して公武の一和を計るべきと」
「今日の要務は外夷の処遇にありと雖も、これを軽易に処断すうと却って国家の不幸を招くこっになう」と堀も続ける。
「それゆえ、外国事務局を設置して、有力な諸侯に当たらせてはどうかと」
「それに、幕政を改革して、朝廷尊崇の道を尽くすには幕府諸有司の忠邪を分け、有能無能によって昇進・降格や免職・採用を断行していくべきじゃなかかと」
「粘り強く反復談論していったが、動く気配はなかった」


二 堀次郎の一件

 今、最も大切なことは何か。
 一蔵の判断基準は常にその点にある。難しい局面になればなるほど、軸足はそこに置かねばならない。ところがその芯が抜けていると、つい眼先の事象で動かされていく。
 佐土原藩主島津忠寛が久光を藩主にと、幕府に願い出た事もその部類に入る。無論、忠寛も理由もなしに願い出たわけではない。久光の実績と薩藩の行く末を考えての事であろう。が、日本国内を取り巻く状況は、忠寛の思考を呑み込むほど大きな渦の中にある。その辺の意識が希薄ではなかったか。
 それは久光が江戸へ向けて出立した直後のことらしい。幕府が断わると、松平慶永に願い出たという。これが久光にわかり、久光から叱られた島津忠寛は、松平慶永にこの件はなかったことにしてくれと申し出る。
 もう一つ、幕府を苛立たせることが起きた。久光の官位問題である。八月五日、京都から久光に従四位上中将の官位を授けるという知らせが入った。大原重徳はこれを幕府に告げる。しかしこの件も、幕府はなかなか承知しない。藩主でもない無位無官のものに、突然そのような官位を与えることは秩序を乱すと。
 これも久光の預かり知らぬところで起きた問題だ。この度、山科兵部と名乗り、勅使参謀を務めている吉井仁左衛門の話によると、大原自身が朝廷に依頼したという。一橋慶喜の将軍後見職と松平慶永の政事総裁職就任運動の成功に対する褒賞として、あくまでも大原が発案したものだと。
 救いは久光自身がどちらの問題にも動じなかったことである。
 無位無官の者が、藩主の父というだけで、二千の兵を率いて入京し、幕政改革のため朝廷を動かすという前代未聞の挙に出た。しかも勅使に従って入府してきたのだ。たとえ表向きは参勤延期の謝礼と焼失した藩邸新築の指揮という名目であったにせよ。
 このような問題が起きずとも、幕吏の間では大いに野心を抱く者と見なされていたのである。受け入れられる訳がないことは、大所高所に立てば自明のことなのだが。
 幕威が損なわれるのではと警戒する有司等の間で、大原・久光を速やかに帰京させようとする動きがあからさまになってくる。
 二日後、幕府からの呼び出しがあり、堀の一件が浮上する。
 先に堀次郎は京坂の間にあって諸藩の浪士と交わり、堀の一存で彼らを大坂の薩摩藩邸に収容させた。この状況を探索した幕吏は堀の身柄を拘束しようとしたが叶わなかった事実がある。
 当時の堀次郎が江戸藩邸留守居役堀小太郎であることを突き止め、
脇坂閣老は留守居附役西筑右衛門を呼びだした。
「その藩士堀小太郎は幕府に於いて聞き及ぶところあり、之を重刑に処すべく、その処分は薩候に一任す」
「なにゆえ、ですか」
 小松帯刀からそれを聞くなり一蔵は発した。
「拙者とて同じだ」
 その不当を久光に上陳し、まずは島津忠寛を通して閣老に質す事となった。それに対して脇坂安宅は次のように答えたという。
「堀小太郎は君命と称して事を専らにし、妄りに江戸の藩邸を焼き、また密かに浪士と通じた罪はすでに明らかで、決して赦すべからず」
 その後も幕府と薩摩藩の交渉は難渋する。
 事態の深刻さを覚った久光は、側近以外の藩士も集めて諭した。これは異例のことである。
「今や幕府は朝命を遵奉するに至った。然るに僅かにこの一事を以って事を破れば、これ大小軽重の区別を知らざるものというべし。止むを得ず堀は一旦帰国させ、更に時機の来会を俟つことにせよ」
 堀次郎は相手の心中を素早く見抜き、その背景を理解する能力に長けており、それに応じて即座に対処し、早くから久光の眼となり耳となって活躍してきた。それゆえ、この決断が久光にとってどれほどの痛手だったか。一蔵は目前の場面を脳裡に叩きこんだ。
 その三日前の八月六日、堀次郎は夕刻芝藩邸を発ち、一蔵の下に立ち寄った。吉井仁左衛門も入来。しばし語り合った後、品川に碇泊中の平運丸に乗船した。
 また一人、精忠組の仲間が去っていく。胸中を覆う寂寥感を掻き消すように一蔵は一言吐いた。
「必ず復帰はある」
 反論も言い訳も慎む姿勢を貫いている堀次郎は、はにかむように俯いたのだった。


三 十六文字騒

 一蔵たちの周囲には、前後して別に絡むもつれがあった。
 長州藩とのいざこざである。
 勅諚の十六文字を知った以上、薩藩の硬化した心情は容易には解けない。十六文字とは「近くは伏見一挙に於て死失致候者共」も赦すというが、彼らは久光の命令を奉じなかった罪人である。その罪人を長州藩が朝廷の命を請うて赦すとは、久光の面目を踏み潰すようなものだからだ。
 その頃、事態解決へと進んで動いていたのは桂小五郎だ。
「奴が参ってのう」
 勅使と三候の会談を推し進めていた七月半ば、吉井仁左衛門が困ったように訴えた。
「何を怒っておるのかと」
「まさか勅諚の内容を知らぬわけではあるまい」
 一蔵は尋ねること自体が解せなかった。 
「堀殿を訪ねても、胸に手を当ててよく考えてみろ、としか申さんと、かない憤っておった」
「佐土原藩邸にも行ったようだな」
 藩主毛利敬親と入れ替わりに世子定広は京を発ち、江戸に向かっているという。桂小五郎が一足先に東下してきた事情は、間もなく源助によって知らされた。
「この度の使命は非常に大事なので、普通の供張以外に特別数名の藩士が付き添えられたようです」
「その中に桂小五郎も」
「周布政之助も入っています」
「周布政之助は隅田川での会合の後、上京したな」
「薩摩藩の様子がおかしいと伝えたのでしょう」
 それで桂小五郎が聞きまわっておる。一蔵はそう思ったが口にしなかった。
「一足先の東下は、大井川の増水によるようです」
 世子は勅使が江戸発駕にならぬうちに到着し、久光とも会見して熟義する必要があった。
「そのため掛川宿から桂が先発した」
「それ以前に京からは江戸の来島又兵衛に命令が来ていました」
「薩藩とよく協議しろと・・」
「ええ、薩藩と是非話しあわねばならぬからと」
「どうやら行き違いが生じておるようだな」
「それもある」
「だが、あの十六文字だけは許すわけにはいかぬ」
 そして間もなく桂小五郎は、その十六文字が薩藩の心情を硬化させている原因と突き止める。
「桂からその事情を聞き、それは困ったものだと大原様が」
 吉井が心配している様子を話す。
「しかし桂側では、どうしようもあるまい」
「勅命であるから、この趣意でやっていかねばならぬ」
「それはそうだ」
「それゆえ、桂は中山中左衛門に訴えた」
 幕府が殺した志士に対しても、朝廷は赦免せよと申しておるのだ。それを薩藩で殺した者たちだけは赦すことは出来ぬという論は通じぬと。
「それで、中山は、何と」
「無論、突っぱねた」
 吉井は胸を張って言いかけたが、語尾の響きは弱い。
「どうした」
「大原様が」
 顔が微かに歪む。
「薩長の軋轢を融和するためと思われたのか、専断で、勅文から十六文字を削ってしまわれたのだ」
「まことか」
 一蔵は二の句が継げなかった。
 大原重徳は桂小五郎を呼んで告げたという。
「誠心はよく届くものだ。昨夜京から飛脚が到着し」
 毛利定広に渡した勅諚の中の<近くは伏見一挙に於いて云々>の十六字は削ってくれと言ってきたと。
「それで削ったというのか」
 そんな見え透いた・・とは言えなかったが。
「その勅諚を返してくれ。こちらから別に渡すからと言われたのだ」
「桂の返答は」
「それはいけませぬと」
 朝廷からその様にお直しになったものなれば、京都には大膳大夫が居りますから、その方へお達しになって、そこからこの方へお達しになる筈である。
「勅使からとは言いながら、出先でそのようなことを仰言っても、お受けすることはできませぬと。これが桂の言い分だ」
「それは桂小五郎の方が、筋が通っておる」
 と、認めざるを得ない。
「先へ進めるぞ」
 黙ってしまった一蔵に吉井が促す。
「然らば京へその事を通知してやろう。大膳大夫に申し伝えると言われた」
「申し伝える・・。勅使一存で」
 一蔵はあからさまに首を傾げる。
「まだ、あるのだ」
 吉井も半ば呆れたように言う。
「大膳大夫への書状には」
 桂小五郎が頻りに、あの十六字があっては、薩摩藩の機嫌が悪いから、どうか改めて呉れと言うので、改めたとある。
「桂はそいを知っとうのか」
「世子一行とは遅れて京を発った周布政之助が、早馬で参ってのう。桂はそん事実を知ることになる」
「ひと悶着あったのじゃなかか」
 桂小五郎にとっては大迷惑な話だ。
「実は一方で、中山中左衛門に迫られていたのだ。十六字を削ってもらわねば困ると」
「それで改竄したちゅうのか」
「大原様が申されるには、京を発する際に岩倉様が」
 薩長の二藩は実に朝廷の柱石にして、車の両輪・鳥の両翼の如し、
決して確執を生じさせてはならないと注意したという。
「それは正にこれ等の場合をいうのではないかと、ついに勅諚を自
ら改めたと」
「理由はどうあれ、納得致しかねる。長州藩とて同様であろう」
 この勅諚改竄事件を機に、薩長の軋轢は益々激しくなっていく。 そして堀が去ってしばらく後、吉井仁左衛門が囁いた。
「堀の一件は長州藩が脇坂閣老に懺訴したためだ」
「真か」と言いかけて、一蔵はあり得るかもと呑み込んだ。
 藩邸自焼は作事方下目付伊集院某の過失と届けられていたが、一蔵自身確証はなかった。


四 隅田川酒宴

 激昂は免れまい。
 一蔵の溜息に、吉井がすぐに反応した。
「奴等のことか」
「黙っていても、すぐ漏れていく」
「特にこういうこたあ、な」
 奴等とは、海江田武次と奈良原喜左衛門のことである。
 彼らは幕府の対応に早い時点から苛立ち、幕吏を斬るとまで迫って来た。それを時機尚早であると説き、思い留まらせてきている。とくに海江田はややもすれば軽易に事を専行し、容易に他人の意見に従わない面がある。しかも野太刀自顕流という実戦剣法に長けた彼らは、どちらかといえば実力行使に出たがる傾向にあり、その都度一蔵は説得してきた。 
 堀次郎の一件が明るみになった八月初めも同様だった。伝奏屋敷からの帰り、高輪の大木戸を出て藩邸に向かう坂道の途中、路地の蔭から彼らは現れた。
「無論、突っぱねうのであろうな」
 幕吏に負けたら承知しないぞ。海江田の大きい眼に正面から見据えられた。
「姑息なやい方をしおって」
 奈良原が長刀の鯉口を切らんばかりの形相だ。
 最近、二人は酒量が増えているとの噂も耳にしている。特に非番の日は。
 一蔵は再び勅命を奉じて出府してきた大原重徳と久光の立場と、薩摩藩としては漸くここ迄至った背景を順々に説いていく。それくらい外部との交渉は一言の重みや一挙手一投足を大切にしていかねばならぬものなのだと。これは交渉に関わっている者ならば当たり前のことなのだが、彼らにすれば耳にタコができるほど聞かされてきた道理である。
 そんなことは百も承知だ。が、それでもなお・・。
 彼らは常に鬱憤を、精忠組の仲間である堀次郎と一蔵に向けてきた。小松帯刀は格が上過ぎるし、中山中左衛門は虫が好かぬ。そんななか到頭、堀次郎が抜けてしまったのだ。風当たりは一蔵が一身に受けることとなった。
 堀次郎が帰藩の途についた後の八日夜、長州藩懺訴を聞きつけた海江田武次と奈良原喜左衛門がやってきた。
「久光公は弱腰ではなかか」
 座るなり海江田は唾を飛ばした。奈良原の視線もその勢いだ。
「まあ、待て」
「おぬしは、すぐ待てちゅう」
「我らはいつも、そういって押さえられておう」
 海江田等の怒りが倍加したのは言うまでもない。議論は深更に及んだが、二人が納得できる結論には至らなかった。
「明日の勤めもあうじゃなかか」
 ふたりは徒目付として伝奏屋敷へのお伴がある。しっかり勤めねばなるまい。一蔵はそれを理由に打ち切った。
 翌日昼四つ(十時)に出勤した一蔵は、昨夜のことを言上。久光が側近以外の者たちも集めて諭したのは、この日のことである。
「四人で酒宴をもってはどうか」
 帰り際、小松帯刀が囁いた。
 それは名案と、早速その日の夕刻、吉井と二人を誘い両国へ参り乗船。気心の知れた精忠組四人で隅田川の月に棹さした。
 堀一件への怒りや悔しさは、吉井と一蔵にとっては表に顕せない分だけ、鬱憤は深く沈澱している。
 一蔵は酒が飲めないが、今夜は軽く焙っためざしをかじり、野菜の揚げ物を食しながら、舐める程度味わった。幕吏に対してと違い、気兼ねなく薩摩弁を使えるのが何よりの肴だ。
 が、仲間との酒席でも一蔵は聞き役にまわることが多い。この日も海江田と奈良原は昨今の異人の専横を先ず憤り、幕府の対応のまずさを罵っていく。
「あん優柔不断な外交はなんだ」
「全く。そん措置を誤るゆえ、国威を毀損すうこっが多か」
 続いて必ず出てくるのが、安政の大地震で亡くなった藤田東湖の言説だ。かつて彼らは教えを請うている。
 東湖はペルリ来航の談判に対し、幕府の周章狼狽振りを歎き、しかも怯懦卑屈な姿勢が我が国を汚すと非難して已まなかった。
 海江田は東湖を真似て語る。
「今我が皇国の状態を察するに、六十余州士気の委縮せる今日より甚だしきはなし」
 あとを引き継ぐ奈良原が腹の底から発する。
「さきには米艦の来港を怖れ、却って醜虜の軽侮を受け、かつて一人の義士なく、又一人の勇者なく、恬(てん)として国辱を顧みず」
「これにても我が神州の人士、なお正気を存すと云うべきか・・」
 呂律がまわらなくなってきた海江田が、もどかしげに箸で膳の縁を叩きつつ、更に留めを刺す。
「彼らに軽侮せられて、我が国を開くが如きは、一国の正気是時を以て断滅すべし」
 管を巻く彼らに「そうだ、そうだ」と吉井も一蔵も大きく頷く。頷くだけで胸のつかえが僅かだがとれていく。
 いつもは「まあ、まあ」と抑えられていた二人も、頷かれて溜飲が下がるのか、しばらくは朗らかに何やら口ずさむ。が、再び不満や怒りのうねりが訪れると、同じことを繰り返し、酒をあおり到頭酔い潰れてしまった。
 たまにはこういう場も必要であろう。だが、一歩間違うと甘えに転じていきそうだ。それが高じると、心に隙ができ弛緩していく。どこかで己を律するすべを見出さなければ、なあなあの空気に馴染んでいくことになる。それは国事に奔走する者たちにとっては危険なことではないか。
 そこまで考えが至った時、ふと一首が口をついて出てきた。

   酔へる世をさましもやらで盃に
           無明の酒をかさぬるはうし


 途中から吉井の声も重なった。
「同じことを思っていたか」
 強く頷いた吉井は二才衆から習った意味をなぞる。
「思い通りにならない世だからと酒びたりになっても進歩はない」
 その後を一蔵が続けた。
「そういう時こそ静かに自分を見つめてみるいい機会ではないだろうか」


五 生麦事変

 江戸出立の朝、久光に挨拶を済ませた一蔵は、控えの間で小松帯刀と一時の感慨にふけった。
「思うに任せぬこっが多かったが・・」
 小松帯刀はそのまま口をつぐんだ。品のいい面立ちに微かな笑みが浮かぶ。
「足並みが乱れず、安堵しておいもす」
 場所柄、二人ははっきりとした物言いを避けていた。
「うむ」強く頷くと、小松は、ふた呼吸ほどの間をおいて呟いた。
「隅田川の風か」
「冷ます効果は充分に」
「外交は微妙ゆえ・・」
「当事者でなければ解からぬ面も多々あり」
「しかし」
 不意に小松の口調に力がこもる。
「鋳銭の件は大きかった」
「幕府に国元でん鋳銭を認めさせたこたあ、得点です」
 これは前藩主時代からの念願であった。斉彬は、いったん不許可になったが、次回の参勤の際に許可の見込みがついていると述べていたらしい。ところが急死したためそのままになっていたという。
 それを今回、速やかに勅使一行を帰京させようとする幕府側の足元を見た一蔵等は、鋳銭の件を強く打ち出して交渉した。
 許可を頂くまでは、発つ訳には参りませぬと。
鋳銭は十二月末から開始され、慶応二年までの三年間に二九〇万両余を造り、藩財政をうるおすことになる。
 ちなみに幕府が熱意を示さなかった参勤緩和と将軍上洛については、松平春嶽の努力に俟つことになる。参勤緩和令は閏八月二十二日に、将軍上洛については九月七日に、明年二月の将軍上洛が公表された。
 本日の当番供頭は奈良原喜左衛門で、徒歩にて久光の輿側にあり、非番の海江田武次は、駕籠に乗り儀仗の先導をなしている。二人は隔日にその位置を交代する。
 出発は先導組、久光を護衛する本隊、そして小松帯刀以下側に仕える者たちが後続した。
 本隊から異変が伝えられたのは、川崎宿を発して生麦村に到った八つ時、現代の時刻にして午後二時ごろである。
 事件の詳細は後に明らかになっていくが、直後は、川崎宿方面へ向かっていた婦人一人を含む騎馬の異人四名と本隊の行列が接触。入り込んできた馬上の一人を、奈良原喜左衛門が斬りつけたが、生死は不明ということであった。
 輿側の右方後部から韋駄天の如く疾駆し、近習の側を通り抜けていく姿が思い浮かび、一瞬のうちに汗がひいていった。一蔵は束の間瞑目し、直ちに中山中左衛門とともに駆け付けた。
「輿側は離るべからず」
 輿のそばを離れるなと誰かの叱咤する声が・・。すると前方に走らんと、崩れかかった列の動きが止まった。
 輿側の右方前方で両手を広げ、衆の動揺を抑えていたのは松方助左衛門。後の正義である。
 さらにその前方は土煙が舞うなか、逃げ惑う馬四頭と刀を振りかざす笠の群れが見え、混乱した状況の把握は難しい。
 やがて、もと来た方へ馬は逃げ去り、抜刀した者たちも所定の位置に戻って来た。輿前方を護る徒(かち)の一団である。
 行列を横切ろうとしたので異人を斬った。
 大義名分はこちら側にあり、あくまでもそれを押し通さねばなるまい。が、相手が異人となれば、それがすんなりと通るかは、別問題だ。事態は深刻である。
「練らねばならん対策は幾つもあう」
 先ずは行列を進め、予定通り立場茶屋藤屋伝七で久光に休息をとってもらうことにした。藤屋は生麦村家並の神奈川宿寄りにあり、一丁ほどの距離があろうか。川崎・神奈川宿間唯一の立場茶屋である。以後一蔵等は事件の対処に忙殺されていく。
 そして奈良原が斬った異人は、逃走途中で鉄砲組の久木村利休に再び左腹の同所を斬りつけられることになる。異人は鮮血を滴らせ臓腑の断片を落としつつ、十丁ばかり遁げ延び、同村松並木に至り遂に落馬した。重傷を負った異人は、路傍の掛茶屋の蔭なる土畔に横臥し、自ら腰の出血を拭いつつあった。
 事変に気づき戻って来た海江田は、この惨状を見て近づいていく。異様な顔色をなした異人は、何事か哀願しているものの、言語が通じずので、「今、楽にしてやる」と、脇差を以って止めを刺したという。
 異人に斬りかかった奈良原喜左衛門と、止めを刺した海江田武次。
 決して口にはしなかったが、一蔵の眼窩には、殺害に至る別の筋道が見え隠れしていた。
 本当に突発的な事変であったのだろうか。起こるべくして起きた側面があったのでは。が、それを遮る確固とした思いが二点、立ちはだかる。
 幕政改革の端緒を開いた薩藩の努力を水泡に帰してはならない、そして、これ以上精忠組の仲間を戦列から外してはなるまい、との。
神奈川奉行所への届書と江戸留守居役を通して老中水野和泉守への上申書には、次のように記された。
・・神奈川宿手前にて、異人ども四人馬上にて行列内へ乗り込み候に付、手招き等を以って、丁寧精々相示し候へども聞き入れず、理不尽に乗り入れ候につき、是非もなく先供のうち足軽岡野新助と申す者、両人へ斬りつけ候処・・・行方相知れずして・・。
 いずれ奉行所より生麦村へも事情聴取が行われ、目撃した場面は逐一再現されるに違いない。が、そこはあくまで突っぱねるしかないであろう。
 非常事態を何とか落ち着いて対処出来たのは、側近に総てを任す久光の従容迫らざる態度であった。
 本隊に駆け付けた時の場面がよみがえる。
 止まっている輿に、松方助左衛門は片膝ついて報告した。傍らに一蔵も。この季節、輿の両側は簾がけである。
「異国人行列を犯し、只今これを除きつつあります」
 久光は一言も発しない。が、簾越しの鈍い光に胸元の黒い影が微かに浮かぶ。
大小の柄袋だ。徐に脱する動きが、瞬時、一蔵の眼を釘づけにした。そしてしばらくの後、その鎮定した旨を松方が告げるや、袋は旧に復された。










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11/15 15:30 〈助太刀兵法46〉北斎蛸踊り(8) (無料公開)
10/26 08:49 「本日のマーケット」(FX編)・・・今週は日米の金融政策イベントに注意。
10/26 08:40 「本日のマーケット」(株式編)・・・ 続伸後に日経平均株価が1万9000円台を回復。
10/21 08:39 「本日のマーケット」(FX編)・・・ドル円は120円ちょうどの壁を意識。
10/21 08:25 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、方向感の出づらい展開。
10/19 08:33 「本日のマーケット」(FX編)・・・午前11時に発表される中国の一連の経済指標に注目
10/19 08:23 「本日のマーケット」(株式編)・・・午前11時、中国経済の指標しだい。
10/14 08:48 「本日のマーケット」(FX編)・・・昨日に続き中国の経済指標。米9月小売売上高。
10/14 08:31 「本日のマーケット」(株式編)・・・前日の動きが継続し軟調な展開。
10/13 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・ドル円は120円大台を中心に方向感に欠ける動きが当面続きそう
10/13 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・5日線(前週末9日時点で1万8218円)が下値を支え
10/05 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京タイムではドル円やクロス円は押し目買いが優勢
10/05 08:34 「本日のマーケット」(株式編)・・・続伸後、日経平均株価が1万8000円に迫る。
10/04 12:07 江戸浅草物語13「天海僧正の結界が破られる時、魔界の者たちの進撃が始まるのか」 (無料公開)
10/02 08:44 「本日のマーケット」(FX編)・・・米雇用統計を控えた様子見姿勢
10/02 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・週末要因や米雇用統計を前にポジション調整
10/01 08:47 「本日のマーケット」(FX編)・・・9月日銀短観、9月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などが材料。
10/01 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・欧米株式の上昇を受けて買いが先行後、もみ合い。
09/30 08:52 「本日のマーケット」(FX編)・・・日中は119円後半のもみあい
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09/28 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京時間のドル/円は120円半ばを中心にもみあい。
09/28 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、もみ合い。
09/25 08:53 「本日のマーケット」(FX編)・・・・朝方、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が年内利上げが適切との見方を
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09/20 10:55 〈助太刀兵法45〉北斎蛸踊り(7)(無料公開)
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