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お肉屋さんの店先で思い出した友の話
 
2016年6月19日 16時40分の記事



いつも買い物にいくデパ地下のお肉屋さんで豚バラのブロックを見つけました。
結構大きな固まりなのに、半額になっていたのでお得感ばっちりです。
へー、と思ってみるとなんと脂の部分に歯ブラシの歯のような毛というか筋がツンツンしているのが見えました。

いや、これがきっと敬遠された理由に違いないと思ったのですが、とっさに海外で暮らしているお友達の話を思い出しました。
ヨーロッパの一国の農村地域に住んでいる彼女は、買い物も昔ながらのお肉屋さん・お魚屋さん・八百屋さんなんかですることが多いそうです。
中でもお肉屋さんは豪快で、羽をむしったままの鶏が逆さまに釣られていたり、豚や羊の頭がごろんとあったりしてかなりショッキングだといいます。

お肉を買うと、鶏肉なら羽が・豚肉なら毛らしいものがついているのは当たり前なのだとか。
日本のようにきれいに処理されてパッケージされたものを買うこともできるけれど、丸のままの固まりを買ったほうが安いのだそうです。
「処理してくれてあるものはそれだけお肉屋さんの手間がかかっているからお金がかかって当たり前かなあと思う」という彼女の言葉にそうだよな、と私も思います。
友人のご主人は欧米の人らしくやっぱりお魚よりもお肉が好き、ということですから、大きな固まりを買ってもあっという間になくなるという話でした。

半額セールになっている豚バラを見ているうちに、また友人の言葉を思い出しました。
「羽がむしり残っていたり、毛がついたままのお肉は最初はショッキングで気持ち悪いと思ったけど、考えたら鶏も豚も生きていたんだから当たり前と思う。」というものです。
「改めてむしらないといけないほど大きな羽や毛は残っていないし、きちんと加熱すればオーブンの中で焼けてなくなるから大丈夫」とも言っていました。
話を聞いたときに「そういえばそうだな」と納得したことが改めて現物を目の前にして再確認した感じです。

さっそく買って帰りました。
大きな固まりは、適当な大きさに切り分けて冷凍しようかとも思ったのです。
でも実際、自分で切り分けるのはなかなか大変でした。
急遽予定を変更して我が家風の豚バラの煮込みをつくることにしました。
大きな中華鍋で脂部分を下にして油をひかずに焼き目をつけます。香ばしいいい香りがしてきたら、全体に焼き目をつけるようにして焼きます。
豚バラのいいところは結構大きめなお肉でも油を引かずに焼くと、ちょっと焼き縮みがしてサイズダウンするところでしょうか。

適当に焼き目がついたら、圧力鍋に移し変えてジンジャーエールを注ぎいれます。
いつもだいたい2リットルビンの半分くらいを入れていますが、多くなってもかまいません。
後は醤油のみで加熱・加圧します。
時間がきたら圧力を抜いて、ネギ・ニンジン・ジャガイモなどお好みの野菜を足して普通に野菜が柔らかくなるまで煮込むのです。
場合によっては野菜のためだけにもう一度加圧することもあります。

調理しておけば保存が利くし、その日のメニュ−になることはもちろんお弁当のおかずやお酒のアテとしても最高です。

目に付いた歯ブラシの毛のような毛は焼き目をつけている時点で全くなくなりました。
友人の話を聞いて納得したものの、自分はどうかなと思っていましたが案外気後れすることなく受け入れた自分にちょっとびっくりです。

こういうタイプの豚バラの固まりは、いままでもお肉屋さんで見たことはありました。
そういえばよく半額になっていました。
でも実際に買ったことはなかったのです。
今度からはちょっと注目して探してみようかな、と思いました。

もちろん半額セールなら嬉しいですが、美味しかったし家族も喜んでくれたので通常価格でも十分に価値はあると思っています。

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