第16話「サーカスのこと」 | |
[播磨陰陽師の独り言] | |
2018年12月10日 19時0分の記事 | |
播磨陰陽師の独り言 第16話「サーカスのこと」 私がまだ、子供の頃……今でもあると思いますが……サーカスがありました。 今に見るサーカスは、外国風の派手な演出と、ハラハラドキドキの舞台ですが……その昔のサーカスとは、まるで別世界です。 昔のサーカスは、大道芸の延長線上にあるような、とても怪しげな見世物芸でした。 私が子供の頃に見たサーカスの中でも、ひときわ、印象が強かったのは……シルクハットを被った手品師の舞台でした。 こう書くと、 「何だ、手品なら、今でもあるじゃないか」と思う方や、 「そんなのが、珍しいのか?」と思われる方もおられるかと、思います。 しかし、わたしが目にした手品は……小さなワラ人形が、手品師の手の上で、お辞儀をするのです。 かなりヨボヨボの、老人の手品師が、年季の入ったタキシードを着込んで、フラフラと動くと……あら、不思議。 摩訶不思議なことに、手の上で、不気味なワラ人形が踊るのです。 あのような不気味な手品を、それ以降、ただの一度も見たことがありません。 そう言えば、そのサーカスには、タコ女がいましたし……もちろん、和風の水芸や、お化け屋敷まで、出し物の中にありました。 この『タコ女』と言うのは、着物を着た芸者さんが、三味線を弾きながら歌う芸で……なぜか、 「草津、良いとこ、一度はおいで、どっこいしょ」と歌うのですが……下半身がタコの足で、8本あります。 もちろん、一目見て、作り物と分かる足なのですが……なかなか人気の芸のようで、あちこちに、色々なタコ女がいます。 水芸は……手に扇子を持ったら和服の女性の扇子から、噴水のように水が出る芸です。 昔は、よくテレビでもやっていましたが、最近は見ない種類の芸のひとつとなりました。 不思議なことに電話もしくは、人手不足の成せる技か、タコ女と、水芸は、同じ顔……水芸の人が言うには、 「タコ女は、双子の姉妹でございます」 「しかし、おかしくは、ありませんか? 姉妹の片方だけ、タコだなんて」 「ヤボは、言わない約束でしょう」 「そうだ、そうだ」……みたいな展開が続くのも芸の内。 やがて、サーカスは、怪しいお化け屋敷へ続くのですが……この続きは、また、今度。 播磨陰陽師の独り言 前回の話◀︎[もくじ]▶︎次の話
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