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第三話 「たくさんの幽霊屋敷」(近世百物語)
2009年5月27日 14時0分の記事
 
◎百物語・完全版

 第三話 「たくさんの幽霊屋敷」



 幽霊屋敷と、呼ばれる物があります。
 幽霊の住んでいる家を……その大きさにかかわらず「屋敷」と呼ぶのが一般的なようです。
 子供の頃に住んでいた町にも……いくつか幽霊屋敷と呼ばれる建物が、ありました。

 もう、かなり前の話になりますが……私が大阪に住み始めた頃も、ずいぶん怪奇な現象をともなう部屋に住んでいました。
 あの頃は、ゲームの開発をしていたので……とても仕事が忙しく、深夜に帰ってきては早朝に出勤する毎日でした。
 毎日、家に帰りついて寝るのが精一杯の暮らしでも、ありました。

 そんなある日、家の壁に……女の人の顔のようなシミが、あることに気づきました。

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はじめまして、播磨陰陽師の尾畑雁多《おばた・かりんど》です。

 陰陽師には京都系統の「都《みやこ》陰陽師」と、播磨の国の「播磨陰陽師」の二種類の系統があります。  播磨陰陽師は、応仁の乱の時に京の都から播磨に戻った陰陽師達の子孫のことですが、播磨の国はもともとの陰陽師達のふるさとでした。

 播磨陰陽師には、夢に関してや、武術のことなど様々な伝承を持ちますが、今回はその中から「不幸のすべて」に関するお話と私が体験した不思議な体験「近世百物語」をお届けさせていただいております。



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