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第四十四話 「猫がささやく」(近世百物語)
2009年7月7日 14時0分の記事
 
◎近世百物語・完全版
 第四十四話 「猫がささやく」



 以前、自宅の庭で……野良猫が「恐い」と鳴くのを聞きました。
 毎晩のように、その野良猫が自宅の庭を訪れ……猫のような、人のような声で、鳴くのです。
 真夜中に鳴く猫の「こわい」としか聞こえない声は、恐ろしい物事を引き寄せるのでしょうか?
 恐ろしく感じる言葉が心の中にあると……常に、恐ろしい現実を呼びます。
 恐怖は、恐怖を呼び、やがて死をつくるのです。

 幽霊や物ノ怪は気のセイであるとも言えます。
 しかし、
 「自分の心が造り出し、自分と自分の 周りの心を持つものの現実を変化させる。」とも言えます。
 どこまでが現実なのか……そして、どこからが幻覚や夢の一部なのか……については、分かりません……。

 日がさして、辺りの暗さが少し明るくなった時……その猫が、また現れました。
 窓から庭を見ると、トラジマのその野良猫の尾の先が、白くなっています。
 「猫の尾の、二又になりて物の怪となるは、まづ、尾の先が白く変わる。」と、口伝の一節を、その時に思い出しました。

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はじめまして、播磨陰陽師の尾畑雁多《おばた・かりんど》です。

 陰陽師には京都系統の「都《みやこ》陰陽師」と、播磨の国の「播磨陰陽師」の二種類の系統があります。  播磨陰陽師は、応仁の乱の時に京の都から播磨に戻った陰陽師達の子孫のことですが、播磨の国はもともとの陰陽師達のふるさとでした。

 播磨陰陽師には、夢に関してや、武術のことなど様々な伝承を持ちますが、今回はその中から「不幸のすべて」に関するお話と私が体験した不思議な体験「近世百物語」を、何回かに分けてしたいと思います。



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