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第六十話 「お遍路さんなど/赤い着物の男の幽霊」(近世百物語)
2009年7月23日 14時0分の記事
 
◎近世百物語・完全版
 第六十話 「お遍路さんなど/赤い着物の男の幽霊」



 子供の頃、お遍路《へんろ》さんを、良く見ました。
 四国の八十八ヶ所を歩く……あの、お遍路さんです。
 行くところへ行けば……そう珍しい姿では、ないのでしょうが……なにせ、十勝平野のことです。
 北海道には、弘法大師の霊場など、あろうハズもありません。
 それどころか、寺や、霊場すらも……あまり見かけません。

 そして、そのお遍路さん達の姿を……いつでも必ず、祖母の家の近くでのみ、見ていました。
 しかも、夕方か、夜にしか見たことがありません。
 お遍路さんどころか……虚無僧《こむそう》の姿も、托鉢僧《たくはつそう》の姿も……それから、法華衆《ほっけしゅう》や、山伏《やまぶし》や、瞽女《ごぜ》の姿さえ……祖母の家の近くでは、珍しくありませんでした。

 今にして思えば、
 「それは、とても、不思議なことだ……。」と思いました。

 ……と、言うのは、昭和の30年代中頃から40年代にかけてのことです。
 それらの人々は、町を歩いていたでしょうが……それは、それらの人達に関連して、霊場とか施設があってのことです。
 なにもないハズの、十勝平野の真ん中で……しかも、アイヌ人達の聖地の近くを歩いているなんて……とても、不思議でなりません。

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はじめまして、播磨陰陽師の尾畑雁多《おばた・かりんど》です。

 陰陽師には京都系統の「都《みやこ》陰陽師」と、播磨の国の「播磨陰陽師」の二種類の系統があります。  播磨陰陽師は、応仁の乱の時に京の都から播磨に戻った陰陽師達の子孫のことですが、播磨の国はもともとの陰陽師達のふるさとでした。

 播磨陰陽師には、夢に関してや、武術のことなど様々な伝承を持ちますが、今回はその中から「不幸のすべて」に関するお話と私が体験した不思議な体験「近世百物語」をお届けさせていただいております。



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