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ロシアのプーチン大統領はG20サミットを切り上げ急遽帰国 何故? |
[防衛] |
2014年11月17日 0時0分の記事
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時事通信が11月16日夕方に伝えたところでは、ロシアのプーチン大統領は16日、オーストラリア東部ブリスベンで開催された20カ国・地域(G20)首脳会議の閉幕を待たず、帰国の途に就いた。「公務に備えて眠りたい」と弁解したが、ウクライナ危機をめぐり日米欧の首脳から批判を浴びたことに不満を抱き、日程を切り上げた可能性も指摘されている。
また、ロイターが16日午後に伝えたところでは、安倍晋三首相、オバマ米大統領、オーストラリアのアボット首相は16日、オーストラリアのブリスベンで会談し、ロシアによるウクライナ東部の情勢不安定化に反対する方針を表明した。 日米豪首脳会談の開催は異例。共同声明では「ロシアによるクリミア併合とされるものとウクライナ東部の情勢不安定化」に反対すると明記。「(ウクライナ東部に墜落した)マレーシア航空17便の撃墜の責任者を裁く」意向も示した。 共同声明によると、首脳会談ではウクライナ問題やエボラ出血熱への対応を協議したほか、「北朝鮮の核・ミサイルの脅威を排除」することや「拉致問題も含めた北朝鮮の人権問題に対処」することも議題となった。
G8サミットから事実上「追放」されたロシアが、久々の花形の外交舞台に出てきたにも関わらず、プーチン大統領は何故急遽帰国したのか?
確かに、ロシア以外の参加各国からは、ウクライナ情勢や「(ウクライナ東部に墜落した)マレーシア航空17便の撃墜の責任者を裁く」意向を直接伝えられ、プーチン大統領もいい加減に頭にきていることは事実であろう。
しかし、ロシア国内ではプーチン大統領の支持率は最近でも高く、84%の支持率も叩き出しており、これは米国のオバマ大統領や韓国の朴槿恵大統領も実現が不可能な支持率である。 当面の間は、ロシア国内の政権基盤や政権運営に支障はないだろう。 そのため、ロシア国内の治安や政権を揺るがす事態などの政治問題で急遽帰国する理由はない。
そうなれば、それ以外の理由、例えば先日決定したルーブルを変動相場制に移行させる事に関しての経済政策決定や、ウクライナ情勢や「(ウクライナ東部に墜落した)マレーシア航空17便の撃墜の責任者を裁く」件に関して、何らかの行動に出るためと推測される。
現在、ロシア軍は日本周辺や太平洋のみならず、北海、バルト海、バレンツ海、北大西洋からカリブ海・メキシコ湾、更に北極海までの海空地域での活動を活発化させている。 特にNATO諸国は緊張が高まっており、緊急発進の回数や偵察活動も活発化している。 これは、ロシアがNATO諸国の軍事力が戦車配備数の大幅削減などで弱体化していることを見透かして、足元を見た行動に出ているのだ。
しかしながら、ウクライナ東部に墜落したマレーシア航空17便の撃墜事件では、ロシア軍がウクライナの親ロシア派武装組織に供与した地対空ミサイルで撃墜した模様であり、ロシアにとっては非常に不都合な事実である。 また、ロシアにとっても、日本などとの友好関係を傷つけたくはないだろう。 あとは、帰国後にプーチン大統領の胸三寸で何が決定されるかが、注目される。
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