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2018年9月11日 19時0分
第4話「言葉が見つからない」
 
祈りのカタログ・完全版
第4話「言葉が見つからない」



「祝詞を、神に心が通じるように歌うには、才能が必要である」
と……古い神道系の本に、書いてありました。
 
 
 祝詞に限らず、祈りの言葉には、音楽性がつきものです。
 
 
 美しい歌声が、人の心をうつ時……それは、神の心をも、うつのです……と、あたかも宗教的なことを書きましたが……実際、「人の心をうつ祈り」とは、「何が、そして、どのようなことが、起こっている」と、言うのでしょうか?
 
 
 
 実は、人の心が感動に酔いしれる時……神をふくめた、霊的な現象を、引き起こす傾向が強くなるのです。
 
 それが「感動」ならば……神を、呼ぶかも知れません。
 
 しかし、もし、それが……恐怖による激しい「不安」なら……魔物を、呼んでしまうのです。
 
 
 ここでは、全体的な説明を「単純化」する為……良いものを「神」と呼び……そして、悪いものを「魔物」と、呼んでいます。
 本当は、霊的な現象は、もう少し複雑なのですが……単純な形式で理解しながら、へ進まないと……複雑すぎて、理解することは出来ません。
 
 ですので、あえて単純化した「神」と「魔物」の世界について……少し、説明したいと思います。
 
 
 
 宗教には、神と悪魔と言った、ふたつの要素の対立が、つきものです。
 
 神には、祈りますが……魔物に祈ると、「呪い」と呼ばれます。
 
 
 魔物……ここで、魔物ではなく、「悪魔」と書くと……「神」と言う言葉の方を、「西洋的な救済神のことだ」と、無意識で思い込んでしまいがちです。
 
 しかし、日本語の、「悪魔」と言う言葉の持つ、本来の意味は、「仏道の修行を、妨げるもの」です。
 
 この言葉は...
 
 
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2018年9月4日 19時0分
第3話「舞い踏みなす祈りの姿」
祈りのカタログ・完全版
第3話「舞い踏みなす祈りの姿」



 祈り……と、言う言葉を辞書で引くと、
「神仏に加護・救済などを、請い願うこと」とあります。
 
 また、同じような意味の言葉として、
「祈願」、「祈祷」、「祈念」などが出て来ます。
 
 もっと、詳しい辞書には、
「人間と人間を超えるもの(超自然力、究極的実在、神、仏など)との内面的交通、接触、対話が祈りであり、人と人との社会的コミュニケーションになぞらえて、宗教的コミュニケーションと言える」と書いてあります。
 
 
 実際の祈りは、
「言葉による祈り」と、「体の動きによる祈り」と、「心の中に描くイメージによる祈り」の、三種類に別れます。

 
 人が使う言葉は、
「口から出る言の葉」と、「体が作る言の葉」と、「心の中にある言の葉」の三種類、あります。
 
 
 この「言の葉」が、おのおのの祈りを作り、神に伝えるのです。
 
 
 
 ただし、直接、祈りが伝わるワケ……では、ありません。
 祈りは、人の祈りを神に伝える役割を持つ存在が……神に、伝えるものなのです。
 
 
 さて、言葉による祈りは、リズムを持ちます。
 これは、祝詞にフシがあるように、一定のリズムを持ちます。
 
 体の動きによる祈りにも、やはり、リズムがあります。
 こちらの方のリズムを表現する方法のひとつとして、舞踏のようなものがあると思います。
 
 
 舞踏は……舞踏に対する、あくまで、私の意見ですが……夢の世界そのものを、体現していると思うのです。
 
 夢の世界の状態を、体現することは……すなわち、
 
 
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2018年8月28日 19時0分
第2話「黙祷と呼ぶ祈り」
 
祈りのカタログ・完全版
第2話「黙祷と呼ぶ祈り」



 冥福の祈りの次は「黙祷」と呼ばれる祈りのことです。
 
 黙祷の「黙」は、黙ることです。
 黙祷の「祷」の方はと言うと、「祈り」と言う意味です。
 全体的には、「黙って祈る」と言う意味になります。

 
 祖母に、この「黙祷」のことを尋ねた時、祖母は、
「黙って祈れ……と、言うことじゃ」と笑っていました。
 黙って祈る、とは……無言で祈る……と言うことです。
 
 無言とは、「人の言葉を使わないこと」を意味します。
 これは、例え心の中であっても、人の言葉を使ってはならないのです。
 では、人の言葉を使わずに……どうして、祈れるのでしょう?
 この疑問には、後々、ゆっくりと答えるとして、
 
「神仏や死者の霊に祈る」と、言うのが、本来の黙祷の意味となります。
 神仏は、祈りを聞いてくれるかも知れません。
 神仏に関しては……黙って、祈りを聞くのが、まるで商売であるかのように誤解されている為……たぶん、文句は言わないと思います。
 しかし、死者の霊は……祈りを聞いてくれるのでしょうか?
 
 祈りを聞くかどうかは……その霊の、性格にもよると思います。
 陰陽道では……死者の霊は、神のひとつになります。
 正確に言うと「ひとはしら」と数えます。
 序列で言うと、最近、亡くなった方の霊は……下の方に加わります。
 下っぱでも、神は神ですので……やはり「神に対する祈り方」で祈るのが基本となります。
 
 神に対する祈りに関して言うと……神社へ行って、よく誤解する人がおられるようです。
 例えば、神社へ行って、お賽銭を投げて、手をパンパンと叩いて、何やら口の中で、ごにょごにょと、
「えぇーと、私の願いは、これこれで……どうか、神さん、よろしゅうお願い致します」と言う人がいます。
 
 これは希望であって……「祈り」ではありません。
 
 また、個人的な願いを、神に一方的に言い放っても、叶うことすらありません。
 願うには、それ相応の手順や、決まりがあります。
 まず、
 
 
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2018年8月21日 19時0分
第1話「冥福を祈る」
 
祈りのカタログ・完全版
第1話「冥福を祈る」

 
 
 最近、「本を書いてみたい」と思っていると、ある人から、
「祈りに関する本とか良いと思う」とアイディアをいただいたので、
「祈りのカタログ」と言うタイトルにして……思うことなど、書いてみることにしました。
 
 さて、最初は「冥福の祈り方」について書くことにします。
 
 よく聞く「冥福」とは……辞書によると、
「亡くなった方の、死後の幸福を祈ること」だそうです。
 時々、「ご冥福を、お祈りします」と言うセリフを……耳にすることがあります。
 その時、「どう、冥福を祈れば良いの?」と思う方も……あるかと思います。
 
 子供の頃に、そのような場面に遭遇した時……ただ、黙って下を向き、時間が過ぎるのを待っていたものです。
 とても退屈な時間でした。
「大人は、どうやって、祈っているのだろう?」とか、
「何に、祈っているのだろう?」と、子供ながらに、疑問に思っていたものです。
 
 しかし、誰に聞いても、適切に答えてくれませんでした……と言うより、祖母以外の答えられる大人に、一度も出会ったことがなかったのです。
 多くの宗教団体を渡り歩いて修行していた頃……出会った偉い霊能者の先生達も、誰ひとり、納得の行く答えをくれはしません。
 もっとも、その頃、私は彼らに恐れられていました。
 
 多くの霊能者の先生達は、私を見るなり、
「人ではないモノから、知識を得ているから恐ろしい」と言っては、時として、遠ざけられたりしたのです。
 
 
 若い頃の思い出は、さておき、この「冥福を……」と言われる「祈り」は……「ハヤチカゼ」と言う神に対して祈ることを、基本としています。
 この神は、虹の上を駈ける神です。
 
 馬のような姿の神として、描かれることが多く、
「死者の魂を、死後の世界に導く」と、されています。
 
 この神に、
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はじめまして、播磨陰陽師の尾畑雁多《おばた・かりんど》です。

 陰陽師には京都系統の「都《みやこ》陰陽師」と、播磨の国の「播磨陰陽師」の二種類の系統があります。  播磨陰陽師は、応仁の乱の時に京の都から播磨に戻った陰陽師達の子孫のことですが、播磨の国はもともとの陰陽師達のふるさとでした。

 播磨陰陽師には、夢に関してや、武術のことなど様々な伝承を持ちますが、今回はその中から「不幸のすべて」に関するお話と私が体験した不思議な体験「近世百物語」をお届けさせていただいております。



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