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シドニー通信員の『豪リークス』-ブロくる
飯島浩樹 さん
シドニー通信員の『豪リークス』
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オーストラリア在住 某民放局シドニー通信員からの情報。
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2012年2月16日 5時9分
コアラのキモチ
 
ユニークで愛らしい姿で オーストラリアを代表する 動物「コアラ」の数が今激 減している。気候変動や都 市開発などでその生息地が 減少しているのに加え、恐 ろしい伝染病も蔓延してい るというのだが…。

◇銃撃コアラ森に戻る
2010年11月5日の深夜、QLD州にある動物病 院の24時間緊急電話が鳴った。コアラの母子が 郊外のユーカリの木の下で何者かに銃で撃たれ 「母親コアラは死んだようだが、赤ちゃんはまだ 生きている !」という通報だった。

コアラ専門病棟もあるこの動物病院に運び込まれた生後16カ月どの赤ちゃんコアラ。X線検査でなんと体内に15発もの散弾が残っていることが発覚、中には頭蓋骨にのめり込んでいるものもあった。

翌日、女医アンバー・ギレットは緊急手術を行い、頭蓋骨の中を含む3個の散弾を取り除くことに成功した。そして7日の日曜日にも2回目の手術を行い、計7個の散弾の摘出に成功した。

“フロド”と名付けられたこの赤ちゃんコアラは、アンバー医師らの懸命の介護で、まだ体内に散弾 が残っていたものの何とか一命を取りとめ、抗生 物質の点滴と強い痛み止めを注射されてはいた が、手術の5日後には元気な姿を見せてくれた。

その後、順調に回復した“フロド”は、体重も保 護された時のほぼ2倍に増え、昨年6月、めでた く森に戻された。半年以上にわたりフロドの回復 に尽力したアンバー医師は「彼女(フロド)は最 大の危機を乗り越えることができました。2度と 動物病院の世話にならないことを祈っているわ」 と、感慨深げに話した。

一方、このコアラの母子を散弾銃で撃った犯人 はいまだに捕まっていないが、地元QLD州の法 律では、もしコアラに危害を加えた場合、禁固2 年または22万5,000ドルの刑が科せられること もある。

このようにオーストラリアでは厚く保護されて いるコアラだが、近年その数が激減しているとい う。コアラ保護団体「コアラ基金」は、ここ10 年間でコアラの生息数が半減し、今後30年間に コアラが絶滅する可能性があるとのショッキング な調査結果を発表した。


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2012年1月23日 8時15分
2012年のサバイバル
 
洪水、地震、火山噴火…。 まさに激動の1年だった2011 年。当コラムも、当初の予想 に反して豪州やNZで相次い だ自然災害や日本の大震災に 関するニュースについて書く ことが多くなった。まるで 映画のような出来事が現実に 次々と起きた11年を振り返り ながら、今後ますます世界の 注目が集まる「アジア太平洋 地域」において、新たな年を どう「サバイバル」していく かを考えてみたい。

◇2011災害多発の年
 大地鳴動、天変地異の災害が世界各地で起きた2011年。オーストラリアでも年明け早々大規模な洪水が発生。QLD州トゥーンバでは1月10日に鉄砲水が襲い、「津波」のような濁流が小さな町のショッピング・モー ルに押し寄せた。乗用車やトラックなどがまるで木の 葉のように流されていく様子が、インターネット の動画投稿サイトにアップされると、その映像は 瞬く間に全世界に配信された。それはまさしくこ の年に起こったさまざまな自然災害の発生を暗示 するかのような光景だった。

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2011年12月29日 5時34分
原発ゼロの国NZの地熱発電
第7回 原発ゼロの国NZの地熱発電
※日豪プレス2011年8月号掲載http://nichigopress.jp/nichigo_news/goleaks/25946/

東京電力福島第1原発事故後、太陽光などの再生可能エネルギーの開発に注目が 集まっているが、日本と同 様地震国のニュージーランドは、原発を持たず地熱な どの再生可能エネルギーで 電力をまかなう政策をとっている。環境に優しく安全な発電システムとして有望視される地熱発電をニュージーランドではどのように推進しているのだろうか ?

◇森の中の地熱発電所

牧草地と針葉樹林を通るなだらかな勾配の1本道を登り切ると、前方に吹き上がる白煙が見えてくる。工場から突き出る噴煙とは違い、水分を含んだ雲のようにふんわりと湧き上がるその煙は、ニュージーランド最大規模の地熱発電所から出る水蒸気だ。

ニュージーランド最大の都市オークランドから車で約4時間。NZ北島のほぼ中央のタウポ火山帯に位置するワイラケイ地熱発電所は、1958年に運転を開始した世界で2番目に古い商業用地熱発電所で、出力17万キロワット、約17万世帯に電力供給が可能だ。

発電所敷地内に張り巡らされた全長70キ ロに及ぶメタリック・シルバーのパイプの中には、摂氏約200度の熱水と蒸気が流れているが、特殊加工により外側に熱が放出されることはなく、実際にパイプに触らせてもらうと、ほどよい温かさで頬を付けることさえできた。

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2011年12月27日 13時16分
アボリジニにナデシコとサムライ魂を見た
第9回 アボリジニにナデシコとサムライ魂を見た
※日豪プレス2011年10月号掲載
http://nichigopress.jp/nichigo_news/goleaks/28827/

本コラム第6回「アボリジ ニ、ウラン、そして原発事故 …」で、地震と原発事故に 見舞われた日本人への同情を 綴った手紙を国連事務総長に 送った、先住民アボリジニの 女性と原子力大手の仏アレバ 社の巨額オファーを蹴って先 祖から受け継いだ土地を守っ た男性を紹介した。先日世界 遺産のカカドゥ国立公園内に 住むその2人に直接会って話 を聞くことができたが、逆に 2人から日本人が忘れかけて いる大切なスピリットを思い 起こさせられた。

◇カカドゥのジャンヌ・ダルクに 会う

ユネスコの世界遺産に指定されている北 部準州のカカドゥ国立公園は、自然と野生 動物の宝庫だが、地下には大量のウランが 眠ってもいる。そのためウラン鉱床がある 地域は、世界遺産の指定から除外され、そ こから採掘されたウランは、長年日本など に原発の燃料として輸出されてきた。

しかし、今年3月に起きた福島第1原発事 故後、カカドゥのウラン鉱山周辺の伝統的 土地所有者である先住民ミラル族の長老イ ボンヌ・マルガルラさんは、「自分たちの土 地から掘り出されたウランが日本の原発事 故の一因になった」とし、日本国民への深 い悲しみとウラン採掘中止を訴えた1通の手 紙を国連事務総長宛に送った。

1998年に元ミュージシャンで現在は政治 家のピーター・ギャレット氏とともに、カカ ドゥのジャビルカ鉱山を数千人で封鎖した 大規模抗議運動のシンボル的存在として一 躍有名になり、環境保護に功績のあった活 動家に与えられるゴールドマン環境賞も受 賞しているイボンヌさんに会うべく、我々 はカカドゥへと向かった。

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2011年12月26日 15時12分
アボリジニ、ウラン、そして原発事故…
 
第6回アボリジニ、ウラン、そして原発事故…
※日豪プレス2011年7月号掲載
http://nichigopress.jp/nichigo_news/goleaks/26654/

今年4月、1人の先住民アボリジニの女性が、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被害を受けた被災者への深い同情と悲しみを綴った1通の手紙を、国連事務総長宛てに送った。そこには、豪州北部で採掘され、多くが日本に輸出されるウランをめぐる、地元アボリジニの人々の苦悩と、日本の原発事故を警告していたかのような伝説についても書かれていた…。

◇アボリジニ長老からの1通の手紙
(写真:ミラル族イボンヌさんの国連事務総長宛ての手紙)

 果てしなく広がる熱帯雨林、大湿原に舞い降りる白い鳥の群れと沈む夕日…。オーストラリアの観光プロモーション・ビデオに必ず登場する北部準州カカドゥ国立公園の景観だ。

 ユネスコの世界遺産(自然・文化の複合遺産)にも指定され、古いものでは2万年以上の歴史を持つという洞窟壁画が各所に残るカカドゥ。ここで暮らす1人の先住民アボリジニの女性が、東日本大震災発生から約3週間後の今年4月はじめ、潘基文国連事務総長に1通の手紙を送った。手紙には「地震、津波、そして原発事故の被害を受けた日本国民への同情と悲しみ」について書かれていた。

 この手紙を送ったのは、カカドゥの先住民ミラル族の長老イボンヌ・マルガルラさん。ミラル族は1976年に制定された「アボリジニ土地権法」により、カカドゥにある3つのウラン鉱床のうち、レンジャーとジャビルカの2つの鉱床がある地域の伝統的土地権利者(Traditional Owner)として認定されている。

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2011年12月24日 7時50分
難民問題と豪多文化主義の行方
 
第5回難民問題と豪マルチカルチュラリズムの行方
※日豪プレス2011年6月号掲載http://nichigopress.jp/nichigo_news/goleaks/26650/

 豪リークス第5回は、最近収容施設で暴動が頻発している「難民問題」と、転機をえつつあるオーストラリアの「多文化主義」について。

◇相次ぐ難民収容施設での暴動

写真:ビラウッド収容所暴動を伝える地元紙(4月22日付) 

4月20日夜11時過ぎ、シドニーの西郊外にあるビラウッド収容所内の建物から火の手が上がった。所内で暴動が起きているとの通報から約20分後に現場に到着した警察や消防隊に対し、収容者が屋根から木材を投げつけるなどして抵抗した。収容所敷地内の9棟の建物と医療設備などが焼けたこの暴動を、翌21日の早朝から地元テレビ各局が生中継で伝え、数回の爆発とともに燃える建物の映像が繰り返し画面に映し出された。

 ビラウッド収容所には滞在ビザの切れた不法移民のほか、クルド人やアフガニスタン人などの政治亡命希望者約400人が収容されているが、今回の暴動は、20日の朝、難民認定申請が却下された数人が建物の屋根に上り抗議活動を始めたのが発端となり、その後、収容者約100人が加わる大規模なものに発展した。

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2011年12月24日 7時37分
「中年の星」45歳西澤ヨシノリが豪で世界王者に
 
Live report from Sydney about A 45 years old Japanese Boxer won world titles!

来月46歳になる「中年の星」日本人最年長現役ボクサー西澤ヨシノリがついに世界タイトル獲得!

シドニーから中継でお伝えしました。

http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/catch/
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2011年12月23日 7時14分
NZでUFO機密文書大量公開
第4回NZでUFO機密文書大量公開
※日豪プレス2011年5月号掲載http://nichigopress.jp/nichigo_news/goleaks/26642/

「豪リークス」第4回は、昨年ニュージーランドで公開されたUFO関連の機密文書について。ニュージーランドでは最近多くのUFO目撃情報が寄せられているというが、今年2月のクライストチャーチ大地震発生前にも、不可解な物体を偶然撮影していた日本人カメラマンがいた…。

◇2,000ページに及ぶUFO関連公文書を公開

ニュージーランド軍当局が公開したUFO関連公文書 世界各地でUFO(未確認飛行物体)の目撃情報が絶えないが、ニュージーランドで昨年12月、このUFOに関する大量の公文書が公開された。約2,000ページに及ぶ膨大な公文書は、ニュージーランドの情報公開法にもとづき、軍当局が公開に踏み切ったもので、これまで秘密扱いにされてきた1954年から2009年までの55年間の軍人や一般の市民らから寄せられたUFOの目撃情報などが収められている。

 我々は、ニュージーランドの主要都市にある図書館で閲覧できるこの公文書のコピーを、大地震が発生する前の今年1月、クライストチャーチの図書館で撮影した。

 12巻からなるこの分厚い資料には、目撃者が描いた空飛ぶ円盤や宇宙人の顔のスケッチ、宇宙人に遭遇したという人の体験談に宇宙人が使うという奇怪な文字、警察や政府の調査委員会による報告書などが含まれていた。
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2011年12月22日 8時57分
NZ大地震と東日本大震災
 
第3回クライストチャーチ大地震と東日本大震災
※日豪プレス2011年4月号掲載
http://nichigopress.jp/nichigo_news/goleaks/26634/

 豪リークス第3回は、今年2月にニュージーランドで発生した大地震と東日本大震災について。多くの日本人が巻き込まれたクライストチャーチの被災現場からの報告と、専門家の間でも意見が分かれるNZ地震と日本の大震災との関連にも触れてみたい。

◇クライストチャーチ再激震
(写真クライストチャーチ市内で崩壊した教会2月23日筆者撮影) 
2月22日午後12時51分。ニュージーランド第3の都市クライストチャーチ付近を襲ったマグニチュード6.3の直下型地震は、市内中心部の多くの建物に壊滅的被害をもたらし、最終的な死者数は180人に上るとみられている(※3月24日現在)。

 地震発生から間もなく現地のライブ映像がオーストラリアにも届き、地元テレビ局のレポーターが、難を逃れた市民にインタビューをしている間に大きな余震が起き、クライストチャーチのシンボルである大聖堂の屋根が音を立てて崩れ落ちる様子などが画面に映し出された。「これは尋常ではない !」と感じ、すぐさま現地入りを目指したが、当然ながらクライストチャーチ空港は閉鎖中。「被害を受けた建物に多くの日本人が残され、そのうち何人かが瓦礫の中から携帯電話で助けを求めている !」との情報がもたらされたのは、とりあえず向かうことにしたNZ北島オークランド行きの便に飛び乗る直前だった。

 オークランドで眠れぬ夜を過ごしたが、翌23日早朝にはクライストチャーチ空港が無事だったことが確認され、我々はそのの午後には現地に入ることができた。しかし、多くの日本人が巻き込まれたCTV(カンタベリーテレビ)ビル付近は封鎖され、寄ることもできない。ビルから数百メートル離れた規制線の外からレポートするのが精一杯だった。

 クライストチャーチ市内の道路は、いたる所で地割れや液状化現象が起き、レンガ造りの教会のほとんどが見るも無残に崩れ落ちている。昨年9月に当地を襲ったM7.0の地震で大きなダメージを受けた建造物が、今回の地震で一挙に崩れ去っていた。「その時はちょうどレストランで昼食中で、ものすごい横立ての揺れがあって、立っていることもできない状態でした。しばらくして外に出ると、辺りは人でいっぱいで、泣いている女性もいました…」。崩壊した大聖堂近くのオフィスで働く日本人女性は、地震発生直後の様子をこう語った。

 災害対策本部とメディア・センターが置かれた市内のアート・ギャラリーには(といってもメディアは建物の外に追いやられ、露天の中庭をうろうろするしかなかったのだが…)、ニュージーランドのキー首相が首都ウェリントンから駆けつけ「巻き込まれた日本人学生の家族のことを思うと胸が痛む」と、我々報道陣からの質問に答えた。

 倒壊したビルから奇跡的に救出され、市内の病院に収容された日本人留学生の容体が安定しているとの情報が入ったころには、日もとっぷりと暮れ、空からは冷たい雨が降り出していた…。
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2011年12月21日 22時14分
復刻版!洪水、サイクロン、ソーシャル・メディア
 
第2回「洪水、サイクロン、ソーシャル・メディア」
(日豪プレス2011年3月号掲載
http://nichigopress.jp/nichigo_news/goleaks/26538/)

豪リークス第2回は、豪北東部QLD州の洪水とサイクロンの被災現場レポートと、被災地で有効な情報ソースとして脚光を浴びたソーシャル・メディアについてお伝えする。サイクロン上陸の日にケアンズの避難所で女児を出産した日本人女性にもインタビューした。

◇洪水去ってサイクロン
(写真:2月3日ケアンズ郊外の民家前で根こそぎに倒された木)

「サンシャイン・ステート(陽光州)」のキャッチフレーズを持つQLD州に、大洪水と大型サイクロンが立て続けに襲った。

 南米ペルー沖の海水温度が低下する“ラニーニャ現象”が原因とされる大雨により発生した大洪水は、フランスとドイツを合わせた面積を超える広範囲に拡大し、住民20万人以上に影響を及ぼした。1月13日、ブリスベン川の水位がピークに達したのに伴い、我々は洪水が迫る州都ブリスベンに入った。幸い当初予想されていた過去最高の水位5.5メートルに1メートルほど届かず、ブリズベン中心部が水没するという最悪の事態は回避されたが、市内の道路は各所で冠水し寸断、低地の住宅や店舗が屋根まで水に浸かり、12万世帯以上が停電するなどした。

 その後洪水の被害を受けた地域の天候も回復、ギラード豪首相が水害復興税の導入を提案するなどしていたところに、今度はQLD州北部に「超大型サイクロン接近 !」というニュースが飛び込んできた。2005年にアメリカ南部を襲い、死者1,500人以上を出したハリケーン「カトリーナ」と同等の勢力を持つという超巨大サイクロンが迫っていたのは、世界遺産のグレート・バリア・リーフへの玄関口として有名な観光都市ケアンズ周辺だった。

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