第10話「父方の祖母のこと」 | |
[播磨陰陽師の独り言] | |
2018年10月22日 19時0分の記事 | |
播磨陰陽師の独り言 第10話「父方の祖母のこと」 父方の老人のことを書いたので……父方の祖母のことについても、少し書いておこうと思います。 この人との思い出も、あまり、ありませんが……あの老人よりも、さらに嫌な老婆だったことだけは、よく覚えています。 最初の出会いからして、不幸でした。 私が、初孫で……長男の長男であるにも、かかわらず、 「孫なんか、そんなもの、いらん」と……私が産まれた直後に、病室で叫んだそうです。 無理矢理、病院に連れて来られたのが気に障ったのか……理由はどうあれ……この出来事は、私の最初のトラウマとなりました。 もちろん、物心がついてから、ずいぶん後になって知ったのですが……あまりに衝撃的だった為……最初の記憶の部分に居座ってしまったのです。 この老婆については、嫌な人間であると言うこと以外、ほとんど思い出と言うものがありません。 しかし、この老婆と一緒に、いつも思い出すのは……優しかった曽祖母のことです。 曽祖母は、合掌集落で有名な、五箇山の出身でした。 ササラと呼ばれる楽器を、魔除けとして使っていたことを、今でも覚えています。 曽祖母は、平家の落ち武者の子孫で、平家の怪しげな霊術に詳しかったようです。 五箇山へ初めて旅行した時、地元の観光バスの中で流れた不思議な民謡が……懐かしい曽祖母の子守唄だったことに、思わず涙しました。 あの嫌な老婆と、曽祖母を一緒に思い出すのは……多分、曽祖母が亡くなった時、この嫌な老婆が、死神のように寄り添っていた姿を、鮮明に覚えていたからだと思います。 この優しかった曽祖母については、また、いつか書きますが……嫌な老婆のことを、もう少しだけ、書いておきます。 この老婆は、かなりの長生きでしたが、ある時、 「子供がみんな死んだら、死んでやる」と、不埒《ふらち》なことを宣言しました。 それから間もなくして、突然、この老婆が亡くなったので、 「人の運命とは、ままならないものだなぁ」と思った次第であります。 もちろん、父も、叔父や叔母達も皆、元気で生きています。 播磨陰陽師の独り言 前回の話◀︎[もくじ]▶︎次の話
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