鉄コン筋クリート | |
[DVD] | |
2007年6月28日 13時19分の記事 | |
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「ピンポン」「青い春」の大友大洋原作のコミックを、アニマトリックスのマイケル・アニアス監督がアニメ映画化。 義理と人情とヤクザの街―宝町。 急速に進む開発された街に囲まれた、取り残されつつある街。 その街を自由に飛び回る「ネコ」と呼ばれる少年二人。―クロとシロ。 暴力と血を好むクロ。純真で警戒心ゼロのシロ。 クロはシロを守ることが己の存在意義と信じて生きてきた。 「都市開発」―莫大な利権を含むこの言葉は、やがて宝町にも変化を強要してきた。 変化を理解できず、抵抗するクロはヤクザ達に狙われることになる。 そして、ついに最強の殺し屋三人がクロとシロの命を狙い始める。 シロを守ろうとするクロだが、その力は殺し屋に及ばず・・・。
タイトルは知っていても、ストーリーもあらすじも、な〜んの予備知識もなく観ました。 知っていたのは二宮和也と蒼井優がクロとシロの声を当てていることと、原作が大友大洋ということくらい。 不良少年が縄張り争いしてヤクザとケンカしてする、最後は少年達がヤクザを駆逐する。 そんな単純なストーリーを想像していました。 ・・・大筋において、予想はあたりでしたが・・・なんだか見終えたあとに気持ち悪さが残る・・・なんだろう。 暴力的描写が多いから? カメラアングルが一定しないから? 昭和の街の、生活の僕の嫌いな部分ばかりが集まっている宝町だから? おそらくそのすべてが要因になっていると思われます。 ヤクザと親無し家無しの少年の抗争だから、暴力描写が多くなるのはいた仕方ないとして、救いのない暴力が多すぎます。 現実社会の暴力とはそんな物なのでしょうけど、エンターテイメントの中くらいは、そういった暴力とは違う物を観てみたい。 カメラワークも変わったアングルが随所に使われていています。 キャラクターも曲線しか使われていないことと相まって、とても不安定で、観てる我々もとても不安な気持ちにさせられます。 こう言ってはまずいかもしれませんが・・・精神状態が通常でない人の描いた絵を見ていると、こちらも不安になってくる。そんな感じです。 良く動くし、細かなディティールまで書き込まれているし、アニメーションの完成度としては群を抜く物があります。 でも、映画の開始から不安な気持ちがこみ上げてきて、それが2時間続きます。 見終わったあとに残るのは、疲れと不安で嫌な感じ。 中盤のストーリーの停滞感も手伝って、「観るのをやめようか?」と思いました。 最後の昭和の〜は、全くもって個人的な好き嫌い。 逆に、あの雰囲気が好きな人もいると思います。 昭和半ばの混沌として薄汚れた裏町。 そこにある、刹那的で閉塞感だけに満ちた生活。 僕は、あの雰囲気がどうも苦手です。 そんな街が舞台なので、クロとシロが空を舞っても爽快感はなく、描かれた閉塞感に圧迫されて息苦しくなりそうです。 ストーリー的にも(前述しましたが)中盤でテンポの悪いところがあり、ラストも・・・「クリエーター」を気取ったアニメ屋さんが、妙に哲学的で独りよがりな精神的世界でオチをつけがちですが、本作もこの例に漏れず・・・ガッカリ。 原作は熱狂的なファンが付いているようだし、前評判も高かった。 劇場公開時の評判もとても良かった。 同じく熱狂的なファンを持ち、評価の高かった「時をかける少女」という作品が期待を裏切らない出来だっただけに、「鉄コン筋クリート」も期待してみたのですが・・・。 どうも僕の好みではありませんでした。 残念。 | |
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