憑神 | |
[エイガ] | |
2007年7月3日 14時49分の記事 | |
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「鉄道員」から8年。浅田×降旗コンビ再び。すべてのついていない人を幸せにする、時代劇。 別所家の次男、彦四郎は幼い頃より文武に秀で将来を嘱望されていた。ところが出世の足がかりになると思われていた養子縁組を離縁にされ、実兄の家に居候中。 別所家は貧しい御徒士ながらも、将軍家の影武者を務めるというお役を戴く由緒ある家計。 しかし、長男の佐兵衛はもはや武士の世は終わったとばかりに、お役をさぼり、享楽の日々を過ごす。 ある日彦四郎は、友人が祈願して以来トントン拍子に出世したという「三廻稲荷」と勘違いし「三巡稲荷」に手を合わせる。 そのことによって彦四郎は三人の不幸の神様に憑かれ、三種の不幸を巡ることになる。 果たして、彦四郎の行く末はどうなってしまうのか!?
7/1の映画の日に「転校生 さよならあなた」と一緒に観た一本。 先に「憑神」を観ててよかった。 あ、誤解しないでください。 僕の中で「転校生 さよならあなた」が存外にお気に入りになっただけのこと。 「憑神」もそれなりにおもしろかったです。 全体的にコメディータッチで描かれていますが、幕末の江戸の生活・風俗を忠実に再現して上でドラマが作られています。 「忠実に再現」なんていったって、僕が知る日本の生活風俗なんて昭和と平成しかありませんから、僕の乏しい見聞の中で知った幕末の江戸を忠実に・・・ってことなんですけどね。 武士社会が崩壊寸前とはいえ、まだまだ雁字搦めのお家制度、身分社会。 その中で、如何に次男が振動の誉れ高かろうが家禄、お役は嫡男の物。 次男は、彦四郎のように嫡男がいない家に養子にはいるか、あるいは剣術に覚えがあれば剣術道場などで生計を立て、才覚のない物は一生居候として嫡男の世話になるしかない時代。 ・・・つまり、一生ニートのまま悶々と過ごす訳です。 彦四郎は一度は養子縁組を組み、立身出世の糸口を掴みますが、ココでまたしても「家」という思想に将来をたたれ、あとはニート人生一直線。 しかし幸か不幸か、世は幕末の動乱を迎え、下級武士も己の才能次第で世のため国のため大仕事ができるチャンスが到来します。 現代を生きる人出も、幕末に己の才覚のみで立ち回ってみたかった。あの時代に生きてみたかった。と思っている人は大勢いるのでは? もちろん神童と言われた彦四郎にも、チャンスは巡ってきます。 江戸城無欠開城の立役者、幕府軍艦奉行安房守勝麟太郎―つまり勝海舟よりお誘いを受けます。 厳しい階級制度が残る一方、普段は目通りかなわない要職に就く(一部の)人物から身分に関係なく声をかけられるのが幕末という時代。 若い武士達は「倒幕」「公武合体」「尊皇攘夷」をスローガンに盲目的に走り出し、中には彦四郎の兄・佐兵衛のように時代の先を読み侍の世の終焉を予感する者も大勢いました。 なかには佐兵衛のように侍の世が終わることを嗅ぎ取りながらも、これから自分がどうしたらよいのかわからず享楽にふけるのみの人もいたかもしれません。 そんな幕末を時代背景に、とても「不幸を呼ぶ神」とは思えない神様が彦四郎の前に現れます。 いえ、不幸を呼ぶからこそ、姿形は不幸を感じさせない、逆に福を予感させる出で立ちなのかもしれません。 貧乏神は裕福で恰幅が良く、疫病神は健康そのものの力士、そして死に神はこれから人生を始めようかという童女。 放蕩にふける兄と年老いた母、離縁したとはいえ養子先に残してきた妻と息子、生真面目で融通の利かない彦四郎は、そういったもののためになんとか不幸を避けようと奮闘します。 しかし、自らにかかる呪いを避けることができても、その結果誰かが不幸になる。 すべてが丸く収まる道理はこの世には無いのでしょうか? この映画のテーマは「捨てる神あれば拾う神あり」ではないかと思います。 とにかくどんな状況でも楽天的に過ごしていれば、そのうち良いことが一つくらい見つかるよ・・・と。 この映画の難点は、ラストシーンでとても、とても興ざめしてしまうこと。 あのラストシーンは・・・リメイクを要求したい! それと、生真面目な彦四郎の髪型が、何故月代も剃らず浪人のような髪型なのか? ・・・実際、浪人なのですが・・・。 生真面目な侍と言えば月代、ってイメージですが・・・。 その謎は、映画の後半で明らかに。 | |
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