この近世百物語・完全版は……私の霊的な体験談を、つづったものですが……それは、純粋な、思い出話だけではありません。
それは、さまざまな霊的な体験を書きながら……読む人に、その対応方法等を伝えるものです。 この技法は、江戸時代にあった「白老人《はくろうじん》の物語」にヒントを得ています。
白老人の物語自体は、実在しませんが……その概念を使って「南総里美八犬伝」が書かれているようです。
「不幸のすべて・第61話」に「白老人《はくろうじん》の物語」について、少し書いています。そちらも、ご参考に……。
さて、この物語の概念とは……読む人が、その物語を通して、さまざまな対応方法や、術を学べる……と、言うものです。
これは、楽しみながら擬似体験し、そして、それを学ぶ……と言う意味で、作られた物語です。
ですので、この概念を使いながら……
楽しみながら、霊的な世界についての擬似体験や、霊的な世界を学ぶ為に必要な、基礎知識を学べます。 もちろん、播磨陰陽道の技術を使って、こちらの「近世百物語・完全版」も書かれていますので……あなたが、知らない内に……あなたの記憶の中で、その世界が作られるように構成してあります。
これは、「不幸のすべて」と対《つい》になった物語です。
「不幸のすべて」では、理論を……そして、「近世百物語・完全版」では、体験談と、その対応方法を……これを読まれる読者の皆さんの心の中に、直接、書き込んでいます。 それは、やはり、あなたの知性を向上させ……のみならず、進化させて行くのです。
これは、
「不幸のすべて・第89話」にも、書いていますが……普通の人の脳そのものを活性化し……そして、それを活用する時、鍵となる記憶が得られるようにしてあります。
ですので、普通に、読んでいると……頭がしびれるような感覚や、奇妙な感覚がするかも知れません。
これらは、ただの、「頭の筋肉痛」のようなものですので……数日でおさまります。
そして、ある時、その筋肉痛が……あなたの脳の力を、格段にアップさせていることに、気づかれると思います。
これらは、「不幸のすべて」で書き込まれた情報を、サポートする意図で作成しておりますので……そちらも、読むことをお勧めします。
では、あなたの知的能力が、格段にアップしていることを願いながら……では、こっくりさんの体験談その他を、お楽しみください……。
こっくりさんは……正式な霊術には、含まれていません。 ですので、正式な伝承も何もありません。
ただ、整理されていない……しかも、それほど古くない、やり方が……子供達の間で流行っていただけです。
何の修行もしない、子供にでも、出来る程度の技法ですので……「霊術」と呼ぶより……「子供騙《こどもだま》し」と呼んだ方が、正しいのかも知れません。
私が、まだ、小学生の頃は……この、こっくりさんが大流行していました。
当時は、コミックの「恐怖新聞」や「うしろの百太郎」なんかが流行っていましたし……テレビでは「あなたの知らない世界」とかが、放送されていました。
ですので、かなり霊的なことが、ブームになっていました。
ある時、私は……こっくりさんをやって見たくて……その方法を、祖母に聞きました。
すると、祖母は、
「あれは、明治の頃にアメリカから伝わったもので……霊術と呼ぶほどの、もんじゃないわな……。」と言って、笑っていました。
祖母は、西洋人のことを「原始人程度」にしか、思っていないらしかったので、
「余所《よそ》の国から来た霊術など、おかしくて、試すことすら無意味じゃ……。」と言っていました。
こっくりさんについて、調べると、 「1884年(明治17年)に伊豆半島沖に漂着したアメリカ合衆国の船員が……自国で大流行していたテーブル・ターニングを、地元の住民に見せたことをきっかけに、日本でも流行するようになった……」と、書かれたものを見つけました。
その文章によると、
「当時の日本にはテーブルが普及していなかったので、代わりにお櫃《ひつ》を三本の竹で支える形のものを作って行なった。お櫃を用いた机が……こっくり、こっくりと傾く様子から“こっくり”や“こっくりさん”と呼ぶようになり、やがて“こっくり”に狐、狗《いぬ》、狸の文字を当て“狐狗狸”と書くようになった……。」と書いてありました。
また、
「韓国でもこっくりさんは分身娑婆《ブンシンサバ》と呼ばれ、主に子供の世代に浸透している。朝鮮半島のこっくりさんは、日本の統治時代に日本で流行したこっくりさんが、朝鮮に流入し始まった……。」とありました。
また、何だか、分からないモノを「むくりこくり」と呼びます。
これは、辞書に、
「元寇《げんこう》の時、蒙古《もうこ》・高麗《こうらい》軍が日本を襲ったことを……蒙古高句麗《もうここくり》の鬼が来る……といって怖れたことから、転じて子供の泣くのをとめるのに……むくりこくり、鬼が来る……と脅す風習となったと言う。恐ろしいモノのたとえ。こくりむくり。」とあります。
これが……こっくりさんの語源である……と言う説もあります。
これと同じ名前の妖怪もいますが……これは、こっくりさんとは、違うものです。
いづれにしても、怪しげなモノであることに、代わりはありません。
さて、私が小学生の時……何度か、こっくりさんがらみの事件が、ありました。
昼休みに遊んでいた女の子達が、こっくりさんをし出して……ひとりが、口からアワを吹いて倒れたのです。
クラスが大騒ぎに、なりましたが……その子は、すぐに、むくっと起き上がり……何事もなかったように、
「どうしたの?」と尋ねていました。 騒ぎにかけつけた先生も、何が起きたのか、分かっていないようでした。
それからも、何度か他のクラスで、こっくりさんがらみの事故が起きました。
その頃は……他の学校でも、おかしくなる子が出たりして……当時は、日本中で、いろいろとあったようです。
それで、まもなく、学校でのこっくりさんは、禁止になりました。
しかし、自宅で、勝手にこっくりさんをする子供や、若い女の子達がいたのです。
ですので、あの頃は……祖母は大忙しでした。
「こっくりさんに憑依されたから、祓って欲しい……。」と言う、密かな依頼が……かなりあったようです。
今とは違っていて……その頃は、憑依されること自体、恥だと思われていました。
ですので、密かに依頼される場合が、ほとんどでした。
しかし、祖母は、
「そんなもん、ほっとけば、いづれ治るもんじゃ……。」と言って、なかなか祓おうとは、しませんでした。
そんな中で、一度だけ……祖母の祓いに、ついて行ったことが、あります。
祖母は、現場につくと……憑依されたらしき女性を前にして……祓詞《はらえことば》を唱えました。
そして、えい……と、気合をかけた時……すでにその女性は、正気に戻っていました。 祖母によると、
「あれは、こっくりとか呼ばれるモノではない。ただの野狐《やこ》の類《たぐい》なんじゃ。」と言っていました。
そして、
「簡単なものは、祓詞で……すぐに、落ちる……。」と言っていました。祓詞につしいては
「不幸のすべて・第35話」で説明しています。そちらを、ご参考に……。
野狐《やこ》は、いわゆる「狐付き」の現象の一種です。これについては……
「近世百物語・完全版」の第六十七話に書いています。そちらも、参考にしてください。
しかし、
「こっくりは、ただの思い込みで……霊現象ですらない……。」と祖母が言っていました。
ただの思い込みは……ほっておいても……いづれ、勝手に消滅します。
そして、祖母は、
「こっくりが霊現象だとしたら……それは、とても低俗な悪霊の一種じゃ……それが付くと、悪い臭いがする……。」と、続けました。
私が中学生の頃にも、一度、こっくりさんに参加したことがあります。
その時は……近くに立って、馬鹿にして見ていた人が……突然、悲鳴をあげました。
幽霊のようなものを、見たそうです。
しかし、私は……何も、感知しませんでした。
……と、言うより、こっくりさん自体が……やはり霊現象ですらなかったのです。
それは、どちらかと言うと……ただの、思い込みに近い現象でした。
ある種の、トランス状態のような感じです。
そして……幽霊を見た人も、ただ、トランス状態に入って、幻覚を見ただけのようでした。
もし、それが、本当の霊現象ならば……その場にいて、私が感知出来ないことなどありません。
それは、霊ではなく……幻覚や、トランス状態を感知しているのですから……やはり、霊現象ではないと思いました。
しかし、すべての「こっくりさん」を観察したワケではありませんので……やはり、霊的な現象も、あるかも知れません。
私がもっと幼い頃に……神隠しに合った時……狐の面を付けた子供と遊んでいましたが……その子も、やはり、
「こっくりなど、知らない……。あれは、仲間ですらないしな……。」と言っていました。ちなみに、このお話は、
「近世百物語・完全版」の第四十話にあります。
それから、何度か、こっくりさんの現場に出会いましたが……霊的でない以上、ただの遊びに付き合っただけのことで……とりたてて、ここに書くような出来事は、ありませんでした。
さて、今回で、無料ブログは、最後になります。
この近世百物語・完全版が、百話まで終了すると……もう、物語は終わります。
しかし、これから先、さまざまなブログ・セミナーの中で、
「近世百物語・完全版の第○○話を参考に……。」とか、
「その体験談は、第○○話の中に詳しく書いています……。」と言った表現が多くなります。
あなたに必要な、基礎的な知識は……この「近世百物語・完全版」と「不幸のすべて」を読まれると……知識だけではなく、能力についても得られるように構成しています。
これらは、ある種の「脳トレ」ですので……難しく考えずに、お気楽に、お読みください。では、あと少しですが……皆さん、よろしくお願い致します。雁多記す。
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