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〈助太刀兵法11〉柳生天狗抄 (1) (無料公開) 
[【時代小説発掘】]
2011年9月18日 11時4分の記事


【時代小説発掘】
〈助太刀兵法11〉柳生天狗抄 (1)
花本龍之介 



(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


梗概
 奈良の柳生街道の山中で、飛十郎はその昔、柳生十兵衛が斬ったという首切り地蔵を見た。峠の茶屋で喉の乾きを癒やしたあと、いよいよ剣豪の里、柳生谷へむかう。柳生家代々の菩提所芳徳寺の住持・柳生義堂と面会した時、意外な話を聞く。将軍家指南の家柄である柳生家の謀略と秘密をめぐって、飛十郎の居合剣が冴える。助太刀兵法シリーズ最高の傑作が登場!

【プロフィール】:
尾道市生まれ。第41回池内祥三文学奨励賞受賞。居合道・教士七段。
現在、熱海に居住している。



これまでの作品:
[助太刀兵法1]鎌倉しらす茶屋  
[助太刀兵法2]人助けの剣
[助太刀兵法3]白波心中
[助太刀兵法4]おとよの仇討 
[助太刀兵法5〕神隠しの湯
〔助太刀兵法6〕秘剣虎走り
〔助太刀兵法7〕象斬り正宗 
〔助太刀兵法8〕討ち入り象屋敷 
〔助太刀兵法9〕夜桜お七
〔助太刀兵法10〕夜桜お七 (2)

猿ごろし


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【時代小説発掘】
〈助太刀兵法11〉柳生天狗抄 (1)
花本龍之介 



一 柳生街道

 大和の国・奈良の柳生屋敷の前に、ふところ手をした早船飛十郎がたたずんでいた。
 猿沢の池の方角から、かすかに湿り気をおびた微風が吹いてくると、飛十郎の乱れた鬢(びん)を軽くゆすった。
 明け六つ(午前六時)の鐘が、興福寺から流れてきた後のことで、路上に人影はない。朝霧を割ってあらわれた親子連れの鹿が、ふと立ち止まって大きなつぶらな瞳で、飛十郎の姿を興味ありげに見つめているだけである。飛十郎は、子鹿のきょとんとした丸い目を見て、思わず頬をゆるめた。
 奈良は、鹿の町である。藤原氏の氏神である春日大社の御祭神・春日大明神は、はるばる常陸国・鹿嶋から、この地へ鹿に乗ってやってきたといわれている。このため奈良では、鹿を殺した者は生きながら穴に入れられ、小石を詰められて埋め殺される〔石子詰〕が行われていたというほど、鹿が大事にされていた。
 柳生屋敷の厳めしい長屋門の内側で、人の動く気配と、馬の蹄が鳴る音がした。
さりげなく歩きはじめた飛十郎の背後で重々しく門が開くと、馬乗り袴に麻晒しの帷子(かたびら)を来た騎上の武士が、朝駆けでもするのか、追い抜いていく。
 その瞬間、道端に身を寄せて立ち止まった飛十郎の目と、馬上の侍の視線が、ちらりと合った。同時に、すさまじい殺気が飛十郎を襲った。
「む」
 飛十郎の左手が、刀の鯉口を切った。
 もし、騎馬の武士が斬りつけていたら、その切っ先が飛十郎の顔面に届くより、ひと呼吸早く飛十郎の刀が、相手の左足を斬り落としていただろう。居合でいう〔後の先〕の太刀である。
 だが、奇妙なことに、馬上の侍の目に殺意の陰りはなかった。飛十郎の横を通り過ぎた馬は、何事もなく遠ざかっていく。武士の麻の帷子の背中に、青く染め抜かれた柳生家の二階笠の家紋を、飛十郎は眩しそうな目付きで見送った。
「ふうむ……」
 あの殺意を放ったのが、騎馬の武士でないとすると、屋敷の中からということになる。 飛十郎は、刀の鯉口を納めた指で無精髭をなぜると、柳生屋敷のほうを見た。ゆるやかな坂道が、奈良の町へ下っている。少し行って右へ曲がれば猿沢の池を通って、奈良で一番の賑わいを見せる三条通りへとつづく。正面に巨大な興福寺の五重塔が見えるはずであった。
 親子鹿は、あい変らず大きな丸い目で飛十郎のほうを眺めている。まさか、あの鹿が飛十郎にむかって害意を持つはずはなかろう。子鹿の耳が、ぴくんと動くと、首をめぐらして門の中を覗き込んだ。
 手桶を提げた老爺が出てくると、門前の道に柄杓で水を撒きはじめた。長年撒きなれた手錬の技なのか、乾いた土の道にたちまち浸みこむ水は、一滴の無駄も無いように見える。
 親子鹿のほうにむかって撒いた水も、子鹿の足元でぴたりと止まった。鹿も毎日のことで、慣れているのか、身動きもしない。
 飛十郎は、ぶらりと歩き出した。
 柳生屋敷の長い漆喰塀に添って行くと、道はふた筋にわかれる。左に行けば、急な坂や石段を登って、浮見堂のある池へ出る。その池の横を抜ければ、飛火野から春日明神、さらには東大寺にむかうことになる。
 飛十郎は、新薬師寺へむかう右の道のほうへ歩いて行った。このあたりは、やはり僧坊が多い。東大寺や興福寺に仕える下級の僧侶が住んでいるのか、小さな家がつづいている。
 それにまじって、唐人屋敷らしい異国風の家が見えるのが、いかにも奈良の都らしい。そこを抜けると、道はさらに狭くなって、町屋や長屋が並ぶ通りに出た。立ち止まった飛十郎の足元に〔右・新薬師寺・山の辺の道をへて飛鳥へ〕と刻ざまれた石の道しるべが立っている。
「飛鳥か……」
 つぶやきながら、両側から屋根が覆いかぶさった、人がようやくすれ違えるほどの細い道と、その上に広がる夜明けの空を見上げた。
 今はみすぼらしく見えるこの道こそが、古代もっとも栄えた官道であり、奈良から藤原京へ、さらには日本最初の中央政権が誕生した大和朝廷があった、飛鳥の地へとつづく道であった
「いや、もうそれは奇妙な石がいくつもありましてな、飛鳥というところは。それがまた驚くほどの大きさでございました」
 江戸・本所松阪町で、仇討ち宿を営んでいる安達屋藤兵衛の声が、飛十郎の胸によみ返ってきた。
「昔のことで、よくは覚えておりませぬが。たしか石舞台とか、酒船石とか、亀石とかいう見上げるばかりの巨石がありましたな。このたびの柳生の件が片づきましたなら、早船さまもぜひ行かれたほうがよろしゅうございますぞ」
「ほう、酒船石か」
 飛十郎の頭に、満々と酒をたたえた巨大な石の船が浮かんだのを、今でもはっきりと思い出す。
 だが……、まずは柳生である。
 頭を一つかくと、飛十郎は道しるべを見捨てるように、足早に歩きはじめた。
 細い谷川に架けられた小橋を渡ると、道は急に登りになる。春日山の麓にある竹林を抜けると、割り石を敷いた石畳みの道に変わって、道端に〔是より柳生街道〕と彫られた常夜灯が立っているのが見えた。
飛十郎は、ふところから手拭いを取り出すと、顔の汗をふきながら山道を見上げた。
 渓流に添った一筋の石の道に、深い森の中を曲がりくねりながら山の上へと続いている。せせらぎの音が耳に涼しい。見おろすと清冽な谷水が、岩に当たって透明な雫(しずく)を散らしながら、里にむかって流れ落ちていく。
 春日は、神の山である。元明天皇が、藤原京から平城京に都を移した和銅三年(七一〇)に、藤原不比等がこの地に氏社と氏寺を勧請建立して以来、いっさいの狩猟伐採が禁じられてきた。太古のままの鬱蒼とした原生林が、飛十郎の目の前に広がっていた。
 苔むした巨大な杉が、飛十郎の歩みをさえぎるように石畳みの道の上に横倒しになっている。落雷か嵐によって倒れたのだろうが、見廻すと斜面のいたる所に倒木が見える。
 袴を股立ちにした飛十郎が、その巨杉の下をくぐり抜けて前へ進むと道は二筋に別れ、そこに見上げるばかりの石地蔵が立っていた。
「おう。これが、首切り地蔵か」
 その名の通り石地蔵の首のあたりに、剣で斬り裂いたような割れ目が見える。
「うむ。これを斬ったのが柳生十兵衛ならば、恐るべき剣の使い手といわねばならぬが……」
 と、言いながら首切り地蔵の斬り口を、しげしげと眺める飛十郎の脳裏に、石畳の柳生街道を踏み登って来る野袴に袖無し羽織を着た、深編み笠の武芸者の姿が浮かび上がってきた。


二 天狗十兵衛

 時代は、飛十郎の頃より、さらに約二百年を逆のぼる、寛永三年(一六二六)のことである。将軍家剣法指南役・柳生但馬守宗矩の嫡男、十兵衛三巌は三代将軍家光の不興をこうむり、小田原へ蟄居を命じられた。その後、謹慎を解かれた十兵衛は、父祖の地で柳生新陰流の剣の修行をやり直そうと、柳生街道を柳生谷へむかって歩いていた。
 折からの月明りをさいわいに、心急ぐまま夜の山道をたどっていた十兵衛の耳に、奇怪な化鳥の鳴く声が聞こえたと思うと。巨木の梢を騒がせて、頭上から大きな黒い影が、ふわりと飛び降りてきた。見ると、自分の躰の二倍はあろうかと思えるほどの、大天狗である。
「おのれ、化物。柳生十兵衛三厳と知っての狼藉か!」
「ふ、ふふ、化物よばわりは片腹いたい。きさまこそ江戸をしくじり、家光めに追われた柳生一族の出来そこないではないか。どれほどの剣の腕か、たしかめてやる」
 月光の中で、銀色に輝く乱れた髪と、赤い顔に長い鼻の天狗に、痛いところを突かれた十兵衛は、思わず手にしていた深編み笠を、その鼻めがけて投げつけた。落着きはらった天狗が、手の羽団扇(はうちわ)をひと振りすると、深編み笠は宙天高く夜の闇に消え去った。不思議なことに、この笠は次の日の朝、はるか離れた峠の茶店の屋根の上に乗っていたという。
 江戸柳生の総帥、但馬守宗矩には三人の息子がいたが、そのなかでも一番剣が出来たという十兵衛である。深編み笠を投げると同時に、するすると間合いに踏み込み、目にも止まらぬ速さで天狗めがけて抜き討ったが、これが手もなくかわされた。必殺の一撃を、かわされただけではない。十兵衛の空(くう)を流れた刀の切っ先の上に、天狗の剣先がぴたりと乗せられていたのだ。これぞ柳生の、合撃(がっしうち)である。
 十兵衛の顔が、みるみるうちに蒼白になった。無理もない。もの心ついた幼児の頃より、江戸・柳生屋敷の道場で、まだ薄暗い時から、ひきはだ袋撓(ふくろじない)を持たされ、父から稽古に稽古を重ねて、しごき抜かれた、合撃である。いまでは師でもあり父でもある宗矩より、はるかに上手といわれた柳生新陰流の後の先の技を、ものの見事に打ち返されたのみならず、押しても引いても天狗の剣が十兵衛の刀から吸い付いたように離れない。
「どうじゃ、十兵衛。おのれの心こそ、まさに天狗じゃと思わぬか。これまで江戸柳生最高の剣とうぬぼれ、増長高慢の鼻も高々と押し歩いてきたのであろう。きさまの剣の腕も江戸を一歩出れば、こんなものよ。天下は広いと思わぬか、十兵衛」
「だ、だまれ! 柳生の剣は、この国を治める徳川将軍家を教えみちびく国家の剣ぞ。うぬのごとき物の怪に敗れるはずはないわ」
 顔一面に汗を浮かべた十兵衛の言葉に、天狗は耳まで裂けた口から牙を覗かせて、にたりと笑った。
「それ、その敗れるはずはない、という心こそが病いじゃ。人に勝つことのみ思いつめ、おのれの技や剣さばきが将軍指南ゆえに、この国一番と思い込む。すべてが心の病いじゃ、十兵衛。無心になれ、新陰流の奥義〔無刀〕の心を忘れたか。きさまが、この剣の下から逃れようと、必死になればなるほど、剣は離れぬぞ。心の病いを捨てるのじゃ。わが刀わが命に執着しているうちは、天狗の剣はおのれから去らぬぞ」
「うぬっ」
 十歳の時、江戸城にのぼり二代将軍秀忠の小姓になり、十二歳の頃家光づきの小姓となった十兵衛は、家臣というより遊びの相手、剣の相手として家光と共に成長した。将軍家指南役というより、政治家として幕閣に連なる道を選んだ父・但馬守宗矩の生き方に反抗し、城内の道場で袋撓を打ち合う時、だらけてやる気のない家光を、容赦なく叩きのめしたという十兵衛である。
 幕府の惣目付となった宗矩なぞより、はるかに剣一筋の自分のほうが、剣は上だという自負もあり、自信もある。現にこれまで誰と立ち合っても、一度として負けたことがない。
「う、うむ」
 それが天狗の剣には、このていたらくである。腕の違いは、まるで大人と子供だった。払っても叩いても、奇怪なことに二本の刀が一本に溶け合ったように、びくとも動かない。十兵衛の額から、ぽたぽたと汗が流れ落ちた。
「十兵衛、よく聞け。柳生新陰流では刀の構えのことを、位(くらい)というではないか。きさまは、その刀の位や、人に勝つ技の稽古にばかりかまけ、心の修行は何一つやってないとみえる。その分では、宗矩に沢庵禅師が書き与えた〔不動智神妙録〕さえも、いまだ目を通しておらぬであろう」
 天狗の言った通り、禅の心を解きながら剣の理念をのべた、沢庵の不動智はおろか、父・宗矩が筆をとった〔兵法家伝書〕さえも、まだ一行も読んだことがない。書物を読む暇があれば、道場へ出て剣の修行をしたほうがいい、と思ってきた十兵衛である。
「ここで斬られて死ね! きさまのような殺人刀の持ち主を生かしておいては、このあと世の人々が苦しむわ。天下のために、死んでしまえ十兵衛。心のない剣は、いらぬ」 
 天狗の声の調子が変わった。十兵衛は、身の毛がよだつほどの恐怖を感じた。天狗が放つ巨大な殺気に包まれた。と同時に十兵衛の脳裏に、血しぶきを上げて倒れる自分の姿が、ありありと浮かび上がった。斬られた時の痛みさえも、はっきりと感じた。
 ―――あ、死ぬのか。まあ、それもいいか………
 十兵衛は、奇妙な笑みを浮かべながら、頭上はるかな天空に輝く月を見上げた。
 その瞬間、柳生十兵衛三厳は、からりと生を投げ出していた。まさに〔無刀〕の境地であった。
「む、出来た」
 おのれの命への執着を十兵衛が投げ捨てたのを、天狗が感じ取ると同時に、はじかれたように二本の刀は、飛び下った。両者は、およそ三間の距離をへだてて向き合っていた。十兵衛の刀の切っ先が、だらりと地面にむいて垂れている。柳生新陰流〔無形の位〕であった。
 構えずして構える、文字通り形を無くす構えである。構え、という病いから脱し、千変万化いかなる敵の攻撃にも、自在に応じられる剣の形である。
 月あかりに照らされた天狗の剣さばきを見て、十兵衛は愕然とした。天狗の構えが、鏡に写したように、十兵衛と寸分たがわぬ無形の位だったからである。それだけではない、十兵衛が前に出ようとすると、天狗はするすると前に進み、十兵衛が退こうと思えば、まるで心の中を読み取るごとく、天狗は機先を制して後ろへ下った。
 これこそ柳生新陰流でいうところの〔水月〕の秘技である。敵の剣を、〔月〕となし、前に出した自分の右足の甲を〔水〕と呼ぶ。すなわち月影を、おのれの足の水に写し、さらにその月を胸に掛けた〔明鏡〕に写し取る。十兵衛は、自分がくり出そうとする技が、すべて天狗によって写し取られていることに気付いた。
「柳生十兵衛、死すべし!」
 林立する巨杉の間から差し込む月光と一諸になって、頭上から崩れ落ちるように聞こえてきた天からの声を、ふたたび十兵衛は耳にしたように思った。
 ―――こうなれば、身を捨ててこそ浮かぶ瀬もある柳葉の舟、か………
 死を覚悟した十兵衛は、技を写し取るだけで仕掛けてこぬ天狗にむかって、どんな難敵だろうが一度も仕損じたことのない〔花車〕をもって立ち向かうことにした。
「ほほう。このおれにむかって〔天狗抄〕の技を使うとは、不敵なやつ。殺すのは、ちと惜しいのう」
 苦笑いした天狗は、素早く十兵衛の心を読み取って、花車の剣の位をとった。
 〔天狗抄〕には、八種の技がある。花車、明身、善待、手引、乱剣、二具足、打物、二人懸がそれであるが、いずれも動こうとしない敵に自らが仕掛ける先の先の技であった。 花車の位を取って、するすると前へ出た十兵衛とほとんど同時に、天狗も全く同じ位取りと足運びで、滑るように前へ進む。両者は何のためらいもなく、切っ先が躰に触れる、 剣の間境いを越えた。
 剣の理合いからいえば、同じ技前の者が同じ花車をもって闘えば、これは間違いなく相討ちとなる。
 が、十兵衛は、そうは思わなかった。
 ごく自然な足取りで歩んでくる天狗が、もののけか人かは知らぬが、十兵衛よりはるかに柳生新陰流の奥義に達していることを見抜いたからである。
「南無三……、一足一見」
 思わず、十兵衛は、つぶやいていた。
〔一足一見〕とは、金春流能楽の秘技であり、祖父・柳生石舟斎宗厳がこの運足法を手に入れるために、柳生新陰流の秘剣〔西江水〕をもって秘伝交換を六代目金春太夫八郎に申し込んだ。という伝承が柳生家に残されている。
 水の上を滑る浮舟のように進んでくる天狗にむかって、十兵衛は三歳から道場に出て以来つみ重ねてきた修行の、すべてをこめて打ち込んだ。ぱっと火花が飛び散ると同時に、鋭い金属音があたりに響き渡った。
「あは、はは、十兵衛。江戸柳生の剣は、これしきのものか」
 天狗のあざ笑う声に、十兵衛が刀の位を取り直した瞬間、黒い影が飛ぶような速さで手元に迫った。あっと思った十兵衛が、剣をさばく余裕もなく、天狗の手に奪われた刀は宙を飛んで、杉の大木に深々と突き刺さった。
「殺せ!」
 がっくりと膝を突いた十兵衛は、うめくような声をあげた。
「いや、まだ殺さぬ。十兵衛、天の岩戸で会おう。くやしければ、そこへ来い」
 天狗の言葉に、十兵衛は訝しげに顔を上げた。
「ふむ、わからぬか。江戸で生まれ、江戸で育ったおまえが知らぬのは当然かもしれぬな。高天原から飛び来たという、天の岩戸を御神体とした明神社が、柳生谷にある。昔おれが、そなたの祖父(じじ)どのに天狗抄の秘剣と、無刀の極意を授けたのも、そこの神域じゃ」
 茫然として地面に座り込んだ十兵衛の膝の上に、大粒の泪がこぼれ落ちた。
「ほう。死ぬ気じゃな、十兵衛。生まれつき剣才にめぐまれ、今や弟の左門・友矩や又十郎・宗冬はおろか、父・但馬守宗矩よりも剣の腕ははるかに上だと思いあがり、江戸で一番ならば、すなわちこの日本で最高だと鼻高々だったのが、天狗めに手もなくあしらわれ、自信を粉々に打ち砕かれてしまった。このうえは死ぬしかない、と思いつめたのじゃろう」
 天狗に顔を覗き込まれても、十兵衛は膝に置いた拳を震わせながら泪をこぼすだけで、何も答えなかった。 
「ふん、図星か。死にたければ、勝手に腹を切れ。といいたいが、石舟斎の孫じゃからのう。そうもいかぬな」
 あたりを見廻していた天狗が、石地蔵に目を止めると、大きく頷いた。
「こら、十兵衛よく聞け。人が神と剣をまじえて負けても、なんら不審はなかろう。予は神じゃ、国津神の猿田彦の命であるぞ。その証(あかし)を見せてやろう。予の首を斬れ!」
 意外な言葉に、思わず十兵衛は天狗の顔を見た。
「見事に斬ればよし。もし仕損じるようならば、ふたたび刀を奪い取り、天狗抄の秘剣で、即刻その首を刎ねてしまうぞ。立て! この天狗が介錯してやろうぞ」
 叱咤する天狗の声に、十兵衛は弾かれたように立ちあがった。
「よいか、十兵衛。柳生新陰流に二派あり。将軍家指南役の江戸柳生と、尾州指南役の尾張柳生と人はいうが、さにあらず。柳生の剣は三派あるのじゃ。残る大和柳生を、忘れてはならぬ」
「ばかな……」
 杉の幹に突き立った刀を抜き取りながら、十兵衛は言い放った。
「大和の柳生なぞ、一万二千五百石の柳生藩の領地にすぎないではないか。柳生の剣は、江戸と尾張の二つしかない」
 素早く刀を鞘に納めると、十兵衛は天狗のほうへ向き直った。
「ふ、ふふ、若いのう。では柳生新陰流の位に〔懸待表裏〕があるをどう見る」
 怒りのために十兵衛の顔が、みるみる紅潮した。
「知れたことよ。懸(けん)とは、敵にむかうとき一念込めて斬ってかかり、先の先を取る心だ。待(たい)は斬りかからず敵が仕掛けてくるのを待ち、後の先の返し技で勝つ心をいう。また一方の心のみでは病いとなり、返って敗北するので、心を待のときは身を懸となし、逆に心が懸のときは身を待となす。これを表裏というのだ」
 にやりと、天狗は笑った。
「これは、ちと釈迦に説法であったかのう。さすがは江戸柳生の嫡男じゃ、よう知っておる。だが石舟斎が残した表裏の意味は、それとは違うぞ」
「そんなはずはない。柳生新陰流の表裏の意は、昔も今も一つだけだ」
 憤然として肩をそびえさせると、十兵衛は天狗を睨みつけた。
「十兵衛、万物にはすべて表と裏があるのじゃ。江戸と尾張は、いわば表の柳生じゃ。あの権謀術数にたけた、抜け目のない石舟斎宗厳が、第三の柳生を用意したとは思わぬか」「なにっ。では柳生谷に、裏の柳生があるというのか」
 信じられぬ、といった表情を十兵衛はした。
「はてさて、それは自分の目で確かめればよかろう。いずれにせよ柳生谷は、柳生新陰流発祥の地じゃ。剣を学ぶほどの者は、一度は訪れねばなるまいて」
 とぼけた声でそう言いながら、天狗は夜空を見上げた。
「そろそろ夜もふけて、月も傾いてきた。あれほど騒いでいた烏天狗たちも、寝たとみえて、今は静かじゃ。十兵衛、自信があるなら、この天狗の首をとって柳生谷へ行け。それとも死にたいか」
 耳まで裂けた口で、にたりと笑うと、天狗は腰の太刀に手をやった。
「うぬ。勝手なことばかり、ほざきおって。化物、この十兵衛の手の内を見ろ!」
 深く身を沈めた十兵衛は、天狗との間合いを一気に跳躍して、全身の力を手首の集中すると、天狗の首にむかって横一文字に斬りつけた。
「ぐわっ!」
 天狗は、人とは思えぬ奇怪な声で咆哮した。
してやったり……。十兵衛は存分な手ごたえを感じながら、大きく血振りをすると、ゆっくりと刀を鞘に納める。?(はばき)が鯉口におさまった瞬間、かすかに鍔鳴りの音がした。
 ちん、と音がすると同時に天狗の首が、ずずっと肩の上で横滑りして、地面に転げ落ちた。十兵衛は、刀の柄を握ったまま、後ろへ飛びさがった。首を斬り落とされた天狗が、いきなり大声で笑いだしたからである。
「ふ、は、ははは。江戸柳生の剣は、すえ物斬りか。十兵衛、おまえが斬ったのは神にあらず、仏であるぞ。月の光に照らして、心して見よ。よいか、その首、元の場所へ戻しておけ。天の岩戸へこい。一手教えてやろう、石舟斎のようにのう。さらばじゃ!」
 刀の反りをかえして、手練の抜き討ちで斬り上げるより早く、天狗は首を残したまま、風を巻いて空中に飛びあがった。一本朴歯の足駄で、宙を蹴って舞いあがると、胴体だけの奇怪な姿の天狗は、巨杉の枝から枝へ飛び移りながら、みるみるうちに小さくなって闇に消えてしまった。
「おのれ……。魔物め」
 首を失ったまま動く天狗の不気味さより、おのれの全身全霊を込めて放なった刀が、天狗の躰をかすりもしなかったことに、十兵衛は天地が崩れるほどの衝撃を受けていた。右手の剣を投げすてると、地面に身を打ちつけるように座り込んだ。腕を組み、胡座(あぐら)をかいた十兵衛は、一点を見すえたまま微動だにしなかった。
 ―――どれほど時刻がたったのか、やがて闇の底がうっすらと明けはじめて、杉の木立の間を白々とした朝靄が立ち込めてきた。
「む、これは」
 藪の中を駆け抜ける鹿の群れの足音に、誘われるように十兵衛は顔をあげた。
「地蔵の首ではないか。天狗めが、仏を斬ったといいおったのは、このことか」
 したたかな刀の手ごたえで、斬り落としたと思った天狗の首が、夜明けの光の中で見れば、なんと石地蔵の首であった。
 十兵衛は、膝の横に転がっていた刀を取り上げると、杉の林から斜めに差し込む青白い朝の光線にかざした。
「う、うむ……」
 鍔元から切っ先まで、丹念に表裏うち返して眺めたが、刀身には歯こぼれ一つ見えない。十兵衛は刀を鞘に納めると、溜め息をつきながら立ち上がった。ふらふらと地蔵の首に寄っていくと、魔性の天狗に魅入られたように、重い石の首を両手で持ちあげると、石仏の胴の上に乗せた。
 そのまま十兵衛は、あとを振り返ろうともせず、急な坂道の柳生街道を柳生谷にむかって歩きはじめた。石舟斎宗厳が、天狗によって〔天狗抄〕の秘剣を授けられたという、天の岩戸の秘密をさぐりに………。
 遠去かっていく十兵衛三厳の姿を、深い原生林と渓谷の底から湧き出した霧が、押しつつむように消し去った。


三 峠の茶店

 それから二百年ほどの時をへだてて、その石地蔵のざらざらした胴体を、飛十郎がしきりになぜ廻していた。
「この地蔵の首を、一刀のもとに斬り落としたのが本当なら、柳生十兵衛おそるべし、といわねばなるまいが……」
 よほど古い時代からこの場所にあるとみえて、風雨のために落?した顔は、笑っているのか泣いているのか表情もさだかには判らない。
「それにしても、大きいな」
 飛十郎より、はるかに背が高い。この石地蔵の首を斬るには、傍に立つ大杉の枝から飛び降りざまに斬るか、台の上に乗って斬るしかない。
「無理だな」
 宙に飛び上がったり、爪先立ちになったりしながら、二、三度抜刀した飛十郎が、確認するように言った。額に汗が浮かんでいる。いつの間に昇ったのか、春日山系の隣に位置する高円山の方角から、朝の太陽光線が差し込んでいる。
「きょうも、暑くなりそうだな」
 うんざりした声を出すと、飛十郎は石地蔵の足元に目をやった。〔左・地獄谷。右・柳生街道を峠の茶屋へ〕木の道しるべに、稚拙な字で書いてあるのが見えた。おそらく茶店の亭主が、自分で立てた道案内だろう。
「さてと。茶店で、団子でもくうか」
 一人旅が淋しいのか、飛十郎いやに独り言が多い。首切り地蔵にむかって軽く会釈すると、別れ道を右に曲がった。頭上の杉の間から、降るように蝉の声が落ちてきた。

 深い谷を見おろす嶮しい崖道を曲がると、ふいに茶店があらわれた。〔御休処〕の旗が、竹竿の先でなびいているのが見えたが、街道によくある簡素なよしず張りの茶店ではなく、旅籠を兼ねているのか二階造りの立派な建物である。
「へい、お早いお着きで」
 出て来た亭主を横に、しばらく無言のまま壁の品書きを睨んでいた飛十郎が、ようやく腹を決めた。
「おやじ、月ヶ瀬団子に冷えた麦茶をたのむ。こう暑くてはかなわん」
 首筋にじっとりと滲み出してきた汗を、指でさわると飛十郎は気持ち悪そうに顔をしかめた。
「そうだ、井戸はどこにある。すまんが躰を拭かせてくれ」
「井戸は中にあるけどよ。それより店の奥にある、泉の湧き水のほうが冷めてえぞ」
 亭主が指差した方へ歩いていくと、なるほど小さな泉がある。よほど深い所から湧いてくるのか、澄んだ水に指を浸すと驚くほど冷たい。
 両刀を帯から抜き取って、そばの薪割り台の上に置くと、飛十郎はすぐに諸肌脱ぎになった。両手を泉に入れると、まず口をすすいだあと顔を洗う。それから手拭いを湧き水に漬けると、上半身をくまなく洗った。
「いや、ありがたい。おやじ、いい湧き水が出ているな。じつに気持ちがよかった」
 店先の床几に腰を掛けると、飛十郎は亭主が運んで来た月ヶ瀬団子を口に入れた。餡にどう工夫がなされているのか、噛んだとたん梅の香りが口いっぱいに広がった。
「これは、うまい」
 月ヶ瀬というのは、梅林が見事なことで文人墨客が杖を曳くので有名な、吉野の桜とならぶ大和の名所である。
「それに、この茶は……」
 飛十郎は、大振りな筒茶碗の中を覗き込んだ。
「なんと、抹茶ではないか」
「へい。暑中、躰をお拭きになったあとは、お抹茶のほうがよろしいかと存じましてな。それに、奈良は茶をたしなむ人が多うございましてな」
「それにしても冷たい。おやじ、どうやって冷やした」
 ひとくち含んで、喉ごしの感触を味わうようにしながら、飛十郎は亭主を見た。
「泉の湧き水を徳利に移しまして、さらに二刻ほど井戸に沈めましたものでございます」「なるほどな」
 感心しながら茶を飲み乾すと、茶碗を盆の上に戻しながら、飛十郎は深い渓谷を埋めつくしている木々の緑に目をやった。抹茶の色に負けぬほどの、濃い鮮やかな緑である。風が吹くたびに、緑の葉は深く浅く色を変えた。ひんやりした風は、木々の枝をゆすったあと、飛十郎の着物の袖や胸元から、涼やかに吹き込んできた。
「おやじ、馳走になった。いくらだ」
「へい、十八文で」
「ここに置くぞ。柳生谷まで、あとどれ位ある」
「四里ちょっとで」
「ここが峠だから、道は下りだな」
「へい。下りきりますと、道はまた山へ入ります。その山を抜けた先に、円成寺という古いお寺がござります。それからは、もう柳生の庄までは一筋道で、迷うことはございませぬ」
「そうか。造作をかけた。では、またな」
 亭主がいった通り、少し行くと道は急に下りになった。歩いていると、うしろから追ってくる足音がした。飛十郎は、左指を鍔に掛けて振りむいた。
「お武家さま、茶代が一朱とは多すぎますぞ。おつりを、お持ちしました」
「かまわん。こころ付けだ、取っておいてくれ」
 汗びっしょりの亭主を見て、飛十郎は笑顔になった。
「そういうわけには、いきませぬ」
「頑固だなあ。では、こうしょう。柳生谷からは二、三日でもどる予定だ。帰りには必ず寄る。おやじ、また冷えた抹茶と、うまい団子を喰わせてくれ」
「ならば、おつりは、その時の茶代として、あずかっておきます。かならず、お立ち寄りを」
「おう。たとえ真夜中であろうと、戸を叩くからな。たのんだぞ」
 頭を下げる亭主にむかって声を掛けると、飛十郎は足早に坂を下りはじめた。
 ―――柳生谷から、無事に生きて脱出できれば、の話だがな………
 と、胸の中で、つぶやきながら。


四 十兵衛杉 

 柳生の庄は、大柳生と小柳生のふたつに別れている。大柳生は、その名の通り四方を山に囲まれた広々とした盆地で、田圃や畑の中に百姓家が点在しているのが見える。家々の多くは、山裾に密集して建てられていた。その群落のどこかから、祭礼にための囃子の稽古なのか、笛や太鼓の音がのどかに流れていた。
 飛十郎は、午後の強い日差しに背中を焼かれながら、その大柳生から小柳生へむかう小高い坂道を登っていた。峠ともいえぬ、その坂の頂上を越せば、いよいよ目指す柳生谷である。
 長い坂を越えたあたりで、飛十郎は足を止めた。ひと筋の土の道は、急な傾斜を見せて谷底まで下り、柳生の里の中心部と思える四つ辻までいった地点から、また登り坂になっていた。
「これが、大坂夏の陣のあと天下の剣をつかさどったという柳生一族発祥の地、柳生谷か………」
 感慨深げに、そうつぶやくと飛十郎は目の下に見える集落にむかって歩きはじめた。
 坂道を下るにつれて、左右に狭い棚田がつらなっているのが見える。西は田畑が広がっているだけだが、東側に目をやると、小高い岡の上に武家屋敷の瓦屋根が黒々と重なり合って見え、ひと筋の川をはさんだ山の上に竹林に囲まれた寺院が見えた。
 飛十郎は立ち止まると、懐中から一枚の紙を取り出した。江戸の深川で、安達屋藤兵衛から渡された柳生の絵図である。正面に見える小高い岡の武家屋敷が、柳生藩の陣屋であり、山上の寺院が寛永十五年(一六三八)柳生但馬守宗矩が建立したという菩提所の〔芳徳寺〕であった。
 背後で人の気配を感じた飛十郎は、絵図をふところに入れると、ゆっくりと振りむいた。
「この暑い盛りに、ご苦労なことじゃ。お侍さまは、どこから来なすった」
 草でも刈っていたのか、腰の曲がった老婆が手に鎌を持って、歯の無い口で飛十郎に笑いかけていた。
「江戸からだ。お婆どの、喉が乾いてかなわん。どこぞに、いい茶店はないか」
「ほ、喉がの。それは惜しいことじゃ。坂を戻った畑の中に、お藤の井戸があったのにのう」
曲がった背中をそらすように伸ばして、鎌の柄で腰を二、三度叩くと、老婆は振りむいて坂道の上を指差した。
「なんだ。その、お藤の井戸というのは」
「但馬守さまの御側室さまのことじゃ。そのお藤さまが、畑の中の井戸で洗濯していたところを、馬に乗ったお殿様が通りかかって、見染められたということじゃ」
「ふむ、面白いな。お藤という里の女が、白い脚を太股あたりまで見せて井戸端で着物を踏んでいたら、それを目にした宗矩が、びっくりして馬から落ちたというわけだな」
 ふところ手になった飛十郎が、老婆を見てにやりと笑った。
「馬鹿をいうでねえ。だれが落馬したといった。洗濯女の太股を見て、雲から落っこちたのは、久米の仙人のことだ。但馬守さまは、ただお藤さまに惚れただけだ。へんなことをいうでねえよ」
「すまん。まあ、そう怒るな。それで、そのお藤という女は、それからどうなった」
 二百年以上も昔、この土地の領主だった女好きな男をからかった飛十郎に、本気で腹を立てた老婆に内心驚いていた。
「きまってるさ。江戸へ連れて行かれて、若様を産んだよ」
「若様というのは、十兵衛三厳のことか」
「ちがう、お藤さまが産みなさったのは、次男の左門・友矩さまのことだ。それは美しい若君でなあ。なんでも、家光さまが懸想(けそう)なされたそうじゃ。それを十兵衛さまが耳にして、えろう立腹されてのう。江戸の柳生家は、大騒ぎじゃったそうな」
 家光の衆道趣味は、つとに知られたところである。そのため長く世継ぎが出来ず、大奥総取締りの春日局がひどく苦労をしたという。家光の側近くに仕えていた十兵衛が、ふいに不興をこうむり。江戸城から追い払われた原因は、これまで謎とされていたが、これで解けるかもしれない。
 飛十郎は、頭をかきながら、老婆の顔を覗き込んだ。
「それで、友矩というのは、そのあとどうなった」
「どうもこうもねえ。友矩さまは、病いになられて、この柳生谷に戻ってきたそうだ。けど不思議なことに、しごくお元気で山や谷や川を歩き廻っておられたそうだ」
「ふむ。病いと称して家光のもとを辞し、柳生谷に引き籠もったが、じつは元気だったというのだな」
「それだけではねえ。その友矩さまが、一年もたたねえうちに、急死なすったそうだ」
 老婆の顔から目を離すと、飛十郎はあたりの景色を見廻した。それまで真夏の太陽に明るく照らされていた柳生谷に、ふいに暗い翳りがかかってような感じがした。
「病死か。いや、そんなはずはないな」
「なんでも、ある朝、白い帷子を着た友矩さまが、川原に横たわってたそうだ」
「十兵衛に斬られたな。そうだろう」
「わかんねえ。けど、いくら腹ちがいだと言っても、小いせえ頃から同じ屋敷で育った弟を、兄が斬ることはねえだろうが」
「いや、わからんぞ」
 飛十郎は、憮然とした顔で無精髭をこすった。
 どれほど高貴な家柄の屋敷であろうが、奥まった部屋の押し入れの中に、必ず一体の骸骨が眠っている。という言葉があるが、これはどんな家でも、何か一っは世間に知られたくない秘事があるという意味だ。
江戸に幕府が開かれてこのかた、将軍家および御三家筆頭の尾張家の剣法指南役をつとめ、栄光につつまれた柳生一族にも、誰にも知られてはならない恥部があったことになる。「そうそう、十兵衛さまといえば………」
 老婆は伸び上がるようにして、山のほうを指差した。
「柳生谷へ初めてこられての。剣の修行をなされたあと、武者修行にいかれる門出の記念に、お手植えされた杉ががあれじゃ」
 飛十郎は、指差されたあたりに、天にむかってすっくと立つ杉の巨木があるのを見た。「十兵衛杉と呼ばれておる。あんな立派な木を植えたお人が、悪いことをするはずはないと思うがのう」
「そうだな。お婆どののいう通りかもしれぬ」
 柳生谷を見廻しながら、飛十郎は言った。
「お侍さまは、これからどこへ行きなさる」
「芳徳寺へむかうつもりだが、腹がへった。まず何か喰って、喉の乾きをいやしてからだな」
「そんなら、この坂をくだった先の四つ辻にある茶店に行けばいい。この里で一番古い店だ。十兵衛さまも、ちょくちょく立ち寄って一杯やんなすったそうだ。肴はたいしたことはねえが、酒はいいのを出すぞ」
 飛十郎の喉が、ごくりと鳴った。
「橋むこうにある造り酒の蔵出しで、柳生錦というだ。うめえ酒だぞ」
「ありがたい」
 老婆にむかって頭を下げると、飛十郎は坂の下に見える茶店にむかって、無精髭をこすりながら歩き出した。


五 裏柳生

 稲妻形の胸をつくような急勾配の坂を登りきった平地に〔柳生新陰流・正木坂道場〕はあった。
 飛十郎は、ようやく息をつくと、眼下の柳生谷に目をやった。緑の山々に囲まれた狭い盆地を、細い川が横切っている。その川のむこう側の小高い岡に、柳生藩の陣屋が午後の陽光に明るく照らされて、手に取るように見えた。
 飛十郎は振りむいて、正木坂道場を見た。玄関の戸をぴたりと閉じた道場からは、竹刀の音も聞こえず、しんと静まり返っている。目指す〔神護山、芳徳禅寺〕は正木坂道場の横を抜けて、さらに坂を上がった山の頂きにあった。
 三方を険しい崖に囲まれ、正面に満々と水をたたえた堀をうがち、木橋を渡らねば山門へ行けぬこの寺のほうが、あの小じんまりした陣屋より、柳生一族の城塞にふさわしいように見えた。山門を入って来た飛十郎を見ると、竹箒を手にした小坊主が待ちくたびれた顔で駆けよって来た。
 広々とした客殿に通されると、茶を出されたまま飛十郎はしばらく放っておかれた。やがて渡り廊下を踏む足音が近ずいてくると、広縁に面した障子がからりと開いて、涼やかな絽の僧衣を身にまとった、壮年の逞しい躰つきの僧が入って来た。
「や、これは、お待たせして申しわけない。先客がありましてな。これが、なかなかにうるさい男での」
「何処にでも、そういったたぐいの人間はいるもので。てまえが、早船飛十郎です。よしなに」
「その通り、その通り。やあ、先に名のられましたな。これは恐縮。拙僧が、芳徳寺の住持、柳生義堂でござる。こちらこそ、何とぞよしなに」
 飛十郎の正面に、どっかりと腰を下ろした僧は、眉のせまった金壺眼に、いかつい二段鼻、意志の強そうな腮(えら)が張り出した、禅寺の住職というより南都の僧兵を思わせる荒法師であった。
「ご住持は、やはり柳生家の一門に連なるお人ですかな」
「さよう。とはいっても、かの但馬守宗矩の江戸柳生でも、兵庫介利厳の尾張柳生でもござらん家筋でござっての。いや、お恥ずかしい」
 なにが恥ずかしいのか、そう言って義堂は右手で自分の頭を、ぴしゃりと叩いた。
「と、いわれると」
「柳生家を剣の名門として世に出した、柳生石舟斎宗厳に弟が一人おりましてな。松吟庵・柳生七郎左衛門と申しますが、これが拙僧が属する大和柳生の祖でござる」
「ほう、大和柳生」
「は、はは。早船どのも、目を丸くされましたな。この二百年というもの、柳生家といえば江戸か尾張のどちらかで、今だに江戸柳生の剣はとうにすたれて、尾張柳生にはおよばぬとか、やれ新陰流の一国一人の正統は将軍家指南の江戸ではなく尾州家に伝わっているだの、世間はうるそうござるが、そのどちらも大間違いでござる」
「はあ、そうですか」
 飛十郎は、頭をかいた。
「さよう。大きな声ではいえぬが、当時から石舟斎より、弟の松吟庵のほうが剣の腕ははるかに上だといわれております。まして二百年たった今、江戸も尾張も祖先が残した禄米を子孫に残そうと、それのみに汲々として保身に努めるのみのありさま。上泉伊勢守から伝えられ、石舟斎が大成した柳生新陰流の、柳生剣の真髄はここ柳生谷の大和柳生に秘太刀として残されているのでござるよ」
大きな声でいえぬどころか、義堂は飛十郎にむかって吠えるような大声でいった。
「ふうむ……。つまり、江戸と尾張のほかに、世に知られず三番目の御家門があったということですか」
「で、ござる」
 身をそらせるようにして答えた義堂とは逆に、飛十郎は身を乗り出した。
「しかも、柳生新陰流の、最強の奥義である秘剣が、この柳生谷に伝え残されているといわれるのか」
 膝元の茶碗を取り上げて、ひと口ごくりと飲むと飛十郎は大きく息をついた。
「信じられぬ………」
「まことじゃ、僧侶に二言はない」
「それなら聞きますが、その秘剣の名はなんです」
「う……」
 義堂は、目を白黒させて口ごもった。
「やはり、言えないでしょう」
「い、言えるわい。天狗抄じゃ」
 天狗抄と聞いて、飛十郎は首をかしげた。じつは飛十郎、この旅に出る前に寺社奉行・脇坂淡路守の紹介状持って、江戸深川にある直心影流の道場を訪れていた。深夜の訪問にもかかわらず、淡路守とよほど懇意なのか、燭台のゆらぐ明りの中で、その道場主は心良く自流に伝わる剣の形を、すべて演じて見せてくれた。
 直心影流は、柳生新陰流から出た流派である。柳生流太刀の三学をはじめ、九箇必勝、猿飛、小太刀の丸橋、など数十本におよぶけんぎを演じ、最後に天狗抄の奥技を見せてくれたが、さほどの秘太刀のようには見えなかった
「そうか。おぬし、この柳生谷へくる前に、江戸で天狗抄を見てきたな。図星だろう」
 そう言って義堂は、うれしそうに青々と剃り上げた頭を、ぴしゃりと叩いた。
「はあ。はるばる柳生谷ヘ来るからには、柳生流がどんな剣なのか、いちおう手の内を見たわけです」
「ふん、直心影流か。江戸の天狗抄なぞ、心をなくし形骸化した名のみの技じゃ。真の天狗抄は、身の毛がよだつような恐ろしい太刀技だ。それに花車をはじめとして八本の技は伝わっておるが、肝心の九本目の天狗抄の技が江戸にはないではないか」
「そうですな」
「当たり前のことじゃ。もともとあの技は、若き日の石舟斎と松吟庵の兄弟が、天の岩戸に飛び来たった大天狗に、特に授けられたという極め付きの秘剣じゃ。この柳生谷から外へ出すはずがなかろう」
「ははあ。天の岩戸に天狗さまですか」
 飛十郎の口元が、思わずゆるんだ。
「何がおかしい。牛若丸が鞍馬山の大天狗や烏天狗に剣の奥義を教わったのをはじめとして、昔から武芸に天狗伝説はつきものじゃて。信じられんなら、今からでも天の岩戸明神ヘ行って、石舟斎が天狗抄の秘剣でもって切り裂いたという、一刀石を見るがよい」
「いや。べつに、疑っているわけではないが……。一刀石とか、天の岩戸明神は、この柳生谷へきて、はじめて耳にしたので少しとまどっているだけです」
 軽く手を上げて、相手を制しながら飛十郎は言った。
「ならばよいが。一刀石はな、この柳生一番の名物じゃ。およそ剣の道を志して柳生谷ヘやって来た武芸者は、一人残らず天の岩戸明神へ参拝し、その神域にある石舟斎の天狗抄によって、まっぷたつに割られた一刀石を見て、本物の柳生新陰流のもの凄さに、慄然として立ち去るという寸法じゃ。は、はは、おぬし奈良では何処に泊まったな。耳にしたはずじゃが」
「猿沢の池のほとりにある宿をとりましたが、べつになにも聞いておりません。もっとも柳生街道にある首切り地蔵の話は聞きましたが」
「ふん、十兵衛が斬ったという石地蔵の話か。おぬし、あれをどう思う。じつはな、あれこ偽天狗の仕業なのじゃ」
「ほう、偽の天狗さまですか」
「そうじゃ。将軍家光の勘気をこうむり、江戸を追放された十兵衛が、この柳生谷へむかうという急報をうけた芳徳寺一世の義仙烈堂が、腕をためさんとして差しむけた大和柳生の剣客じゃ」
「しかし、柳生十兵衛といえば、江戸柳生でも当主の宗矩を越えた、さりとてはの者といわれた剣の名手ではありませんか。おのれが闘っている相手が、天狗か人かはわかるはずでしょう」
 いぶかしげに、飛十郎は聞いた。
「それが、わからなかったのじゃ。たしかに雲をつくような大天狗であったと、十兵衛自身が書き残したものが、この寺にある。また、わかるはずもない。なにしろ、あの時は裏の柳生が動いたのだからな」
 裏の柳生が動いたと聞いて、飛十郎の表情が、かすかに変わった。
「早船どのといったかな、裏柳生のことを知っているとみえる。誰におそわった。いや、答えずともよい。たぶん、お寺社の脇坂さま、あたりじゃろうな」
 飛十郎は、無言のまま頷いた。
「裏柳生のことは、江戸柳生も尾張柳生も、今だにひた隠しにかくしておる。いわば柳生一族の秘事じゃ。これを知るのは、大和と江戸と尾張の柳生三家と、徳川幕府の中枢のみだ。また裏柳生が動く時は、天下が動く時、といわれておる」
「ほう、天下が動く時、ですか」
 飛十郎の目が、きらりと光った。
「さよう。古来より、そう伝えられているな。これまでに五度動いたと聞いている。まず、信長公が討たれた本能寺の変」
「なに、本能寺の変」
「そうじゃ。もっともこの時は、まだ柳生家と徳川家とのつながりがない頃じゃったがな。なんでも石舟斎の父・柳生美作守家厳が、当時大和の一豪族にすぎなかった柳生家を守るために、独自の判断で動かしたといわれている」
「ふうむ………」
 飛十郎は、溜め息をつきながら、無精髭をこすった。
「田舎豪族の柳生家が世に出たきっかけは、文禄三年(一五九四)五月、京洛・鷹ヶ峰に野陣をはっていた家康公が、当時すでに六十八歳だった石舟斎を呼び〔無刀取り〕を見て、その技に感嘆し神文誓紙をいれて弟子になったのが家運のはじまりじゃ。家康公は腰の景則の太刀を与えて仕官をすすめたが、石舟斎は老令を理由に辞退し、同道していた二十四歳の五男・宗矩を野陣にとどめ、自分は柳生谷に帰った。そもそも、これが柳生家が大名になる起りじゃ。ご存知かな」
「知っています。有名な逸話ですからな。で、二度目に裏柳生が動いたのは、いつですかな」
「関ヶ原の時じゃ。その次が、大坂夏の陣」
「なるほど。いずれも天下分け目の合戦の時ですな」
「次が、家光公が三代将軍になった時、つまり十兵衛のころじゃ」
「家光公と、弟君・忠長公が将軍の座をあらそって暗闘した時ですな」
 腕組みをすると、飛十郎は天井を見上げた。
「さよう。元和元年の大坂夏の陣から十数年、豊臣家の息がかかった大名もまだ多く、徳川家がいつまでも相続争いに狂奔しておれば、天下動乱のきざしがあった。そこで家光公の乳母である、お福・のちの春日局に協力して裏柳生が動いたのじゃ」
「三代将軍となった家光が〔予は生まれながらの将軍なるぞ。もし予に不満あらば、即刻この場から領国に立ち戻り、合戦の仕度にかかられよ。家光居っなりと相手をいたす〕と江戸城大広間に居並ぶ諸大名を恫喝したという。これも有名な話ですな」
 義堂は、坊主頭をなぜながら頷いた。
「あれも、つまりは柳生但馬守宗矩が筋書きを書いて、家光にやらせたことじゃ。そのあと駿河大納言となった忠長卿を潰すために裏柳生が暗躍し、その功によって柳生家は一万二千五百石の大名と成り上がり、宗矩は惣目付つまり今の大目付となって、念願の幕閣につらなることが出来たわけじゃ」
「忠長は幼名・国松、父の秀忠と母の江は三代将軍に国松を望んだが、家康の鶴の一声で幼名・竹千代の家光に決まったのでしたな。のちに大納言となった忠長には、駿府五十五万石があたえられたが、長くはつづかず高崎藩へ流されて切腹させられましたな」
 飛十郎の言葉を聞いていた義堂が、不審げに顔をあげた。
「たしかに将軍位をめぐっての徳川家の騒動は、おぬしのいった通りじゃが。さっきから黙って聞いておれば、恐れおおくも初代・東照大権現・安国院さま、二代・台徳院さま、三代・大猷院さまを、家康、秀忠、家光とすべて呼び捨てにしておるが。もしや早船どのは、織田信長公のお血筋を引かれるお方でござるかな」
 愕然として、飛十郎は義堂を見た。
「これは、また意外なことを。驚きましたな。てまえは、ごらんの通りの浪人者です。住まいも江戸深川の海辺大工町にある粗末な棟割り長屋。織田家に関わりがあるなぞと、そんなたいそうな家柄ではござらん。義堂どのは、なんでまたそんな途方もないことを………」
「さようか。いや、さきほど本能寺の変と拙僧が口にしたおり、早船どのの顔色がにわかにあらたまれた。それに、呼び捨てにされた口調が、あまりに自然でござったから、もしやと思いましてな。信長公のお血筋ならば、目下の同盟者たる大権現さまや、そのお子や孫たちのことを、呼び捨てになさるのは当然でござるからな」
 思いがけない義堂の言葉に、飛十郎は大声をあげて笑い出した。
「あは、はは。考えすぎですな。さすがは大名の柳生家御一門、義堂どのは江戸の庶民のことは何もご存知ないとみえる。てまえが住み暮らす長屋には、左官大工をはじめ駕籠かき、物売り、大道芸人、版木彫り、飾り職人、船頭、天秤棒一本で小商いをする棒手振りと呼ばれる行商人など、ありとあらゆる職業の者がいるが、そのほとんどが字も読めぬ連中ばかり。どんな偉い英雄豪傑であろうが、すべて昔からの知り合いのように、呼び捨ての友だちあつかいでござる」
「ふうむ。拙僧も江戸へは何度も行きましたが、長屋のことはとんと不案内じゃ。将軍家お膝元でありながら、江戸っ子というのは平気で東照大権現さまを、家康と呼び捨てにしますのかな」
「その通り。目に一丁字もないと、いうのは仕様のないものでしてな。将軍はおろか、神仏だろうが、大名だろうがすべて呼び捨てですな。礼儀もなにもあったものではない。なにせ日頃贔屓の役者でさえ。団十郎、菊五郎、海老蔵、歌右衛門などと平気で呼び捨てですからな」
「ほほう……。そんなものですかな」
 たくましい二の腕を僧衣から出して腕を組むと、義堂の目が面白そうに動いた。
「そんなものです。それより義堂どのは、さきほど裏柳生は五度動いたといわれたが。しからば最後に動いたのは、いつのことです」
 そう言って、飛十郎は義堂の顔を、じっと見た。

                    了  〈柳生天狗抄2へつづく〉







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10/05 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京タイムではドル円やクロス円は押し目買いが優勢
10/05 08:34 「本日のマーケット」(株式編)・・・続伸後、日経平均株価が1万8000円に迫る。
10/04 12:07 江戸浅草物語13「天海僧正の結界が破られる時、魔界の者たちの進撃が始まるのか」 (無料公開)
10/02 08:44 「本日のマーケット」(FX編)・・・米雇用統計を控えた様子見姿勢
10/02 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・週末要因や米雇用統計を前にポジション調整
10/01 08:47 「本日のマーケット」(FX編)・・・9月日銀短観、9月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)などが材料。
10/01 08:35 「本日のマーケット」(株式編)・・・欧米株式の上昇を受けて買いが先行後、もみ合い。
09/30 08:52 「本日のマーケット」(FX編)・・・日中は119円後半のもみあい
09/30 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・反発後、上値が重い展開。
09/29 08:55 「本日のマーケット」(FX編)・・・株安・円高パターンの継続はドル高圧力を後退
09/29 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落後に落ち着きどころを探る展開。
09/28 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京時間のドル/円は120円半ばを中心にもみあい。
09/28 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、もみ合い。
09/25 08:53 「本日のマーケット」(FX編)・・・・朝方、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が年内利上げが適切との見方を
09/25 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・引き続き弱含みで推移。直近の安値1万7415円61銭を意識。
09/24 08:37 「本日のマーケット」(FX編)・・・・連休明けの東京時間のドル/円は120円前半を中心にもみ合う展開。
09/24 08:26 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落スタート。連休中にNYダウが軟調に推移。
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