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エボラ出血熱の感染拡大が続く 公表されない感染の終息に向かわせる方法は? |
[防衛] |
2014年10月23日 12時35分の記事
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10月23日にロイターが伝えたところでは、世界保健機関(WHO)は22日、エボラ出血熱の感染者が19日時点で9936人以上となり、うち4877人以上が死亡したと発表した。ただWHOも認めている通り、実際の数字は発表をかなり上回るとみられ、エボラ熱による死者は3倍の1万5000人程度に達している可能性もある。 国別では、リベリアで感染者4665人、死者2705人、シエラレオネで感染者3706人、死者1259人、ギニアで感染者1540人、死者904人。
一方、医療関係では明るい兆しも見えている。 10月23日にロイターが伝えたところでは、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)のウィティ最高経営責任者(CEO)は22日、開発中のエボラ出血熱ワクチンについて、年内に出荷を開始できるとの見方を示した。生産拡大に向け他の製薬会社と協力するとしている。
また、既にお伝えしているが、10月22日にロイターが伝えたところでは、エボラ出血熱への効果が期待される富士フイルムのインフルエンザ治療薬「アビガン(一般名ファビピラビル)」について、英ケンブリッジ大学の研究チームは21日、ノロウィルスに対しても効果を発揮する可能性があるとの見解を示した。
NBC防護などの関係者しか知られず、公表されない感染の終息に向かわせる方法は?
そのヒントは、意外な「政府公刊文書」にある。防衛白書だ。 「平成26年版防衛白書」の「第?部 第1章 7 ゲリラや特殊部隊などによる攻撃への対応」には、「3 核・生物・化学兵器への対応」の項目があり、その中では、次のような記述がある。
『近年、NBC兵器とその運搬手段および関連資器材が、テロリストや拡散懸念国などに拡散する危険性が強く認識されている。このような大量破壊兵器が使用された場合、大量無差別の殺傷や広範囲な地域の汚染が生じる可能性がある。95(同7)年の東京での地下鉄サリン事件や01(同13)年の米国での炭疽(たんそ)菌入り郵便物事案の発生は、こうした兵器が使用された例である。
(1)基本的考え方
わが国でNBC兵器が使用され、これが武力攻撃に該当する場合、防衛出動により武力攻撃の排除や被災者の救援などを行う。また、武力攻撃に該当しないが一般の警察力で治安を維持することができない場合、治安出動により関係機関と連携して武装勢力などの鎮圧や被災者の救援を行う。さらに、防衛出動や治安出動に該当しない場合であっても、災害派遣や国民保護等派遣などにより、陸自の化学科部隊や各自衛隊の衛生部隊を中心に被害状況に関する情報収集、除染活動、傷病者の搬送、医療活動などを関係機関と連携して行う。
(2)NBC兵器への対応にかかわる防衛省・自衛隊の取組
防衛省・自衛隊では、NBC兵器による攻撃への対処能力の向上を図っている。具体的には、陸自の中央特殊武器防護隊と、各師団および旅団の特殊武器防護隊、対特殊武器衛生隊などを保持するほか、化学科部隊の人的充実や、NBC偵察車、化学剤監視装置、除染車、個人用防護装備、携帯生物剤検知器、化学防護衣などの整備、除染セットなどの研究開発を行っている。また、特殊な災害に備えて初動対処要員を指定し、約1時間で出動できる態勢を維持している。海自および空自においても、艦船や基地などにおける防護器材の整備を行っている。さらに、自治体、警察、消防といった関係機関との共同訓練を通じて連携強化に努めている。』
そして図表III-1-1-18(ゲリラや特殊部隊への対処の作戦の一例)p210には、「NBC攻撃」では「被害の局限」「避難民の誘導」「(ゲリラや特殊部隊の)捜索・撃破」「除染」などが示されている。
防衛白書からも示唆されているが、公表されないエボラ出血熱感染の終息に向かわせる方法とは何か? 次の通りである。
・感染被害地の局限⇒封じ込め、人の出入の制限や移動禁止など(西アフリカの感染国では対応があまりにも遅く、失敗してしまった) ・避難民の安全な地域への誘導⇒(西アフリカの感染国ではこれにも失敗してしまったことが感染拡大に拍車をかけた) ・患者の早期発見や捜索し、治療を施すことで「エボラ出血熱」の撃破をはかる⇒(デマの流布、現地での医療機器や医療体制の脆弱さ、暴動などで阻害されている) ・「エボラ出血熱」で死亡した遺体の処理など、感染地域の除染⇒(西アフリカの感染国では後手に廻っている)
つまり、西アフリカの感染国では初動対応に失敗したために、爆発的な感染拡大を招いたのだ。
そうなると、過去のスペイン風邪や中世ヨーロッパで流行したペストの流行を止めた人の抵抗力向上に期待する対症療法の他に、新薬やワクチンの製造、配布を待つことしかない。 具体的には、以下の通りだ。
・感染者が全員死亡するか、感染地域で新たな感染者が出なくなるまで待つ ・米国などでの実例もあるとおり、水際で感染者を隔離・治療する地味な活動を継続する ・少しでも医療設備が整っている地域で治療出来る体制の整備
要するに、ある程度の犠牲を覚悟の上で治療や対応をするしかないのが、今の厳しい現状である。 何かの参考になれば幸いです。 下のブログランキングに参加しています。ご支援のクリックをお願い申し上げます。 ↓
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