くる天 |
|
|
プロフィール |
|
lingopro さん |
デレクさんの日英翻訳Tips |
地域:愛知県 |
性別:男性 |
ジャンル:教育・学校 語学・留学 |
ブログの説明: 翻訳者のための日英翻訳アドバイス集です。私の友人で、長年にわたり日本人の英訳を編集・レビューしてきた英国人翻訳者Derek Bleakleyさんがまとめた『Hints relating to Japanese to English Translations』という書物を、リンゴプロ翻訳サービス(Webサイト)にて和訳・編集しました。 |
|
アクセス数 |
総アクセス数: |
180020 |
今日のアクセス: |
4 |
昨日のアクセス: |
49 |
|
RSS |
|
|
|
300. 前置詞: 正確に詳述する必要性/301. 前置詞: 正確に詳述する必要性 - 「in order to」、「so as to」 |
|
2016年8月26日 12時26分の記事
|
|
|
「to」、「for」、「by」、「with」といった最頻出前置詞は意味が多様であることから、セクション299で取り上げたように、曖昧な表現を避けて正確な表現を用いるべきであることを翻訳者は心得ておくべきでしょう。取り上げた例の多くは、日本語の「の」が誤訳されたものですが、日本語の「の」が必ずしも「of」と訳されるとは限りません。
「正確に詳述する必要性」が求められる例のなかで最も一般的なのが、「in order to」というフレーズです。目的が明らかに意図されている場合には、「to」だけよりも、やや長めの「in order to」を用いた方が好ましいでしょう。一部の日本人翻訳者による「to」のみを用いた英文は、曖昧な印象を与えてしまうことが少なくありません。
例えば、「strengthening air flows to reduce X」というあっさりとした英訳は、
strengthening air flows in order to reduce X
または
strengthening air flows so as to reduce X
という解釈が可能です。「strengthening air flows in order to reduce X」だと、Xを削減する目的でエアフローが強められたことが示唆されますが、結果的にXが削減されたかどうかは定かでありません。それに対して、「strengthening air flows so as to reduce X」だと、エアフローを強めた結果、Xが削減されたことが示唆されます。両者の違いはわずかですが、小さくはありません。一部の翻訳者によって生み出される簡略的な英訳では、明瞭性に欠け、誤解を招く場合が多いでしょう。
同様に、「Aは回転によりBを取り外す装置です。」という文の場合も、
A is directed for a device that is rotated to remove B.
より、
A constitutes a device that is rotated so as to remove B.
の方が訳文として適切です。 |
|
|
|