ある憲法学者の思い | |
2015年6月6日 0時53分の記事 | |
芦部信喜という日本国憲法の大家がいます。 もうだいぶ前に亡くなられました。 「歩く憲法の図書館」と言われたそうで、憲法のあらゆる分野について精通し、多くの論文を残された方です。 いつだったか、この方が書かれた平和憲法への思いについてのエッセイのようなものを読んだことがあります。 ネットで探したんですが、見つからず残念です。 なので、私の記憶を頼りにお話したいと思います。
芦部先生は太平洋戦争中に東京帝国大学(現東京大学)に入学され、兵隊になられた後に復学されて東大を卒業されました。 終戦後のある日、東大の構内を歩かれていた時に、平和な世の中になったことを身に染みて感じられていたそうです。 先生はご自身も兵隊になられたり、時勢が時勢だけに戦争の悲惨さを身を持って痛感されていました。 そんな時に出会ったのが、日本国憲法でした。 その中に書かれている憲法9条の平和主義のすばらしさに感銘を受けたと、そのエッセイの中でおっしゃっていました。 自分も憲法学者となって平和憲法を守る道に尽力したい、きっとそのように思われたのでしょう。 以後、芦部先生は数十年、憲法学者として第一線で活躍され、数多くの優秀な弟子を残されました。 今、日本は大きな転換点に立たされています。 先日、国会で憲法学者3氏が「集団的自衛権は違憲」と表明するということがありました。 その中の一人の先生に、私はかつて学生時代に憲法を学んだことがありましたので、とても関心があったのですが、憲法学者としての3人の先生の表明は当然というべきものだったように思います。 違憲審査基準を初めて日本において確立された芦部先生がご存命なら、今の状況をどのように考えられたでしょう。 安倍首相は、どう見ても武力行使ができる体制作りに急がれているように見えます。 私は専門家ではないですから、ややこしいことはわかりません。 ただ、理屈が通らないことは確かです。 3人の憲法学者に違憲だと言われた事実は、やはり尊重してもらいたいなと思います。 私は常々、世の中の状況を、戦争、経済、災害の3点セットで把握することが重要だと考えています。 今年に入ってから特に活発になってきたのが、戦争と災害です。 これからも特に注意深く見守っていきたいと思います。 Some rights reserved by kanegen | |
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