当方としては、すぐに誤りを指摘したいのですが、ご相談者様の「気付き」が大切なので、もう少し具体的に尋ねる振りをして「住宅ローンの総額をどれくらいで考えていますか。それとご主人の年間の源泉所得税を教えてください」と尋ねていくと、「住宅ローンは3,000万円程度、主人の年間の源泉所得税は約22万円です」との回答を導き出して初めて本題に入ります。
「その場合、還付されるのは年末までに支払った源泉所得税の約22万円までが還付の対象ですね。ご主人が毎月受け取る賃金から天引きされている源泉所得税を還付するのが住宅ローン減税ですよ。納付した税金額を超えて還付されません。正確には、還付の上限額はその年の12月31日時点の住宅ローン残高の1%になります。その不動産業者の社員の説明は明らかに間違っています。どこの不動産業者ですか?」と当方の指摘に、ご相談者様は絶句します。
ご相談者様から不動産業者の社名を聞いてはいますが、あえて明らかにしません。藤沢市内の不動産業者ですから、心当たりがあったらすぐにでも改善しないといけませんね。それと、まともに住宅ローン減税の制度を説明できない社員が物件の説明を行っているわけですから、不動産仲介会社としての説明は非常に無責任ともいえることになります。後でトラブルになります。
住宅ローン減税制度でいい加減な説明を行い、年末になって購入したお客様から「貴社社員の○○さんが住宅ローン減税について説明していたことと違うではないか。説明で聞いていた相当額が還付されないではないか。還付されるという説明があったから購入したんだから、その分を補てんしろ!」と怒り心頭でねじ込まれるリスクを不動産仲介会社が負うことになります。大きなトラブルに発展する可能性も秘めています。
間違った知識は、お客様に対する信用力を落とすだけでなく、不動産仲介業者としてのプロとしての信用力も落とします。偶然にも当事務所代表に別件で相談した「ついで」に尋ねた内容で修正できたから、「買い方がわかりました。手付金とローン額、支払い後の手持ち預金のベスト・バランスを教えてください」ということになっています。
「FPの真骨頂、ここにあり。一家にFP一人」は必要なのを実感する時です。困った不動産業者がいるからFPの役割は大きくなるばかりです。
このお客様は「だから不動産屋なんですね。業としての責任感がないんですよ」と話していました。「こんな業者では物件調査も怪しい限りです。(当事務所に)お願いするかもしれませんが、その節はお願いします」と言われても…。「不動産仲介業者から説明を受ける際は、ICレコーダーを回して下さい。何かあったら録音したもので訴訟です、訴訟」と伝えておきました。
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