第三部 6話【モシモ、戦争をしなかったら?】 | |
[ハラベエさんの犬星☆猫星(第三部)] | |
2012年12月1日 2時37分の記事 | |
ハラベエさんの犬星☆猫星 =BEEとハラベエの愛の物語= 作・原 兵 衛 < 第三部 6話【モシモ、戦争をしなかったら?】 UPしました是非読んでくださいね(*´∀`*)ノ♥♥ ☆今回のお知らせイラストは 【スコティッシュフォールド】の子猫です 見てねー(´∀`)ノ
ハラベエさんの犬星☆猫星の第一部〜三部の リンクを作りました。 使ってくださいね(*´∀`*)ノ♪ ☆【第0部】 【1P】 ☆【第一部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】 ☆【第二部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P】 ☆【第三部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】 ハラベエさんの犬星☆猫星 =BEEとハラベエの愛の物語= 作・原 兵 衛 第三部 6話【モシモ、戦争をしなかったら?】 さて、モシモに戻りましょう。 モシモ、戦争をしなかったら、というテーマで、1940年初頭の日本を覗いてみようと、 ハラベエさんは沈思黙考、想いを巡らしました。 スクリーンは、一気に膨大な画像が氾濫します。 あたかも、当時場末の映画館で上映されたニュース映画のように、雨が降り、コマが飛び、 内容の把握もままなりません。 辛うじて、やや鮮明な部分を選び出して、造りもんの地球のタイム・トンネルを潜りました。 そこで最初に眼にしたのは、赤色の記章や、装飾品が目立つ、カ−キー色の軍服姿でした。 会議場と思しき壮大な会場の、椅子席の三分の二は、そのカーキー色に占められているのは、 陸軍の勢力の強大さを物語っているように思えます。 残りの三分の一は白や黒の制服ですが、どうやら海軍やその他の兵科は絶対多数の陸軍に牛耳られているように見えます。 一見、中国や北朝鮮の国民会議といった催しを想起しますが、ここは日本、使用されている言語は日本語です。 椅子席での居ずまいも、議事の進行に対する反応も、一糸乱れず運ばれている様子は、 時々お目にかかる、朝鮮半島での会議の光景そのものです。 流石は先軍政治と驚嘆に値します。 だが使われているのは日本語です。 そこは紛れもなく、嘗ての日本でした。 中国でもなく、朝鮮半島の北半分、北朝鮮に似た日本でした。 確かに戦前の日本も、陸軍が主流で、密かに軍事力を増強して、海外進出を、 折あらばと虎視眈々狙っていたようです。 画面では、自ら対外的には没交渉に、鎖国状態に置いて、全世界の国々を全て仮想敵国に仕立て上げ、 軍事力で制圧していくシミュレーションをを繰り返し、国民の総意も世界制覇を到達可能な最終目標とする方向に統一する。 軍事大国への道をひたすらにつき進む姿がそこにありました。 ハラベエさんは、モシモの世界の、町に出て民意を探ることにしました。 そこで最初に見たのは、横断幕に書かれた標語でした。 【欲しがりません 勝つまでは】 デパートの入り口に麗々しく掲げられていましたが、店内の売り場は閑散として、 人影も少なく商品も貧弱でした。 勝つまではといっても戦争はまだ始まっていません……欲しがりませんどころか、 のっけから欲しがるもの自体皆無なのです。 富国強兵を謳い文句に、【産めよ増やせよ】を国是にしてきた結果は、必然的に食糧不足に陥りました。 世界の諸国の経済制裁の締め付けもますます厳しく、唯一の外貨獲得である 紛争の絶えぬ国や地域への武器の輸出も儘ならず、さながら手負いの獅子のように、 戦争に踏み出さざるをえなくなります。 そんな中でも、若い世代は意気軒昂、自分たちこそ世界を制覇する優秀な民族であるという自負心を植え付けられ、 信じて疑わぬ純な魂は、苦しい時代を笑顔で切り抜けていました。 その笑顔が、時折見かける北朝鮮の、団体競技に興ずる児童生徒たちの浮かべる笑顔と 共通のものがあるとハラベエさんは気付きました。 どちらも眼が笑っていない、作り笑いにしか見えません。 (……戦時中の俺たちも、苦しい中で笑っていた……だが、作り笑いはしなかった…… 天皇陛下のご真影や勅語に時折放った揶揄の矢も、身内意識から出た親しみから発したもので、 例えばインディアンが部族の長である大酋長に抱いていたような熱い思いだった……そうだ、 天皇陛下はどんな風に遇されていたのかな)……画面を変えました。 天皇陛下は、神格化が急激に進められ、数名の将軍による軍政府の傀儡にされていました。 最高幹部の決定は、良きにつけ悪しきにつけ、全て天皇の御意志として発表されたが、 殊に悪法と思われるものを、強引に決定に持ち込むために利用されていたと云ってもいいでしょう。 ハラベエさんにしてみれば……あの半島の国のようになるぐらいなら……将来に希望のない国になるぐらいなら、 早いとこ暴発し、世界を相手に闘いを挑んで負けて、灰燼に帰した祖国を一から立て直す方がいい、 むしろ、戦争大歓迎だ……と、思い至らざるを得ませんでした。 次いで、ハラベエさんは……モシモ、戦争に勝っていたら……について可能性を探りました。 想いを巡らすと、画面を主に占めたのは、連戦連勝に沸く、大東亜戦争開戦直後の日本各地の風景でした。 帝国・米英に宣戦を布告す……宣戦の大詔渙発さる……大きな活字が新聞の第一面に躍っています。 真珠湾攻撃……被害甚大と米軍発表……フィリピン・シンガポール・マレー半島・香港と一気に侵攻しました。 当時の東条首相の演説する姿も流れました。 『(略)……もし帝国にして彼等の強要に屈従せんか、帝国の権威を失墜し支那事変の完遂を期し得ざるのみならず、 遂には帝国の存立をも気体に陥らしむる結果となるのであります……(略)……凡そ勝利の要訣は 「必勝の信念」を堅持することであります、建国二千六百年、我等は、未だ嘗って闘ひに破れたるを知りません……(略)……』 日本に対する欧米列強の締め付けに、やむなく抵抗した日本の姿がそこにあります。 日本の抵抗は、開戦当初、アジアの地域では親日の人々の支援に支えられました…… 日本と協力して、欧米医列強の植民地から、独立しようという気運が漲ってきたのです。 惜しむらくは、日本の敗戦によって、独立運動が頓挫して、姿を消した人々…… しかし、独立への想いは脈々と繋がり、民族の自立を実現していきました。 日本が引き起こした戦争が導火線になって、数多の国が独立を勝ち取ったとも云えます……もって瞑すべし……ですね。 日本は、緒戦の赫赫たる戦果に酔いしれたかのように、次々と戦線を拡大していきました。 しかし、資源の乏しい日本ですから、戦争を続けることは全てが枯渇していくことを意味します。 戦線の拡大に追いつけず、日に日に痩せ細っていく補給線、時来たれりとほくそ笑んで米英は…… 読みが当たったとばかりに……反攻に転じたのです。 そして、ポッダム宣言受諾となったのです。 ついには、後の日本の占領軍……負けず嫌いの日本人は、事実上はオキュパイド・ジャパンつまり占領されていても、 進駐軍で通しましたが、よほど使い勝手がよかったものか、鬼畜米英に替わって使われ、 何十年経った現在でも時折、欧米人をシンチュウグンと称することがあります。 稀に鬼畜米英そのままに戦後の日本に来た人々がいました。 金髪碧眼のプロレスラーたちです。 戦争を経験した世代は、小柄な日本のレスラーが、容貌魁偉筋骨隆々たる金髪碧眼を叩きのめすのを目の当たりにして ……江戸の敵を長崎で……とばかりに大いに溜飲を下げたものでした。 さて、占領軍に関して、戦後を体験した日本人の印象に深く刻まれているのは、 連合軍の総司令官ダグラス・マッカーサーと昭和天皇のツーショットではないでしょうか。 さまざまな受け止め方があるでしょうが、戦争中最も純粋な軍国少年だったと言える世代の、 ハラベエさんにとって屈辱以外の何物でもありませんでした。 ハラベエさんの犬星☆猫星の第一部〜三部の リンクを作りました。 使ってくださいね(*´∀`*)ノ♪ ☆【第0部】 【1P】 ☆【第一部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】 ☆【第二部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P】 ☆【第三部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】 ランキング参加中 ポチっとお願いします〜(*´д`*)ノ くる天 人気ブログランキング フルーツメール | |
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