第二部 9話【生きる意味とは?】 | |
[ハラベエさんの犬星☆猫星(第二部)] | |
2012年8月11日 2時33分の記事 | |
ハラベエさんの犬星☆猫星 =BEEとハラベエの愛の物語= 作・原 兵 衛 第二部 9話【生きる意味とは?】 UPしました是非読んでください(^▽^)ノ
☆【第0部】【1P】 ☆【第一部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】 ☆【第二部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P】 ☆【第三部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】 ハラベエさんの犬星☆猫星 第二部 9話【生きる意味とは?】 初めて会話が行われた街中の公園のベンチから、小高い丘の上のベンチに場所は変わりましたが、ロケーションは変わっても、ふたりの間の会話は、スムーズに進行します。 ハラベエさんもさほど負担を感じなくなっていました。 冷静な傍観者といった雰囲気のショウチャンが、BEE引き止め作戦の先頭に立って,遮二無二頑張っていた姿が、ハラベエさんにとって……信頼できる兄貴……といった存在に見えてきたのです。 ベンチの隣の席に兄貴の気配がしました。 (ごくろうさま) 『どういたしまして』 心なしか、荒い息のショウちゃんです。 一見、老体のショウちゃんにしては、少々過酷な労働だったのかも知れません。 (おかげさまで、BEEに会えました) 『もっと長けりゃよかったのにね』 (いや、あれで十分……) 『本当に?』 (ええ、皆さん一生懸命やってくれたし) 『そうでしたね……面白いことに、初めは他人事でも、だんだん我がことのように夢中になって行く、これ人も犬も同じ……実は猫類もそうなんですよ、無表情は割にはね』 (有り難いことです……感謝しています) 『よかった……やりがいがあったというもんです』 そう応えるショウちゃんの、あの時に見せた懸命な姿を思い出し、目頭を熱くするハラベエさんでした。 『大事にして下さい……その気持』 (え!……ああ、ああ涙もろいところですね) 『その感受性の強いところが、我々犬や猫が人間から学び、習熟した感覚ですが……それが宇宙の未開の星、いわば発展途上星をリードして行く基本中のの基本なんです』 (なるほど) 『楽しむときは共に楽しみ、哀しむときも共に……人・犬・猫のみが持っている感情です』 (では他の種は?) 『それらしき行動は、よく見られますが……条件反射といいますか、感情を伴ったものではありません……発展途上星では、大きく成長する可能性を秘めた種の発見に努めるのも我々の仕事です』 (そうですか……あのう……発展途上星というのは) 『日々生まれている新星で、成長期にある星、地球から見えるだけでも無数に……ま、おおざっぱに言うと、見えるだけで一億四・五千万ありますが、例えは仮に一%を出来たての星と思って下さい……何百万ですよ、私たちの感覚では無数としかいいようがない』 (確かに!無数に生まれてる!) 『その内の大半は我々の管理下にあります』 (凄いですね犬星) 『人のおかげですよ』 (人の!) 『あなたの何十萬年前のご先祖様、滅亡と再生を繰り返してきた人のDNAが創出したコンピューター……現在地球上でナンバーワンの京を遙かに凌駕する強力な能力のコンピューターに、我々の星は管理されているのです』 (……!……) 『コンピューターは自力でコンピューターを生み育てます……その繰り返しから生まれた究極のコンピューター「ビッグ・ドッグ」の指令に従って、犬星猫星混成の遠征軍が編成され,発展途上星に送られるのです』 (犬星猫星混成の遠征軍?) 『そうです……発展途上星に派遣されろ遠征軍の原型です……我々は、その基本パターンを配信する「ビッグ・ドッグ」を唯一無二、絶対の存在と信じ、その分身「プチ・ドッグ」を武器に全宇宙規模の平和運動を展開しているのです』 (それはそれは、ごくろうさまです) 『いやいや、全てコンピューター任せですから楽なもんです……その星全体の未来を左右するような重大な意志決定も、ごく細部の、いわば重箱の隅をせせるような状態に至るまで、全て優れたバランス感覚で処理され運営されます……どこかで、想定外という言葉が飛び交っていましたが、我が「ビッグ・ドッグ」「プチ・ドッグ」は全て承知の上ですから、我々の辞書に想定外の文字はないんですよ』 (素晴らしい!……流石は犬星さん) 『待って下さい……素晴らしいのは我々ではなく、ヒトからヒトへと伝えられてきたDNA……といえます……「ビッグ・ドッグ」開発の功労者として……自信を持って下さい』 (いや、自信を持てといわれても、途轍もなく昔の昔のそのまた昔の話でしょう、仰有る意味は分からないでもありませんが、どうも実感が伴いませんな……大体、ショウちゃん、あなたとのお付き合いがそうだ……漠とした、夢の世界にいるような感覚しかない……) 『目にしたことはどうです?覚えていますか』 (そりゃあもう、はっきりと……) 『夢じゃないからです』 (はあ?) 『BEEとの対面、どうでした?』 (嬉しかったですね) 『覚えてますか?』 (あいつの一鬢一笑,得意な仕草表情,全てこの目に焼き付いてます) 『良いできだったんですね』 (はあ?) 『シミュレーション・ゲームですよ』 (なんですって?) 『「プチ・ドッグ」は、研究熱心で、ことあるごとに、シミュレーション・ゲームで、技術に磨きをかけています……今回のゲームのテーマは一番人気は、ハラベエさんとBEEの再会でした』 (私とBEEの再会?……そんな……一番人気だなんて) 『ダントツのね』 (何故です?) 『それはね……ま、それはおいおいにね』 (?……) 『コンピューターにも、それぞれ個性がありましてね……規則に忠実で、生真面目なのが大半ですが、茶目っ気のある奴、悪戯好きな子、冒険好きなタフガイ、いつも物思いに耽っているロマンチスト、気の短いのにのんびり屋さん……多士済々ですよ、その連中が腕に縒りをかけたのが、先ほどの再現ドラマです、よかったでしょう』 (はあ) 『そしてそれぞれが、烈々たる正義漢に燃えて、持ち味を活かせる派遣先を与えられて旅立っていきました……全てが「ビッグ・ドッグ」のなせる技、その管理下にある何千万という星々が「ビッグ・ドッグ」の描いた青写真通りに星政を司り、宇宙の平和に寄与しているのです……その「ビッグ・ドッグ」の、生みの親がわれわれ人類……と、ドヤ顔のひとつもしたくなるでしょう……ところが、その肝心要の「ビッグ・ドッグ」のお膝元、地球の星政はがたがた、狭い地球にひしめき合い諍い争う有様は、地球最後の日が近い兆しと言えます』 矢継ぎ早の上げたり下げたりに、ついていくのがやっとのハラベエさんです。 →ハラベエさん徒然草ヘ〜 ☆【第0部】【1P】 ☆【第一部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】 ☆【第二部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P】 ☆【第三部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】 ランキング参加中 ポチっとお願いします〜(*´д`*)ノ くる天 人気ブログランキング フルーツメール | |
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