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第三部 1話【宇宙へ・・・】
[ハラベエさんの犬星☆猫星(第三部)]
2012年10月11日 8時40分の記事

ハラベエさんの犬星☆猫星
=BEEとハラベエの愛の物語= 作・原  兵 衛 

第三部 1話【宇宙へ・・・】
UPしましたー(*´∀`*)ノ
新章に突入しました
是非読んでくださいねー

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ハラベエさんの犬星☆猫星の第一部〜三部の
リンクを作りました。
使ってくださいね(*´∀`*)ノ♪

☆【第0部】【1P

☆【第一部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P

☆【第二部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P

☆【第三部】1P2P】【3P】【4P】【5P】【6P




ハラベエさんの犬星☆猫星
=BEEとハラベエの愛の物語= 作・原  兵 衛 

第三部 1話【宇宙へ・・・】

  
ハラベエさんは今、白一色の世界に佇んでいます。
浅草の見慣れた町並みから、一瞬、嘗てショウちゃんが見せてくれた、犬類猫類が犬星猫星へ向かうために宇宙船に乗り込んだ、あの黒い霧の底に運ばれてきたのです。
 それは、ハラベエさんが仲間たちの中心で、拳を天に突き上げて……行こう!とさけんだ直後、仲間たちが駈け寄ってくるのと同時でした。
 そして、超早い早廻しか、コマおとしの画面を見ているように、めまぐるしく風景が変わって行き、最後に、天空の一角に、あたかも雲の塊のように浮かんでいた、白い宇宙船に吸い込まれていきました。
 そこが白一色でした。
 それは、長年演劇の世界にいると、何回か付き合っているドライアイスに似た、白い気体の塊にも、雲の塊にも見えました。
 これが、以前、あの天の一角に空いた四角の穴から、犬類猫類を吸い上げていた、宇宙船の正体なのでしょう。
宇宙船といっても、ハラベエさんが幼少の頃から良く眼にしていた、宇宙に関する絵本から読み物・各種の文献に至るまでの、あらゆる文書に、一切出ていなかった、実に異様な乗り物でした。
洒落でも語呂合わせでもありませんが、機体は気体で出来ているようです。
一見、霧か雲を思わせるはかなさで、ふわふわと浮いていますが、白い壁面を抜けて入ると、意外に堅固な内装に囲まれます。
空気の僅かなそよぎにもたゆたう、船体の表面の白い水蒸気状のものは、将に吹けば飛ぶように見えますが、試みに床を踏んでみると、予想より遙かに強く、安定感があり、重量を支える力を感じます。
しかも、白い船体は、外気を完全に遮断し、完全なエア・コントロールで呼吸に支障は全くありません。
辺りを見回すと、一緒に来た浅草の仲間たちが、何の違和感もなしに佇んでいます。
(?……!そうか、みんなは、この宇宙船、慣れてるんだ)
と、思うと、これまで、可愛いペット程度の認識だったのが恥ずかしくなったハラベエさん、改めて信頼感が溢れるまなざしで、仲間を見渡しました。
何気なく、佇んでいたように見えた仲間たちでしたが、それぞれに、宇宙船に乗船した際果たすべき、分担した職務を遂行していたようです。
といってもその情景は、ハラベエさんの認識だと、みんな只ひたすら、白い水蒸気状の気体を、面白半分ひっかき回していただけでした。
(判った?)忙しげに手を動かしながら、ちらっと向けた眼でウィンクするバド。
作業を終えて、一顧だにせず直ぐだるそうに寝そべったモモ、でも、疎らになった睫の間からハラベエさんを見つめているようです。
(しっかりしろよ、先は長いぜ)と、相変わらず、手足を伸ばしたうつぶせで、作業もしにくそうなフーちゃんがいいます。
(しんどそうやな、大丈夫?)と、心配げに目を向けると……(そう思うなら、早く仕事覚えて、交代しろ!)だそうです。
様々な反応を見せますが、それぞれ好意を抱いてはいるようです。
(頼りないね)(満足に仕事、覚えるかしら)(教えてやりなよ)(面倒くさいけど、やるか)(そうしなそうしな)といった、プーとクーの会話にも、ちょっぴりハラベエさんに対する友情めいたものが感じられました。
この先、何が待ち受けているのか、不安一杯のハラベエさんでしたが、この仲間がいれば、どうにか切り抜けられそうだという安堵感があります。。
突然、耳元に、荒い息づかいを感じました。
何者か、両の肩に手をかけてきました。
ハラベエさんの背丈を優に超える巨体と、息づかいの荒さ、リンです。
『お久しぶりです』
 リンが話しかけてきました。
(?……やあ、暫く)
咄嗟に、そう応えはしたものの、疑問が残ります……その疑問を、待っていましたとばかりに、リンが解明してくれました。
『我々、ハラベエ・プロジェクト・チームのメンバーは、全員あなたと会話が交わせます……全て、チームリーダーと同程度の会話能力があるとご理解下さって結構です』
(チームリーダー?)
『失礼しました……あなたが、ショウちゃんとして認識されているのが、チーム・リーダーです』
 (そうですか)
『リーダーは、現在、可及的速やかな解決が望まれる、ある惑星の紛争解決に奔走中でありまして、その間我々の指揮を執るのは、後ほどご紹介申し上げます、サブ・リーダーであります』
(そうですか……ところで、先ほど、浅草で皆さんにお会いしたのはいいのですが、何故……行こう!などと拳を振り上げて云ったのか、ましてその後この不思議な乗り物にどうして運ばれたのか、全く五里霧中、理解できません)
そこまでいうと、プーとクーが割り込んできました。
『それは、我が星が誇るウルトラスーパーコンピューター、ビッグ・ドッグがゴーのサインを出したからよね』と、プーが云えば……。
『はい只今より、コンピューター任せの楽珍旅、はじまりはじまりい』と、はしゃぐクー。
 そこへ現れたのは、ちいちゃな黒い仔たち四人ずつの二組。
 クーチャンの愛し仔たちです。
 バックコーラス宜しく。
『♪ ビッグ・ドッグの ゴー・サイン
ビッグ・ドッグは 素晴らしい 』 
と、唱い踊ります。
それだけでも事情が何となく呑み込めたのは、ハラベエさんが嘗てショウちゃんから未知の旅に出るらしき示唆を受けていたからでしょう。
(あのー、ちょっと質問が……)
 と、反応したのは、長い手足をゆっくり動かす外見とは異なり、切れ味鋭い脳細胞の持ち主、リンでした。
『……お察しの通り、ハラベエ・プロジェクト・チーム、略してHPTのメンバーは全て、人歳生まれの犬類で構成されています』
 ハラベエさんが聴きたかったことです。
 フーちゃんが続きます。
『現在、乗船している者以外の、これから行く先々で、我々HPCに合流してくる犬類猫類は、全て人歳じゃよ』
(そ、そうですか、じゃあ、この……エッチ……ピー……?)
『HPT……ハラベエ・プロジェクト・チーム!』
(わかりました……そうですか、皆さんは全部人歳生まれなんですね)
『そのとおり』と応えたのはフーちゃんです。
『……その人歳に相当する、人類の干支が戌歳じゃよ……人歳の犬と,戌年の人……間もなく始まるコラボには最適のパートナーとは思わんかね』
(思います、どなたがお決めに)
『わしじゃよ』
(そうですか、感謝します)
『いやいや』と、満更でもないフーちゃん。
 突然、コーラスが入ります。
『♪ ビッグ・ドッグが 決めたのよ
ビッグ・ドッグは 素晴らしい 』
(え?)と、ハラベエさん。
尚も、歌いかけるコーラスを制止するようにフーちゃん。
『静粛に!……サブリーダーがお着きであーる』
空中で電子音がけたたましく交錯すると、やがて宇宙船の司令室の中央に、一つの犬類の姿が浮かび上がります。

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→ハラベエさん徒然草ヘ〜




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〜OGUNI・WORLD〜
地域:大阪府
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ジャンル:趣味 漫画・小説
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シーズの愛犬BEEとハラベエを取り巻く生き物たちとの、
出会いと別れを描いた感動、ファンタスティック・ノベルです。

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