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第1部 8話【フーちゃんとの出会い、そしてBOWとLOVESの死。】
[ハラベエさんの犬星☆猫星(第一部)]
2009年12月11日 23時14分の記事

ハラベエさんの犬星☆猫星
=BEEとハラベエの愛の物語= 作・原  兵 衛 

第一部 8話【フーちゃんとの出会い、そしてBOWとLOVESの死。】


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ハラベエさんの犬星☆猫星
=BEEとハラベエの愛の物語= 作・原  兵 衛 


第一部 8話【フーちゃんとの出会い、そしてBOWとLOVESの死。】

 BEEたちをはじめ、犬類、猫類の幻の大集団が、宇宙のかなたへ旅立つのを目撃した翌日。
 ハラベエさんは、トコちゃんのおばあちゃんに会おうと、BOW夫婦とヒナコを連れて、いつもの公園に行きました。
 おばあちゃんの姿はまだありません。
 ベンチの肘掛にBOWたちの紐を結わえると、ゆったり体を伸ばして、目を閉じました。
 昨夜、空地で見た光景がよみがえります。
 あり得ないことです……夢の世界の出来事としか思えません。
 しかし、何からなにまで、細部にわたって詳細に記憶している夢なんて見た覚えがありません。
 とはいうものの、あの場所で、あのようなスペクタクルが……しかも登場したのは、ショウちゃんとクーちゃんのカレを除けば、すべてこの世のものではない。
ひらたく云えば幽霊です。
 カレらはどこへ行ったのか?
 おばあちゃんが、必ず戻ってくるといっていたトコちゃんも、その中にいました。
 果たしてトコちゃんは戻ってくるのか。
 トコちゃんが戻ってくれば、BEEも……そう、戻ってくる可能性があるということです。
 その答えを、トコちゃんのおばあちゃんに聞きたいハラベエさんでした。
 繰り返し脳裏に浮かんでは消える昨夜の情景……ハラベエさんはいつしかまどろんでいました。
BOWたちが激しく動くのが伝わってきて、ハラベエさんが目を開けると、
トコちゃんのおばあちゃんを歓迎していました。
 おばあちゃんは、BOWたちの頭を撫で、ハラベエさんの隣に、いつものように履物を脱いで坐ります。
 すると、ポメラニアンでしょうか、茶色の子が、BOWたちとなにやら話し合ってたのをやめて、おばあちゃんの隣に、ちょこんと坐りました。
「BEEちゃん、戻ってきまへんか」
「え……ええ」
「さよか……うちのトコちゃんは戻ってきましたで……」
「はあ?」
 どう見ても、おばあちゃんの隣にいる子は、トコちゃんではありません。
「ああ、トコちゃんはおうちですか」
「いいえ、ここにいてますがな」
 ハラベエさん、返事に困ります。
「戻ってくるとき、同じ姿とはきまってまへん」
「はあ?」
「なあ、トコちゃん」
 と、差し出す手にじゃれつき、ひざに前足をかけ甘える様子は、姿かたちは変わっていても、見慣れたトコちゃんとまったく同じです。
「あの……その子が?」
「へえ、トコちゃんです」
「はあ?……そうですか」
「BEEちゃんも、どんな子ォになって戻ってくるか、わからしまへんさかいな、よう気ィ付けて見てな……」
「そ、そうですか……どんな子になって戻ってくるか……わからない?……」
「けど、心は変わりまへん……目ェが、すべてを語ります」
 ヨーダに似ているだけあって、発する言葉は深遠です。
「トコちゃん、ジャーキイ買いに行くのやったな……ほな失礼します」
「は、はあ……有難うございました」
 トコちゃんを連れたおばあちゃん、とことこ去って行きます。
その後姿を見ながらの、ハラベエさんの感想は、ごく常識的なものでした。
一人の子をあまりに深く愛したために、次なる子を必要とせず、ひたすら思い出の中に生きる人もいるでしょう。
 一方、次々とあふれるような愛情で接する人、何代も続けて同じ名前を付けるタイプ……つまりトコちゃんのおばあちゃんがそうなんだと、ごく簡単に割り切りました。
時々とっぴなことを口にするのは、空想の翼がちょっと広がりすぎただけなんでしょう。
 ハラベエさんが追いかけて行って聞きたい、カレらの行く先がどこなのかという大命題について、さしたる参考意見は得られないのではないか。
 ゆっくり遠ざかって行くおばあちゃん。
 ついていく子は、足が滑ったかのように大きく開き、トコちゃんそっくりの姿で腹ばいます。
 あの子がトコちゃんなのかなあ……?
再び目をつぶるハラベエさん。
 昨夜目にした……いや、目にしたと思われるあの情景を振り返り、さまざまな展開を夢想するハラベエさん。
 その内容を知ったら、むしろハラベエさんの方が、妄想に耽(ふけ)る変なおじさんだと、周囲の人は思うでしょう。
 同じところにじっとしているのに飽きたのか、BOWたちに落ち着きがなくなりました。
 BOW、LOVES、何か知ってるなら教えてくれよ、と問いかけても、二人はもう人間でいえば、ハラベエさんと同じような爺さん婆さん、期待に応えてはくれそうもありません。
 ヒナコはいわば出戻り、家庭の事情も成行きも多くは知らず、ましてちょっとノー天気な子ですから、参考意見などないでしょう。 
早く帰って食事にありつきたいのだろうと、ベンチに結わえてあった紐をほどくハラベエさん。
「BEEちゃんは?」
「まだです」
「さよか、ま、気長に待ってなはれ……」
 会うたびにこんな会話を交わす日々が続きました。
流れるままに無為な日々を過ごすハラベエさんでしたが、仕事への意欲がなくなったのではありません。
 もう既に、若い人たちに伍しての仕事は無理だと、萎える思いもありますが……いやいや、まだまだいけるのではないか。
「五十六十洟(はな)垂れ小僧、七十過ぎての死に働き」や……と居直る気力も十分あります。
 このフレーズは、ハラベエさんが兄事していた、
今は亡き関西浪曲界の大御所

【※?……章末参照】が生前よく口にしていた言葉を借りたものです。
 但し、「人生五十年」を基準にした「……五十の死に働き」だったのを、平均余命の伸びと、ハラベエさん自身の七十歳に手が届くところまで重ねた馬齢とを併せて、勝手に「……七十の死に働き」と言い換えました。
 自らを叱咤激励する鞭にしようという思いもあります。
拠点を東京に移して活動を再開しました。
 目論見どおり、数年は忙しい日々を送りました。
 しかし、大きな山を越えたその先にはば深い谷が待っています。
 調子に乗って働きすぎると需要が減るということです。
 もともと、理財・蓄財観念の希薄なハラベエさんですから、浮き沈みの繰り返しでした。
 東京と大阪を頻繁に往復し、東京はホテル泊りでした。
 収入が減ると、生活は一変します。
 大阪への往復に、高速バスを利用することを覚えました。
 短い泊りなら、サウナかカプセルです。
 もともと、環境に順応しやすいハラベエさんですから、苦にはしません。
 そんな浮き沈みの繰り返しの中で、大事な出会いがありました。
 シーズー犬のフーちゃんです。
 BOWたちは茶系統でしたが、フーちゃんは黒と白です。
 頭と胴が黒く、首筋と下腹部そして四肢が白……ですが、同じシーズーですから、やはり他の犬類とは、ハラベエさんの思い入れが違います。
 フーちゃんは、このとき既に十五歳、温和な性格でしたが、人見知りをしてなかなか心を許してくれないように見えます。
 他の人にはそうでもないのですが、ハラベエさんには、なんとなく慎重な態度で接してるような、それとなく観察しているような、そんなフーちゃんの視線が感じられました。
 それはむしろ、フーちゃんとはどこかで密接につながっているからだと、ハラベエさんには思えたのです。
フーちゃんは浅草で小劇場を経営しているH田さん〔※?……章末参照〕の家の子です。
 その後、H田さんは千葉県の成田へ移転。
 ハラベエさんはその頃、浅草で芸能人を積極的に支援している
M田さん〔※?……章末参照〕の知遇を得て、自社ビルの一室に居を構えさせてもらっていました。
 仕事もそこそこ順調でした。
一方、悲しい報せもありました。
 BOWが、逝ったのです。
 息子のBEEと違い、老衰での安らかな死だったとのことでした。
 ハラベエさんは、幕が下りたと感じました。
 Eちゃんたちと、ハラベエさんの暮らしが始まってすぐ、BOWも家族の一員となり、一家の紆余曲折を、見守ってきたのです。
 そのBOWが死んだ。
 東京と大阪の実際の距離より、はるかに遠く離れ住んでいるようなハラベエさん、かすかにつながっていた糸がますます細くなっていく、そんな思いに胸がチクリと痛みました。
 あやふやな生き方に、BOWが終止符をうとうとしてくれたのでしょうか。
 約一年後、LOVEが後を追いました。
 目立たぬ存在というか、この物語の中でも、BOWと夫婦になったときの話ぐらいで、詳述されることの少ない子でした。
 老衰といってもいい死だったそうですが、、その五年ほど前から、下腹部に腫瘍ができて、穴が開いていました。
 包帯をしていても、歩行には差し支えず、短い距離なら散歩もできました。
 二人の死に目に会えなかった事実が、大阪との間の細い糸を切ってしまったようです。
 それでもハラベエさん、悲愴感はありません。
 なんとかなるわい……と、居直ってしまうハラベエさんでした。
さてフーちゃんです。
 次に会ったのは、成田の本田さん宅を訪れた時です。
フーちゃんは元気でしたが、体の衰えは如実でした。
 足元は危うげで、あのトコちゃん同様、足を滑らしたかのようにひろげて腹ばいになるのを繰り返しています。
 浅草時代は散歩が大好きでしたが、今はもう庭先をよろめくように歩くのが精一杯、すぐ家の中に戻りたがるのです。
 もう二十歳になろうかというフーちゃんですから致し方ないといえばそれまでですが、ハラベエさんから見ると、まだまだ長生きするようです。
 ハラベエさんが抱えてる大命題の謎を解明する、重要なキーマンならぬ、キードッグではないか……と、なんとなく感じていました。
 さて次章では、ハラベエさんが、東京で出会った、リン・クー・プーの三人組、モモちゃん、バドくんたちのお話をいたしましょう。 

※? 初代京山幸枝若師。
      
関西浪曲界の重鎮として、
東西の浪曲界をリードした大御所。
声・節・啖呵の三拍子揃った、昭和の名人。
浪曲の代表作として「会津の小鉄シリーズ」
「左甚五郎シリーズ」
歌謡曲では「瞼の母」「会津の小鉄」
「桂春談治」などヒット曲多数。

連夜、大阪ミナミを中心に大勢を引き連れて飲み歩き 
「夜の市長」と呼ばれ、明け方にしか帰宅しないので、 
家族や弟子の間では「朝刊太郎」。
伝え聞く芸人らしい生き様を体現した
最後の一人であろう。

※? 本田幸生・真由美さん。
      
本田さんは、老練の舞台監督で、
宙乗りの新手法を開発した、
舞台づくりのプロフェッショナル。

芸能界に広い人脈を持つ真由美さんを代表に、
千葉県成田市に住居と仕事場を構え、
舞台美術・小道具などの製作を手がける
「本田ステージプロデュース」を経営。
           
   
※? 町田優雄氏。
      
芸能人を支援する積極的な姿勢で、
浅草振興に尽力した篤志家。
「日本喜劇人協会」「東京漫才協会」に
自社ビルをで提供。
湯島天神下交差点近くで、赤提灯の居酒屋、
その名も「赤提灯」を経営、今は功成り名遂げた、
東大・芸大出身者が、教え子を引き連れておとずれるという老舗。
氏亡き後もその念いは、遺族に引き継がれている。

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〜OGUNI・WORLD〜
地域:大阪府
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ジャンル:趣味 漫画・小説
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シーズの愛犬BEEとハラベエを取り巻く生き物たちとの、
出会いと別れを描いた感動、ファンタスティック・ノベルです。

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