第三部 7話【モシモ、戦争をしなかったら?】 | |
[ハラベエさんの犬星☆猫星(第三部)] | |
2012年12月11日 2時8分の記事 | |
ハラベエさんの犬星☆猫星 =BEEとハラベエの愛の物語= 作・原 兵 衛 第三部 7話【モシモ、戦争をしなかったら?】 UPしましたー♪ 今回のお知らせイラストは 【ゴールデンリトリーバーの子犬】 クリスマスバージョンです 見てねー(((´ω` *)
ハラベエさんの犬星☆猫星の第一部〜三部の リンクを作りました。 使ってくださいね(*´∀`*)ノ♪ ☆【第0部】【1P】 ☆【第一部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】 ☆【第二部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P】 ☆【第三部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】 ハラベエさんの犬星☆猫星 =BEEとハラベエの愛の物語= 作・原 兵 衛 第三部 7話【モシモ、戦争をしなかったら?】 手を腰に、ふんぞり返ってる軍服姿の大男。 並んで立っている、小柄な中年男……心なしか、着用している背広が草臥れて見えます。 大男の傲岸とも云える挙措から、人間天皇に墜としたばかりか、身ぐるみを剥いで戦争犯罪人にされるのじゃないかと、恐怖感に襲われました。 大男マッカーサーは→【wikiダグラス・マッカーサー】日本軍にフィリピンから追い払われて脱出する際の、 『I SHALL RETURN』 の言葉通り反攻を果たしました、見事借りを返したと云えます。 戦後、昭和天皇は全国各地に足を伸ばし、国民は挙げて歓迎しました。 そんな折、嘘か真か、天皇の背広に継ぎが当たっていたという噂が囁かれました……疲弊した国民の前に美々しく着飾って出るのを憚る優しいお気持ちだとか……占領軍の手前をおもんばかってことだとか。 いずれにしても、大元帥の軍服で、颯爽と馬に打ちまたがった陛下の嘗ての雄姿はどこへやら、勝者と敗者の違いに、思わず奥歯を噛みしめるハラベエさんでした。 戦後、初めて日本にやってきたときの、コーンパイプを銜えたキザな姿、飛行機の搭乗口に現れ、地上に降り立つまで、何かこう計算づくともとれる一挙手一投足に見えました。 『ニッポンジンヨ……ボクラニハコンナコト、アサメシマエナンダヨ』 そんなメッセージともとれました。 大男に、無礼者!と怒りをぶつけたい心境だったのですが、その後マッカーサーは連合軍最高指揮官を解任され、帰国しましたが、同じ米軍軍人の、ヨーロッパ戦線を指揮して勝利したアイゼンハワー将軍が、国民的人気を得て、合衆国大統領まで上り詰めたのに比して、一軍人として、 『……老兵は死なず、ただ消えて行くのみ……』の言葉を残して、表舞台から姿を消しました。 そんなマッカーサーに、武士の潔さを、ハラベエさんは感じました。 加えて、彼の日本に於ける施策の功罪を語るとき、いかに親日的な功の部分が多いことか、目から鱗のハラベエさん、心境に変化がありました。 しかも、彼が軍人として、また政治家として栄光の座を全うできなかったのは、フィリピン脱出が、その武勲の著しい傷になったとの説も有ります。 さて、戦線が拡大していく一方で、戦争の終息を望む動きもあったようです。 連戦連勝を重ねている今こそ、好条件での和睦が可能とする考えもありましたが、陸軍を主とする、一億玉砕を謳い文句とする主戦派との間の、内なる闘いは、凄まじいものだったでしょう。 名将山本五十六提督の死を覚悟した謎の単機出撃は、その辺の軋轢を物語っているようです。 何れにしても、ハラベエさんたち、純粋な軍国少年たちの夢は、世界の隅々にまで、日の丸が翻り、威風堂々日本軍人が闊歩する光景だったのです。 ハラベエさんの、モシモの世界の旅は尚も続きます。 モシモの世界で、日本軍は将に破竹の進撃で、アジア全域と北米南米を制圧、ヨーロッパ、アフリカは三国同盟の同盟国ドイツ・イタリアが平定。 しばらくは平和が続くかのように見えましたが、それは表面上のこと、征服されたと見せかけ、各国の武装兵力は地下に潜り、時期を待ったのです。 過去に例を見ない世界統一をなし遂げ有頂天の日本とドイツ、当初は東西に別れて地球を二分しての棲み分けが功を奏したようですが、次第にそここで不協和音が生じ、地下に潜んでいた兵力が、一斉蜂起の機会を待ちました。 日独伊の主導権争いが顕著になり、三国同盟も破綻を露呈しました。 表面上は恭順の意を表し、あたかも属国のように唯々諾々と三国に全て従うと見せかけ、世界各国は隠密裡に一枚板に結束していました。 各地にゲリラ戦が活発になり、版図が拡大することによって、脆弱になっていた三国の防衛ラインが蚕食されます。 隠忍自重、耐えに耐えていた世界各国は、三国同盟の日独伊に宣戦布告、総攻撃に打って出ました。 一気呵成に襲いかかる世界連合の前に、世界各地で敗退する三国。 日独伊、それぞれに追いつめられます。 奢れるものは久しからず、遂には無条件降伏。 三国の領土は、甘きに集まる蟻のような世界各国に分割統治されることになりました。 その分割の地図を見て、ハラベエさんが、 (ああ、勝ち続けなくて良かった、犠牲は多かったけど、あの混沌たる戦後の日本を、刻苦勉励して見事に復興した子孫を、少しは褒めてくれるんじゃないかな) と思うほど、無惨な体たらくの日本がそこにありました。 四十七都道府県(沖縄も分類上県とみなす)は、広くは道州制の規模で、小さくは市町村・離島単位で分割され、狭い国土に犇めくように、色とりどりの国旗がはためき、あたかも国際見本市か万国博覧会を思わせる華やかさの反面、日本人がこよなく愛した、美(うま)し国日本は、欠片もなくなり、太平洋戦争終戦後、進駐軍の将校が接収した日本家屋の壁や柱を、ペンキで塗りつぶしたように、日本列島くまなく様変わりしています。 かてて加えて、火山列島の日本に大震災が相次ぎ、各国が見切りを付けて引き揚げた後、荒廃した国土にしがみつき蠢いている、それでもどこかで神風の到来を信じている、日本人を襲った地震という神風がもたらした哀れな末路がありました。 『……堪ヘ難キヲ堪へ忍ビ難キヲ忍ビ……』 戦争終結の大詔が渙発されて、新しい民主主義の国日本が呱々の声を挙げ、ひたすら復興への道を歩んだのを、幸せだったと云えるでしょう。 このところ、試行錯誤の連続で迷走がちな政治家の皆さん、正確な舵取りお願いしますよ。 負けて良かったのだと、結論づけたハラベエさんの好奇心を更にかき立てる事象があります。 北方四島・竹島・尖閣諸島の領有問題です。 戦後既に六十余年、取り残されていた戦後処理の問題が、関係諸国の国内事情も手伝って、急激にクローズアップされてきました。 中国など、さして重要なものとは考えていなかった、ちいさな島々の周辺の海底に、膨大な資源が眠っていると知って、眼の色を変えて領有権を主張しています。 その主張は、戦後処理が一切なされていなっかたかのように聞こえます。 侵略戦争を引き起こし、敗戦国になっても尚、戦勝国の領地をかすめ取る、破廉恥な帝国主義者として、日本を糾弾しています。 六十何年も経っているのですよ。 その間、来日した先方の指導者が、この問題は後世の人の知恵に任せようと云い、それをよしとする日本の要人たち……そんなこともありましたね。 それが、資源がからむと一変、惨めな被害者風に装った中国のパフォーマンスが始まりました。 中国政府に対する国民の不平不満の矛先を、日本に向けさせようとするチャンコロの悪知恵です。 日本はそのチャンコロを、徹底的に軽視していました。 『♪ 日本の……乃木さんが……凱旋す……』 子供達の間で流行っていた尻取り唄は、こう続きます。 『♪ 雀……めじろ……ロシヤ……野蛮国……クロパトキン……金の玉……負けて逃げるはチャンチャン棒……棒で叩くは犬殺し……シベリア鉄道長けれど……土瓶の口から吐き出せば……バルチック艦隊全滅す……雀……めじろ』【wiki/手鞠歌】 と、繋がり、こどもたちは、日清・日露の戦いの勝利で得た高揚感に酔い、 チャンコロ何するものぞと侮っていたのです。 それが敗戦で一変、戦勝国側となって、云いたい放題、ここに至っては、盗人呼ばわり、口惜しいじゃありませんか。 切歯扼腕するハラベエさんです。 ☆【第0部】【1P】 ☆【第一部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】 ☆【第二部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P】 ☆【第三部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】 ランキング参加中 ポチっとお願いします〜(*´д`*)ノ くる天 人気ブログランキング フルーツメール | |
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