第二部 第2話【想い出へ誘う道】 | |
[ハラベエさんの犬星☆猫星(第二部)] | |
2012年5月20日 0時8分の記事 | |
ハラベエさんの犬星☆猫星 =BEEとハラベエの愛の物語= 作・原 兵 衛 第二部 第2話【想い出へ誘う道】 UPしました〜是非読んでくださいね(^▽^)ノ
ハラベエさんの犬星☆猫星の第一部〜三部の リンクを作りました。 使ってくださいね(*´∀`*)ノ♪ ☆【第0部】【1P】 ☆【第一部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】 ☆【第二部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P】 ☆【第三部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】 ハラベエさんの犬星☆猫星 =BEEとハラベエの愛の物語= 作・原 兵 衛 第二部 第2話【想い出へ誘う道】 花登邸を過ぎて歩を進めると、小さな池が現れ、その向こう岸に旧大塚克三邸が望めます。道路との間の緩やかな傾斜地に建てられ、大塚さんのアトリエというか仕事場は池の端、離れ風の二階屋でした。 凝った造りなのはいうまでもなく、主の遊び心とでもいうか二階の部屋から一階の部屋への通路は、忍者屋敷風に隠し扉から滑り落ちる滑り台でした。 急な勾配でしたので、登るためには大回りして階段を利用しなけれならないので、必要性も利便性もない間の抜けた忍者屋敷だと、笑いながらも頻りに滑り降りたものです。 大塚さんは、ハラベエさんと顔を合わす度,「本書きやめて、絵描きになった方が……」と、すすめてくれました。 確かに本書きより、舞台美術の方が需要が多く、しかも舞台造りの工夫に結構いいアイデアを連発するハラベエさんのためを思ってのすすめでしたが、絵心が全くなきに等しいのでひたすら固辞しました。 池の端を尚も登っていくと、立ち退きになった最初の旧花登邸の跡地に達します……ということは、車が激しく行き交う中国道で、道を横断してもまだ豊中市内、少し行くと豊中不動尊で、二百メートルほど先に白亜の邸宅があります。 白く高い塀に囲まれた広い敷地にプール、その横に嘗て線路を走っていた鉄道の客車、小高い敷地に建てられた邸宅は、威風堂々辺りを圧しています。 前述の花登さんが「……なんで俺よりいい家を建てるねん」とぼやいたとか、怒ったとか頻りに流布されましたが真偽のほどは判りません。 ちょっぴり本音も込められた、ま、冗句でしょうね。 いずれにしても、広さといい造りといい、この比較にならない豪邸の主こそ、花登さんの弟子筋ともいうか、数多い作品の主役を勤めた、大村崑→大村崑さんです。 ハラベエさんは花登作品でご一緒しましたし、自分の作品にも出てもらっている、逢えば話の尽きることがない、芸能界での数少ないお友達です。 とはいえ、早朝六時や七時にたたき起こすのも憚りますので、散歩の折りはひたすら単なる折り返し点にして復路に入ります。 これが(豊中ともだちコース)の概要です。 では、(南行池巡りコース)のお話に戻りましょう。 千里中央から新御堂筋沿いに南下すると北大阪急行の桃山台駅で、その東南に池があります。 正式に名称もあるのでしょうが、池の形からハラベエさんは勝手に(之の字池)と名付けています。 漢字の之の字に、池の形が似ている……と、ハラベエさんが思い込んでいる、 この(之の字池)、最初の頃はもう一つの池とセットになっていました。 東北約一キロに位置する(牛ヶ首池)で、何かおどろおどろとした因縁話でもありそうなネーミングですが、そこは故事来歴にはあまりこだわらぬハラベエさん,(団栗池)と名付けました……拾い集めたひとつかみほどのドングリを両のポケットに、折あるたびに、掌中で数粒を転がし弄ぶという健康法、と信じて疑わないハラベエさんに、それこそ粒ぞろいのドングリを豊富に供給してくれたからです。 この二つの池の関係は、あまり長くは続きませんでした。 歩きの前半、つまり(之の字池)で費やす時間が大幅に増え、後半の(団栗池)で過ごす時間を割愛せざるを得なくなったからです。 犬類・猫類とのふれあいでした。 まずは、ゴールデンレトリバーのルイ君と、このコースを歩き始めた頃に知り合いました 飼い主は初老のご婦人で、几帳面なご性格なのでしょうほぼ決まった時間に姿を現しますが,ルイは『よう』と軽く、人間でいえばややぶっきらぼうに会釈を交わす程度で、遇ってもさほどの感情を表さない無愛想な子でした。 そのルイ君の同じ犬種のシオン君は別の場所で会い、言葉を交わすうちにふたりが遊び仲間と知りました、 マルチーズのそのものずばりマルちゃん。 ダックスのトム君に柴犬のミー子ちゃん。 数多くの(之の字池)の常連のうち、特にハラベエさんが身内意識を感じた面々ですが、このほかにシーズーのゴロ―君、あの愛しいBEEによく似た面影とあって、暫し時が経つのを忘れて遊び戯れたものです。 そんな楽しい日々が続きましたが、以前から心の片隅に芽生えていた小さな疑念が増幅していくような気がするのです。 一言で言えば相性です、 人間とカレらの間に存在する相性が、お互いに惹かれ合う要因を造っているのではないか……ハラベエさんの、浅草を中心とする東京、千葉の成田そして大阪千里の歩きの途次での経験に導かれる想いです。 通常、初めて出会うカレらの反応は、激しく吠え立てるか、徹底的に無視するかに、ほぼ大別されます。 その中に、正面切って凝視する目や、横目で盗み見する視線を感じることがあり、ハラベエさんはそのカレらには積極的に近付く努力をします。 はっきりは判りませんが、カレらに相性の良さを感じて、半ば無意識にとるハラベエさんの行動です。 これまで、名前で登場したカレらは全て、ハラベエさんが相性がいいと判断した連中ですが、だからといって何をする訳でもありません。 只にこにことカレらと戯れている……事情があって、自分では飼うことが出来ない動物好きのおじさん……ぐらいにしか傍目には映らないことでしょう。 (之の字池)界隈でのカレらとの心温まる日々にハラベエさんはどっぷり浸かっていました。 こんなにもたくさんの、相性のいいカレらと触れ合える機会は、滅多にありません。 カレらが仲間内で占める割合は、ハラベエさんの、これまでの経験のあまり定かではない記憶によれば、十分の一か、十二分の一程度に思われます (之の字池)界隈で過ごす日々のに心地よさに、ふと忘れがちになりはするものの、ハラベエさんの脳裡の片隅には、常にBEEとショウちゃんの面影があります。 ハラベエさんとの相性という点ではBEEは群を抜き、両親のBOWとLOVESも他のものと比較すると、相性の良さが目立っていましたが、息子の前ではしぼみがちでした。 そんなある日、次々にやってくる相性の良い子と遊び戯れ、それを横目に通り過ぎていく他の子たちを、何気なく見ているハラベエさんの胸にひとつの疑念が湧いてきたのです。 相性がいいとハラベエさんが思い込んでいる子たちは、つかず離れず辺りを走り回っています。 この子たちのことはおいといて、他のカレらにはハラベエさんみたいな相性のいい相手はいないのか……いやいるはずだ……自分たちとは違ういい相性の人間と犬……ハラベエさんが知らないところで暖かく結ばれている誰かとカレら……いや、全てのカレらにそれぞれ相性のいい相手が居るはずだ。 あれこれ思いをめぐらせている間に、あの日、公園のベンチで延々と続いた 宇宙に関するショウちゃんのレクチャーの一部が浮かんできました。 それは、あまりにも膨大な情報量に圧倒され、やや持てあまし気味だったハラベエさんの注意を喚起するには十分な内容でした。 長く辛い宇宙旅行の果てに、生き残りを賭けて人類が漸くたどり着いた惑星『犬星』『猫星』 二つの星で、人類は先住者の犬類・猫類と協力して新しい創生期を迎えることになりました。 移住者たちの人種はさまざまですし、伝えた文化も多岐にわたります。 例えば、日本人の移住者たちが伝えて、以後地球との交流に一役買ったのが十二支です。 犬類たちは、独自の干支を創りました。 子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉、ときて次が、人・亥と続きます。 猫星にも同じような経緯で、干支ができましたが、犬星のものとまったく同じです。 もともと猫類が干支に入っていない件に関しては、むしろ満足しているかのようにもとれます。 どうやら、他の連中と同等には扱ってもらいたくはない……そんな猫類の自尊心の高さを物語っているようです。 さあ、どうやら『犬星』『猫星』そして『地球』の十二支を基本に人類とカレらとの関係をつまびらかにする機会が来たと張りきるハラベエさん。 しかし独力では到底無理、ショウちゃんの指導協力無くしてハラベエさんにできることではありません。 さて次回は、(之の字池)を舞台に繰り広げられるハラベエさんお気に入りのクーちゃんによく似た黒猫と、あるおっちゃんの哀しいお話をご披露致します。 ☆【第0部】【1P】 ☆【第一部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】 ☆【第二部】【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】【9P】【10P】【11P】【12P】【13P】 ☆【第三部】 【1P】【2P】【3P】【4P】【5P】【6P】【7P】【8P】 →ハラベエさん徒然草ヘ〜 ランキング参加中 ポチっとお願いします〜(*´д`*)ノ くる天 人気ブログランキング フルーツメール | |
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