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『モーソー1号』2
[『モーソー1号』]
2008年10月19日 17時30分の記事



土日の午前中はアニメに限りますね!
たまに昼ごろまで寝ていて見れないこともありますが・・・(笑)
やっぱりノッカはゲームもアニメもマンガも大好きです(^∀^♪

今日はニドクインです!
髪型とかイメージするのが難しかった・・・

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〜今日の日記〜

今日は親から誕生日プレゼントを買ってもらいました!
ずいぶん遅れたけど、その分たくさん買ってもらえてめちゃくちゃハッピーです(*´艸`)
T駅は相変わらず混んでて疲れますけどね・・・(-_-;)


それから、ブログに書くのをすっかり忘れてました!!
私は一昨日金曜日から、新たにアルバイトを始めました!!
シャトレーゼというケーキ屋さんです(*^^)v チェーン店なので、結構見かける・・・(?)
自給800円で普通だし、家からお店まで5分もかからない、っていうかなりの近さだし、制服もちゃんとあるのですごく楽っ★

17時〜21時半という長い時間なんですが・・・、平日に集中させて、土日はゆっくり休めるようにしました(*≧∀≦)b゛
金曜日に初めて行った時は、まだ何も分らんかったので、ちょっとした手伝いしかしなかったんですけど、皆さん優しそうな方ばかりで安心しましたぁε-(;-ω-`A) フゥ…

覚えることは山ほどありそうなんですが、長期間やるには良いかも!
しかも、廃棄になってしまうケーキとかチョコレートを仕事の後にパクパク(人>ω<♥)
これなら疲れも吹っ飛びますよね!(←夜のアルバイトさん限定なんですwww)

明日もバイトの予定。早く仕事に慣れたいですっ.+:。(●っゝω・)っ


*********

〜私の小説〜
『モーソー1号』2

 「あ、止まった」
 木造で凄く味がある車内。おかげでアナウンスもなく急に停車するし、床がよく軋む。
どうやら、リソー駅に止まったみたい。
 ギシギシギシ―――。
 床の軋む音で、誰かが乗り込んで来たのが分かった。
 「こんにちは」
 あたしは必ず自分から挨拶する。
 あたしと同じくらいの可愛らしい女の子と男の子が乗って来た。男の子は会釈するだけだった。なんだか照れてるみたい。きっと人見知りなんだ。
 「こんにちは。あのー・・・あなたは、アタシさんですよね」
 女の子が言った。
 「はい」
 あたしは一言で答える。
 「え、じゃぁ、あなたはあのアタシさん?」
 男の子はちょっぴり驚いている。なんかカワイイ。
 「そうですよ」
 アタシはあたし一人しかこの世界に存在しない。だから、あのアタシさんもどうせあたし一人だけ。だからあたしはこういうふうに訊かれると、いつも自信満々で答えてきた。なんか良く分からないけど、モーソー1号の乗客の中で、アタシは少し有名人らしいし。
 「あたし、理想(女)なんです」
 「おれは、理想(男)です」
 最初、そう言われた時は焦った。正直、あたしにはその名前が意味不明だった。ただ、なんとなく、あたしには分かる。彼らが、あたしの頭の中に住んでいるってことも、この電車にちょくちょく乗っているってこともね。
 「あなたたちは、理想なんだね」
 「はい! 明るくて、元気で、前向きで、素直で・・・でも、ちょっぴり天然なんです。完璧すぎない、程よい真面目さがいいの」
 女の子が目をキラキラさせながら言った。そんな目でそんなことを語られても、あたしは困るだけなのに。
 「君は?」
 あたしは男の子の方に目を向けた。
 「おれは・・・単純そうなのに、実はいろんなことをちゃんと頭の中で計画してるんだ。しかも、自分からは決して逃げない、心の強さがある。まぁ、その分、好きなことは我慢しないし、髪の毛はいつも跳ねてるけど・・・・」
 「ふうん」
 まだ頭でちゃんと整理できていない癖に、あたしは顔だけ納得した。
 「君たち、いつも一緒なの?」
 「いつもってわけじゃないけど・・・対外一緒かも」
 男の子が少し寂しそうに答えた。
 「でも、一緒じゃなくなる時なんて・・・・」
 女の子は、言いかけてやめた。
 「何か、大きなものを失う時だね」
 私は根拠もなく言い放った。彼女たちはびっくりしたようにお互いの顔を見合わせていた。
 「さすがアタシさんだ!」
 少年は言った。
 寝ぐせのヒドイ理想(男)クン。でも、なんだかそれがかわいく見えてくるのは何でだろう?
 笑顔の素敵な理想(女)チャン。なんでそれを羨ましく思うのだろう?
 あたしは、なぜだか分からない。でも、なぜだか知っていた。二人が理想だからだ。そう、きっと、あたしが考えた理想だから。
 「君たちの事、もっと聞かせてよ」
 あたしは興味津津だった。
 「俺、人見知りするけど、周りからは人気者だよ」
 「あたしも」
 「だけど、自分が優しい奴かどうかってなると、良く分かんないなぁ。みんなと一緒に居る時は、リーダーっぽいところあるかも。別に、意識してるわけじゃないんだけど・・・」
 「あたしはね、いろんなことに一途なんだよ。その分、傷つきやすいところもあるけど、立ち直りは早い方だと思う」
 「そっかぁ、じゃあ、君たちは、完全って言葉は似合わないね。さっきっから話を聞いてると、自分の良いところや悪いところ、曖昧なところとか、いろいろじゃん」
 「さすがアタシさんですね!」
 今度は女の子が言う。
 「完璧って、目指しても到達しないものだと思うんだ。だからおれたちは理想という存在だけど、完璧という理想には達していないんです」
 そうか、彼らは理想だけど、現実がある。夢のような理想とは別物なんだな。あたしはそう思った。
 「いつもいつも思っていました。最高の理想でいたい、と。でも、そんなもの、今のアタシさんは望んでいませんよね? 悪いことの良さを、ちゃんと視野に入れて考えていますもんね」
 「そうだね。アタシはもう、完璧というものは望んでないなぁ。失敗してくじけそうになって、人に頼って・・・それのどこがいけないことなんだろう? って思うようになったよ。」
 アタシは明確になって行く自分の理想に少し戸惑いながら語った。
 「だから、理想(男)クンも、理想(女)チャンもきっと大丈夫。その形を保っていて。そうすれば、きっと誰かが優しく手を貸してくれる。そうやって、自分をしっかり持つのは、理想を描くことそのものだよ」
 二人は静かに頷いた。
 揺れる電車の窓からは、何が見えているかはっきりと分からない。ただ、ひたすら曖昧な景色。でも、その景色はリソー駅からほど遠くない。いや、とっても近いのかも。
 何かを仮に目標と定めてみるけど、それがあたしにとって最善とは言えない。仮の目標を貫き通せば、世間一般からは健全でとっても良い子と思われるだろうね。でもさ、なんかそれって違うと思わない? 目指す目標の例はついつい目移りしちゃうけど、目移りしてる時点で、それは目標にはならないよね。ただ、理想っていうのは、そういう曖昧な目標の集合体だから、常に定まった形で居られない。可哀そうな二人。きっと、その姿はあたしの思い描くまま、すぐに変わってしまうんだね。どんな風になるかなんて、あたし自身もよく分かんないもん。救えるのはあたしだけなのかもしれないけど、そのあたしは理想よりももっと曖昧だし。
 「あ、そろそろ下りないと」
 女の子が窓の外を窺いながら言った。
 電車はだんだんスピードを落として、駅に止まった。モクヒョー駅。二人は並んでホームを歩いて行った。その二つの背中は、全く違うはずなのに、そっくりだった。あたしは妙な不安を覚えながら、そんな二人の後姿を眺めた。
 あたしは願う。今っていう時間のその先もずっと、彼女たちの理想を描く気持ちが崩れてしまわないように。
 その為にも、あたしは頑張って、素敵な理想を妄想しなくちゃ、って。




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