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〔助太刀兵法35〕 夢泡雪狐仇討(2) (無料公開)
[【時代小説発掘】]
2014年4月6日 11時6分の記事


【時代小説発掘】
〔助太刀兵法35〕 夢泡雪狐仇討(2)
花本龍之介 



(時代小説発掘というコーナーができた経緯)


梗概
 思いがけなく越後屋の娘・お雪を助けた早船飛十郎は、あくる日から礼を言いにきた三井の手代や番頭に悩まされる。主人の八郎右衛門がぜひお礼に一献さしあげたいとの招きを、がんとして断わった飛十郎だが、最後にやってきた大番頭の策略に負けて、やむなく向島にある別邸に行くことになった。風雅な別邸で三井家の当主・八郎右衛門に会った飛十郎は、そこで浄瑠璃の名手清元延寿太夫と歌舞伎芝居の作者鶴屋南北に引き合わされる。当代の名人ふたりに紹介された飛十郎は、またまた仇討騒ぎに巻き込まれることになった。
 

【プロフィール】:
尾道市生まれ。第41回池内祥三文学奨励賞受賞。居合道・教士七段。
現在、熱海に居住している。



これまでの作品:
〈助太刀兵法21〉尾道かんざし燈籠
〈助太刀兵法22〉尾道かんざし燈籠(2)
〔助太刀兵法23〕尾道かんざし燈籠 (3)
〔助太刀兵法24〕尾道かんざし燈籠 (4)  
〔助太刀兵法25〕 尾道かんざし燈籠(5)
〔助太刀兵法26〕尾道かんざし燈籠(6)
〔助太刀兵法27〕尾道かんざし燈籠(終章)
〔助太刀兵法28〕室の津綺譚
〔助太刀兵法29〕室の津奇譚(2)
〔助太刀兵法30〕 室の津奇譚(終章)
〔助太刀兵法31〕御家人馬鹿囃子
〔助太刀兵法32〕御家人馬鹿囃子(2)
〔助太刀兵法33〕御家人馬鹿囃子(終章)
〈助太刀兵法34〉夢泡雪狐仇討 ゆめのあわゆききつねのあだうち



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【時代小説発掘】
〔助太刀兵法35〕 夢泡雪狐仇討(2)
花本龍之介 



一 豪商の娘

「旦那の手際は、てえしたもんだ。胸のすくような腕の冴えってのは、まったくあのことだよ」
 閻魔堂橋へ引き返す猪牙舟の艪を漕ぎながら、舌を巻くような声で新次が言った。
「だけど、この娘が越後屋のひとり娘だってのは、本当でしょうかねえ」
「さあ、そいつは、おれにもわからん。だが、そんなことは、どうでもいいことだ」
 気を失っている娘の、白い顔に影を投げかけている長い睫毛から目をそらせて、飛十郎は夜空を見上げた。いつの間にあらわれたのか、凍ったような細い月が暗い空に張り付いている。
「もしこれが本物ってことになると、大騒ぎになりますぜ。助けた早船の旦那も、ただじゃあ、」
「ただ、ですますつもりだ」
 ふところ手の指を胸元から出して、無精髭をなぜ廻してした飛十郎が、じろりと新次を睨みつけた。
「いいか、新次。おれは、通りすがりの浪人者だ。顔も名も知らないといえ」
「へい。まあ、旦那がそういえと、おっしゃるならそうしやすが」
 恐そうに首をすくめながら、新次は器用に艪を漕ぎつづけている。
「けどねえ……どう考えたって、もったいねえや……」
 独り言のように小声でつぶやいている新次を、飛十郎は面白そうに眺めた。
「なにがもったいない。新次」
「だって相手は、江戸一番の大分限者の越後屋三井ですぜ。こっちが催促しなくたって、三百両や五百両の礼金がくるんだ。旦那はこの娘の命の恩人じゃありませんか」
「は、はは、金か。新次、おれはな一日無事に暮らせて、楽しくうまい酒が呑めれば、それで満足なんだ。へたに三百両なぞ持ってみろ、調子が狂って病気になってしまうぞ」
「へへん、そんなもんですかねえ」
「そんなもんだ」
「なっとくがいかねえ。あっしもそうだが、小吉姐さんもあとで知ったら悔しがりますぜ」
「妙なことをいうな。お前たちは、遠慮なく礼をもらえばいい。おれのことで、べつに小吉やお前が悔しがることもあるまい。新次、橋が見えてきたぞ。ぶつからぬように気をつけろ」
「なめちゃいけねえや旦那。目を閉じていたって、このあたりは漕いでいけるんだ。ぶつかるわけがねえ」
 舟が閻魔堂橋の下に着くと、小吉が石段を駆け降りてきた。
「やっぱり、たよりになるねえ旦那は。娘さんに怪我はないかい」
「見ての通り、無事だ。お付きの女中はどうした?」
「はい。きっと助けて戻ってきなさるといって、辻駕籠を連れてこさせてます。息を吹き返した手代や小僧と一緒に、上にいますよ」
「よし。娘を降ろしたら、舟と新次を借りるぞ。なに、八幡橋のたもとに着いたら、すぐに帰す」
「なにいってんですよ。あんなところへ行って、どうするんですよ。それに、越後屋の皆さんが待ってるじゃありませんか」
 娘を抱きあげて小桟橋に足を掛けた飛十郎を、小吉が紅をさした切れ長の目で睨みつけた。
「そうだな。八幡橋で舟を降りたら、門仲名物の岡場所でも冷やかすとするか」
 石段に娘を寄りかからせると、そのはずみに息を吹き返したのか、ぱっと目を開いてまじまじと飛十郎を見つめた。
「この娘はどうするんですよう、旦那」
「まかせた。あとはよろしく頼んだぞ、小吉」
 飛十郎は、ひらりと猪牙舟に乗り移った。
「ちょいと。旦那のことは、どう説明するんですよ」
「見も知らぬ素浪人だとでもいっておけ」
 新次が手にした竿で河岸を突くと、舟はすっと離れていく。
「大川端の二階で呑む約束、破ったら承知しないからね。あと始末はいつもこの小吉なんだから、腹が立つったらありゃしない」
「すまん」
 みるみるうちに遠去かっていく猪牙舟の上で、飛十郎は笑いながら頭をかいた。それを、ぼんやりした顔で越後屋の娘が見送っていた。


二 大番頭

「またか」
 肘枕をして昼寝をしていた飛十郎が、顔をしかめて起きあがった。
 越後屋の娘を、深川油堀で助けてから三日目の午後のことである。さすがは天下の豪商といわれるだけあって、次の日には手代が顔を出して丁重に礼をのべたが、露骨に金を押し付けるような見識のないことはしなかった。
「主人の三井八郎右衛門が、ぜひ一度お目にかかりたいと申しております」
 と言って、飛十郎を向島の寺島村にあるという三井の別邸へ連れて行こうとしただけである。
「せっかくだが、ことわる。堅苦しいことは、大の苦手でな」
 手代を追い返すと、あくる日には番頭というのがやって来て、同じことを言った。
「昨日の手代に、堅苦しいことは嫌だといったはずだが。返事は同じだ、ことわる」
 にべもなく断わったが、あきらめずにまた来たらしい。
「最初が手代で次が番頭なら、三度目はさしずめ大番頭かもしれんな……」
 のっそりと立ち上がると、飛十郎は左手に刀を提げて土間へおりた。
「誰だ?」
 心張り棒をかませた腰高障子の前で、飛十郎は刀の鯉口を切った。助太刀人という商売をやっていると、飛十郎を恨んで襲ってくる者がいないとも限らない。用心のためであった。
「てまえは日本橋駿河町にございます、呉服商越後屋の江戸店をまかされております大番頭の清右衛門と申すものでございます。早船さまにおり入ってお願いがありまして、まかりこしました」
 いつもは騒々しい長屋が、珍しく静まり返っている。越後屋の使いを立て続けに追い返した飛十郎の出方を、おかみさん連中が薄壁の向こうで固唾を呑んでうかがっているのだろう。越後屋の大番頭といえば、幕府の役人や諸藩の留守居役あたりが、正月の年始の挨拶に行っても、めったに会えないと言われるほど権威があった。
「わかった。今あける。しかし、おれは行かんぞ」
 心張り棒を取ると、飛十郎は建て付けの悪い戸を音を立てながら引き開けた。
「これは、お気の早い……」
 にこやかに笑いながら入って来たのは、黒紋付きの羽織を着た大店の主人といっても通るほど貫禄のある四十男だった。
「早船さま、てまえはまだ何も申しておりませぬが」
「清右衛門とかいったな、どうせ主人の八郎右衛門に会わせようと思っているんだろう。ことわる」
 無精髭をひとこすりして、飛十郎は言った。
「それはもう手代の庄吉や、番頭の喜助から聞いて知っております」
「ならば話は早い。そういうことだ。おれは、これから行くところがある。帰ってくれ」 刀を帯に差し込むと、飛十郎はふところ手をした。
「ですが早船さま、てまえどもも江戸では名を知られた越後屋三井でございます。ひとり娘が悪人たちにかどわかされる所を救われて、その父親がお礼も出来ないでは世間が通りませぬ。どうして、そう主人に会うのを嫌がられます」
「どうもこうもない。ことわる!」
 らちが明かぬとみて、飛十郎は怒鳴り声を出した。
「これは、乱暴な。わけを聞かないではこの清右衛門、主人のもとへ帰れませぬぞ」
 さすがは名字帯刀を許された、幕府御用達の越後屋の大番頭である。一歩も引かぬ面構えで、飛十郎の前に立ちはだかった。
「ようし。では、わけを聞かせてやろう。おれは昔から窮屈なことと、堅苦しいことと、面倒なことが大嫌いなんだ。どうだ、これでわかったろう。帰って主人にそう伝えろ」
「は、はは。早船さまともあろうお方が、らちもないことをおっしゃいますな。それでは別邸での趣向が、窮屈でも堅苦しくも、なければよろしいのでございますな?」
「まあ、それは、そうだが……」
 指先でごしごし無精髭をこすると、飛十郎は顔をしかめて大番頭を見た。
「ふん。生まれついての、大金持のやることだ。どうせ格式ばった趣向にきまっておる。そこをどけ!おれは、行くところがあるんだ」
「お出かけになられるなら、お邪魔はいたしませぬ。ですが早船さま、そんなに急いでどこへ行かれます」
「うるさいやつだな。軽く喉をしめらせに行くだけだ。見た通りの、しがない独り者の浪人だ。毎日それだけが楽しみで、生きているようなものだからな」
「ははあ……。これで、ございますな」
 清右衛門は、指で猪口(ちょこ)を持って、一杯ひっかける手真似をして見せた。
「ごひいきは、どちらの店でございます。ぜひ、お供をしとうございますな」
 すました顔で、清右衛門が言った。
「なにを馬鹿な。江戸一番といわれる越後屋の大番頭が、呑みにいくような豪勢な場所ではない。けちな屋台店だ」
 言い捨てると、飛十郎は清右衛門を押しのけて、腰高障子へ手を掛けた。なに、清右衛門を置いて出ても、困るような値打ち物はなにもない。
「お待ちください。早船さまが呑みにおいでになるのは、まさか閻魔堂橋に出ている鰻屋台ではございませんでしょうな」
「なんだと」
 飛十郎は、ぎくりとして足を止めた。最近これほど、驚いたことはない。弥助が焼く、ひれ串やえり串を肴に一杯やろうという胸の内を、見抜かれて思わず頭に手をやった。
「おぬし、どうしてそれを知っている」
「なに。あなたさまが、どうしてもお動きになられませんので、少しばかり早船さまのことを調べさせましたので」
「ふうむ。さすがは越後屋の大番頭だと、ほめてやりたいが……。それがどうした。べつにおれが弥助の鰻串で一杯やろうが、三井八郎右衛門には関わりあるまい」
 頭を掻き終えると、飛十郎はうるさい奴だ。といった顔で清右衛門を睨みつけた。
「そうではございませぬ、早船さま。せっかく閻魔堂橋へいかれても、鰻屋台はございません。無駄足になってはお気の毒だと思いまして」
 愛想笑いをすると、清右衛門は軽く揉み手をした。三井の大番頭が、揉み手をしたり愛想笑いをして頭を下げたことなど、何年もなかったことだろう。
「そんなはずはあるまい。これから屋台を出すといって、弥助が顔を見せていったぞ」
「申し訳ございません。てまえの店の若い者が途中で待ちかまえて、弥助さんをさらいましてございます」
「さらっただと! どこへだ」
 飛十郎は、愕然として袖から手を抜き出した。
「どうか、ごかんべんを早船さま。さらったというのは、言葉のあやでございます」
「どういうことだ、清右衛門」
 飛十郎の手錬の早技を知っているとみえて、清右衛門は後ずさりすると上り框(かまち)にぺたんと尻もちをついた。
「は、はい……。じつは弥助さんの鰻屋台を主人の八郎右衛門が、今日より七日間買い切りましてございます」
「なんだと。七日の間、屋台を買い切っただと」
 よほど意外だったらしく、飛十郎は茫然として清右衛門の言葉をくり返した。
「今頃は弥助さんは、向島の別邸にあります庭の池のほとりで、屋台店を開いている頃でございましょう」
 板の上からそろそろと身を起こしながら、清右衛門が飛十郎の顔色をうかがいながら言った。
「なるほど、そういうわけか」
 がんとして動かぬ飛十郎に手を焼いた八郎右衛門が、このところ三日とあげず閻魔堂橋へかよっている飛十郎の行動に、思いついた策に違いない。
「ふむ。その弥助の屋台の客には、誰がなるつもりだ」
「はい。主人の八郎衛門と、目に入れても痛くないほど可愛がっておられる一人娘のお雪さんでございます。それに……、できますれば」
 意味ありげに言葉を切ると、飛十郎の顔を見た。
「なんだ?」
「いえ。早船さまにも、ぜひお客になって頂きとうございます」
「ふ、ふふ、考えたな清右衛門。さすがは日千両の金を稼ぐといわれる越後屋の大番頭だけのことはあるな」
 にやりと笑った飛十郎にむかって、清右衛門は慌てて手を横に振った。
「とんでもございません。これは主人から出た知恵でございます。いかがでございましょう。弥助さんの屋台で酒を酌み交わすならば、けっして窮屈でも堅苦しくもなく、ご面倒でもないと思いますが」
 思わず苦笑した飛十郎に、すかさず清右衛門は誘い水をむけた。見事な、商いの呼吸であった。
「よかろう。おぬしたちの策に乗ってやろう」
 飛十郎は、袖に手を入れた。
「ありがとうございます。これで主人も喜びます。てまえも使いの役目がはたせて、ほっといたしました」
「ただし、おれは歩いて行く。むかえの駕籠には乗らんぞ」
 戸に手を掛けると、腰高障子をさっと引き開けた。


三 小梅村

 吾妻橋をくぐって、少し大川を逆のぼると、こんもりとした水神の森が見えてきた。
 越後屋が用意した屋根舟の舳先が、軽く桟橋に突き当たると飛十郎はひらりと身を躍らせた。
「これはまた、お身の軽い……」
 清右衛門が驚いたように、船頭と顔を見合した。飛十郎は目の前の向島堤へ上る細い坂道を、さっさと登りはじめた。慌てて清右衛門が、その後を追って行く。
 駕籠に乗るのを飛十郎が断わった時に備えて、屋根舟を用意している。さすがは三井八郎右衛門だと、飛十郎は感心していた。
 堤へ立つと、飛十郎はふところ手をしたまま周囲を見廻した。左手には梅若塚で有名な木母寺の屋根が小さく見え、正面には白髭明神の鳥居を見おろしている。春ともなれば花見の老若男女で賑わう向島堤の上も、冬の黄昏の今は人影ひとつ見えなかった。
「いえいえ、すぐそこでございます。その先の木立の向こうに、明りがたくさん灯っている屋敷が見えますが、あそこでございます」
「ほう、あれがそうか。対岸に見える吉原が、江戸の不夜城といわれているが、その廓に負けぬ灯の数ではないか」
 飛十郎は、あきれたような声を出した。
「これは、とんでもないことをおっしゃいます。とても吉原にはかないませぬ。それに今宵は早船さまをお迎えするための、特別な趣向。いつもは、ごく質素なお暮らしでございます」
「三井の総本家が、質実剛健な家風だとは噂に聞いたことがある」
「はい。越後屋初代の三井高利さまが、書き残されました家法の筆頭が、それでございます。それを堅く守りましたゆえ、三井家はただいまの七代目まで続いたわけでございます」
「だろうな。おれが知っている商家も、ほとんど三代で潰れているからな。新しく店を出すのは楽しいが、そいつを何代も続けていくのは、むずかしいようだな」
「さようでございますとも。てまえどもが苦労しておりますのも、そこでございます」
 そう言って清右衛門は、ふところから出した手拭いで顔の汗をふいた。
「早船さまはえらく足が早うございますな。追いつくのに骨が折れました」
「ふ、ふふ。ならば名を早船ではなく、早足飛十郎にしてもよいぞ、清右衛門」
 にやにや笑いながら、飛十郎は言った。
「またご冗談を。ご評判の通り、早船さまは面白いお方でございますな」
「ふん、おれが面白いと誰に聞いた。鰻の弥助か?」
「いえ、弥助さんじゃございません。お仲間の佐吉さんのほうで」
「際師の佐吉か。あやつの口には、おれも勝てん」
 苦笑いをすると、飛十郎は木立の間にちらちらする三井屋敷の明りを見おろした。
「江戸で一番といわれる助太刀人の早船さまが、佐吉さんが苦手だとは不思議でございますな。てまえは、この世の中で早船さまが苦手なものなぞ、一つもないと思い込んでおりましたが」
「馬鹿をいえ。おれは佐吉のうるさいおしゃべりが苦手なだけだ。そういえば、ほかにも苦手はいろいろあるぞ。妙に親切な大名や、なれなれしい御家人。それに気の強い芸者などは、とくにかなわん」
「ははあ、気の強い芸者でございますか。なるほど」
 怪訝そうな顔で、飛十郎は清右衛門を見た。
「べつに感心することでもあるまい、清右衛門」
「さようですな。さあ、旦那さまが首を長くしてお待ちでございましょう」
 そう言いながら清右衛門は先に立つと、折れ曲がりながら下る坂道を歩き出した。このあたりは大名の下屋敷が多い。その間に旗本や豪商の別邸が点在している。音羽屋の屋号で知られている歌舞伎役者の三代目尾上菊五郎もこの付近に居住し、そのため名字を寺島と名のっているとは飛十郎も耳にしていた。
 曲がりくねりながら続く細い道は、田圃を抜けてその先にある小梅村のほうへ向かっている。清右衛門は、よく手入れされた生垣の風雅な枝折戸の前で足を止めた。
「ようやく着きました。早船さま、こちらでございます」


四 延寿太夫

 清右衛門が押し開けた枝折戸の前で、飛十郎は無精髭をこすりながら、中へ入るのをためらっていた。
 ご公儀をはばかってか、門構えこそ質素だったが、うっそうと樹木が茂った庭は、近くにある大名屋敷など比べものにならないほど大きい。
――これは、うかつには入れぬ。足を踏み入れれば、必ず面倒なことに巻き込まれる…… ふところ手をして躊躇している飛十郎の胸の内を見抜いたように、清右衛門は背後へ廻った。
「敵の大手門まできて逃げようたって、そうは問屋がおろしませんぞ」
 ぐいと背中を押されて、飛十郎はよろめくように枝折戸の中へ入った。
「なにせ、てまえどもの店は、呉服物の問屋も兼ねておりますからな。は、はは」
 してやったりという顔で、楽しそうに清右衛門は笑った。
「へたな冗談を申すな。べつに、おれは逃げようとは思っておらん」
 袖から手を抜き出した飛十郎は、舌打ちをして木立の中の道を歩き出した。
「さいわい月も出てまいりました。お足元も悪くはございませんが、手代が提灯を持ってそこの橋のたもとまでお出迎えをしております」
 指差す先に目をやると、見覚えのある若い男が提灯を片手に、飛十郎にむかって頭を下げているのが見えた。足元を照らす明りにみちびかれて、木立の中の道を飛十郎はかなり歩かされた。
「まだか? わざと遠廻りしているのではあるまいな」
「とんでもない、これが一番の近道でございます」
「いったい、どこにいる」
「旦那さまは、その築山を越えた先にある大池の島にいらっしゃいます。なに、すぐそこでございます」
「おれがいっているのは、おまえの主人の八郎右衛門のことではない。弥助のことだ」
「さようでございますか」
 いらいらした口調の飛十郎の念押しにも、清右衛門はけろりとした顔で答えた。
「おれは、ここへ越後屋の当主に会いにきたのではないぞ。鰻屋台で一杯やりにきたんだからな」
「はいはい。よくわかっておりますとも」
 なにやらうれしそうな顔をすると、清右衛門は飛十郎にむかって何度も頭を下げて見せた。
 高い築山の頂きを越えた瞬間、澄んだ音締めの三味線にのって、冴え渡る月光に似た、朗々とした唄声が流れてきた。
「む。見事な……、誰が唄っているのだ清右衛門」
 飛十郎は、思わず耳を澄ませて聞き惚れた。
「当代評判の、清元延寿太夫にございます」
 うれしげに、清右衛門がまた一つ頷ずいた。
「ふうむ」
 飛十郎が、足を止めたのも無理はない。清元延寿太夫といえば、富本節で英才を認められて富本豊後路清海太夫を継いだものの、それにあきたらず離反し、新しく清元節を創始して富本節一派から命を狙われているほどの人物だ。
「……さすがに、不世出の名人といわれるだけのことはあるな」
 池に張り出した座敷の広縁に、扇子を手にした男と三味線を弾くの姿が見えるが、遠すぎて顔はわからなかった。
「さ、早くまいりましょう。あの大池へ渡る橋のむこうへ、弥助さんの屋台がございます。もう鰻を焼く匂いは流れてきているではございませんか」
 客引きような清右衛門の言葉に、飛十郎はごくりと喉を鳴らした。広い池の中に造られた島へ渡る橋は、幅が一間(約1・8メ−トル)長さは五間(約9メ−トル)もあった。その橋を渡った先に、弥助の鰻屋台はあった。
「早船の旦那、遅かったじゃござんせんか。へ、へへ、あんまり遅いんで、あっしと弥助の首が、もう少しで鰻みてえに伸びちまうとこでしたよ」
 目ざとく飛十郎を見つけて走ってきた佐吉が、笑いながら頭を下げた。
「あいかわらずの、へらず口だな佐吉。商売のほうは、どんなふうだ」
「へ? 人形ですかい。まだ口開けですから、ぼちぼちといった所でさあ。でもね、越後屋のおじょうさんが、京下りの有職雛(ゆうそくひな)を買ってくださることになったんで、今年はもうそれだけで暮らしていけまさあ」
「そうか。そいつは、よかったな。その話は、あとでゆっくり聞こう」
 佐吉を押しのけるように、飛十郎は橋の上を歩き出した。
「わかってますよ。喉が渇いてたまらねえんでしょう。旦那を見たとたん、弥助が酒の燗をつけやしたからねえ。もう呑み頃でござんすよ」
 佐吉の声を背中で聞いて橋を渡ると、飛十郎は鰻屋台へむかって歩いていった。
「いらっしゃい、旦那!」
 声と一緒に皿に置いた杉枡の中へ、なみなみと燗酒がそそぎ込まれる。弥助の顔を見るのもそこそこに、飛十郎は枡を持ち上げると、喉の奥へほどよく温(ぬく)もった酒を流し込んだ。
「むう……こいつは……」
 うまい、という言葉が出てこないほど、舌と喉にしみ込んでいく。
「旦那、ひれでございます」
 飛十郎が枡を置くと同時に、すかさず弥助が串を二本差し出した。絶妙の間である。
「うむ」
 と、うなって鰻串を歯で噛みしめると、油ののったひれ肉のうま味が、じんわりと口いっぱいに広がっていく。酒のこくと切れが何倍もふくらむような、酒呑みにとってはたまらない瞬間であった。
 その間を狙ったように、三井八郎衛門が娘のお雪をしたがえて姿をあらわした。
「早船さま、このたびはまことに、ありがとうございました。おかげさまで、娘も命を永らえましてございます。お礼の申しようもございませぬ」
 総絞りの鹿の子模様の長振り袖を着たお雪が、父親にうながされて頬を赤らめながら頭を下げた。
「あ、いや。礼をいわれることではない。娘ごがさらわれたとき、たまたま近くにいただけのことだ」
 酒枡に手を掛けたまま、飛十郎は当惑したように頭を掻いた。
「いえいえ、近頃は往来でひとが危難にあっていようが、見て見ぬ振りをして自分さえ助かればよいという風潮でございます。あのとき早船さまが近くにいなければと思いますたび、背筋がぞっといたします」
 八郎右衛門はそう言いながら、そっと飛十郎のとなりの空樽に腰をおろした。
「弥助さん、わたしにも酒を一杯と自慢の鰻串を、ひと通りお願いいたしますよ」
 にこやかに笑いながら、天下の豪商三井八郎右衛門が、たかが屋台の鰻売りにむかって頭を下げた。たちまち飛十郎は、越後屋三井の当主が気に入った。
「なんだ越後屋、まだ弥助の鰻串を食べていなかったのか?」
「あたり前でございます。娘の命の恩人の早船さまがこられる前に、どうして手前どもが 鰻串をたべられましょう」
「ほう、そういうものかな」
「そういうものでございますとも」
 弥助は枡と皿を八郎右衛門の前に置くと、湯気が立つ燗酒をなみなみとそそいだ。酒は枡の縁をあふれ出て皿の上にたまった。
「なるほど、手堅いものだ。世間の評判通りだな」
 八郎衛門は、胸を張った。
「はい。これが三井の家風にございます。子供の頃から、祖父や父から強くいい聞かされておりますので」
「ようし、気に入った。その酒、この早船飛十郎がおごるぞ。おい弥助、今夜の酒代はすべておれが出すからな。どんどん鰻串を焼いて、酒をつげよ。いいな!」
 これには、八郎右衛門も驚ろいた。
「もし早船さま、それは困ります。今宵お招きしたのは、お礼をするためでございます。早船さまに馳走して頂いては、顔が立ちませぬ」
「いいから呑め、八郎右衛門。手堅いのはいいが、あまり窮屈なことを申すと、これで帰るぞ。弥助、勘定はいくらだ」
 立ち上がると飛十郎はふところへ手を手を差し入れて、八郎右衛門を見下ろした。
「わ、わかりました。早船さまの、おっしゃる通りにいたします。おとなしく相伴になります。ご馳走になります」
 慌てて枡に手を伸ばすと、酒がこぼれるのもかまわず口をつけた。八郎右衛門の顔色が変わっていた。
 歌川広重の『名所江戸百景』や斎藤孝雄・幸孝編補修の『江戸名所図会』にも江戸名物の一つとして登場し、呉服絹物をあつかう本店と太物木綿の支店と隣接の三井両替店との売り上げを合わせて日千両といわれて、豪勢を誇った三井八郎右衛門の顔色を変えさせた浪人者はおそらく飛十郎だけであったろう。


五 絶妙の間

「ふ、ふふ。天下の越後屋も、枡酒の呑み方は知らぬとみえる。もったいない、それでは大事な酒がこぼれてしまうぞ。こうやってな……」
 飛十郎は空樽の上に座り直すと、枡のほうへ顔を寄せて、枡の縁に口をつけて直接酒をすすり込んで見せた。
「呑んべえと申すのはな、ことのほか意地汚なくてな。枡から一滴もこぼさず呑むものなのだ。生まれついての分限者にはわかるまいが」
「これは、恐れ入りました。この歳になりまして八郎右衛門、早船さまに一つ教わりましてございます」
 言いながら瓢(ひょう)げた顔で、八郎右衛門はぽんと自分のひたいを指で叩いて見せた。横に立っていた娘のお雪も、つられたように袖を口に当ててくすくす笑い出した。
「これ、お雪。おまえがあれほど会ってお礼をいいたがっていた早船さまが、お見えになったのだぞ。笑ってばかりいないで、早く礼をいわないか」
 父親にうながされても、耳まで真っ赤に染めたお雪は、袖で顔を隠したままうつむいているだけである。
飛十郎は話を変えた。
「そういえば、さっき大番頭の清右衛門に聞いたが、清元節の延寿太夫が当家と関わりがあるそうだな」
「それでございます、早船さま」
 八郎右衛門は、身を乗り出すようにして飛十郎を見た。
「このお雪が、無頼の者にかどわかされそうになったきっかけは、清元延寿太夫でございます」
「ふうむ。いったい、どういうわけだ」
 好物の、えり串を口に入れて油ののった鰻肉を噛みながら、飛十郎は父親の背中に身を隠すようにしたお雪に目をやった。
「堺町の中村座へ芝居を見にいったお雪が、舞踊狂言のひと幕で、延寿太夫の美声を耳にしたことが、そもそもの始まりでございました」
「無理もない。あの声には、誰でも聞き惚れる」
「早船さまも、おわかりでございますか。てまえも娘に無理矢理ひっぱられていきましたが、ひと声聞いて、とりこになりました」
「うむ。築山を降りるあいだ、何度も抜き討とうとしたが毛一筋ほども隙がなく、どうしても斬れなかった。居合の剣理にも通じる、絶妙の間と調子の高さであった」
 八郎右衛門は飛十郎の言葉に、深くうなずいた。
「町人のてまえには剣の道はわかりませぬが、延寿太夫の唄節を耳にしました時は、鳥肌が立ち、髪の根がゆるみ、身がすくむような心地がいたしましたのを、今でもはっきりと覚えております」
 飛十郎は酒枡を置くと、夜空の星を見ながら何かを思い出したような顔をした。
「そうであろう。その昔、将軍家指南役の柳生但馬守が、江戸城において能の名手の舞いを拝見のおり、やはり討ち込もうとしてどうしても討ち込めず、名人というものは舞いも剣も同じ位を持つものと感嘆したということだが、延寿太夫も同じ境地にたっした名人なのだろうな」
「はい。その名人の芸にまずお雪が惚れ、さそわれて中村座をのぞきに行った、てまえが虜(とりこ)になりました」
 身をのり出すようにして、八郎右衛門が言った。
「そうだろうな。今では江戸中の芝居好きが、これまでの富本節を見捨てて、清元節に乗りかえたような騒ぎだそうではないか」
「さようでございます。富本節は落着きと渋さがあってよろしゅうございますが、曲調が地味でございます。それにくらべますと、清元のほうは華と艶と色気がございます。それが江戸歌舞伎の舞踊狂言にぴったりと合い、町人たちの喝采をあびる元となったと思います」
 そう言いながら八郎右衛門は、何度もうなずいた。
「富本節と清元節の違いはよくわかったが、それが今度のお雪のかどわかしと、どうかかわりがあるんだ」
 無精髭をなぜ廻しながら、飛十郎は首をかしげた。
「じつは、清元節を舞台で使うように仕掛けた影の張本人は、この三井八郎右衛門なのでございます」
「そうか。それなら納得がいく。延寿太夫のうしろ楯になった、おぬしを恨んでお雪どのをかどわかそうとしたわけだな」
「はい、ほかに心当たりがございませぬ。富本一派の仕業にちがいございません」
「ううむ」
 思わず飛十郎は、うなり声を上げた。
「いかに清元節が気に入り、娘可愛さのあまりとはいえ、大変なことに手を出したものだな八郎右衛門。清元を舞台にあげるには相当な根回しも必要であったろうし、えらく……」
 金もかかったろう、といいかけて飛十郎は苦笑いをした。相手は江戸で一番といわれる呉服・両替商の大富豪、越後屋三井の当主である。たとえ千両二千両かかろうが、痛くも痒くもないだろう。
「たしかに大変でございました。江戸三座といわれる中村座、市村座、森田座の座元や頭取、それに人気役者の市川団十郎や尾上菊五郎をはじめとする役者衆にも、くまなく根回しをいたしました」
「そうだろうな」
 ひれ串につづいて皿に置かれた、えり串をほうばりながら飛十郎が相?をうった。
「それでも、ありがたいことに、力をかしてくださるお人もいらっしゃいます」
 八郎右衛門は、うれしそうな声を出した。


六 用心棒

「ほう。誰だ、それは?」
「早船さまも、名はご存知だと思いますが、狂言作者の鶴屋南北先生でございますよ」
 なみなみと注がれた酒枡へ顔を寄せていた飛十郎の動きが、ぴたりと止まった。
「東海道四谷怪談を書いた、あの南北が味方をしたというのか」
 驚いた飛十郎に、黙ってうなずいた八郎右衛門の視線が、さりげなく飛十郎の背後を見た。その前に飛十郎の耳は、橋を渡って近ずいてくる足音がかなり歳をとった老人のものだと聞き取っていた。
「うれしゅうございますな。早船さまがてまえの名と、苦心して作りあげた芝居を知っておいでになられたとは」
 声とともに暗がりの中から滲み出すようにあらわれたのは、とうに七十歳は越えたと思われる老人で、その名の通り鶴のように痩せていた。
「いや、あの夏狂言はおもしろかった。とくにあの髪梳きの場面だ。櫛で髪をすくたびに長い髪がごっそりと抜け落ちて、赤い血がたらたらと流れ出す趣向には、ぞっとさせられたぞ」 
「あれに目をお止めになるとは、早船さまは大向こう負けぬ見巧者でございますな」
 佐吉が差し出す空き樽に腰をおろしながら、いかにもうれしそうに南北は笑った。
「なに、そういうわけでもないが、伊右衛門の女房どのが、お歯黒をつけ髪をくしけずるところが、派手な道具仕立てで驚かされるより、よほど恐さを感じさせられたな」
 わが意を得たように、南北はうなずいた。
「てまえが苦心しましたのも、そこでございます。大仕掛けなからくりもよろしいですが、それよりご婦人が日常になさる化粧という所作のなかに、男にとっての真の恐怖があると思いつきました」
「たしかに、肌に粟粒が生じるとはあのことだったな。見ているうちに、なにやらあやしい者がうしろから窺(うかが)っているような気がして、思わず振りむいたほどだ」
 飛十郎の言葉を聞いて、会心の笑い声を上げると南北が膝を叩いた。
「は、ははは、豪胆で有名な助太刀人の早船飛十郎さまを、震えあがらせたとは作者冥利につきました」
我儘(わがまま)な人気役者たちが手こずる、気むずかしい大南北も、たちまち飛十郎が気に入ったとみえる。
「買いかぶりだ。豪胆どころか、おれは化物や幽霊が大嫌いな臆病者だ」
 困惑したように頭をかいた飛十郎を見て、南北がうれしげな顔をする。
「ところで八郎右衛門に聞いたが、南北どのは清元節の売り出しに、ひと役買ったそうだな」
 南北の顔が、それを聞いて一段とうれしそうになった。
「あの男が、まだ二代目富本斎宮太夫になる前から、てまえは目をつけておりました」
「うむ。唄や三味線のことはよくわからんが、延寿太夫というのはそれほど抜きん出たものを持っているのか」
「そうですな。てまえが見るところ、あと二、三年もすれば日本国中の芝居小屋から富本節は追い出されて、清元節にとって変わることになるでしょうな」
「……それほどのものか」
築山越しに流れてくる延寿太夫の唄声に、飛十郎は耳をかたむけた。
「けだし不世出の名人といえるでしょうな」
「ならば、富本一派にとっては死活問題。どんな手を使っても、妨害するだろうな」
 飛十郎の顔が、不安げにくもった。
「心配なのは、そのことでございます。早船さま」
 八郎右衛門が身を乗り出すようにして、口をはさんだ。
「お雪は危ないところを、早船さまに助けられましたが。そうでなければ、どんな辱めを受けていたかと思いますと、ぞっとして生きた心地がいたしませぬ」
 飛十郎は、腕組をしてうなずいた。
「たしかに、また襲ってくるかもしれんな」
「この次は、どのような汚い手を使ってくるか知れませぬ。お願いでございます、早船さま。あなたさまの居合で、お雪の命を守ってやってくださいませ」
必死な声で頼み込む父親の横で、お雪が消え入りそうな心細い顔で頭を下げた。
「しかし、おれの本業は仇討の助太刀だからな。用心棒というのは、どうもなあ」
 江戸で住み暮らす者の楽しみの一つとして、三座の芝居をたまに覗く飛十郎だったが、複雑な芸人社会のことなど何も知らない。面倒な揉め事に巻き込まれるのを嫌った飛十郎は、にべもない口調で断わった。
「で、ございましょうが、早船さま。それでは、このお雪がまたさらわれます。俗に一度人の命を助ければ、一生その人間を守らなければならぬ、と申します」
 八郎右衛門の言葉を、飛十郎は前に何処かで聞いたことがあるような気がしていた。
「それに、助太刀とは困っている人間を助ける剣、という意味もあるのではございませんか。どうかこのお雪を助けてやってくださいませ」
 娘を思う親のこの言葉も、飛十郎の耳には痛かった。腕を降ろすと、飛十郎は夜空を見あげた。澄み渡った冬の空に、いつあらわれたのか細い三日月が光っている。
「だが、江戸できこえた越後屋の財力をもってすれば、用心棒なぞ何十人も雇うことが出来るではないか。おれに声をかけることもなかろう」
「いいえ。金に目がくらんだ浪人者や剣客を何十人何百人雇っても、お雪の命を守ることは出来ませぬ。無欲な早船さまでなければ、この困難な役はつとまりません」
「それも、買いかぶりだ。おれだとて欲はある」
 二人の隣りで、無表情に弥助が出す鰻串を食べていた南北が、飛十郎の言葉を聞いて、かすかに笑みを浮かべた。
「それに、この話、おれの一存ではきめられぬ」
「といいますと、どなたかを通してお願いすればいいのですかな」
 さすがに商人(あきんど)だけあって、わかりが早い。
「まあ、そういうことだ」
 そっぽを向いて、飛十郎は頭に手をやった。
「娘のためだ。金ならいくらでも出しますぞ」
「ならば、本所松阪町の安達屋藤兵衛に声をかけてくれ。金はそれほどかからんと思うぞ。ものには相場というものがあるからな、八郎右衛門」
「わかっております。てまえは、これでも商人ですからな」
 引き受けてくれるめどが付いてほっとしたのか、八郎右衛門の表情が晴れやかになった。
「おぬしが商人の中の商人であることは、江戸に住む者なら誰でも知っていることだ」
「恐れ入ります。では安達屋さんが承知すれば、明日からでもお雪を守っていただけますな、早船さま」
 名高い越後屋三井の当主がわざわざ出むけば、藤兵衛が二つ返事で引き受けることは目に見えている。
「そういうことになるな」
 苦い顔をすると、飛十郎は無精髭をこすって答えた。
「めでたく話がつきましたな」
 南北が名の通り、鶴のように長い首を伸ばして話に割り込んだ。
「てまえも、お雪ちゃんとはまだ産衣を着ていた頃からの顔なじみ。早船さまが助太刀人を引き受けてくだされば、まさしく鬼に金棒。越後屋さんも、大安心でございますな」
 そこは狂言作者の鶴屋南北、飛十郎がこだわっている用心棒という言葉は使わない。


七 明烏

「それでは早船さま、席をかえて呑み直しましょう。あちらの座敷に、料理屋の板前が腕によりをかけた酒肴(しゅこう)を用意させております」
「いや、おれはここがいい。せっかくだが、おれはどんな天下の珍味より、弥助の屋台店の枡酒と鰻串が一番うまいと思っている」
 そう言いながら飛十郎は、うれしそうに湯気の立つ枡酒を呑み乾した。八郎右衛門は困ったように南北の顔を見た。
「それならば、てまえもここでけっこう。越後屋さんの別邸で、閻魔堂橋の弥助さんの鰻串を賞味できるとは、思いがけない幸せ。は、はは、どんな趣向よりも、この酒肴のほうが南北は気に入りました」
 芝居を書く人間らしく、洒落をきかして南北は笑った。
「これは、気がきかぬことで。そういえば早船さまは、この八郎右衛門の家ではなく、弥助さんの屋台へ呑みにこられたのですな。わかりました、ではすぐにここへ呼びましょう」
「いったい、誰を呼ぶのだ」
 うまそうに鰻肉を喰っていた飛十郎が、八郎右衛門の顔を見た。
「いうにゃ及ぶでございますよ、早船さま」
 と言って八郎右衛門は、幇間のような仕草で額をぽんと叩いた。お雪を飛十郎が守ってくれることが、よほどうれしいとみえる。それを見て、お雪が袖で口を隠しながら、くすくす笑い出した。
「清元延寿太夫と、早船さまも顔なじみの深川櫓下の小吉姐さんでございます。これお雪、笑っていないで早くお二人を」
「いえ、旦那。そのお役目は、この佐吉めにおまかせを……」
 黙って聞き耳をたてていた佐吉が、素早い身のこなしで屋台から飛び出すと、橋を渡って築山のほう
へ駆け出していった。
 それから、しばらくすると―――。
遠くで聞えていた三味線の音が、ゆっくりと弥助の屋台で呑む飛十郎のほうへ近ずいてきた。年はとっても鶴屋南北は、さすがに好奇心が旺盛で耳ざとい。
「おう、これは粋じゃ。ごらんなされ、早船さま」
 橋のほうを見ると、南北は飛十郎を肘でこずいた。
「日本一の、流しでござるぞ」 
 佐吉の提灯に足元を照らされて、橋へ近寄ってきた二人連れが、飛十郎が振り向くのを待っていたように、冴えた声で唄いはじめた。渋い鶯茶の小紋の着流しに、黒の細めの献上博多をきりっと締めた四十半ばの町人が、手にした白扇で口元を隠したまま飛十郎たちにむかって歩いてくる。とたんに、酒枡を呑もうとしていた飛十郎の動きが、ぴたりと止まった。
 新内流しに扮した清元延寿太夫の二、三歩あとから、糸を爪弾きながら橋を渡ってきたのが髪に手拭いを被って顔を隠した小吉だとわかったからだ。
「このたびは、わたくしどもの一番かわいい弟子のお雪さんの命を助けていただき、この延寿太夫こころよりお礼を申しあげまする」
 飛十郎にむかって挨拶すると、頭上の手拭を取って延寿太夫は丁寧に頭を下げた。
「あ、いや。それは……べつに、その、あれだ」
 うろたえた飛十郎が、意味をなさぬ返答をするのを聞いて、南北と八郎右衛門親娘が思わず頬を崩した。
「今宵のこの宴に、ささやかながら華を添えるべく、参上つかまつりましてございます。お客さま方、どうかお好みの曲名をご注文くだされませ」
「そうさな、今夜の主役は早船さまじゃ。まず最初に注文なされ」
 悪戯っぽい南北の声にせかされて、飛十郎は目を白黒させた。
「これは、迷惑な。好みをいえといわれても、清元など一つも知らぬ。それどころか清元と富本、長唄と新内のくべつさえつかぬ無粋者だからな」
 それを聞いて、名人延寿太夫がいかにも楽しげな顔をした。
「けっこうですな。清元でなくとも、早船さまがご存知の曲があれば、なんでも唄ってみせましょう」
 これは面白い、とばかりに一座の者が身を乗り出して、飛十郎と延寿太夫を見くらべる。
「う、うむ。ならば……、いつぞや市村座で見た〔明烏(あけがらす)〕とかいうのをたのむ」
 苦しまぎれに飛十郎は、とぼしい知識の中から、うろ覚えの曲の名をひねり出した。
「よろしゅうございます。ですが早船さま、明烏には夢泡雪(ゆめのあわゆき)と花濡衣(はなのぬれころも)がございます。どちらにいたしましょう?」
〔明烏夢泡雪〕は吉原の遊女浦里と、春日屋時次郎の情話と廓情緒を描写して、一世を風靡した初世・鶴賀若狭掾作詞曲の新内の名曲である。
「おれには、わからん。どっちでも太夫のいいほうにしてもらおう」
 もう一つの〔明烏花濡衣〕のほうは延寿太夫自身が作曲した、これも清元の名曲である。
「はて、どちらにしましょうかな」
 新内か清元か――、南北と八郎右衛門は固唾を呑んで延寿太夫を見守った。
「おお、そうだ。今宵は、せっかくのこの扮装(いでたち)。小吉さん、新内流しに徹しましょう。明烏夢泡雪をお願いしますぞ」
 延寿太夫の言葉に軽くうなずいた小吉が、しっとりした音色(ねいろ)で明烏の出だしを爪弾きはじめる。つづいて延寿太夫が、雲間に輝く三日月の投げかける光に負けぬ、冴えた声で唄い出す。
「む……、これは」
 星空の中天に舞うような心地を覚えて、飛十郎は思わず嘆声をもらした。
 酒枡を手に持つ者も、鰻串を口に運びかけた者も、その場に居た者は一人のこらず雷に打たれたように
動きを止めた。
 延寿太夫が唄い終え、三味線の音が鳴りやんでも、しばらく余韻を惜しむかのように、しゃべる者はいなかった。
「……いや、お見事。二十五年ほど前になるかの。二代目鶴賀新内の唄う明烏を聞いたことがあるが、あれに勝るとも劣らぬ名人芸じゃ」
 南北が、感に堪えぬ声を出した。
「これは、うらやましい。てまえは残念ながら、二代目の明烏は聞きもらしました。ですが、今夜は延寿太夫の新内を思いがけなく耳にすることが出来まして、まことに満足でございます。これも早船さまのおかげと感謝しております」
 八郎衛門に頭を下げられて、飛十郎はとまどったように無精髭をこすった。
「なに、礼をいわれることもない。ふと、頭に浮かんだので、明烏といったまでのことだ。しかし、その鶴賀新内というのは、それほどの名手だったのか」
 飛十郎は、そう言って南北の顔を見た。
「それはもう、当時天下一の美声と喝采され、それまで鶴賀節といわれていた呼び名が、新内節に変わったほどですからな」
「ほほう。その新内にくらべても、この延寿太夫は引けをとらぬ美声だというのだな」
「はい。本人を前にして口にするのもなんでございますが、鶴賀新内にくらべ、この清元延寿太夫のほうが格段に上の位だと、この老人が保証いたします」
 鶴屋南北が、目の前に立つ延寿太夫を見ながら、きっぱりと言い切った。
「これは、めでたい。名人は名人を知ると申します。大南北先生に極め印を押された延寿太夫こそ、まことに不世出の達人。さあ、太夫も小吉も、早く皆さんと一緒にすわって、弥助さんの鰻串で一杯やりなされ」
 浮き立つように陽気な八郎右衛門の声に、延寿太夫も楽しげに南北の横に腰をおろす。すかさず杉枡が置かれて弥助が酒を注ぐ。皿の上に鰻のひれ串が並んだ。
「うまい。さすがは、早船さまが贔屓にされるだけはありますな」
 燗酒を一口呑み、ひれ串を食べた延寿太夫が声を上げた。
「でしょう。この南北の住まいは黒船稲荷、さいわい弥助さんが屋台を出す閻魔堂橋は、深川の同じ町内。芝居町への行き帰りには、いつも立ち寄っております。いずれ太夫も、やみつきになりますぞ」
「いえ。もう、やみつきになっております」
 延寿太夫の答えに、一座はどっと笑い崩れた。
 歌舞伎舞踊の音曲を作る芸人と聞いて、さぞ色の生白いなよなよした男だろうと思っていた飛十郎の予想は、見事にはずれた。肌こそ浅黒いが役者といっても通るほどの、目に張りのある筋肉質のたくましい躰つきをしている。四十後半ということだが、どう見ても三十そこそこしか見えない。
「お雪どのは、たしかに守る。だが、本当に危ないのは延寿太夫どのだと、おれは思うが」
 口にふくんだ燗酒を、ゆっくりと呑みくだした飛十郎が、気がかりそうに延寿太夫の顔を見た。
「おれなら、かならず延寿太夫どのを襲う」
 確信ありげな飛十郎の言葉に、八郎右衛門と南北は大きく頷ずいた。
「危ないから一人歩きはやめてくれと、口がすっぱくなるほど頼むのですが、いっこうに聞いてくれませぬ。よほど腕に自信があるようで……」
 八郎右衛門が、にがい顔をした。
「ふむ、腕に覚えがな。たしかに目のくばり、身のこなしにも隙がなく、ただ者ではないと見たが。延寿太夫どのは、剣の修行をされたのか」
「いえ、剣術ではございません。柔術を少しばかりたしなみました」
 芸人の身分をわきまえているのか、延寿太夫は両の手を膝の上に置くと、つつましやかに目を伏せて答えた。
「柔といえば、関口弥六右衛門だが、延寿太夫どのは紀伊家とかかわりがあるのかな」
「はい。父がお屋敷に出入りをしておりまして、関口さまと知り合い、中屋敷の道場で十年ほど稽古をつけていただきました。まだ子供の頃でございましたが」
 関口弥六右衛門は、号・柔心、戦場における組み討ちの技から、関口流柔術を創始した。のちに柔の技をもって紀州藩五十五万石に仕えたが、それは飛十郎の時代から百五十年ほど前のことになる。延寿太夫に柔術の手ほどきをしたのは、関口流の道統を受け継いだ末裔である。
「しかし、生兵法は怪我のもと、と申すからな。いくら柔の手錬(てだれ)であろうが、暗闇で多勢に襲われては防ぎようがあるまい」
「そうでございますとも。おどし文句にあるように、月夜の晩ばかりではありませんからな」
 枯れ木のような細い背中をそらして、南北は心配そうに延寿太夫を見た。
「ともあれ、身辺(しんぺん)に充分気をつけることだ。何かあってからでは遅いからな」 焼けあがってきた鰻串を口に入れると、飛十郎は酒枡に手を伸ばしながら言った。
「は、ははは。誰かがわたくしめを本気で殺そうと付け狙いますならば、当座はともかく、いつかは殺されましょう。長い間には必ず隙が出来ますからな。ただし、天がまだわたくしめを世の役に立つ者と思えば、殺さずに生かしておきましょう」
 そう言って延寿太夫は飛十郎を見て、にっこりと笑いかけた。何の屈託もない、明るい表情である。それを見て、八郎右衛門が顔をしかめた。
「これですからな。いくら用心するようにいっても、太夫は運を天にまかせたごとく、悟ったようなことをいっております」
「だが、危ないぞ。お雪どののかどわかしに失敗したからには、敵はもっと手荒な手段に出るかもしれぬ。延寿太夫どのがいくら嫌がっても、護衛の手の者をつければいいではないか」
 飛十郎に言われて、八郎右衛門は心外そうな顔した。
「護衛ならば、とっくに三人も付けております。それも幕府指南所の腕ききですからな、太夫さえおとなしくしていてくれたなら、心配しませぬが……」
「というと、延寿太夫どのは逃げ出すのか」
「はい。時おり行方をくらますので、困っております」
 幕府指南所といえば、いうまでもなく江戸城内にある柳生新陰流道場のことである。となれば清元延寿太夫を警護しているのは、大身旗本の部屋住みの次、三男とみてよい。飛十郎が、かってまみえた大和柳生や、兵庫助利厳系統の尾張柳生にくらべ、江戸柳生は技前が一段おとると言われている。飛十郎の胸中を、薄雲のように不安が広がった。
「延寿太夫どの。一日中、三人につきまとわれるのは窮屈、という気持はわからぬではないが、皆んながこれほど心配しているのだ。これからは、おとなしく警護の者のいうことを聞くことだな」
「わかりました。早船さまの、おっしゃる通りにいたします。わがままをいわず、警護のかたがたから離れぬようにいたします」
 気を悪くしたふうもなく、頭をさげると延寿太夫はにこやかに飛十郎や、南北老人や、八郎右衛門の顔を見廻した。
 が、早船飛十郎の不安は、見事に的中した。

             了 〈助太刀兵法36・夢泡雪狐仇討−3−につづく〉








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09/29 08:55 「本日のマーケット」(FX編)・・・株安・円高パターンの継続はドル高圧力を後退
09/29 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落後に落ち着きどころを探る展開。
09/28 08:46 「本日のマーケット」(FX編)・・・東京時間のドル/円は120円半ばを中心にもみあい。
09/28 08:36 「本日のマーケット」(株式編)・・・手掛かり材料難のなか、もみ合い。
09/25 08:53 「本日のマーケット」(FX編)・・・・朝方、イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が年内利上げが適切との見方を
09/25 08:44 「本日のマーケット」(株式編)・・・引き続き弱含みで推移。直近の安値1万7415円61銭を意識。
09/24 08:37 「本日のマーケット」(FX編)・・・・連休明けの東京時間のドル/円は120円前半を中心にもみ合う展開。
09/24 08:26 「本日のマーケット」(株式編)・・・続落スタート。連休中にNYダウが軟調に推移。
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